ページ番号1003166 更新日 平成30年2月16日

サウジアラビア:Shell 、Total がガス開発契約に正式調印、再入札は予定通り 1 月実施

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レポートID 1003166
作成日 2003-11-26 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 探鉱開発企業
著者 猪原 渉
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年度 2003
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ <更新日:2003/11/26> <企画調査部:猪原 渉> サウジアラビア:Shell,Totalがガス開発契約に正式調印,再入札は予定通り1月実施 (2003 IOD 11/18,Platts 11/18,MEES 11/17,PIW 11/24,Shell,Total,Saudi Aramco各ホームページ) サウジはShell,Totalと正式にガス探鉱・生産契約に調印。再入札案件についても,来年1月に入札締め切り,落札会社決定を目指す。当初枠組みが大きく変わったことに王族から痛烈な批判。 (動向「ガスプロジェクト再入札説明会を実施,RD/Shell,Totalとは旧CV3探鉱で合意」(2003/8/26作成)続報) .上流分野への外資参入が正式に決定 12003年11月15日,リヤドにおいて,サウジアラビアとShell,Totalとの間で,同国Rub al-Khali砂漠南部(通称’Empty Quarter’)における未開発ガス鉱区の探鉱・生産に関する正式契約の調印が行われた。Shell,TotalとSaudi Aramcoは,年内を目途にジョイントベンチャー会社を設立する。権益比率はShellが40%,TotalとSaudi Aramcoが各30%である。契約期間は探鉱を含め40年間(内生産期間は25年間)である。今回の契約は,1970年代のAramco国有化以降初めてサウジの石油・ガス上流分野での外資の参加が実現するものであり,調印式にはNaimi石油相,Phil Watts会長(Shell),Thierry Desmaret会長(Total),Abdalla Ju’mah会長(Saudi Aramco)の首脳が揃い踏みしたほか,英国政府のBrian Wilson首相特使も参加した。 本プロジェクトの対象鉱区は面積209,160k㎡と広大であり,「オランダの約5倍,英国国土とほぼ同面積」(Shellプレスリリース)に相当する。当該契約範囲は,Gas Initiativeプロジェクトのコアベンチャー(CV)3(Shaybah地域開発プロジェクト)に含まれていた範囲(ただしCV3では対象エリア面積9万k㎡とされた)であるが,CV3の対象範囲から中下流(パイプライン,発電プラント,海水淡水化プラント)および既発見ガス田(Shaybah,Kidan)の開発が除外され,未開発ガス田の探鉱・生産のみとなった。投資総額もCV3では50億ドルとされたが今回の契約では約20億ドルと報道されている。また,CV3のパートナー会社のひとつであったConocoPhillipsは今回の契約には参加しなかったが,カタールのLNG事業への集中投資を図るための判断であったとみられる。 本プロジェクトについては,サウジとShell,Totalが7月16日に基本合意し,その後,サウジ政府内の手続きが進められてきた。10月15日のSaudi Aramcoの役員会に続き,11月2日に最高石油評議会(SPC)で承認を受け,11月10日にはサウジ政府の最高決定機関である閣僚会議において承認された。Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - 1月15日の調印式も含めラマダン期間(11月25日頃までの1ヶ月)中に一連の手続きが進められたのはサウジでは異例のことといえるが,長期に亘り交渉が行われたGas Initiativeの枠組みが結局瓦解したことに加え,リヤドで5月に続き11月にも爆弾テロが発生したことによるサウジの投資環境の悪化イメージが増大したことから,これをできるだけ払拭したいとの意向が働いたとの見方もある。 これまでの交渉過程で外資各社が満足できるリターン率(15%以上?)がサウジ側から提示されたとされるものの,プロジェクト自体はハイリスクの探鉱案件であり,見通しは決して楽観出来るものではないものと見られる。