ページ番号1003606 更新日 平成30年2月16日

中国:原油価格高騰後の石油産業に対する行政措置

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レポートID 1003606
作成日 2007-01-19 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 探鉱開発
著者 竹原 美佳
著者直接入力
年度 2006
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 中国:原油価格高騰後の石油産業に対する行政措置 更新日:2007/1/19 石油・天然ガス調査グループ:竹原 美佳 政府は原油価格高騰を受け、石油製品価格統制の歪みにより損失が生じたSinopec Corp.には補助金を支給する一方、石油開発企業には生産税の引き上げや原油販売に係る新税導入という厳しい姿勢で臨んでいる。 ・・ 政府は石油製品価格制度の見直し(国際原油価格への連動など)を検討しているが、農業・公共輸送部門など低所得者層への影響を考慮し、価格の全面的な市場化は当面行わない方針 . Sinopec Corp.精製部門への補填と石油開発企業への締め付け 1(1)Sinopec Corp.への補助金 2006年12月、中国商務部は精製部門の損失補填として、中国石化(Sinopec Corp.)に対し50億元(約750億円)の補助金を支給すると発表した。Sinopec Corp.は全体では黒字となっているが、精製部門は2005年以降、“石油製品価格制度の歪み”による損失が生じている。 政府は前年もSinopec Corp.に精製部門への損失補填として94億1,500万元(約1,400億円)を支給、同社は特別利益として計上している。2006年も同様に処理すると思われる。 Sinopec Corp.の年報(2005年)によると、2005年の探鉱開発部門の営業利益597億元(約7,000億円)に対し、精製部門は78億元(1,200億円)の損失となっている。Sinopec Corp.は中国最大の精製企業で、2005年に280万バレル/日の原油を処理しているが、原油価格の高騰に加え、石油製品価格制度の歪みにより、精製部門の粗利は2004年の3.86ドル/バレルから2005年には1.32ドル/バレルに低下した模様である。 一方、政府はSinopec Corp.につぐ精製能力を保持する中国石油(PetroChina)に対し、高油価による開発部門の利益で精製事業の損失を補えると判断し2005年同様、今年も補助金を支給しない方針である。PetroChinaの年報(2005年)によると、2005年に同社の原油処理量は206万バレル/日で、Sinopec(約280万バレル/日)につぐ、国内第2位の精製業者である。同社の精製(マーケティングを含む)部門の営業利益は198億元(約3,000億円)の損失を計上している。しかし、原油生産量はSinopecのほぼ3倍の226万バレル/日であり、探鉱開発部門の営業利益は2,080億元(3兆1200億円)に達している。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ュ府は “油価高騰により暴利をむさぼっている”と批判の声が上がった石油開発企業に対し、2005年7月に生産税を引き上げ、2006年3月には原油販売に係る「石油特別徴収税(Windfall Tax)」を導入するという厳しい姿勢で臨んでいる。 ①生産税引き上げ 2005年7月、財政部と国家税務総局は石油・天然ガス生産税を引き上げた。生産税は1993年に制定された。陸上は生産地域毎、油種により異なる税率が設定され、沖合は石油・天然ガス売上の5%となっていた。12年振りの改定により、陸上における原油の生産税は8~24元/トン(0.13~0.4ドル/バレル)から14~30元/トン(0.24~0.5ドル/バレル)に引き上げられ、天然ガスは2~15元/m3(0.7~5.2セント/cf)から7~15元/m3(2.4~5.2セント/cf)に引き上げられた。今回、沖合については改定の対象となっていない。