北米:ガス需給逼迫で極北ガスパイプライン計画進捗、カナダ Mackenzie Valley ラインは 2008 年、アラスカ州縦断ラインは 2010 年にも操業開始か
レポートID | 1003096 |
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作成日 | 2003-06-26 01:00:00 +0900 |
更新日 | 2018-03-05 19:32:42 +0900 |
公開フラグ | 1 |
媒体 | 石油・天然ガス資源情報 1 |
分野 | 探鉱開発天然ガス・LNG |
著者 | |
著者直接入力 | 佐々木 育子 |
年度 | 2003 |
Vol | 0 |
No | 0 |
ページ数 | |
抽出データ | <更新日:2003/6/26> <企画調査部:佐々木 育子> 北米:ガス需給逼迫で極北ガスパイプライン計画進捗、カナダ Mackenzie Valleyラインは2008年、アラスカ州縦断ラインは2010年にも操業開始か (公団ヒューストン事務所、公団コンサルタント、各種オンライン情報) 1.カナダMackenzie Valley PL計画は、地元イヌイットを含む関係者が最終合意に達し、正式申請へ2.アラスカ縦断PL計画は、ノーススロープ生産者とアラスカ州が2003年内をめどに契約の財務条件交渉に着手、米上院本会議も財政支援措置を審議へ ⇒ 北米ガス需給逼迫化で、極北からのガスパイプラインは2ルート建設か .長距離ガスパイプライン計画が進捗 1北米ガス需給逼迫化により、豊富な未開発ガスが存在する極北地域と、米国本土を繋ぐ長距離ガスパイプラインの建設計画が実現に向けて大きく前進している。州、上流権益保有者、地元住民など関係者の利害調整や、公的支援の検討が進んでおり、早ければ2008年にもカナダ極北Mackenzie Deltaからのパイプライン(図1の2ルート)が稼動し、2010-2012年頃にはアラスカ北部ノーススロープからアラスカ州を縦断してカナダユーコン準州に抜けるパイプライン(図1の1ルート)が稼動する可能性がでてきた。 <図1 アラスカ・カナダ北部からのガスパイプライン建設計画> ルートは大別して以下の3つ。( )内は支持する機関及び企業。 1 アラスカ縦断ルート;南ルート 供給源はノーススロープガス (アラスカ州、ユーコン準州、米議会法案、Foothill PL ユーコン準州地元住民グループ) 2 マッケンジーバレールート 供給源はマッケンジーデルタ (マッケンジーデルタ権益保有者、ノースウェスト準州、 ノースウェスト準州地元住民グループ) 2+3 ボーフォート海ルート;北ルート ノーススロープ~ボーフォート海~マッケンジー 供給源はノーススロープ+マッケンジーデルタ 出所:Yukon準州エネルギー・鉱物・資源省 3 2 1 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - 2.Mackenzie Valley先行(参考情報 1 参照) Mackenzie Valleyルートプロジェクトは、2003年6月18日、Imperial、ConocoPhillips、Shell、ExxonMobilの4社と地元住民グループ(APG:Aboriginal Pipeline Group)、TransCanadaPipeline社(TCPL)が、同計画の基本概念(PIP)に合意した。近く、PIPをカナダ国家エネルギー委員会へ提出し、2004年にも関係当局に開発計画の正式申請を行う。これにより必要な許認可、最終調整及び投資の最終決定を経て、2008~10年にもパイプラインが稼動する見通しとなった。 パイプラインの出資は、上流企業グループが3分の2、APGが3分の1で、TCPLがAPGに最終投資決定までの費用分担分80百万ドルをファイナンスし、APGはパイプライン収入によってこれを返済する。これまで資金能力がないAPGの権益取得の取り扱いがプロジェクトの遅延要因となっていたが、TCPLがAPGにファイナンスし、その見返りとして上流企業グループよりパイプライン権益5%を取得するオプションが受け入れられたことにより、関係者全ての利害が調整された。 総工費はMackenzie Deltaの3ガス田開発及び集ガス・処理に約50億C$(約36億USドル)、アルバータ州北部までの基幹パイプライン建設に約50億C$、合計100億C$(約70億USドル)。送ガス能力は3ガス田で800百万cf/dと想定されているが、現在、Mackenzie周辺では探鉱ブームとなっており、20社以上がパイプライン能力の確保に関心を示している。