調印式に出席した各社首脳が揃ってプロジェクトの意義を賞賛したことは当然のことといえるが,TotalのDesmaret会長が「Rub’al-Khali(Empty Quarter)は決してemptyではないと自信を持っていえる」とわざわざ強調したのも,探鉱鉱区のポテンシャルが未知数であることからプロジェクトの成否 一方,ExxonMobilなどとの交渉が決裂したCV1(南Ghawar地域開発プロジェクト)の範囲のうち約12万k㎡(A,B,Cの3鉱区計)の未開発ガス鉱区での探鉱・生産を対象(中下流事業を除外)とする再入札の検討が進められているが,Naimi石油相は11月16日,同事業は当初予定通り来年1月に入札を締め切り,1月26日からの3日間に分けて3鉱区毎の落札会社を決定する予定であると表明した。Naimi石油相によれば,石油会社51社を招待した7月の再入札説明会には41社が参加し,現時点で27社が入札の意向を示しているという。 ただし,Naimi氏自身も認めているとおり,最終的に何社が入札を行うかは不明であるのに加え,Shell,BPやExxonMobilは入札には参加しない意向であるとの報道もあり,今後サウジ側の思惑通りのスケジュを疑問視する見方があることを十分認識した上での発言といえよう。 .再入札案件は予定通り1月に入札結果発表 2.石油相,Saudi Aramcoに対し王族から痛烈な批判 3ールで進むかどうかは不透明である。 世界的な大富豪として知られるal-Walid Talal王子(Fahd国王の甥)は,国外のアラビア語新聞に掲載されたサウジ人ジャーナリストによるインタビューで,今回のShell,Totalとの契約について「名ばかりの投資に過ぎず,大した投資はもたらされない」と批判した。さらに「Gas Initiativeは『茶番劇』であった。当初計画が瓦解したことで,パイプライン,発電など様々な分野での投資機会が失われた」「石油官僚組織を代表するSaudi Aramcoおよび石油大臣による妨害が原因で失敗した」と述べた。外国企業への積極的投資を行い巨額の富を築いてきたWalid王子は,外資開放にも積極的姿勢をとってきた「開明的」王子として知られるが,王族の重要メンバーから,石油大臣およびSaudi Aramcoに対する批判がこれほどまGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 2 - ナ明確な形で表明されたことは極めて異例のことである。Abdulla皇太子が進める改革路線を巡り,王族内部で守旧派と改革推進派の対立が尖鋭化しつつあることのひとつの証左ともいえる。 <Gas Initiative当初案> <現状スキームと動向> 1 サウジアラビアのガスプロジェクト概要 表プロジェクト 参加企業 シェア CV1 (南Ghawar) *:リーダー ExxonMobil(*) RD/Shell BP ConocoPhillips CV2(紅海) ExxonMobil(*) Occidental Marathon CV3 (Shaybah) RD/Shell(*) Total ConocoPhillips 35% 25% 25% 15% 60% 20% 20% 40% 30% 30% 投資額(ドル)150億 50億 50億 摘要 スキーム 動向 新たなガス探鉱の実施 →Rub al Khali砂漠北部一角約10万km2南Ghawar地域(Haradhガス田等)でのガス開発 ガス処理設備,発電プラント,石油化学プラント Midyan(陸上),Barqan(海上)等の既発見未開発ガス田開発 パイプライン,発電プラント,淡水化プラント 新たなガス探鉱の実施 →Rub al Khali南部約9万km2Kidanサワー・ガス田開発 Shaybah油田随伴ガス開発 パイプライン,発電プラント,淡水化プラント Rub al Khali北部約12万km2(3ブロック計)の探鉱・生産 7/22にロンドンで再入札説明会実施 (41社参加),03年1月に落札会社決定目指す 対象から除外(別途個別契約?) Rub al Khali南部約20万km2の探鉱・生産 <20億ドル?> 11/15に正式契約 40% ・RD/Shell ・Total 30% ・Saudi Aramco 30% 対象から除外(別途個別契約?)(各種報道資料等より作成) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 3 - }1 サウジアラビアガス探鉱対象鉱区図(現状スキーム) *A,B,C:再入札対象鉱区エリア(7/22,23説明会実施) Rub al-Khaliエリア:RD/Shell,Total,Saudi Aramcoとの契約エリア(11/15調印)(推定位置) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 4 -
地域1 中東
国1 サウジアラビア
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国10
国・地域 中東,サウジアラビア
2003/11/26 猪原 渉
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