ページ番号1003044 更新日 平成30年2月16日

ロシア産原油のアジア向け、イスラエル経由の新ルート -イスラエル縦断パイプラインが 25 年ぶりにリバイバル-

レポート属性
レポートID 1003044
作成日 2003-01-09 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 市場
著者
著者直接入力 小田 路子
年度 2002
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ <更新日:2003/1/9> <企画調査部:小田路子> 公開可 ロシア産原油のアジア向け,イスラエル経由の新ルート -イスラエル縦断パイプラインが25年ぶりにリバイバル- (2003,OGJ 11/24, NEFTE Compass 10/8, 10/22, Reuters 6/6, 7/11他) ・ 搬出路開拓を急ぐロシア原油,アジア行きに新ルート。 ・ 短期的には経済性ないが,長期的にはショートカット輸送に期待大。 ロシアUrals原油のアジア市場参入をより容易にする,イスラエル経由の新ルートが整備された。これは,黒海から地中海に出てきたロシア・中央アジア産原油をイスラエルの縦断パイプライン(Trans-Israel Pipeline:Tipline)で紅海側に出して,アジア市場に運ぶルートである。このパイプラインは,反アラブのイラン原油を地中海側に出すために60年代に建設されたものでイラン革命後はその利用目的を失ったが,今回,双方通油を可能にしてロシア原油を紅海側に出す目的で復活した。 昨年11月,これを利用した,カザフCPCブレンドとロシアUrals原油の輸出が行われ,台湾に向かった。このルートは,原油をTiplineで紅海側に出しVLCCでアジア方面に輸送することを可能とするため,喜望峰回りよりも輸送日数が半分以下に短縮され,またタンカーキャパ制約のあるスエズ運河経由よりも輸送効率が上がる。更に,黒海出口のボスポラス海峡通過は小規模タンカー(10万トン級)に限られるが,Tiplineの積み出し地点でVLCCに乗せかえられるというメリットも得られる。しかし,イスラエルに入船したタンカーはアラブ諸国から入船拒否を受ける可能性が高まることから,タンカー船主が通常運賃に加えてプレミアム(Worldscaleで推定40ポイント程度上昇)を要求するためコスト面でのメリットは限定的である。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - A送ルート 千Miles VLCCの通行可否 航行日数 運賃(ドル/bbl) (15ノット) Worldscale=100の場合 黒海(Novorossiysk)- 0.5 × 約2日10.27 .アジア市場までの輸送ルート別の経済性比較: 21.ロシア産原油のアジア市場への新ルートとなるTipline 地中海(トルコ) 地中海-日本82Tipline終点でVLCCに約22日3α(輸送)+Tipline利用料(Tipline経由) 積み替え可。 +入船プレミアム 地中海-日本(スエ8* × 約22日 2.23 ズ経由) ⇒輸送効率上がらず。地中海-日本(喜望15* 峰回り) ○ ○ 約43日 3.78 ⇒輸送日数がかかる。 約20日 1.69 ペルシャ湾(ラスタヌラ)-日本 7 しかしながら,アナリストらの見方では,このルートの利用でもロシア産原油はアジア市場において中東や西アフリカ産原油に競争できず価格高騰時などスポット的に利用されるのみとみられ,またすでにボスポラス海峡が混雑していることから黒海からの搬出量は限界に達しているとみられている。新市場 1 2004年1月現在,ボスポラス海峡が渋滞しているため更に日数がかかる。 2 地中海はトルコCeyhan基点に想定。 3 地中海-日本(スエズ経由)で算定。 - 2 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 J拓したいロシアにとってこのルートは期待大であるが,直接アジア市場に大規模輸出するには東シベリアパイプラインの敷設待ちとの見方が強い。しかし長期的にみれば,西アフリカやロシア,中央アジアなど大西洋側向けの生産量が増大する一方で,アジアでの石油需要も堅調に伸びると予想されていることから,地中海側からのこのパイプラインでアジアにショートカット輸送できることが重要な意味をなしてくることも期待される。 現状,このTiplineの所有者は,建設当初と同じでイスラエルとイランが50%づつシェアしている。Nefte Compassによれば,今後,輸出路の確保としてロシアやカザフ企業が関心を示すと予想され,これらへの売却もあり得るとの見方を示している。 3.パイプライン概要 ルート イスラエル北岸Ashkelon - イスラエル南岸Eilot 254km *EilotはVLCC接岸可。双方向通油可。 通油能力 1.2百万b/d 必要日数 約4日 建設経緯 1968年(6日間戦争後)完成:当時,反アラブであったパーレビ王政下のイラン原油を欧州に輸出すべく利用された。1979年のイラン革命後はその必要性を失い,主に南部エジプト原油をイスラエルへの製油所に転用するために利用されていた(北上輸送)。 改修 2002/2003::双方向通油が可能 /貯蔵施設 Ashkelon 1.5百万m3(9千bbl),Eilot1.2百万m3( 7千bbl) 出資者 イスラエル 50% イラン 50% 操業会社 EAPC(Israeli-based Eilat-Ashkelon Pipeline Co.) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 3 -
地域1 グローバル
国1
地域2 旧ソ連
国2 ロシア
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 グローバル旧ソ連,ロシア
2003/01/09 小田 路子
Global Disclaimer(免責事項)

このウェブサイトに掲載されている情報はエネルギー・金属鉱物資源機構(以下「機構」)が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、機構が作成した図表類等を引用・転載する場合は、機構資料である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。機構以外が作成した図表類等を引用・転載する場合は個別にお問い合わせください。

※Copyright (C) Japan Organization for Metals and Energy Security All Rights Reserved.

本レポートはPDFファイルでのご提供となります。

上記リンクより閲覧・ダウンロードができます。

アンケートにご協力ください
1.このレポートをどのような目的でご覧になりましたか?
2.このレポートは参考になりましたか?
3.ご意見・ご感想をお書きください。 (200文字程度)
下記にご同意ください
{{ message }}
  • {{ error.name }} {{ error.value }}
ご質問などはこちらから

アンケートの送信

送信しますか?
送信しています。
送信完了しました。
送信できませんでした、入力したデータを確認の上再度お試しください。