このため、10億cf/d以上に拡張される可能性がある(但し、コスト増の場合はAPGのファイナンス力に問題あり)。 TCPLはMackenzie Valleyラインと接続するアルバータ州から既存の保有パイプライン能力を増強する。 3.アラスカ縦断ルートの公的支援策と見通し(参考情報 2 3 参照) 一方、アラスカ州ノーススロープのガスを米国ガス市場へ送るパイプライン計画(同州を縦断する南ルート)も、同州及び連邦議会が支援策の立法化を進めており、何らかの財政的支援がない限り経済性がないと判断していたノーススロープ生産者側(BP、ConocoPhillips、ExxonMobil)も前向きな対応を示している。 アラスカ州議会は2003年4月、ガスパイプラインに関する特別な税制を導入するための交渉を可能にするStranded Gas Development法を成立させた。これにより上流企業側が求めていたパイプラGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 2 - Cンに関する安定的でインセンティブのある税システムの法的整備に向けて、具体的に動き出すことになった。同州は企業側と直ちに条件交渉を開始し、2003年末までにこれを確定して、2004年初にも立法化したい意向である。 また、米連邦議会では、2003年4月30日、上院エネルギー・天然資源委員会が180億ドルを上限とするパイプラインへの財政支援措置を盛り込んだ包括的エネルギー法案を可決した。下院本会議を通過した同エネルギー法(HR.6)には財政支援は盛り込まれていないものの、上院案が本会議で成立した場合、調整段階でパイプラインの財政支援項目が残される可能性がある(2002年の包括エネルギー法案審議の過程で上下両院は同法案について原則合意に達しているため、そのように考えられる)。 アラスカからのガス供給実現の時期は、連邦政府の財政支援の有無によって左右されるものの、北米では2004年以降需給ギャップが生ずると予測されており(スポットLNGの拡大分を除く)、2010年頃に稼動する可能性が高まってきた。将来の北米ガス市場の需要増を満たすためには、Mackenzie Deltaからの新規供給やLNG輸入増だけでは賄えないため、アラスカからの大量のガス供給は遅かれ早かれ実現されると見られる(公団コンサルタント他の見解)。 .プロジェクト実現化の原動力は需給逼迫による価格上昇 4極北からのガスパイプライン構想は、過去30年余、様々なルートの計画が競争してきた。各々のプロジェクトは経済性を確保することができず、利害関係者の調整も障害となって今日まで実現してこなかった。しかし、利害対立の問題は、企業側と州政府や地元住民が経済的利益を共有するアプローチをとるようになり解消されてきている。Mackenzie Valleyプロジェクトでは、上流企業が地元住民グループAPGのパイプライン権益取得を必須条件として、利害関係に取り込むことで大きく前進した。 また、経済性を左右するガス価格の水準は、1990年代には2ドル/百万btu前後で推移していたものの、需給逼迫を反映して過去3年間は上昇トレンドを示しており、今後10年間は3ドル/百万btu以上で推移すると多くの専門家が予測している。2003年に入りNymex Henry Hubのガス先物価格は、同年末~数年先まで4-6ドル/百万Btu超で取引され、2000年の一時的な暴騰(カリフォルニア電力危機など)とは異なる需給のファンダメンタルズに基づく価格水準になっていると認識されている。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 3 - アれらを背景に、過去1-2年でパイプラインプロジェクトの状況は大きく変化した。北米の極北地域には200兆cfのガス埋蔵量があると推測されており(図2参照)、これらの豊富な未開発ガスが、1本ではなくマッケンジー、アラスカの2本のパイプラインによって長期安定的に供給されることにより、北米ガス需給逼迫の有効な解決策になるとの見方が強まっている。 Mackenzie Valleyルートへの参加を果たしたTransCanada PLは、一方でアラスカ縦断ルートのカナダ領内(ユーコン州、アルバータ州)の敷設権をもつFoothill Pipelineの株式を積み増し、100%株主となった(2003年5月13日にDuke Energyより50%株式を取得)。Foothill Pipelineはアルバータ州から米国向け主要ガスパイプラインを保有するパイプライン会社であり、TransCanada PLは両ルートへの参画を確保して、事業拡大の布石を打っている。 <図2 北極圏のガス埋蔵量> *プルドーベイ油田の確認埋蔵量35兆cf (ノーススロープ全体では推定埋蔵量100tcf) *マッケンジーデルタの確認埋蔵量9兆cf、推定64兆cf出所:Yukon準州エネルギー・鉱物・資源省 <表1 主な北米極北パイプラインプロジェクトの概要> ルート プルドーベイ 北ルート プロジェクト AGPPT North (FS) 推進者 プルドーベイ生産者 BP、ConocoPhillips、 ExxonMobil プルドーベイ 南ルート AGPPT South (FS) プルドーベイ 南ルート (Alaska Highway併設) Foothill AHPP マッケンジーバレー ルート Mackenzie Vally 出所:各種資料をとりまとめ アラスカ州、ユーコン準州 Foothill PipeLine 米議員 上院エネルギー天然資源委員会可決案 マッケンジーデルタ Imperial,Shell,ConocoPhillipsExxonMobil、ノースウェスト準州総延長・容量 40-60億cf/d 総延長1,803マイル 口径48-52インチ 40-60億cf/d 総延長2,139マイル 口径48-52インチ 25-40億cf/d 総延長1,803マイル 口径42インチ コスト 151億ドル 172億ドル 76-97億ドル 8-12億cf/d 総延長1,100マイル 口径30インチ 36億ドル Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 4 - T.マッケンジー・アラスカ、2ルート建設の相互関係 2ルートの相互関係は以下の通り。現在先行しているMackenzie Valleyルートプロジェクトは、アラスカ縦断ルートへの政府支援の有無にかかわらず、進捗する見通し(公団コンサルタント情報)。 Mackenzieルート 先行の場合 Alaska縦断ルート 先行の場合 ボーフォート海ルートの実現性 低 (アラスカ縦断ルートへの米支援措置が 実現しなかった場合には 高) アラスカ縦断ルートの実現性高ボーフォート海ルートの実現性なし Mackenzie ルートの実現時期に影響あるか? 【参考情報】 1 Mackenzie Valleyルート プラス要因; 先行するMackenzieルートにボーフォート部分を繋げば経済的 マイナス要因; ①ボーフォート海開発で環境・技術的リスク・コスト不確実、強力な環境反対運動 ②MackenzieルートAPGのファイナンス力× (アラスカガス輸送のためには能力4-5倍に要増強) 理由: ①需給;北米ガス市場はMackenzieガスのみでは不足のため Mackenzieルートのガスはオイルサンド供給へ 米LNG受入能力拡張には限界有り ②政治的理由; アラスカ州政府が強力に支持 連邦政府の財政支援の可能性有 カナダ北部の生産者グループは2002年にFSを終了しており、Mackenzieルートの開発は770億USドルの価値があるとの結果を得ている。前述のPIPでは、最終的な開発計画の申請を2004年、ガス生産開始とパイプラインの稼動を2008-2010年と明記している。合意内容とこれまでの経緯は*PIPは環境調査、関係者への基本状況説明、パイプラインルート、輸送能力、及び上流ガス(Taglu、Lake、Niglintgak)の開発及び関連施設(集ガス・処理)の建設計画を含む。 Imeprial、ConocoPhillips、Shell、ExxonMobilの4社 (開発対象3ガス田の権益保有者) Mackenzie Valley Projectの経緯> <以下のとおり。 ○両者がPL建設に向け協力する。 ○権益比率を生産者2/3、AGP 1/3とする。他 ○ Taglu/Parsons Lake/Niglintgak ガス田開発及び関連設備、アルバータ州北部までの基幹PLを建設。 ○ TransCanada PLはAPGにプロジェクト最終決定までの費用(約80百万ドル)をファイナンスする。 ○ APGはPL収入よりこれを返済する。プロジェクトが進捗しなかった場合、返済しなくてもよい。 ○ TransCanada PLはアルバータ州PLシステムを拡充し、Mackenzie ValleyPLに接続する。 ○ プロジェクトが決定した場合、生産者は権益権益(2/3=67%)のうち5%をTransCanada PLへ譲渡する可能性がある。 ○ 生産者が権益を売却する場合には、TransCanada PLは売却権益の50%を、APGその他オーナーは残る50% を取得する権利をもつ。 