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 表1:SinopecとPetroChinaの比較 売上高PetroChinaSinopec5,522億2,900万元(8兆2,834億円)8,231億1,700万元(12兆3,468億円)営業利益(探鉱開発)2,080億8,000万元(3兆1212億円)597億3,200百万元(8,967億3,000万円)△78億7,800万元(1,181億7,000万円)39,558百万元 (5,934億円)94億1,500万元(1,412億2,500万円)76.446.3279.8 営業利益(精製)純利益△198億1,000万元*(2,971億5,000万円)139,642百万元 (2兆946億円)なし22648.4206政府損失補填原油生産量(万バレル/日)原油平均販売価ドル/バレル)格(原油処理量(万バレル/日)各社2005年年報(20-F)1ドル=8.1元 1元=15円とする*PetroChinaはマーケティングを含む精製部門の損失(2)石油開発部門への課税強化 006年3月、政府は国産原油の売上に対する新税を導入した。原油の平均販売価格が、バレル当たり40ドルを超過した時点から20%課税され、原油販売価格が5ドル上がるごとに5%課税率が上乗せされ、原油価格60ドルに係る税率40%を上限とする。 表3:石油特別徴収税速算表 原油価格(ドル/バレル)徴収率(%)控除額(ドル/バレル)表2:生産税 改定前05年7月以降原油(元/トン)(ドル/バレル)8~24(0.13~0.4)14~30(0.24~0.50)14(0.24)7~15(2.4~5.2)変更なし 重質油・高コンデンセートガス(元/トン)(ドル/バレル)陸上天然ガス(元/m3)(セント/cf)沖合 石油・天然ガス8(0.13)2~15(0.7~5.2)石油・天然ガス売上の5%1元=8.1ドルとする財政部、国家税務総局05年7月29日China OGP、CNOOC年報にもとづき作成 石油特別徴収税 ②40~45(45を含む)45~50(50を含む)50~55(55を含む)55~60(60を含む)60以上出所:中国財政部特別収入税={(加重平均販売価格-40)×比率-控除額}×販売数量00.250.751.52.52025303540 算したところ、45ドルの時、1ドル/バレル、50ドルの時2.25ドル/バレル程度の模様。「石油特 試別徴収税」は毎月徴収される仕組である。2006年11月時点で納税額は200億元(約3,000億円)を超え、120億元(1,800億円)は補助金として農民に支出、残りは林業など石油を使用する公益部門に補助金として支給したと報じられている。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 04142444546474850515253545657585960原油販売価格(ドル/バレル) 2.中国における石油製品価格制度 (1)価格の“時差”により製品の供給逼迫 中国の国産原油価格は1998年以降国際原油価格と連動している。政府は、国外の類似性状の原油価格(例:大慶はインドネシアのミナス原油)の月間FOBに関税を加えた価格が基準価格となる。PetroChinaの原油平均販売価格(2005年)は48.37ドル/バレルである。 政府は、石油製品について、1998年に基準価格制度を導入した。基準価格は国家発展改革委員会が前月の国際石油市場(当初はシンガポールのみ,2001年以降ロッテルダム,ニューヨークを追加)の製品価格を参考に設定する。価格の見直しは原則として2ヶ月に一度、国際石油市場の価格上昇幅が1カ月に8%を超える場合に行うこととなっている模様である。しかし、ここ数年、国際原油価格の上昇スピードに価格の見直しが追いつかず、石油製品の小売価格は最大で3割程度、国際価格を下回っている模様である。2005年7月を例にあげると、中国政府は7月23日に石油製品の基準小売価格の見直しを行い、ガソリン(無鉛・オクタン価90)の基準小売価格を約1.99ドル/ガロン(1ガロンは約3.79リットル)と設定した。しかし、同時期の米国におけるガソリン小売価格(Midgrade Reformulated Retail Gasoline Prices)は2.4ドル/ガロンで、中国の小売価格は米国より約2割下回っている。 もっとも、中国政府は公共輸送部門や農業部門への影響を考慮し、意図的に価格の見直しを据え置いているという見方がある。 中国の精製部門は、もともと効率が良いとはいえなかったが、政府による価格統制により、精製するほど赤字を抱えることになった。Sinopec Corp.ならびにPetroChinaは、割安な国内を嫌気し、高く売れる製品の輸出を優先させた。