ページ番号1002771 更新日 平成30年2月16日

UAE /カタール:ドルフィン・プロジェクト、Enron の撤退により事業計画の再構築が迫られる

レポート属性
レポートID 1002771
作成日 2001-05-29 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 探鉱開発
著者 猪原 渉
著者直接入力
年度 2001
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ <更新日:2001/5/29> <企画調査部:猪原> UAE/カタール:ドルフィン・プロジェクト,Enronの撤退により事業計画の再構築が迫られる (2001 MEED 5/18,Platts 5/15,5/22,Reuters 4/22,5/14,中東事務所(クリッピング)5/22 他) 1. Enronがドルフィン・プロジェクトから撤退を表明。UOGが当面Enron分24.5%を継続するが (合計シェアー 75.5%),新たなパートナーの参加を模索中。 2.Enronの撤退理由は,事業性の判断,投資戦略の見直し,政治的リスク回避の3点か。 1.Enronがドルフィン・プロジェクトから撤退 Enronは2001年5月21日,ドルフィン・プロジェクトからの撤退を決定し,保有していた同プロジェクトの事業会社Dolphin Energy Ltd(DEL)の権益24.5%をUAE Offsets Group(UOG)に売却したことを発表した。これによりUOGはDELの権益75.5%を保有することになるが,あくまで当面の間の措置であり、DELとしてはEnronに代わるパートナーを早急に迎え入れ,UOG保有権益を再度新パートナーに売却する計画である。UOG は,同プロジェクトへの参加に興味を示している国際石油会社との交渉を既に開始したとしており,具体的な参入候補としてConocoとMarathonの名前が取り沙汰されている。なお,EnronとならぶDELのパートナーであるTotalFinaElfは、引き続きプロジェクトにとどまり,同社保有のDELの権益24.5%を継続保有する方針を表明している。 2. ドルフィン・プロジェクトの概要およびこれまでの経緯 ドルフィン・プロジェクトは,カタール産出天然ガスをパイプラインによって湾岸諸国域内(UAE,オマーン)および西アジア(パキスタン)に輸出する事業であり,まずUAEへのガス供給を実現することを目指している。事業主体はアブダビを本拠とするUOGであり,同社は1999年に,QP(当時QGPC)との間でカタール産ガスのUAE,オマーンへの供給に関する合意書を締結したのを手始めに,カタールNorth Fieldのガス開発を担当するExxonMobilとの間でMOUを締結し,さらにオマーン,パキスタン,ドバイの供給先各国とのMOUも相次いで締結した。 2000年にはUOG(51%),TotalFinaElf(24.5%),Enron(24.5%)の出資によりプロジェクトの事業Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - юi会社としてDELが設立された。さらに本年3月に,DELとQPとの間でガス上流開発に関する条件を規定する契約が締結され,North Fieldガス田開発にDELが参加することが認められた。2001年下期よりガス田の掘削を開始し,2004年末から2005年初めにガス生産を開始する計画であり,当初生産予定量20億cfdのガスのうち,10-15億cfdがアブダビに供給され,残りがドバイや他のUAE首長国に供給される。各パートナーの分担としては,上流開発をTotalFinaElfが担当し,Enronはパイプライン建設およびガス販売等を受け持つことになっていた。上記の計画範囲の投資規模は約35億ドルとされており,約20億ドルが上流分野,残りの15億ドルがパイプライン建設等に充当される予定である。 3.Enronの撤退理由 Enron はドルフィン・プロジェクトからの撤退理由として「同プロジェクトの初期段階の進展にEnronは十分貢献し役割を果たし終えた」ためとしている。DELのAl Sayegh会長も「Enronはプロジェクトの立ち上げに多大な貢献をした。今回の決定は,パートナー間の合意に基づくものである」として,「円満離婚」であることを強調している。 しかしEnronが,3月のQPとDELの契約合意から日も浅いこの時期に突然撤退を決めた理由としては,ドルフィン・プロジェクトの収益性が十分なレベルに達する見込みがないと最終的に判断したことがあげられよう。カタールとはガス輸入価格についての交渉が進んでいるようであるが(2001.5.7のMEESは,CIFアブダビ価格1.3ドル/百万BTUで合意の見込みと報道),ガス供給先との売買契約は当面締結の目途が立っておらず,プロジェクトの行方を左右するガス販売価格が未定のままなのは今後の大きなリスク要因であると考えられる。プロジェクトの内容が,当初の想定よりも上流分野の比重が高まり,下流会社であるEnronにとって事業参加の旨味が薄れてしまったという面もあると思われる。 今回の決定は,これまで積極的な拡大戦略をとってきたEnronが,収益性の低い事業を整理し,高い収益の確保が見込めるプロジェクトに専念するという「事業の選択と集中」路線に投資戦略を切り替えたことの表れであるとの見方もある。Enronは今回の決定と同じ5月21日に,インド州政府の代金未払い問題に直面するDabhol発電プロジェクトからの撤退方針も明らかにし,さらにブラジルの発電事業からも撤退すると伝えられている。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 2 - ワた,UOG の中心人物はムハンマド連邦国防軍参謀総長(ザイード・アブダビ首長の三男)であるが,同氏はアブダビとは一定の距離を置くドバイ首長家と近く,またハリ-ファ皇太子(アブダビ最高石油評議会議長,ザイ-ド首長の長男)との間で後継者問題等での確執が伝えられるなど,今後政治的側面でのリスクが顕在化する恐れがあるとの判断が働いたことが,今回のEnronの事業撤退の背景にあるとの見方も一部にある。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 3 -
地域1 中東
国1 アラブ首長国連邦
地域2 中東
国2 カタール
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 中東,アラブ首長国連邦中東,カタール
2001/05/29 猪原 渉
Global Disclaimer(免責事項)

このウェブサイトに掲載されている情報はエネルギー・金属鉱物資源機構(以下「機構」)が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、機構が作成した図表類等を引用・転載する場合は、機構資料である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。機構以外が作成した図表類等を引用・転載する場合は個別にお問い合わせください。

※Copyright (C) Japan Organization for Metals and Energy Security All Rights Reserved.

本レポートはPDFファイルでのご提供となります。

上記リンクより閲覧・ダウンロードができます。

アンケートにご協力ください
1.このレポートをどのような目的でご覧になりましたか?
2.このレポートは参考になりましたか?
3.ご意見・ご感想をお書きください。 (200文字程度)
下記にご同意ください
{{ message }}
  • {{ error.name }} {{ error.value }}
ご質問などはこちらから

アンケートの送信

送信しますか?
送信しています。
送信完了しました。
送信できませんでした、入力したデータを確認の上再度お試しください。