2000年初 生産者グループFSを開始 2000年 ノースウェスト準州の地元住民、パイプライン権益取得のためのグループAGP結成 生産者グループとAGP権益配分で基本合意(MOU調印) 2001年 2002年 2002年 経済性評価結果良好、計画申請に向けImeperial/APGが協調することを意思確認、ファイナンスのアレンジに着手 TransCanada イナンスを表明、権益調整へ 2003年6月 PIP合意 その後PIP申請 2004年 2006年ごろ 許認可見通し、その後建設開始 <開発対象となるガス田> 2008-10年 パイプライン稼動 開発計画申請 PLがAGPへのファ Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 5 - ヵ\2 Mackenzie Valley Projectの開発対象ガス田> この他に PL ルート周辺に発見ガス田あり(Bele,Langley,Tuk, Tweed Lake等)、潜在的供給源となっている。 * 開発対象ガス田 権益保有者 発見年 埋蔵量 Taglu Imperial 1971年 3兆cf Parsons Lake ConocoPhillips/ExxonMobil 1972年 1.8兆cf Niglintgak Shell 1973年 1兆cf 出所:Imperial Press Release20036/18他をとりまとめ 合計 5.8兆cf 2 アラスカ縦断ルート(上流企業の見解) アラスカ北部プルドーベイ油田では、現在80億cf/dの随伴ガスを生産し、ほどんどを再圧入している。同油田操業3社(BP、ConocoPhillips、ExxonMobil)は、アラスカ縦断ルート(南ルート)とボーフォート海+Mackenzie Valleyルート(北ルート)について経済性評価を実施し、現行のマーケット及び財務条件では適切なRORを得られないとの結論を得ている(2002年2月)。このため、3社は公的支援措置がプロジェクトの可否を握るとしている。各社の見解は以下のとおり。 BP 10年後、米国本土は150億cf/dの供給不足を40億cf/dのアラスカガスと輸入によって賄うことになる。 BPは「優遇措置を要請しないが、いつか認められることを期待している」。 BPほどの大規模な企業にとっても同パイプラインプロジェクトの不確実性は大きく、「政府はリスクを削減する必要があるだろう」(PIW 2002/2/20)。 ExxonMobil 現段階では経済性のあるプロジェクト、ルートがないので、投資しない(PIW 2002/2/27)。 ConocoPhillips ガス価格変動に対するリスクが大きいことから、財務的な支援措置がなければプロジェクトは進められない。 現在審議中のエネルギー法案にインセンティブが盛り込まれれば、「9-10年以内に建設する」 (Canadian Press 2003/4/22)。 生産者側は、アラスカガスパイプラインのFS結果を表明したことにより、市場が「需給が逼迫」すると認識して現在のような価格水準になったと見ている。しかし、市場価格が2ドル/千cfに下がれば、パイプラインタリフ(アラスカ~シカゴ2.25-2.5ドル/千cf;生産者試算)の方が高くなってしまうなど、巨額の上流及びパイプライン投資に対する価格下落のリスクは依然として大きい。このため、生産者側は、井戸元価格が1.35ドル/千cf以下になった場合に連邦の債務保証が適用されGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 6 - 驍アとを求めている。BP は「政府の保証があれば、(プロジェクトは)促進される」と述べている(2003/6/24、Platts Oilgram News)。 3社はFSの詳細結果を発表していないが、同時期に調査したエネルギー情報局(EIA/DOE)によ ると、 ① プルドーベイ油田のガスリフティングコストは0.8ドル/千cf ② パイプライン(能力40億cf/d)の建設コストは100億ドル(技術向上等による) ③ 本土48州の井戸元価格が3.15ドル/千cf以上の場合、ノーススロープガスは競争力を持つ ④ 市場価格が3.5ドル/千cfを越えた場合にPLの建設が始まると推測($3.5-$3.15=0.35ドル/千cfのリスクプレミアム含む) ⑤ PL建設は計画及び許認可に3年、建設に4年を要し、市場価格が計画時期に3.5ドル/千cfを常に越えている場合に可能になる。 そして、財政的支援の有効性として、 ⑥ PL促進のための環境及び許認可手続きの法的枠組みの整備により、計画期間は3年から1年に短縮可能 ⑦ 債務保証は低コストの資金調達を可能にし、結果としてパイプラインタリフを引き下げ、建設可能な市場価格が0.1ドル/千cf引き下がる。 