ページ番号1003608 更新日 平成30年2月16日

原油市場:暖冬による石油需要低迷もあり原油価格急落、先物市場にも異変?

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レポートID 1003608
作成日 2007-01-21 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 市場
著者 野神 隆之
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年度 2006
Vol 0
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ページ数
抽出データ <作成日:2007/1/21> <石油・天然ガス調査グループ:野神 隆之> 原油市場:暖冬による石油需要低迷もあり原油価格急落、先物市場にも異変? (IEA、米国DOE/EIA、OPEC他) ① 米国北東部では2007年1月前半まで概ね平年を上回る温暖な気候が続いたため、暖房用石油需要が低迷、留出油在庫は高水準を維持。 ② このような状況を背景に原油価格は概ね下落基調で推移。特に2007年1月に入ってからは下げ足を速めた。 ③ 上記に加え、原油価格急落については、先物市場において投機ないし投資ファンドが戦略変更により資金を流出させたとの見方が出ている他、原油価格がこの先さらに下落するとの見通しのもと、原油生産者やヘッジファンドが先物を売りに出していることが影響している、との指摘もある。 ④ 今後も引き続き米国北東部等の気温、ないしは気温に係る予報、そして留出油等の在庫状況に原油価格は左右されることになりそうであり、米国北東部に寒波が押し寄せてきていることが原油価格に上方圧力をかける可能性があるが、既に冬場の暖房シーズンも後半に入ってきており、高水準の在庫もあることから、この面からの原油価格維持には限界があるものと思われる。 ⑤ 一方で、OPEC産油国の中には、原油価格が急落する中、緊急会合を開催し、さらなる減産を実施すべきであると主張するベネズエラやイラン等と、その必要はないと主張するサウジアラビア等との間で足並みが乱れており、既に合意している減産の遵守が中東湾岸OPEC産油国以外は限定的であることと併せ、OPEC減産に対する市場の懐疑的な見方を、なお一層根強くし、それが原油価格に下方圧力を加えるものと考えられる。 ⑥ また、市場関係者の間では原油価格がこの先も下落していくという見方があることから、引き続き原油生産者やヘッジファンドが原油先物を売りに出し、結果としてさらに原油価格が下落するといった可能性も考えられている。 . 原油市場等を取り巻くファンダメンタルズについて 1米国北東部では2006年1月6日にニューヨークで摂氏22度とこの時期としては観測史上最高を記録するなど1月前半まで概ね平年を上回る気温で推移したこともあり(図1参照)、これにより暖房用石油需要が大幅に低下(図2参照、なお後述のガソリンの場合と同様、2005年のハリケーンによる影響を調整して比較している)、留出油在庫が高水準を維持する(図3参照)原因となっている。また、ガソリン需要については、2005年にはハリケーンが米国メキシコ湾に来襲した影響で出荷に支障が生じたこともあり、半ば強制的に需要が低迷した形になっており、2006年についてはその反動で、ただでさえ需要が前年同期比で増加を示しやすい状況となっていることから、このようなハリケーンの影響を調整する必要があるが、その調整後の数字は、ガソリン価格の低下に加えて、米国に暖冬が訪れているにもかかわらず、年Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - 魔フ休日シーズンに自動車旅行に伴うガソリン需要は限定的であり、概ね前年並みの状況となっている(図4参照)。このような状況もあり、米国ガソリン在庫も増加、平年並みの水準となっている(図5参照)。 910111212006-7年気温平年気温(月間値)図2 米国の留出油需要(2006~7年)日量百万バレル4.84.64.44.24.03.83.63.43.29102006112005122005(調整済)1注:4週間移動平均出所:米国エネルギー省百万バレル図3 米国留出油在庫推移(2003~7年)図1 米国(NY)気温(2006~7年)℃2520151005-51601401201008012345678910111212345678910111212345678910111212345678910111211997-2002実績幅2003-2007出所:米国エネルギー省Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 2 - 坥ハ百万バレル図4 米国のガソリン需要(2006~7年)9.89.69.49.29.08.88.68.491020061112120052005(調整済)注:4週間移動平均出所:米国エネルギー省図5 米国ガソリン在庫推移(2003~7年)百万バレル24022020018012345678910111212345678910111212345678910111212345678910111211997-2002実績幅2003-2007出所:米国エネルギー省 