ページ番号1002791 更新日 平成30年3月5日

イラン:South Pars ガス開発プロジェクトで LNG プラント建設の FS 契約を相次ぎ締結

レポート属性
レポートID 1002791
作成日 2001-07-06 01:00:00 +0900
更新日 2018-03-05 19:32:42 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 探鉱開発天然ガス・LNG
著者 猪原 渉
著者直接入力
年度 2001
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ <更新日:2001/7/6> <企画調査部:猪原> イラン:South Parsガス開発プロジェクトでLNGプラント建設のFS契約を相次ぎ締結 (2001 MEES 5/14,5/21,6/25,AOG 5/16,Platts 5/14,ECOMP 6/1,6/15,PIW 6/4, UPSTREAM 6/1,6/8,Energy24 6/19,Dow Jones 6/27,Reuters 6/29) 1.South Parsガス開発のLNGプロジェクト構想が進展。3件のFSが同時進行の見込み。 2.ILSA法は延長必至であるが,米国以外の石油企業各社は引き続き,イランでの活動を強化。 ENIは,Darquain油田開発契約を締結。新バイバック契約を条件付きで受け入れか? 米国の対イラン・リビア制裁法(ILSA法)は8月の期限切れ後も延長される見通しが強まっているが,米国以外の石油企業にとっては,ILSA法は既に有名無実化しており,各社はイランでのビジネス機会拡大に向けた活動を積極的に進めている。 1. TotalFinaElf,PetronasとLNGのFS実施の覚書を締結 NIOCは2001年5月,TotalFinaElf及びマレーシアPetronasとの間で,LNG輸出プロジェクトの FS実施に関する覚書を締結した。South Parsガス田を供給源とする2トレーンのLNGプラント(生産能力8百万T/Y)の建設に関するFSであり,12ヶ月以内にスタディーを完了させる予定である。金額は明らかになっていないが,FS契約に対する各社の権益比率は,TotalFinaElf 36%,Petronas 24%,NIOC 40%であるとされている。 NIOCは既に2001年2月に,BP及びReliance(印)との間でも,同様に,2トレーンのLNGプラント(生産能力8百万T/Y)建設に関する総額10百万ドルのFS(後述)実施で合意している。2件のLNGはいずれも,現在入札中のSouth Parsプロジェクト第11,12フェースに関連するプロジェクトであり,NIOCとしては,インフラの整っているAssaluyehにプラントを建設し,工期の短縮を図る計画である。LNG の供給先については,インド,極東,欧州と場合によっては米国方面も視野に入れているとされるが,具体的な仕向け先は明らかになっていない。NIOC幹部は「2件のプロジェクトを早急に立ち上げ,LNG15百万T/Y体制の早期確立を目指したい」とコメントしている。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - なお,TotalFinaElfとPetronasは,South Parsガス・プロジェクト第2,3フェーズの開発におけるパートナー企業であり,その実績をいかし,第11,12フェーズでの契約締結を狙っている。 2. BP,RelianceのLNG FSにBGが参加を検討か? RD/ShellはLNG/GTLプラント建設を独自検討 上述のBP,RelianceとのFS契約には,BGが興味を示しており,NIOCとの交渉を行っている。BPとRelianceの権益比率(各25%)は変えずに,NIOC持分50%のうち,10%をBGにファームアウトするという方法が検討されているといわれる。BGにとっては,ガス探鉱・開発やLNG建設プロジェクトなどで幅広い実績を有するエジプトに続き,イランにおいても一定のプレゼンスを獲得し,中東地区での供給ソース拡大を図ることが大きな狙いであると考えられる。 一方RD/Shellは,コンソーシアムを組む他社とは一線を画し,単独でSouth Parsプロジェクトに参入する方針の模様である。同社は,上記2件のLNG計画とは別個に, RD/ShellとNIOCの2社共同でLNGのFSを実施することをNIOCに提案し,協議を進めている。