ページ番号1003115 更新日 平成30年2月16日

アゼルバイジャン:Aliyev 大統領世襲体制準備すすむ~大統領病状は深刻、息子が首相に

レポート属性
レポートID 1003115
作成日 2003-08-26 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 探鉱開発
著者
著者直接入力 古川 純也
年度 2003
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ <更新日:2003/8/26> <企画調査部:古川純也> アゼルバイジャン:Aliyev大統領世襲体制準備すすむ~大統領病状は深刻,息子が首相に (2003 FT8/2-3,8/5,8/7,Nefte Compass8/7,Upstream8/8他) 1. Aliyev現大統領の病状は深刻であり,権力承継に向けた体制整備がすすめられている。息子Ilham Aliyevが首相に任命され,世襲体制が整いつつある。 2. Ilham Aliyevが将来的に大統領になれば,石油ガス開発への西側資本導入という現政策の延長が予想されるため,外国投資家は歓迎している。しかし,同氏の実力への評価は高くはなく,長期的な政権安定は疑問視されている。 Ilham Aliyevが首相に就任,10月の大統領選挙への立候補も表明 1. 強力な政治体制を敷いてきたHeydar Aliyev大統領の後継者問題は国内外の関心を集めている。Aliyev現大統領は本年4月に倒れた後,深刻な病状が噂されているがこのたび、世襲体制確立の動きが見られた。 大統領の最有力後継者と見られてきた息子Ilham Aliyevが8月4日に首相に任命された(議会は野党の投票ボイコットにより,反対票ゼロで承認)。同氏は既に7月19日に大統領選挙(10月15日予定)への出馬登録を行っている。現在のアゼルバイジャン憲法下では大統領が職務を遂行できなくなった場合には首相が大統領代行を務めることが規定されている。また,大統領選挙に出馬表明を行っているのは現大統領(父)と首相(息子)のみであるが,最終的には現大統領が立候補をとりやめることで息子に大統領を世襲するもの,と見られている。 Ilham Aliyev首相の略歴> <1961年12月24日バクーに生まれる。1982年モスクワ国立国際関係大学卒業,外交問題専攻。1985年まで同大学院に在籍。史学博士候補。1985~1990年モスクワ国立国際関係大学講師。1991~1994年モスクワの「オリエント」社長。1994年5月からアゼルバイジャン共和国国営石油会社Socar対外経済担当副社長。1996年12月から国営石油会社Socar第一副社長を務める。1999年2月からアゼルバイジャン日本経済協力国家委員会委員。1995年11月アゼルバイジャン共和国議会議員に選出される。1997年夏アゼルバイジャンナシGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - ㏍iルオリンピック委員会委員長に選出される。1999年12月与党「新アゼルバイジャン党」副党首。2000年1月からカスピ海横断パイプライン計画実現国家委員会メンバー。2003年8月アゼルバイジャン首相に就任。英語,フランス語,トルコ語,ロシア語を話す。既婚。二女一男。 <Heydar Aliyev大統領の略歴> 1923年5月10日ナヒチェヴァン市(アルバイジャン共和国ナヒチェヴァン自治共和国首都)に生まれる。アゼルバイジャン人。ナヒチェヴァン教育専門学校,バクー国立大学史学部卒業。1939~1941年アジズベコフ記念アゼルバイジャン産業大学に学ぶ。1941~1944年ナヒチェヴァン自治共和国人民委員会議部長。1944~1947年ナヒチェヴァン自治共和国内務人民委員会(KGBの前身であるNKVD)勤務。1950年保安省研修終了。1950~1969年アゼルバイジャン国家保安委員会(KGB)の様々な職務に就く。1964~1967年アゼルバイジャン共和国国家保安委員会副議長,1967~1969年同議長,陸軍少将。1969~1982年アゼルバイジャン共産党中央委員会第一書記。1971年からソ連共産党中央委員。1976~1982年政治局員候補。1982~1987年政治局員,ソ連邦閣僚会議第一副議長。1987~1988年ソ連邦閣僚会議議長顧問。1990年アゼルバイジャン人民代議員に選出される。1990~1993年ナヒチェヴァン自治共和国最高会議議長,アゼルバイジャン共和国最高会議副議長を兼任。1991年6月26日共産党離党。反エリチベイ大統領派「新アゼルバイジャン」党を結成。1993年6月15日アゼルバイジャン最高会議議長に選出され,6月24日からアゼルバイジャン大統領代行も兼任。1993年10月3日アゼルバイジャン大統領に就任。1998年10月アゼルバイジャン共和国大統領に再選される。2003年8月現在現職。 (略歴はいずれもロシア東欧貿易会会員専用ページより) <アゼルバイジャンの大統領選挙> 直接選挙制。大統領任期は5年。 現大統領Heydar Aliyevは1993年10月4日に就任,1998年10月より2期目。 <アゼルバイジャンの議会選挙> 1院制,125議席,任期5年。 2000年11月の総選挙では新アゼルバイジャン党,無所属等の与党系が議席の9割を占めたが,欧州安保協力機構(OSCE)が選挙の公平性に疑問を呈するなど,相当な不正があったものと見られている。