なお、米国の石油製品全般についても、例えば2006年12月現在のデータを使用すると、2006年第四四半期には、需要が前年同期比急増しているように見え(図6参照)、それが価格下落に伴う需要回復であるというように見られがちであるが、やはり2005年にハリケーンが来襲したことに伴い、2005年第四四半期には需要(出荷)が異常に低下しているといった特殊事情を勘案して調整すると、実は殆ど回復していない(図7参照)ことに注意する必要がある(2006年1月のデータを使用し、さらに2005年のハリケーンの影響を調整すると、2006年第四四半期は暖冬の影響もあり、回復するどころか前年同期比1%程度の減少となっている、図8参照)。 図6 米国石油需要(四半期ベース)の推移%543210-1-2-300010203040506出所:IEAデータ(2006年12月)より作成 - 3 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 }7 米国石油需要(四半期ベース)の推移(2005年第4四半期調整済)00010203040506出所:IEAデータ(2006年12月)より作成図8 米国石油需要(四半期ベース)の推移(2005年第4四半期調整済)%543210-1-2-3%543210-1-2-300010203040506出所:IEAデータ(2007年1月)より作成 OPECは2006年11月1日から減産体制に入った。しかし実際にはサウジアラビアやクウェート、そしてUAEといった中東湾岸OPEC加盟国では減産が比較的遵守されている(しかしながら、それでも合意された水準には到達していない)ものの、他の加盟国では遵守が限定的な水準にとどまっているものと見られる。このことから、市場ではOPEC産油国の減産に対して懐疑的な見方が出てきており、これが原油価格の下落を誘う一因となっている。またOPECの11月の減産の影響は12月に入って消費国に到達するはずであり、米国のOPEC産油国からの原油輸入量も低下してきている可能性があるが、12月は中旬の同国への原油輸入量の低下は、米国メキシコ湾で濃霧が発生し同国への原油輸入等に支障が生じたことによるところもあるものと考えられ、濃霧解消後には同国への原油輸入量が増加してきており、最近では前年を上回る水準となってきている(図9参照)ことから、どれくらい米国原油輸入がOPEC減産の影響を受けているかについては、現在のところはっきりと判別できるような状況ではなく、なお数週間にわたって統計数字等を検討する必要があろう。このようなことから米国の原油在庫は12月後半には減少傾向を示したが、2006年1月に入って再び増加を示している(図10参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 4 - 坥ハ100万バレル図9 米国の原油輸入量1211109812345678910111212345678910111212005-72004-6出所:米国エネルギー省百万バレル図10 米国原油在庫推移(2003~7年)370350330310290270250 12345678910111212345678910111212345678910111212345678910111211997-2002実績幅2003-2007出所:米国エネルギー省 暖冬は米国のみならず、欧州にも訪れた(図11参照)ことから、暖房油に対する需要が低迷したといわれており、この影響もあってOECD諸国全体の石油製品在庫は平年並みの水準を維持している(図12参照)他、原油在庫についても依然平年を上回る状況となっている(図13参照)。 図11 欧州(ベルリン)の気温(2006~7年)℃2520151050910111212006-7年気温平年気温(月間値) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 5 - }12 OECD石油製品在庫の推移(2005~6年)億バレル1615141312123456789101112123456789101112*:2006年12月は推定1995-20042005-6出所:IEAデータ他より推定図13 OECD原油在庫推移(2005~6年)億バレル10.510.09.59.08.58.0123456789101112123456789101112*:2006年12月は推定1995-20042005-6出所:IEAデータ他より推定 また、中国の石油需要であるが、2006年の石油需要の伸びが2005年に比べて大きくなってきていることから、需要が回復しつつあるとの見方をしがちになってしまうが、これも前述の米国の石油需要と同様、2005年には第二四半期と第三四半期を中心に中国政府が国内石油製品販売価格を抑制したことから、精製業者による精製マージンが低下、それに従って国内販売量を抑制するとともに、石油製品をよりマージンの良好な国際市場に向けて販売した(従って夏場においては特に南東部を中心に石油製品不足が発生したと伝えられる)ことで、同年は半ば強制的に需要が低下したことから、2006年は、2005年と比較すれば相対的に高い伸びを自動的に達成してしまう、という事情がある。