サウジアラビア:Gas Initiative プロジェクトの概要と今後のスケジュール
レポートID | 1002804 |
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作成日 | 2001-08-07 01:00:00 +0900 |
更新日 | 2018-02-16 10:50:18 +0900 |
公開フラグ | 1 |
媒体 | 石油・天然ガス資源情報 1 |
分野 | 探鉱開発 |
著者 | 猪原 渉 |
著者直接入力 | |
年度 | 2001 |
Vol | 0 |
No | 0 |
ページ数 | |
抽出データ | <更新日:2001/8/7> <企画調査部:猪原> サウジアラビア:Gas Initiativeプロジェクトの概要と今後のスケジュール (2001 MEES 7/2,7/16,PIW 7/11,Gas Briefing International(June),MEED 7/20) 1.IOC 8社は,Gas Initiativeの初期契約に調印。ガス上流開発からパイプライン,発電,石油 化学,淡水化プラント建設まで,極めて多岐にわたる内容で,対象地域もペルシャ湾岸,内陸部, 紅海沿岸までと広範囲。しかし,契約内容は不透明な部分が多く,今後明確化が必要。 2.サウジ側としては,今後IOC各社とプロジェクトの詳細交渉を進め,本年12月16日までに 最終契約のドラフト作成を完了させたい考え。 1.「初期契約」の調印とプロジェクトの概要 サウジアラビアは2001年6月3日,ジェッダにおいて,外資開放プロジェクトとして検討が進められてきた天然ガス開発プロジェクト(”Gas Initiative”)の「初期契約」(Preparatory Agreement)の調印式を実施した。調印式には,外国石油企業(IOC)側は,同プロジェクトへの参加企業として選定されたExxonMobil,RD/Shellなど欧米石油企業8社の首脳が参加した。また,サウジ側からは,当事者の特別交渉チームや石油省関係者だけでなく,ファハド国王やアブドラ皇太子を始めとする政府要人の大半のメンバーが出席しており,サウジにとって,Gas Initiativeが国家的プロジェクトとして,極めて重要なプロジェクトとして捉えられていることを如実に示している。 今回の契約はあくまで初期契約であり,今後,サウジ側とIOC各社は,本年12月に「実行契約」(Implementation Agreement)の最終ドラフトの作成を完了することを目標として,交渉を進めることになる。 詳細仕様,範囲等は今後の交渉により決定されるが,現時点で明らかになっているところでは,Gas Initiativeの内容は,概略,次頁の表に示す通りである。プロジェクトの範囲としては,ガス上流開発(探鉱及び生産設備の設置)からパイプラインの設置,発電プラント,石油化学プラント,海水淡水化プラントの建設まで,非常に多岐にわたっており,開発対象地域も,ペルシャ湾岸,内陸部,紅海までを範囲としており,極めて広範囲のものとなっている。投資総額は,3件のコアプGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - 鴻Wェクトを合わせ,約250億ドルに上るという巨大プロジェクトである。なお,石油上流は,プロジェクト対象外とされており,仮にガス開発時に石油が発見された場合は,その権益はすべてサウジ側のものとされる。 <Gas Initiativeの概要>(サウジ側構想) コアベンチャー1 【南Ghawar地域 開発プロジェクト】 総投資額 参加企業 内容 コアベンチャー2 【紅海地域開発プロジェクト】 総投資額 参加企業 内容 コアベンチャー3 【Shaybah地域開発 プロジェクト】 総投資額 参加企業 摘要 BP(25%),Phillips(15%) 地域),広さ100千km2以上 Shaybah,Kidan油ガス田生産ガスが処理対象。 Hawiyah,Haradhガス田及びRub Al Khaliの ・約150億ドル ・ExxonMobil(リーダー,35%),RD/Shell(25%), <ガス上流> ・新たなガス探鉱の実施 →対象地域:Rub Al Khali砂漠北部一帯(南Ghawar ・ガス生産・集荷設備の建設 ・ガス処理・NGL分離設備の建設 →Hawiyahに建設。処理能力28億cfd。Ghawarの ・液体ガス輸送設備の建設 <下流その他> →Jubail(ペルシャ湾岸)及びYanbu(紅海沿岸)に南Ghawar産ドライガスを原燃料とする下記設備建設 ・発電プラント(2000MWクラス×2基) ・海水淡水化プラント(能力:300百万ガロン/日) ・石油化学プラント(能力:2百万T/年) ・約50億ドル ・ExxonMobil(リーダー,60%),Occidental(20%) <ガス上流> ・北部紅海地域既発見未開発ガス田の開発 →Midyan(陸上),Barqan(海上),Umm Luj(陸 上),al-Wajh(陸上)各ガス田の開発及びガス 処理設備の建設 <ガス中流,下流その他> ・上記ガス田よりTabuk,Yanbuまでのパイプライン建設・発電プラント,海水淡水化プラントの建設(紅海沿 岸ガス田近辺及び新規開発地域) ・約50億ドル ・RD/Shell(リーダー,40%),TotalFinaElf(30%) Marathon(20%) Conoco(30%) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 2 - 燉e <ガス上流> ・新たなガス探鉱の実施 →Rub al Khaliの一角約90千km2・Kidanサワー・ガス田開発のFS ・Shaybah油田随伴ガス(推定埋蔵量10tcf,生産能 力6億cfd)処理及び輸送設備の建設 <ガス中流,下流その他> ・Shaybah及びKidanよりHawiyahプラント(コアベンチ ・石油化学プラント,発電プラント(1100MW),海水 淡水化プラント(75百万ガロン/日)の建設 ャー1)までのガスパイプライン建設(ドライガスは al-Uqair向け,NGLはJubail,Yanbu向け) 2.