ページ番号1002824 更新日 平成30年2月16日

アルジェリア:BP が Sonatrach と In Salah ガス田の共同開発契約に調印

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レポートID 1002824
作成日 2001-09-19 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 探鉱開発企業
著者 猪原 渉
著者直接入力
年度 2001
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ <更新日:2001/9/19> <企画調査部:猪原> アルジェリア:BPがSonatrachとIn Salahガス田の共同開発契約に調印 (2001 MEES 8/20,PETRS 9/3,Africa Oil & Gas Bulletin 8/22,8/29, 1.総投資額27億ドルで,2004年より年間90億m3の生産・販売を目指す。 2.BPは外国企業としてはじめてガス販売に参画(従来はSonatrachが独占)。一方,SonatrachAOG 9/1,Gas Briefing International, August 2001) は,ガス市場の自由化を目指すEUから,「仕向地条項」の撤廃を求められている。 1.In Salahガス田共同開発契約の概要 アルジェリア国営SonatrachとBPは2001年8月11日, In Salahガス田の共同開発契約(総額27億ドル)に正式に調印した。収入分配ベースによって天然ガスの探鉱,開発,販売を実施する外国石油会社とのジョイントベンチャー(収入分配ベースは,Sonatrachにとって初めてのケース)により運営される。両社は,1995年12月に,同ガス田天然ガスの探鉱/評価/開発/マーケティング等に関する共同実施協定を結んでいたが,今回ようやく正式契約調印にこぎつけたもの。 当初予定から一年遅れとなる2004年第1四半期からの生産開始を目指しており,ピーク生産量90億m3/年(15年間プラトー)のガスを主に欧州向けに供給する計画である。開発計画では,2001年から2004年までの第一フェーズに17億ドル,2004年以降の第二フェーズに10億ドルが投じられ,BPが65%,Sonatrachが35%の資金負担を行う。 In Salahエリアは,首都アルジェの南1200kmに位置し,Krechba,Teg,Reg,Garet el-Befinat,Hassi Moumene,In Salah,Gour Mahmoudの7ドライガス田が開発対象となる。また,In Salahエリアから,アルジェリアのガスネットワークのハブ地域であるHassi R’Melガス田までを結ぶガスパイプライン(延長460km,パイプ径48インチ)の建設が予定されており,Hassi R’Melからは,欧州向け輸出に利用されている既存のTrans-Medガスパイプライン(チュニジア経由イタリア向け)及びMaghrebガスパイプライン(モロッコ経由スペイン向け)にリンクされる。 8月11日の調印式では,下記3件の建設契約の調印も行われており,今後,上記のプロジェクト・Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - Xケジュールに基づき,建設工事が進められることになる。 ① ガス処理及び集ガス設備(契約先:Kellogg Brown & Root,日揮,契約金額:667百万ドル) ② In Salah~Hassi R’Mel間のパイプライン(契約先:Bechtel,契約金額:439百万ドル) ③ 合計71井の掘削及び改修(契約先:Enafor(Sonatrach子会社),契約金額:49百万ドル) <In Salahガス田の位置図及び欧州向けパイプライン・ネットワーク> スペインスペインイタリアイタリアアルジェアルジェSkikdaSkikdaArzewArzewチュニジアチュニジアMaghrebパイプラインMaghrebパイプラインTrans-MedパイプラインTrans-MedパイプラインHassi R’Melガス田Hassi R’Melガス田モロッコモロッコリビアリビアIn Salahガス田In Salahガス田アルジェリアアルジェリア ガスパイプライン(既設) ガスパイプライン(計画) (参考)Arzew及びSkikdaは,LNGプラント所在地 2.ENEL以外のガス販売先は未定 In Salahプロジェクトの生産ガスは,主に欧州向けに輸出されることになっているが,ピーク時の年間生産量90億 m3に対し,欧州の需要家との間で具体的に販売契約が締結されているのは,イタリアの電力会社ENELに対する年40億 m3の販売契約のみであり,残りの年50億 m3については,販売会社In Salah Gas(ISG,本社Hague)からSonatrachに販売される契約となっている。 