このような2005年の要因を調整してみると、2006年の中国石油需要の伸びが必ずしも2005年に比べて回復しているとは言い切れないことが判る(図14参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 6 - 006年12月下旬前後から2007年1月にかけての原油市場については、2006年12月下旬については原油価格は下落しつつも、WTIで1バレル当たり概ね60~63ドル台の範囲で推移していたが、2007年1月に入ってからは2週間足らずの間に1バレル当たり10ドル弱下落するなど、極めて値動きの荒い展開となった(図15参照)。なお、2007年1月の原油価格下落については、以下に述べる要因のほか、金融界からの資金の流れの変化があるものと市場では考えられているが、それについては次項で説明することとしたい。 2000200120022003200420052006調整前調整後出所:IEAデータをもとに推定 . 2006年12月下旬前後から2007年1月にかけての原油市場等の動き 2図15 原油価格の推移(2003~7年)ドル/バレル807060504030201234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121WTIBrentDubai 米国北東部で温暖な気候が続き、暖房油需要が低迷したことから、原油価格は12月18日には1バレル当たり62.21ドルへと下落したものの、一方で12月11日以降米国メキシコ湾岸地域に濃霧が発生、同地域で操業する製油所への原油輸送に係る航路が閉鎖されたこと(濃霧は21日には消滅し、同地域における航行が再開された模様である)から、12月19日には、翌20日に発表される米国の石油統計において原油在庫が減少しているのではないかとの見方が市場で出てきたことから、原油価格は1バレルGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 7 - 図14 中国石油需要の伸び%181614121002468魔スり63.15ドルへと上昇、果たして12月20日に発表された米国石油統計では、原油在庫は市場の事前の減少予想(180~200万バレル程度の減少)を大幅に上回る、632万バレルの減少となったことから、原油価格はさらに一時1バレル当たり64.15ドルへと上昇した(終値は1バレル当たり63.72ドル)。ただ、その後は米国での温暖な気候に伴う暖房用需要減退といった要因に押されて、下落基調で推移、12月27日には1バレル当たり60.34ドルとなった。 その後12月28日には同日発表された米国石油統計で、原油在庫が市場の事前予想(180~250万バレル程度の減少)を再び大幅に上回る813万バレルの減少となっていたことが判明、続く12月29日にも、その流れを引き継いだ他、サダム・フセイン前イラク大統領が処刑されるとの情報が出てきたことで、イラクで暴動が発生し同国における石油施設が攻撃を受け、石油供給が影響を受ける可能性があるとの懸念が出てきたことや、年末の連休(1月1日に加えて、フォード元米国大統領の死去に伴い、1月2日ついても米国先物市場では通常の取引は停止となった)を控え、トレーダーによる売買の調整が行われたこともあり、原油価格は上昇、同日は1バレル当たり61ドル程度で取引を終了した。 しかしながら、2007年1月に入ってからも米国北東部での温暖な気候が続き、暖房用需要が引き続き低迷したことが、原油価格に下方圧力を加えた上に、1月4日に発表された米国石油統計では、ガソリン及び留出油在庫が市場の事前予想(ガソリン100~150万バレル程度の増加、留出油80~120万バレル程度の増加)を上回る、ガソリン568万バレルの増加、及び留出油197万バレルの増加となっていたことから、これに引きずられる形で原油価格は急落、同日の終値は1バレル当たり55.59ドルと終値ベースとしては2005年6月以来の安値となった。1月5日には、原油価格急落を懸念したOPEC産油国が会合を召集し追加減産を行うのではないかとの観測が市場で出てきたことから、1バレル当たり56ドル台へと反発したものの、以降は再び米国における温暖な気候による暖房用需要の低迷に加え、1月10日に発表される米国石油統計で石油在庫が増大しているのではないかとの見方が市場に出てきたことや、実際に発表された米国石油統計では、そのような市場の事前予想(ガソリン250~260万バレル増加、留出油190~220万バレル増加)をも上回る、ガソリン在庫376万バレルの増加、及び留出油540万バレルの増加となっていた他、米国石油需要が2004年4月以来の低い水準にまで落ち込んだこと、OPECが仮に追加減産に係る決定をしたとしても、その実効性を疑問視するような見方が市場で出てきたことから、原油価格の下落傾向は続き、1月11日には終値で1バレル当たり51.88ドルとなった。ただ、1月12日にはこれまでの原油価格の急落は行き過ぎであるとの見方から買い戻され、1バレル当たり52.99ドルへと上昇した。 