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 2 - Aliyev大統領の健康問題 Aliyev大統領は心臓を患っており,本年4月のTV中継中に倒れて以来,国民の前に姿を現していない。80歳と高齢であることから,後継者を巡る議論が活発化している。4月よりトルコの病院に入院してい 2たが,この間,大統領危篤・死亡報道が幾度となく流されており,大統領側は反勢力による政治意図的な情報操作である,とこれを否定している。しかし,7月に米国の病院に移送された際にも既に意識が確かではないであるとの報道もある通り,一般的に病状は深刻なものと受け止められている。今回,息子の首相任命が早急にすすめられたことから,大統領の健康状態は思わしくなく,大統領交代の時期はかなり近いと見る向きもある。 Ilham Aliyev首相に対する評価 . Aliyev大統領はかねてから世襲により息子Ilham Aliyevを大統領としたい意向であったが,後継が絶対視されなかったことには理由がある。Ilham Aliyevは政治への関心をもたず,大統領世襲の意志が無く,「プレイボーイ」と表現されるとおり,放蕩な生活を繰り広げてきたと言われている(2003/8/5FT)。そのため国民は同氏の政治家としての能力に疑問を抱いているといわれている。しかし,2000年の総選挙以降はIlham Aliyevは政治的要職を務め,実績を積み上げており,後継者としての鍛錬を受けてきたとも見ることができる。 3アゼルバイジャンの石油ガス開発に莫大な投資を行ってきた西側資本は,政権の行方に注目している。Aliyev大統領1993年の就任以来,外資導入を積極的にすすめており,この10年間で22のPSA締結と500億ドル以上の投資を呼び込んできたように,隣国のCIS諸国に比べ外資導入が一定成果を収めた。外資導入への理解や,米国やトルコとの関係構築によりBTCパイプライン計画をすすめてきた大統領の手腕を評価する声もある。 1996年末よりSocarの第一副社長を務めてきたIlham Aliyev氏は外資導入による開発に理解があり,現在の開発路線は継続される可能性が高い。アゼルバイジャンでは父Aliyevの体制が強力であり,西側資本は現Aliyev政権との関係構築に偏ってきた傾向がある。そのため野党勢力が政権を握った場合の外資との関係を不安視している。このことからも外資はIlham Aliyev氏への「スムーズな世襲」を好ましいと考えている。但し,同氏の政治能力は疑問視されており,父Aliyevのような強力なリーダーシップを発揮できず,長期的視点からはな投資リスクが増すことは否定できない。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 3 - . 国外投資家の反応 40月の大統領選挙に向けた反体制派の動向 . 反Aliyev 体制は,今回の世襲に向けた動きを警戒し,政権への批判・攻撃を強めている。Aliyev大統 5領は強力であり,またこれまでも公正な選挙が行われているとは言いがたく,対抗政治勢力の実力については確たる評価が難しい。野党は2000年の総選挙では,不正な選挙運営に抗議し,選挙をボイコットした(選挙活動をせず,選挙監視の立場に徹底した)ため,その支持率については未知数であるが、「公正な選挙」を行えば,野党が政権をとれるという評価もあった。 しかし,野党は「権力世襲」に反発しながらも、イスラム教勢力や共産主義勢力等多様であるため、統一候補擁立に失敗しており、大統領選挙には10人以上の反体制派が立候補する見込みである(毎日新聞2003/8/25)。このことからも父Aliyevが立候補を回避した場合には,Ilham Aliyev首相が当選する公算が高くなっている。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 4 -
地域1 旧ソ連
国1 アゼルバイジャン
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 旧ソ連,アゼルバイジャン
2003/08/26 古川 純也
Global Disclaimer(免責事項)

このウェブサイトに掲載されている情報はエネルギー・金属鉱物資源機構(以下「機構」)が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、機構が作成した図表類等を引用・転載する場合は、機構資料である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。機構以外が作成した図表類等を引用・転載する場合は個別にお問い合わせください。

※Copyright (C) Japan Organization for Metals and Energy Security All Rights Reserved.

本レポートはPDFファイルでのご提供となります。

上記リンクより閲覧・ダウンロードができます。

アンケートにご協力ください
1.このレポートをどのような目的でご覧になりましたか?
2.このレポートは参考になりましたか?
3.ご意見・ご感想をお書きください。 (200文字程度)
下記にご同意ください
{{ message }}
  • {{ error.name }} {{ error.value }}
ご質問などはこちらから

アンケートの送信

送信しますか?
送信しています。
送信完了しました。
送信できませんでした、入力したデータを確認の上再度お試しください。