ページ番号1003602 更新日 平成30年3月5日

米国:天然ガスの新規供給プロジェクトが市場にあたえるインパクト

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レポートID 1003602
作成日 2007-01-16 01:00:00 +0900
更新日 2018-03-05 19:32:42 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 市場天然ガス・LNG
著者
著者直接入力 久保田 浩
年度 2006
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2006/1/16 ヒューストン事務所:久保田 浩 (Platts、Upstream、Houston Chronicle他) ・ 今後3年から5年にかけて、ロッキー山脈地域から米国北東地域へ天然ガスを供給するためのパイプライン建設計画が具体化してきた。これまで、比較的価格が安い西側と高価格の東側を結ぶ、これほど大規模な天然ガス供給計画はなかったが、今回2つのプロジェクトが計画されている。 ・ 一方で、米国エネルギー統計局の2006年年次報告書にもあるとおり、米国のLNG輸入の増大により、LNGの天然ガス消費量に占める割合が2030年には16% (04年2.6%) を占めると予想されているなど、米国市場に占めるLNGの存在感は増大する。 ・ ニューヨーク等の米国北東部は、全米平均より、天然ガス価格が高い地域であり、加えて、ルイジアナ州のHenry Hub取引価格の先物市場もあることからリスクマネージメントのための情報を収集している市場参加者も多く、天然ガス市場に敏感である。 ・ このような市場に敏感な米北東部に対し、ロッキー山脈地域から新たに天然ガスが供給されることは、米国におけるメキシコ湾岸地域等からのLNG供給が今後確実に増加することを考慮すると、両者の供給競争により、天然ガス市場に劇的な変化をもたらす可能性がある。 .ロッキー山脈地域から北東地域への新規パイプライン建設計画 12008年から2009年にかけて、 ロッキー山脈付近で生産される天然ガスを、高価格が期待できる米北東部市場に輸送される計画がある。これまで、比較的天然ガス供給価格が安い米西側地域から北東部を結ぶ天然ガス供給計画はなかったが、今回2つのパイプライン・プロジェクト(Rockies Express, Mid-Continent Crossing)が計画されている。 Rockies Expressには、Kinder Morgan Energy Partners LP、Sempra Energy、ConocoPhillips Co.の3社が参加しており、 既に、五大湖南東側のオハイオ州までの供給を提案している(2009年6月を予定)。加えて、可能な限りペンシルバニア州Oakfordまで供給を拡大するのではと推定されているが未定である。一方、Mid-Continent Crossingには、Duke Energy Gas Transmission、CenterPoint Energy Gas Transmission Co.の2社が参加しており、こちらは、オハイオ州境寄りのペンシルバニア州Oakfordまでの供給が最終目的であることを計画している(2008年10~12月を予定)。双方のプロジェクトとも市場に影響を与える北東地域のペンシルバニア州の中までの拡張可能性を計画し、具体的な供給開始年は公にはされていないが、市場関係者では早ければ2009年の供給開始との見方もある(表)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - 米国:天然ガスの新規供給プロジェクトが市場にあたえるインパクト ockies Express (3社共同プロジェクト)Mid-Continent Crossing (2社共同プロジェクト)Kinder Morgan Energy Partners Sempra Energy ConocoPhillips Duke Energy Gas Transmission CenterPoint Energy Gas Transmission 1.8Bcf/d 1.5 ~1.75 Bcf/d (最大2.0 Bcf/d) 2009年6月供給予定(※1)2008年4Q(10-12 月)供給予定(※2)※ 1 ペンシルバニア州境であるオハイオ州Clarington ※ 2 オハイオ州境寄りのペンシルバニア州Oakford (出典:各種報道) 現段階では、オハイオ州からペンシルバニア州へのパイプライン整備計画については依然として具体化しておらず先行きは不透明であるにもかかわらず、本パイプライン計画の動向は、市場関係者の注目を浴びている。その理由として考えられるのは、一つは、現在高価格である米北東部等の将来の国内需要を満たすためには、メキシコ湾岸地域と北米東海岸の受入基地でで再ガス化されたLNG供給とロッキー山脈からの供給プロジェクトの双方とも必要であると認識されていることである。また、後述するが、北米北東部へのパイプラインが整備されることにより米国東西で存在していた天然ガスの価格差が縮小する可能性があげられる。 1:ロッキー山脈における天然ガス供給プロジェクト参加企業 表 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 2 - Q.東西で分かれる天然ガス価格、市場に敏感な米北東地域 米国では、天然ガス・パイプラインが、特に全米を東西に横切るインフラ整備が未整備なこともあり、各市場で取引されるスポット価格や最終的に消費者に提供される価格は東西で異なっているといわれる。