詰めるべき課題が山積 IOC 各社にとって,今回の初期契約の締結はあくまで,交渉の通過点に過ぎず,今後,最終契約締結にむけての交渉で,不透明な契約内容をどこまで明確化できるかという大きな課題が残っている。 IOC側からみた問題点及び交渉のポイントは,下記の通りである。 (1)プロジェクト範囲・仕様・スケジュールの明確化(上述の契約概要(サウジ側構想)では,各コアプロジェクトの範囲が錯綜,重複していると考えられる部分が多い。また,建設期間が短期のものと長期のものが混在するなど,明確なスケジュールが示されていない。投資金額の算出精度をあげ,想定リスクをより正確に把握するため,明確化が必要) (2)各参加企業及びSaudi Aramcoの役割分担の明確化(サウジ側は,Saudi Aramcoをプロジェクトのパートナーと位置付け,重要な役割を担わせることを期待。同社が保有するインフラ基盤や国内操業ノウハウは,IOCにとっても魅力であるが,プロジェクトの主導権は握っておきたい。また,発電プラント,海水淡水化プラント等は外注企業の選定が必要) (3)適用税制,法制の明確化(プロジェクトの採算性を左右する税制,法制が未整備。適用税制,法制の具体的内容が明らかになるまで,最終契約の締結は困難であるが,相当時間がかかる?) (4)ガス・電気・水の販売価格(タリフ)の明確化((3)項と同様,採算性検討に不可欠) (5)適正リターンの確保(ExxonMobilのRaymond CEOは「15-18%と予想する」としているが,現時点では全く不透明) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 3 - R.今後のスケジュール MEES(2001/7/16)によれば,サウジ側としては今後,IOC各社(コンソーシアム)との間で,下記の段階的スケジュールに基づき交渉を進める予定であり,2001年12月16日(目標)までに,現在進められている「プロジェクト確定プログラム」(Project Definition Program,PDP)の交渉を終わらせ,最終契約である実行契約のドラフト作成を完了させたい考えである。 マイルストーン1(2001年6月29日):政府及び関係機関が,(交渉に必要な)情報の準備及び提示 マイルストーン2(2001年7月15日):3コアプロジェクトのコンソーシアム・フォーメーションの政府承認及び各プロジェクト内部組織の立ち上げ完了 マイルストーン3(2001年8月26日):各コンソーシアムが,埋蔵量評価を実施し,セールスガス及びNGL需要予測(及び需要拡大の可能性予測)を提示 マイルストーン4(2001年9月16日):政府と各コンソーシアムが,3コアプロジェクトの詳細実施案及び推薦案の整理 (2001年9月23日):政府が,各プロジェクトの実施案を決定 (2001年9月30日):政府と各コンソーシアムが,3プロジェクトの詳細技術スペックを決定 (2001年9月23日):政府が,各コアプロジェクトに適用される税制及び天然ガス,発電,淡水化プロジェクトに適用される法制の内容(施行時期を含め)を決定 (2001年10月14日):政府とコンソーシアムが,各プロジェクトの基本的商務条件を決定 マイルストーン5(2001年11月11日):政府とコンソーシアムが,各コアプロジェクトの範囲,詳細内容,スケジュールについて最終決定。サウジ側参加範囲及びIOC側利益に関する商務条件を含む商務条件シートの作成。 マイルストーン6(2001年12月16日):「実施契約」のドラフト作成完了 ? ? ? ? ? ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 4 - エas Initiative概略図> Midyanガス田Midyanガス田TabukTabukBarqanガス田Barqanガス田サウジアラビアサウジアラビアJubailJubail紅海紅海Umm Luj,al-WajhUmm Luj,al-WajhリヤドリヤドYanbuYanbuGhawar油田Ghawar油田HawiyahHawiyahHaradhHaradh 探鉱 探鉱Shaybah油ガス田Shaybah油ガス田Kidanガス田Kidanガス田Rub al Khali砂漠Rub al Khali砂漠探鉱探鉱(凡例) :既存パイプライン :Gas Initiative計画パイプライン Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 5 - |
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