以前イタリアEdison向けに,ENEL向けとは別に,年40億m3の販売契約を結ぶことが計画されていたが,交渉は不調に終わった模様である。Sonatrachとしては,生産が開始される2004年第1四半Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 2 - 冾ワでに,残りの年50億m3について新たな販売先を発掘する必要があるが,今のところ,スペインのGas Natural等の名前が取り沙汰されている。また,スペイン向け輸送ルートについては,既存のMaghrebラインを迂回し,隣国モロッコを経由せずアルジェリアとスペインを直接結ぶ新規パイプライン(「Medgas」プロジェクト構想:Sonatrach,Cepsa,BP,Endesa,GdF,ENI,TotalFinaElfが参加し,現在FS実施中。将来的にはフランスへの延伸も視野)による輸送も検討されている。 3.In Salahガス田開発契約の注目点と問題点 (1)ドライガスの販売活動に外国石油会社が参入する初めてのケース 従来は,マーケッティングを単独で担当するSonatrachがドライガスを全量引き取り,パートナーは生産物の分与を液分(コンデンセート)で受け取るという契約形態であったが,今回は,SonatrachとBPによりジョイントベンチャーが設立され,BPは,直接ドライガスのマーケティングに参加し,シェアに応じてドライガスによる生産物分与を受けることができるようになった。なお,従来型の適用例としては,TotalFinaElfとRepsolが参加するTin Fouye Tabankortガス田プロジェクトや,BPが参加するIn Amenasガス田プロジェクトなどがある。 (2)BPは,アルジェリアにおけるプレゼンスをさらに拡大 BPにとって,In Salahガス田開発は,Rhourde el-Baguel油田のEORプロジェクト(1996年に契約締結。当初生産量15-20千b/dを2005年までに120千b/dに引き上げる計画。現状,生産量は40千b/dまで増加)や,In Amenasガス田開発(1998年に契約締結。4ガス・コンデンセート田を開発。2003年より生産開始予定)とともに,アルジェリアにおけるプレゼンスを高める重要プロジェクトと位置付けられる。 (3)「仕向地条項」の盛り込み可否を巡り,EU側と対立 ENEL以外のガス販売先が決まらないまま,見切り発車のような形で,契約が締結されプロジェクトがスタートした背景として,「仕向地条項」を巡るEUとの対立という問題が存在している。 「仕向地条項」(destination clause)は,エンドユーザーを特定して,ガスを第三国に販売することを禁止する条項であり,アルジェリアをはじめロシア,ナイジェリア,ノルウェー等のGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 3 - Yガス国が欧州の客先と結んでいる多くの既存ガス販売契約に盛り込まれている。SonatrachはIn Salah開発のガス販売契約でも,仕向地条項を盛り込むことを求めているが,域内での物品,サービスの自由な流通が保証されたEU単一市場制度の構想に基づき,ガス市場の段階的自由化を推進しているEUの方針とは相容れないものとして,EU側は,この条項の撤廃を求めている。 これに対し,SonatrachやロシアGazpromは,生産者がガスを欧州の異なる国々に効率的に販売するためには,ガス販売契約に中に仕向地条項を盛り込むことが必要であり,もし,この条項を撤廃した場合,バイヤーは生産者がアクセスできない第三者に転売して巨額の利益を得ることになるとして,撤廃に強く反対している。Sonatrachは,EUに対し,第三者への転売時の利益を生産者が共有できるようなメカニズムが構築されるのであれば,仕向地条項の撤廃に応じてもよいとする提案を行ったが,EU側はこの提案に対し,市場自由化の精神に反するとして受け入れ困難と判断している模様である。この問題を巡り,EUは委員会を設置し調査,検討を進めているが,暫定的な結論が出るのが早くても年末頃といわれており,当面の間,今後の見通しが不透明のまま推移しそうである。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 4 -
地域1 アフリカ
国1 アルジェリア
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
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地域8
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地域9
国9
地域10
国10
国・地域 アフリカ,アルジェリア
2001/09/19 猪原 渉
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