ページ番号1002704 更新日 平成30年2月16日

サウジアラビア:Gas Initiative プロジェクトが進展、欧米各社が LOI にサイン

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レポートID 1002704
作成日 2001-01-01 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 探鉱開発
著者 猪原 渉
著者直接入力
年度 2000
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ サウジアラビア:Gas Initiativeプロジェクトが進展,欧米各社がLOIにサイン (本誌 2000年10月号 No.375 P.7,12月号 No.377 P.14続報) (2000 MEES 12/11,MEED 12/15,AOG 12/16,ECOMP 11/24,Reuters 12/15 ,12/18) 視点 1.総額1000億ドル規模ともいわれるサウジGas Initiativeプロジェクト。2000年8月に外国 石油会社が見積を提出後進捗がなかったが,12月に入り新たな動き。 2.3つのコアプロジェクトに対する契約候補先が選定され,各社は2000年末までに,Letter of Intentにサイン。2001年3~4月頃に,コンソーシアム方式によるMOUを締結か? 3.しかしコンソーシアムの形態,Saudi Aramcoとの役割分担の明確化等の課題があり,最終合意 までにはなお紆余曲折も予想される。 サウジ特別交渉チーム(統括責任者:Saud外相)は,2000年12月,Gas Initiativeプロジェク ト向けの見積を提出している国際石油会社(IOC)各社に対し書簡を送付し,対象となる3つのコアプロジェクトに関し参加意志を確認するLettr of Intentに2000年末までにサインするよう要請した。これを受けて,RD/Shell,BP,ExxonMobilを始めとするIOC各社は順次LOIへのサインを実施しサウジ側に提出した。 Gas Initiativeプロジェクトは,IOC各社が2000年8月に見積書(投資計画書)を提出した後,特別交渉チームによる見積評価作業が実施されていたため,目立った進捗はなかった。外資開放慎重派の抵抗もあってプロジェクトの実施検討が大幅に遅れているのではとの見方も一部にはあったが,今回のIOC各社とのLOI締結により再び具体化に向け動き出したことになる。 <コアプロジェクトの概要及び契約先候補選定結果> MEES誌によると,Gas Initiativeを構成する3つのコアプロジェクトについて,サウジ側は下記の通り,開発対象範囲の設定(当初予定より一部見直し,本誌2000年10月号参照)及び契約先候補の選定を行った。それによると,見積を提出した11グループ(12社)のうち,TotalFinaElfは3プロジェクト全てに,ExxonMobil,BPの2社は2つのプロジェクトに,RD/Shell,Chevron,Eni,Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - onoco,Marathon,Phillips,Enron/Oxyの7グループ(8社)は1件のプロジェクトにそれぞれノミネートされている。Chevronとの合併が予定されているTexacoは対象会社から外された模様。 1. コアプロジェクト-1(南部Ghawar開発プロジェクト) (cid:122) Hawiyah,Haradhガス田(及びおそらくShaybah,Rub’al-Khaliガス田も含め)の生成ガスの処理を目的としてHawiyahに建設されるガス処理設備(能力28億cfd),Rub’al-Khali地域での天然ガス探鉱,Jubail(及びYanbu)での石油化学設備建設,Jubail,Shuaibah(及びRabigh)での発電及び海水淡水化プラントの建設,等が対象 (cid:122) 契約先候補:RD/Shell,BP,ExxonMobil,Chevron,TotalFinaElf,Eni(計6社) 2. コアプロジェクト-2(紅海地域開発プロジェクト) (cid:122) 紅海北部及びYanbu地区の天然ガス探鉱,紅海北部地区の既発見ガス田であるMidyan(陸上),Barqan(沖合),Umm Luj(陸上),al-Wajh(陸上)各ガス田の開発,ガス田からTabuk,Yanbuまでのガスパイプライン建設,Rabighにおける石油統合精製及び石油化学設備の建設,等が対象 (cid:122) 契約先候補:ExxonMobil,TotalFinaElf,BP,Marathon(計4社) 3. コアプロジェクト-3(Shaybah地域開発プロジェクト) (cid:122) Rub’al-Khaliにおける天然ガス探鉱,Kidanガス田及びShaybahガス田でのガス開発,各ガス田よりHawiyahガス処理設備までのパイプライン建設,等が対象 (cid:122) 契約先候補:TotalFinaElf,Conoco,Phillips,Enron/Oxy(計4グループ(5社)) <今後の見通し及び問題点> これからのスケジュールについては,1月にプロジェクトに関するデータルームがリヤドに開設され,3月ないし4月頃までにIOC各社は最終交渉を経てより詳細な契約条件を定めたMOUを締結することになるとの見方が伝えられている。 しかし,最終的な契約締結に至るまでには紆余曲折があると予想され,特に下記2点の問題点がどのようにクリアーされるかが,今後のポイントであろう。 (1)各プロジェクトのscope及びコンソーシアムの形態をどうするか Gas Initiativeは投資総額1000億ドルともいわれる巨大プロジェクトであり,対象地域・開発Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 2 - 燉eも非常に多岐にわたっている。スーパーメジャーといえども1社での単独契約は不可能であると考えられ,サウジ側は,個別プロジェクト毎に各社がコンソーシアムを組む方式によりプロジェクトを進める方針である。 しかし,対象プロジェクト件数が上記の3コアプロジェクトを含め合計25件に上るといわれており,相互に重複部や接点の多い各プロジェクトの契約範囲の線引きをどうするか(コアプロジェクトのscopeに関する上記のMEES報道も「very preliminary」な段階であるとしており,十分変更はあり得る),IOC が参入にあたり十分魅力を感じるような契約条件(リターン,契約期間,資源へのアクセス権等)を提示できるか,各プロジェクトのコンソーシアムへ最終的に参加する企業及び開発主導権を握る企業をどのような基準で決めるのか,また各プロジェクトにまたがる問題が生じた場合の調整役を誰がつとめるのか,などサウジ側として検討すべき課題は多い。 (2)Saudi AramcoとIOC各社の役割分担の明確化が必要 Gas Initiativeは,石油上流部門を除く広範囲なエネルギー分野を対象範囲としているが,その多くはSaudi Aramcoが既得権やインフラを有する範囲となっており,IOC各社にとってSaudi Aramcoとの共同事業遂行が不可避である。IOC各社は,本プロジェクトへの参入を成功させるため,Saudi Aramcoとの良好なパートナーシップの早期構築を目指していくと強調している。 プロジェクト遂行に当たっては,両者の利権,責任範囲といった役割分担を明確にする必要がある。しかしながら,一石油企業の立場を超えサウジ経済の屋台骨を支える存在である巨大国営企業Saudi Aramcoと,世界中の株主に対する貢献と説明責任を果たすことを最大の企業責務とするIOC各社にとって,互いの立場や利害の違いは小さくない。独占的権益を極力守りたいSaudi Aramcoと,サウジへの参入で将来への布石としてだけでなく出来るだけ実利も取りたいIOCが最終合意に達するまでには一定の時間が必要であるとみられ,交渉は難航することも予想される。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 3 -
地域1 中東
国1 サウジアラビア
地域2
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地域5
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国6
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地域9
国9
地域10
国10
国・地域 中東,サウジアラビア
2001/01/01 猪原 渉
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