ページ番号1003113 更新日 平成30年2月16日

ロシア/中国/韓国:Kovykta プロジェクト FS が完了、10 月に承認へ

レポート属性
レポートID 1003113
作成日 2003-08-14 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 探鉱開発
著者
著者直接入力 古川 純也
年度 2003
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ <更新日:2003/8/14> <企画調査部:古川純也> ロシア/中国/韓国:KovyktaプロジェクトFSが完了,10月に承認へ (2003 China OGP7/15,Upstream7/21,IF7/23,Nefte Compass7/24,IHT8/14) 1. KovyktaプロジェクトのFS作業が完了した。結果は2003年9月に承認される。 2. ガス価格,パイプライン・ルート等,関係国間で調整が必要な問題を抱えており,進展状況がKovyktaプロジェクトのFS作業が,7月に完了した(プロジェクト概要は末尾参照)。10月に最終承認した後,発表予定と,Rusia Petroleum(Kovyktaガスコンデンセート田のライセンス・ホルダー)が明らかにした。7月22~23日に北京にて露・中・韓代表による会議が開催され,FSの結果についての確認作業がすすんでいる。 2000年11月にRusia Petroleum,CNPC,KogasがFS計画に調印したが,計画は遅延気味であった。2002年10月には「FSは6月末完了」と発表されたが,SARS騒動の影響を受けて5~6月はFS作業が中断したため,7月に完了がずれ込んだ。韓国財務省の発表によればパイプラインの建設コストは110億ドルと見られている。同プロジェクトについては,関係国間で調整が必要な部分を残していたが,今回のFSの中でどれだけ調整が進んでいるかは現時点で明らかではない。特に露中間に大きな問題を抱えており,以下にその内容をまとめてみる。 Kovyktaプロジェクト進展の大きなポイントとなるのが,ガス販売価格である。特に,より安い価格の天然ガス輸入を強く希望する中国が,ロシアとのガス価格交渉において強硬な姿勢を貫いてきた。ロシア側は西気東輸パイプラインのガス価格(シティ・ゲート価格1.29元/cu.m)と同程度の価格を主張している(China OGP7/15)。中国側は「内陸部のガス発見により,ロシアからの天然ガス輸入は必要ではない」などの駆け引きにより交渉をすすめてきた。(参考 動向Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - .Kovyktaプロジェクト実現に向けての問題点 2(1) ガス価格の問題 .KovyktaプロジェクトのFS進捗状況 1注目される。 002/8/14『東シベリアKovyktaガス田のガス価格を巡る露中の交渉~中国側強硬発言「ロシア産ガスは不要」の真意』)この問題については露中間で更に詰めた交渉が行われるであろう。 2) パイプライン・ルートの問題~モンゴル,北朝鮮は経由か迂回か? (パイプライン・ルートについても,政治的・経済的観点から関係国間で意見の相違がある。モンゴルと北朝鮮についてそれぞれ「経由・迂回」の案がある。(図1参照) まず,モンゴルについては,経済的観点から「モンゴル経由」を推すロシアと,政治的配慮から「モンゴル迂回」を推す中国が対立している。ロシア側の妥協により一時はモンゴル迂回ルートが有力であるとも伝えられていた。 また,中国~韓国間のパイプライン・ルートについても「北朝鮮経由案」と「北朝鮮迂回案」がある。北朝鮮の核開発中止のバックアップ政策として,韓国は北朝鮮経由(朝鮮半島横断)の天然ガスパイプラインを建設し,トランジット料として天然ガスを現物支給する案を持っていた。2001年9月には南北政府が朝鮮半島横断ルートのFS実施に合意したとも伝えられたが,その後具体的な進展はない。一方でKogasは,北朝鮮を経由しない(大連~渤海経由)ルートを支持している。(渤海経由ルートにも二案あり。) FSの最終段階において,「モンゴル・北朝鮮ともに迂回するルートでパートナーは最終的に合意した」との情報もある。(IHT2003/8/14) また,現在露中原油パイプライン計画を推進するYukosは,露中原油パイプラインとKovyktaパイプラインと並行建設することにより,両パイプラインの建設費用が10%コストダウンできるとRusia Petroleumに提案している(プラウダ2003/5/23)。これは,露中原油パイプラインを推進したいYukos側の交渉戦略のひとつと考えられる。 <図1>Kovyktaパイプライン・ルート案 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 2 - (3) ガス輸出オペレーターの問題~ロシアの天然ガス輸送独占維持を目論むGazprom Gazprom はかねてから東シベリアの開発への関心を表明しており,特にKovyktaの上流開発参入を希望している。そしてBP(Rusia Petroleum筆頭株主)は,Gazprom がKovyktaプロジェクトの主導権を持とうとしていることに対して,警戒している。 一方で現在すすめられているPS法の改正の中では,開発のすすまないプロジェクトのライセンス剥奪がドラフトに盛り込まれており,Kovykta にその可能性がある。これにはロシア政府がGazprom のKovyktaの上流参入機会を与えようとしているものとの見方すらある。また,天然ガス輸送を独占するGazpromは同社が関与しないままに,天然ガス輸出プロジェクトがすすむと,独占が脅かされるものとして危惧しており,「輸出オペレーター」としての参画も主張している。現時点で政府の開発プログラムではGazpromの関与が大いに支持される内容になっており,同社のロビー活動が功を奏しているものと見られる。BPとしてはKovykta のガス輸出については自らがライセンスを持ちたいところだが,今後GazpromがKovyktaガス輸出のオペレーターとなれば, BPにとって支障となる可能性がある。パイプラインの運営についても早急に協議をすすめる必要がある。(参考 動向2003/6/27「Gazpromの東シベリアへの積極的進出は同地域の開発を促進するか」) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 3 - 【参考】Kovyktaガス田開発プロジェクトの概要 ロシア・イルクーツク州のKovyktaガスコンデンセート田(Irkutsk市の450km北西に位置する。)の開発を行い,そのガスをパイプラインにより供給する構想。可採埋蔵量は39.9tcf。1975年の震探により鉱床の存在が確認され,1987年に発見が公式発表された。2001年2月にPS法適用鉱区としてリストアップされたが,現在PS法の大幅な見直しが国会で審議されており,同鉱床の取扱いについてもPS法不適用の可能性も含めて明らかではない。(参考 動向2003/5/29「下院審議でPS法が後退」) Rusia Petroleumがオペレーターで1993年11月に開発ライセンス(2018年まで有効)を取得している。RusiaPetroleumの株主はTNK-BP62.06%(BP32.95%,TNK29.11%),Interros25.72%,Irktsk州11.66%,その他0.56%である。また,東シベリアの天然ガス開発・輸送に影響力を持つべく,Gazpromが参入の意向を表明している。パイプラインは2008年稼動予定で,初年度は12bcm/y,その後30bcm/y(中国20 bcm/y,韓国10 bcm/y)を供給する。ロシア国内向けには2006年より6bcm/y供給予定である。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 4 -
地域1 旧ソ連
国1 ロシア
地域2 アジア
国2 中国
地域3 アジア
国3 韓国
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 旧ソ連,ロシアアジア,中国アジア,韓国
2003/08/14 古川 純也
Global Disclaimer(免責事項)

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