と結論づけ、財政支援が導入された場合、アラスカガスパイプラインは市場価格3.05ドル/千cfで経済性を確保できると報告している(2002/2, The effects of the Alaska oil ans Gas Provisions of HR4 and S1766 on US Energy Market)。 3 アラスカ縦断ルート(米議会・政府の見解及び動向) 同ルートは、1977年に米加両国がアラスカガス輸送システムとして共同開発することで原則合意しているルートである(ノーススロープ~アラスカ・カナダハイウエー沿い~アルバータ州カルガリー近郊まで)。現在、カナダ及び米国の両連邦政府の姿勢は、基本的にパイプラインの建設を支持するものの、どのルートにも肩入れせず、助成措置などを行わない姿勢である。 一方、米国議会は、一部議員を除き、アラスカ縦断ルートへの財政的支援を①ガスの安定供給と価格引き下げ、②経済効果(雇用創出400千人、鉄鋼需要5百万t、国の収入900億ドル)の観点から支持している。2002年には上院本会議で同パイプラインへの財政支援策(上限100億ドル)を盛り込んだ包括エネルギー法案(S.1766)が可決された(同法は最終的に不成立)。2003年4月30日には、上院エネルギー・天然資源委員会が支援上限を180億ドルに引き上げた同法案(S.14)を可決し、上院本会議に上程した。同本会議では2003年7-8月にも審議を行う見通しとなっている。また下院本会議は同年4月11日に、上院と同種の包括エネルギー法案(H.R.6)を可決した(247対 175)。下院法案では、同パイプライン建設促進のフレームワーク整備を盛り込むものの、財政Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 7 - I支援に関する規定はない。しかし、上院で包括エネルギー法案が可決されれば、両院協議会における両案調整の段階で同パイプラインへの財政支援措置(上院案)が最終案に盛り込まれ、大統領がサインすると見られている。ブッシュ大統領は同パイプラインを支持するものの、財政的支援については反対している。しかし、包括エネルギー法案には、ANWR 開放や改質ガソリン規制改正等、他の重要な政策焦点が盛り込まれており、同法案が成立した場合はパイプラインなど個別法案へは反対せずにサインすると見られている(公団コンサルタント情報)。 <米包括エネルギー法案のアラスカガスパイプラインに関する内容> 両院案(見通し)調整案、基本合意に至るも成立に至らず 院案が成立すれば財政措置が盛り込まれる可能性有 上上院 下院 HR4 本会議可決 同パイプラインに関する規定は盛り込まず HR6 2003年4月11日可決 財政支援は盛り込まず、フレームワーク規定(PL 建設迅速化のための措置;環境・許認可レビューの簡素化、連邦のコーディネーター、専門部署の設置など)。 ルート指定 南 6月末現在、本会議審議待ち 4/30エネルギー天然資源委員会可決 S1766 本会議可決 プロジェクトの8割(=100億ドル)を上限とする財政支援措置(税額控除・債務保証)S14 南ルートを指定(北緯68度より北からカナダに入るルートを認めない) フレームワーク規定(同左)に加えて、 プロジェクトの8割(=180億ドル)を上限とする財政支援措置を盛り込む 税額控除(52セント/百万Btu、15年間) 加速的減価償却(7年間) 第107議会 (2001-02年) 第108議会 (2003年-) *包括エネルギー法案は、ブッシュ大統領の国家エネルギー計画(NEP)を具体化するエネルギー関連法案を一括審議・採択するオムニバス法案。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 8 - |
地域1 | 北米 |
国1 | カナダ |
地域2 | 北米 |
国2 | 米国 |
地域3 | |
国3 | |
地域4 | |
国4 | |
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国5 | |
地域6 | |
国6 | |
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地域9 | |
国9 | |
地域10 | |
国10 | 国・地域 | 北米,カナダ北米,米国 |
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