また,RD/Shellは,NIOC及びNational Petrochemical Company(NPC)と共に,GTLプラント建設のFSを実施中である。生産能力75千b/d(合成軽油,ナフサ,LPG合計)のGTLプラントをAssaluyehに建設する計画であり,Shell Iranの幹部は「数週間以内に3社によるGTL共同開発契約が締結できると期待している」とコメントした。 3.South Parsプロジェクト第6-8フェーズに,日本商社が参画を検討か South Parsプロジェクト第6-8フェーズは,当初イランPetroParsがNIOCと単独で契約を結び,その後,20%の権益をEnterprise(英)にファームアウトした。Enterpriseは3評価井の掘削を近く開始する見込みであるという。このプロジェクトに日本企業(商社)が何らかの形で参入を検討しているとする記事が,複数の専門誌(PIW,ECOMP,UPSTREAM等)に掲載されている。三井物産,三菱商事などの日本企業が,国際協力銀行(JBIC)から,第6-8フェーズの総投資額28億ドルの75%に相当する21億ドルのファイナンスの調達を計画しているといわれる。 4.(その他のプロジェクトの動向) ENI,Cepsaは,「監視委員会」設置を条件に,新条件でのバイバック契約を締結か? イランでは,2000年後半より,イラン側のメリットの最大化を図ることを目的として,従来のバイバック契約の条件見直しが検討され,2001年2月には各プロジェクトの交渉先各社に新条件が提Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 2 - ヲされた。3月には,新条件で初の契約となるMasjed-e-Suleyman陸上油田開発契約の締結で,Sheer Engineering(加)との間で基本合意した。しかし,他の国際石油会社(IOC)各社の多くは,見直しの目玉となる「ボーナス/ペナルティー条件」が,契約完了後,単独オペレーターとなるNIOCのパフォーマンスに大きく左右され,IOC側はコントロールできないという問題を抱えているとして,新条件のバイバック方式での契約に難色を示したため,一部の小口案件を除き,新規契約の締結は途絶えたままであったが,ここにきて,ENIがDarquain陸上油田開発契約を締結するなど,情勢に変化が生じてきているようだ。 <Darquain陸上油田開発> 2000年7月に,ENIが優先交渉権を得ることでNIOCとの間で基本合意。その後,イラン側のバイバック契約見直し検討の影響で凍結状態が続いていたが,2001年6月30日に,ENIのCEO Mincato氏とイランZanganeh石油相が同油田の開発契約(投資総額約9.2億ドル)に調印した。 <Chesmeh Khosh陸上油田開発> Cepsa(スペイン)が優先交渉権を得ている。同じく凍結状態が続いてきたが,Darquain油田と同様,近く契約を締結するのではないかという観測が流れている。 UPSTREAM(2001/6/8)によれば,ENI,CepsaとNIOCが合意した内容は,概ね,イラン側の提示したボーナス/ペナルティー条項を含む新バイバック条件通りとなっているが,NIOCの操業パフォーマンスに不安を抱くIOC側の意向を反映して,契約期間完了(=オペレーターシップをNIOCに移管)後に「監視委員会」(monitoring committee)を設置することが条件に含まれているという。監視委員会の委員(定員は約10名(プロジェクトの規模により変動))は,NIOC側とIOC側双方が同数のメンバーを出しあって構成される。同委員会の主な機能は,NIOCの操業状況をモニターし,生産に影響を与える問題点が見つかれば,IOC,NIOC双方に対し指摘するというものである。ただし,監視委員会の権限は,問題点の指摘,勧告までと限定的なものであり,NIOCの操業方法の見直しを命令するような強制力は有しないという。 <Ahwaz-Bangestan陸上油田開発> BP,RD/Shell,Lasmo,ENI,TotalFinaElfが応札したとみられているが,今のところ,交渉が進展したとの情報は,伝えられていない。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 3 -
地域1 中東
国1 イラン
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国10
国・地域 中東,イラン
2001/07/06 猪原 渉
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