また、製油所の定期点検を前倒しで行うなど、国内への供給を極力遅らせて時Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 図:石油特別徴収税試算 US$6.0US$5.0US$4.0US$3.0US$2.0US$1.0US$0.0課税額キに対応しようとした模様である。これに中国国内のブローカーによる投機的な動きや、消費者のパニック買い(オクタン価の低い、割安なガソリンに需要が集中)が加わり、広東などでガソリンなどの供給が逼迫した模様である。 表4:中国における石油製品基準価格制度 政府企業原油価格石油製品価格国際原油市場に連動(類似性状の国外原油価格の月間FOB価格プラス関税価格を基準価格とする)政府が基準価格を設定政府が、前月の国際市場価格(シンガポール、ニューヨーク、ロッテルダム市場における製品加重平均価格)を参照し、基準価格を決める。原則2ヶ月に一度、価格の変動幅が8%以上に達した時見直す基準価格に対し上下8%の変動幅で卸売・小売価格を設定することができる各種資料にもとづき作成 (2)政府、輸出抑制措置により国内供給を確保 石油製品供給逼迫の原因は政府の価格統制制度が原因である。しかし、政府は価格の統制は継続し、税の見直しによる輸出抑制措置により、国内への供給を確保しようとしている。 2005年8月末、政府は、ガソリンやナフサの輸出に係る増値税の還付を2005年9月1日から12月末まで暫定的に廃止するという石油製品輸出抑制策を出した。 増値税とは、中国が1994年から導入した流通税の一種で、物品の販売や加工や修理、補修や役務の提供、物品の輸入を行う場合などに適用される税金である。政府は輸出奨励のため1980年代に増値税の還付制度を設け、石油製品は輸出奨励品目として増値税還付の対象となっていた。石油製品の税率は17%で、2005年時点ではガソリンは13%、ナフサは11%還付されていた。石油製品に対する増値税還付制度は、2006年1月に再開したが、同年4月、完全に廃止された。なお、増値税還付制度の見直しは石油製品のみならず、金属資源や軽工業、紡織、冶金、鋼鉄などについても対象となっている。 また、政府は2006年11月に原油輸出関税を5%に引き上げ、石油製品輸入関税を現在の3~6%からGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 0~3%に引き下げた。 i3)石油製品価格改革 現在、政府は、(国家発展改革委員会)は製品価格システムの見直しについて検討している模様である。China OGPなどによると、これまで、卸売・小売基準価格を製品価格にもとづき設定していたが、今後は、国際原油価格(Brent、Dubai、Minas)に連動させ、価格見直しの頻度を増やすことなどを検討している模様である。 しかし、政府は公共輸送部門や農業など低所得者層への影響を考慮し、石油製品価格の完全な自由化については当面行わない模様である。 2007年1月14日、政府は国際原油価格の下落を受け、1年8ヶ月ぶりに石油製品価格を引き下げた。 表5:政府の石油産業部門に対する主な措置(2005年~2006年) 2005年3月2005年5月2005年5月2005年6月2005年7月石油製品基準価格見直し石油製品基準価格見直し石油製品基準価格見直し(引下げ)国家エネルギー指導グループ設立石油製品基準価格見直し石油製品基準価格見直し石油生産税引き上げ2005年8月石油製品の輸出に係る増値税の還付を暫定的に廃止(9月~12月)2005年12月2006年1月2006年3月2006年4月2006年5月2006年11月2006年12月2007年1月Sinopec精製部門の損失補填として約1,400億円支給石油製品輸出に係る増値税の還付再開石油製品基準価格見直し国産原油販売に係る「石油特別徴収税」(Windfall Tax)を導入ガソリンやナフサの輸出に係る増値税の還付制度廃止石油製品基準価格見直し製品輸入関税引き下げ、原油輸出関税引き上げ国内石油製品の卸売市場を外資に開放(WTO加盟時のコミット)Sinopec精製部門の損失補填として約750億円支給石油製品基準価格見直し(引下げ)各種資料にもとづき作成 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
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2007/01/19 竹原 美佳
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