ページ番号1002721 更新日 平成30年2月16日

イラン:Enterprise が South Pars 第 6 ~ 8 フェーズの評価作業に 20 %投資を決定、一方、Chevron は第 9 ~ 12 フェーズの入札書類をイラン側に返却

レポート属性
レポートID 1002721
作成日 2001-02-01 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 探鉱開発企業
著者 猪原 渉
著者直接入力
年度 2000
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ イラン:EnterpriseがSouth Pars第6~8フェーズの評価作業に20%投資を決定, 一方,Chevronは第9~12フェーズの入札書類をイラン側に返却 (本誌 2001年1月号 No.378 P.15続報) (2000 MEES 12/25,MEED 12/22,2001 MEES 1/8,MEED 1/5,1/12,AOG 1/1,JNOC-WS,ME) 視点 1.EnterpriseがSouth Parsガスプロジェクトへの参入を表明。ILSA法適用回避を考慮した契約 金額の設定など,日本企業にとっても示唆に富んだ内容。 2.Chevronは,ILSA法有効期限内は活動を自粛する方針に対イラク戦略を変更か。 .South Pars開発プロジェクト第6~8フェーズにEnterpriseが参加 1(1)EnterpriseとPetroparsの合意内容 Enterprise(英国)は,2000年12月19日,South Parsガス田開発プロジェクトの第6~8フェーズに同社が投資比率20%でイランPetroparsのパートナーとして参加することで両者が合意したと発表した。MEED誌によれば,Petroparsは外資比率を49%まで引き上げることを検討中であり,残り29%部分についても他の外国石油会社(会社名不明)と交渉中である。 今回,EnterpriseとPetroparsが実際に契約を締結したのは,South Parsガス田の評価作業に関する契約期間1年間の短期契約である。Enterpriseは契約期間中,Petroparsが実施する3評価井の掘削に対する技術サポートを行うとともに,評価コストの20%に当たる15百万ドルを負担する。両社は1年後に,評価作業の結果をふまえ,プロジェクト全体を対象(投資期間6年間)とするバイバック方式による包括的サービス契約を締結する予定である(Enterpriseのprofitは約15%:MEED報道)。その際,15百万ドルの評価コストは,サービス契約でのEnterprise負担コスト約5.3億ドル(プロジェクトコスト総額26.5億ドルの20%)の一部として充当される。 (2)ILSA法適用回避戦略 注目される米国のイラン・リビア制裁法(ILSA法)との関係であるが,今回の1年間の評価契約Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - フ契約金額(15百万ドル)はILSA法で制裁対象とされる「1件20百万ドル以上」を下回っており,Enterpriseは「今回の契約はILSA法には抵触しておらず,当社の活動は何ら影響を受けることはない」とコメントしている。本年8月に期限切れを迎えるILSA法は更新されないとの判断のもと,Enterpriseは,ILSA法が有効な期間中は,制裁対象にはならない「1年間,15百万ドル」というかなり恣意的な内容で本契約までのつなぎ契約を結んでおき,制裁解除を待って本契約への切り替えを実施するという巧妙な制裁回避戦略を取ったものとも受け止められている。 (3)Petroparsの契約方針 South Parsガス田はペルシャ湾に広がる世界最大のガス田(原始埋蔵量436tcf)であり,25フェーズに分けて開発が進められる予定である。NIOCの準民間子会社であるPetroparsは,第1フェーズの操業担当(100%),第4,5フェーズではEni(60%)のパートナー(40%)であり,第6~8フェーズについても,昨年,約26.5億ドル(100%)でNIOCと契約を締結したと伝えられている。自国企業の育成・優先方針を背景として,100%のオペレーターシップを獲得したものと思われるが,今回のEnterpriseとの契約は,技術力の違いを考慮して,外国企業をパートナー(形式上はサブコン)として起用する事実上の共同事業体方式でプロジェクトを遂行するものである。今後,イラン企業がオペレーターとなったケースでかかる方式による契約が増加することが十分予想され,日本企業を含む他の外国石油会社にとって,今回の契約は,新たな事業機会創出のためのヒントとなるものとして注目される。 2.ChevronがSouth Pars第9~12フェーズの入札書類を返却 イラン日刊紙Entekhabは,2001年1月3日,米国石油企業Chevronが,現在入札が実施されているSouth Parsガス開発プロジェクト第9~12フェーズで同社が以前NIOCから購入した入札書類を「米国政府による政治的圧力が原因で」イラン側に返却した,と報道した。 同プロジェクトは,2000年8月に入札が開始され,現在までに30社近い外国企業が入札書類を購入しており,その中にはChevronを含む数社の米国企業も含まれているといわれている。Chevronは12月に,社内での研究目的で書類を購入したことを認めた上で,「書類購入はILSA法には何ら抵触しない。ただし現時点では,制裁法の制約により,本プロジェクトへの応札は困難である」としていたが,今回何らかの事態変化が原因で,書類返却を決定した模様である。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 2 - ヰ?閧ウれる原因および背景(公団ワシントン及び中東事務所見解)> (1)米国政府としては,イランがパレスチナ問題でテロリスト支援といった何らかの行動を起こ す可能性は否定できず,同国の動きを注視しており,少なくともILSA法の期限切れ(2001年8月)前に制裁を緩和する考えはない。 (2)このような状況下,米国政府としては,少なくとも米国籍企業に対しては,厳格な態度で臨まざるを得ず,イランへの関心を示すChevronやConocoといった米国企業は当面イランへの参入は認められないとの見方。(TotalFinaElfやEniといった欧州企業がイランとの契約を締結した際には,制裁法は適用されなかった。また,Arco(米国籍)を合併したBPが昨年Ahwaz油田開発への参入方針を決めたが,米国政府から特段の圧力があったという話はない。) (3)Chevronとしても,Texacoとの合併を前に,米国政府を刺激するような行動をとることは得 策ではなく,今回,購入した入札書類をイラン側に返却することで,South Pars プロジェクトへの入札取りやめ方針を内外に鮮明に打ち出した(少なくともILSA法有効期限内は,政府方針を遵守し活動を自粛する姿勢を示す政府向けメッセージ)との見方。 (4)本件の発表とともに上記イラン紙は,第9~12フェーズの入札期限が12月末から1月末に延長されたことを報じているが,1月20日のブッシュ政権誕生を機に,米国政府が何らかの制裁緩和策を打ち出し,同社は再び入札に参加できるようになるという筋書きが出来上がっているとのうがった見方(単なるクリントン政権に対するポーズ)もあるが,今のところこの考え方の可能性は低い。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 3 -
地域1 中東
国1 イラン
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 中東,イラン
2001/02/01 猪原 渉
Global Disclaimer(免責事項)

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