図のように、天然ガス価格は個々の州により大きく異なっていることが明確である。2005年の全米の平均価格は、12.81US$/Mcf であることを考慮すると、特に米国西側地域と比べ、ニューヨークなどの米国北東部など東側の多くの州で、全米平均価格を超えているという特徴が伺える。なお、2006年は5US$から8US$/Mcfで推移していた状況と比べ2005年の平均価格が高いのは、2005年はハリケーン・カトリーナの影響による供給不安から天然ガスが高価格で(2006 年と比べ約5US$/Mcf程度高く)推移したためである。 図.2005年の米国の各地域における天然ガス価格(単位:US$/Mcf) (出典:米国エネルギー統計局/EIA(Energy Information Administration)) 図に示された価格の違いは、これまでの取引市場ではごく自然な構図である。それぞれの取引市場は、生産地の近隣の輸送拠点(Hub)や都市部の消費地の入り口(City Gate)などに存在しており、各市場での取引価格(スポット価格)は、生産地周辺であれば、そこでの売買状況が反映し決定され、生産地から供給を受ける消費地の入り口では、プラス輸送コストという生産地連動価格になるからである。 今回のロッキー山脈からの米北東部へパイプライン建設は、次の点で重要な意味を持つと考えられる。1点目は、ニューヨーク等の米国北東部は、ルイジアナ州のHenry Hub取引価格の先物市場Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 3 - 烽?ることからリスクマネージメントのための情報を収集している市場参加者も多く、天然ガス市場に敏感である。そして、2点目は、この市場に敏感な米北東部へ、純粋な需給動向による市場価格だけを考えれば、当初、LNGの輸入量の増大だけが市場価格の決定要因であったところ、2006年夏から秋にかけてより具体化してきた、ロッキー山脈からの豊富な量の天然ガスが供給されれば(2つのパイプライン計画では最低でも3.3Bcf/dの供給計画があり、これは現在のニューヨーク州の消費量とほぼ同量である。)、メキシコ湾岸地域等からのLNG価格は単純に湾岸からの輸送コストを加えた価格というわけにはいかず、価格下落のプレッシャーは自ずと加わる。他方、これは、ロッキー山 市場に敏感な米北東地域を舞台とする、ロッキー山脈からの天然ガス価格とメキシコ湾岸地域からのLNG価格との競争の激化により、これまでのいわゆる東高西低の価格特徴は大きく変わる可能性がありうる。しかしながら、現時点では、ロッキー山脈からの輸送コスト、オハイオ州からペンシルバニア州へのパイプライン計画はいまだ具体化していないことや今後のLNGがどれくらい増加するかなど、未だ不確定要因が多すぎ、単なる市場関係者内での予想や願望とも考えられなくもない ロッキー山脈からの天然ガス供給計画は、既述したとおり、市場に強く影響を与えるであろうペンシルバニア州の近く(オハイオ州)までの供給計画であり、ペンシルバニア州の中までの計画は、未だ具体的な供給開始時期も定かでない。しかしながら、現在、高価格で推移している油価が大幅に価格下落しない限り、2008年後半から2009年半ばまでに開通予定であるオハイオ州とペンシルバニア州境からパイプラインが延長される又は系列関係会社のパイプラインと接続される可能性は非常に高いと思われる。少なくとも5年から10年という期間で見れば、油価が現在の水準で推移する限り、競合するLNGの供給が遅れれば遅れるほど、ペンシルバニア州やニューヨーク州への供給開始は早い時期に開始されると考えられる。 一方、LNGについて、LNGの輸入量が増加するかはLNGの受け入れ基地の拡張・整備状況に依存する。2006年12月現在における米国LNGプロジェクトの進捗状況は、既にLNG受入れが完了しているのはわずか5箇所にすぎない。現在、FERC(Federal Energy Regulatory Commission)による承認を受けたものは、16箇所(東海岸5箇所、メキシコ湾11箇所)に上るが、LNG受入基地に対する反対運動、いわゆるニンビー(NIMBY:not in my backyard)と呼ばれる、廃棄物処理施設などの好ましくないものを他所に設置するのはいいが自分の近所には絶対いやだという人達の抵抗は決して少なくはないであろう。しかしながら、米国エネルギー統計局の2006年年次報告書には、米国のGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 4 - 脈からのガス価格にも同様のことが当てはまる。 .不確定要因、今後の課題 3NG輸入の増大により、LNGの天然ガス消費量に占める割合が2030には16% (04年2.6%) を占めると予想されているなど、米国市場に占めるLNGの存在感は今後確実に増大するであろう。多少の遅れはあるものの中期的に見れば、今後確実に増大する需要に対応するためLNG基地も確実に整備されていくであろう。 今後のエネルギーに占める天然ガス利用の増加の可能性は、現在、高価格で推移している油価の影響に依存するところは大きいが、少なくとも、天然ガスは、現在の主要なエネルギー源の中では、大気汚染の少ない環境にやさしい、そして比較的経済的な燃料であることは間違いない。今回のロッキー山脈地域のパイプライン・プロジェクトにより、現在の経済的なガス供給を維持するだけでなく、5年から10年という遠くない将来において、LNG供給との競争を通じて、より経済的、安定的な天然ガス供給のきっかけとなることを望みたい。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 5 -
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