ページ番号1003126 更新日 平成30年2月16日

ロシア/米国:第二回米露エネルギーサミットが開催

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レポートID 1003126
作成日 2003-09-26 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 探鉱開発
著者
著者直接入力 古川 純也
年度 2003
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ <更新日:2003/9/26> <企画調査部:古川純也> ロシア/米国:第二回米露エネルギーサミットが開催 (2003 IF9/26-10/2,FSU Oil & Gas Monitor9/24,Reuters9/22他) 第二回米露エネルギーサミットがSt.Petersburgで開催された。昨年10月の第一回サミットより更に踏み込んだ内容で,具体的なプロジェクトに関する議論も行われた。 二回米露エネルギーサミットが9月22-23日にSt.Petersburgで開催された。政府,業界が一同会する米露初の本格的なエネルギー対話として注目された昨年10月の第一回(Houstonで開催,参考/動向2002/10/25『米露エネルギーサミットが開催』)は,対イラクの緊迫が高まっていく情 第勢のもとで,今後の米国のエネルギー安全保障へのロシア原油の貢献という政治的メッセージを打ち出したものの,具体的なプロジェクトレベルでの両国の協力,投資の可能性については踏み込むことはなかった。むしろ米国側はサミットを機会に,今後のロシアへの投資拡大の前提として,ロシアにおける投資環境の更なる整備(PS法をはじめとする法的インフラ整備,企業透明性の拡大,独占部門の解体等)を強く求めていた。こうした結果については,当時の米国向けのパフォーマンス(米国向けの原油タンカー輸出開始,原油備蓄基地創設案の提示)の一方で,米国の上流開発投資への期待が高かったロシアにとっては,やや期待をそぐもの,との評価もあった。 しかしロシアではプーチン政権の下で,政治的安定と経済発展を達成しており,投資環境は大きく改善してきた。特にこの一年ではBPの大規模投資によるTNK-BPの設立(2003年2月発表),YukosSibneftへの欧米メジャーの直接出資の噂など,ロシアにおける大型投資が注目されている。今回のエネルギーサミットにおいては,ロシア側はYusufovエネルギー相,Gref経済発展貿易相,Gazprom,Transneft,Lukoil,Yukosのトップ,米国側はAbrahamエネルギー長官,Evans貿易長官をはじめとし,ExxonMobil,ChevronTexaco,Marathon Oilが参加している。昨年とは違い,具体的なプロジェクトに関する議論があり,大きな決定は行われなかったが,今後ロシアへの投資拡大に更に期待が持てる内容となった。次回第三回は,米国で開催予定である。今回のサミットの主なトピックスを以下にまとめた。 (1) LNGへの関心 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - azpromは米国へのLNG輸出計画を積極的にアピールした。昨年は石油が議論の中心であったことと,米国側からの同社に対するロシアガス産業の独占解体の訴求を回避するため,Gazpromはサミットに参加しなかった。しかしGazpromも生産拡大のために外資との提携に積極的な姿勢を示しており,特に今回はBarents海沖合いのShtokman大ガス田の開発と同ガス田のガスを利用したLNG基地建設(ConocoPhillipsがGazpromとの提携に関心)を訴えた。今後大きな伸びが予想される米国の天然ガス需要にはロシアも関心を示しており,Gazpromは石油同様,米国のエネルギー安全保障にロシアの天然ガスポテンシャルの貢献の可能性を強く訴えてきた。ただ投資規模が大きいことから,プーチン大統領は北極海のLNG基地建設は早急には期待できないとコメントしている。 (2) Murmansk パイプライン計画 Yukos のKhodorkovsky社長は同社が計画するMurmanskパイプライン,露中パイプラインの2つの原油パイプライン計画を取り上げ,両パイプライン計画が進展しなければ,大きな損害を与えると発言した。Yukos は昨年のサミットにあわせて,米国向けの原油タンカー輸出を開始し米国向けのアピールを行った。Murmansk パイプライン計画は米国側の関心も高い。Murmansk には大型タンカー(VLCC)が接岸可能な不凍港を建設する予定であり,そこから米国には最短9日で,現在より経済的に原油輸送できる見込みである。これによりロシアの原油輸送が拡大すれば,米国の原油消費の15%をロシアが担うことができるとの見方もある。 (3) ExxonMobilがSakhalinⅢはPS適用外で開発の意向を表明 ExxinMobilはSakhalinⅢの開発は現行税制下で開発し,PS法は適用しない意向を表明した。法的インフラが未整備であったロシアにおいて,上流開発には欠かせないものとして,これまで外資はPS法の改正を求めてきた。しかしPS法自体が,議会の議論の中で後退していく一方,一般の税制の整備が進んでおり,ロシアでは最近はPSに頼らなくても,上流開発に関する法的リスクは少ないとの見方もあった。今回のExxonMobilの表明には,早急に開発をすすめるためにもPSに頼らないとの意味合いも考えられるが,BPの直接投資(TNK-BP設立)とあわせて,PS法に頼らない投資事例として,今後の外資の投資動向に影響を与える可能性がある。 (4) Lukoilがバルト海原油製品ターミナル建設についてOPICとファイナンス契約締結 Lukoil はバルト海Vysotsk港の原油製品輸出ターミナル建設について,米国のOverseas Private Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 2 - nvestment Corp.(OPIC),Credit Suisse First Bostonから225百万ドルの融資を受けたことを発表した。同港からは2004年に11万b/d の製品を輸出する予定で,米国のGetty Petroleum(Lukoilが2001年に買収した製品販売会社)への輸出が計画されている。 (5) その他 YukosSibneft は現在同社の株式25%をメジャーに売却するのでないかとの噂があり,ChevronTexaco,Exxonmobilの名前が挙がっているが,いずれの側もこの噂を否定している。今回のサミットにあわせて株式売買の発表があるのではないかとの見方もあったが,全く触れられることは無かった。 またロシアのGref経済発展貿易相は,Gazpromの構造改革を取り上げた。ロシアの天然ガス生産と輸送を独占する同社の改革は,ロシア国内の天然ガス生産復調のための大きな鍵であるといわれてきたが,同社の抵抗勢力の力も強く,大きな進展が見られていない。Gref経済発展貿易相は改めて同社の生産部門と輸送部門を分離する方針を明らかにしたが,これは米国側が求める独占部門解体に一致している。一方Gazpromは最近輸送インフラへのアクセスをロシアの石油会社に部分的に認めはじめている。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 3 -
地域1 旧ソ連
国1 ロシア
地域2 北米
国2 米国
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 旧ソ連,ロシア北米,米国
2003/09/26 古川 純也
Global Disclaimer(免責事項)

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