しかし1月16日(1月15日はキング牧師記念日で米国先物市場では通常取引はなかった)には、サウジアラビアのヌアイミ石油大臣が、「原油価格引き上げのための緊急会合を開催する必要はない」旨発言したことから原油価格は再び1バレル51ドル台へと下落、1月17日にも当初はその流れを引き継いGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 8 - ナ下落したが、米国北東部に寒波が訪れたことから反発、1バレル当たり52ドル台へと値を戻した。ただ、1月18日には同日発表された米国石油統計で原油在庫及びガソリン在庫が市場の事前予想(原油10~30万バレル程度の増加、ガソリン220~260万バレル程度の増加)を大幅に上回り、原油在庫677万バレルの増加、ガソリン在庫349万バレルの増加となっていたことから、原油価格は再び急落、一時1バレル当たり49.90ドルと50ドルを割り込む場面も見られた(終値は50.48ドル)。その後1月19日には米国北東部に訪れている寒波が暖房需要を増大させるとの見方が市場で再度出てきたことから、原油価格原油価格は2006年7月14日に1バレル当たり77.03ドルの史上最高値(終値ベース)を記録して以来概ね下落傾向で推移してきていたが、2007年1月に入ってからはさらに下げ足が速まった。これについては市場関係者の間では、いろいろな見方がされている。まず、米国の暖冬と経済減速に伴う石油需要の低迷、高水準の石油在庫、そして原油などの商品投資に対する収益の弱さから、投資家が投資戦略を見直し、他の部門へと資金をシフトさせるなどの動きが発生しているという観測が出てきている。原油先物市場はかつて期近の原油価格が期先の原油価格を上回るという「バックワーデーション(Backwardation)」の状態が多かったため、期先の原油を購入し、期近になった時点で売却することで収益を得るという戦略を投資家は採用していた。しかし2004年11月からは一部期間を除き期近の原油価格が期先の原油価格を下回るという「コンタンゴ(Contango)」の状況が出現した。この状況では先物価格が全般的に上昇しない限り、期先の原油を購入し、期近で売却すれば損失が発生することになる(詳細は2006年5月14日作成(JOGMECホームページ掲載は2006年5月15日)石油・天然ガス資源情報「原油市場:原油先物市場の構造と原油市場ファンダメンタルズの関係-高原油価格は長期的に持続可能か?」及び2006年7月16日作成(JOGMECホームページ掲載は2006年7月18日)石油・天然ガス資源情報「原油市場:史上最高値を更新する原油価格。しかし一方で石油需給の現状、そして未来は?」参照)。当初は一部の期間の原油先物がコンタンゴの状態であったが、2007年1月に至っては、相当長期間に渡ってコンタンゴの状況が出現しており(図16参照)、このような手法による原油先物投資が益々困難な状態になっている。このような状況もあり、例えば代表的な商品インデックスファンドの収益は、2005年までは少なくとも概ね年20%程度の収益率を維持していたが、2006年においては収益率が年15%程度のマイナスとなってしまっており、このような要因も原油先物市場からの資金流出を促したと見る向きもある。また最近米国のみならず、中国等の新興諸国市場での株式市場が活況であり、投資資金が商品から株式へと移行しているのではないかとの指摘もある。さらに原油価格がこの先も下落すると考えた原油生産者が直近、そして将来の収入の確定を行うべく、原油先物を売りに出したことや、同じく原Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 9 - は1バレル当たり51.99ドル(終値)へと上昇している。 . 先物市場に異変? 3福ェこの先下がると見込んだヘッジファンドが原油先物を売りに出したことも原油価格下落に拍車をかけたものとも市場では考えられている。 ドル/バレル図16 先物曲線の推移(NYMEX/WTI)7065605550454035302520今後の原油価格の動向は、引き続きある程度は米国(特に暖房油需要の主要消費地域である北東部)の気温、ないしは気温に係る予報、そして暖房油を含む留出油等の在庫の推移に左右されることになろう。現在のところ1月末まで、そして2月においても米国北東部においては気温が平年を下回るとの予報が出されており、これが原油価格に上方圧力を加えるものと考えられる。しかし2007年1月に入り、冬場の暖房油シーズンは峠を越えつつある一方で、1月前半までの暖冬により米国の留出油在庫は高水準な状況となっているので、気候に係る要因で原油価格を維持するには限界があるものと見られる。 一方OPECの減産についてであるが、市場では引き続き加盟国の減産遵守に対して懐疑的な見方が根強い。原油価格が急落する中、1月13日にはベネズエラやイランが、既に決定されている日量170万バレルの減産に、さらに減産を追加するべく緊急会合を開催することを呼びかけた。しかし一方で1月16日にはサウジアラビアのヌアイミ石油大臣が、「石油市場は健全な状態であり、追加減産は必要ない。」旨の発言を行った他、1月17日には「2007年2月1日時点でのサウジアラビアの余剰生産能力は日量300万バレルに達する。」旨発言、さらに1月18日には「サウジアラビアは2009年までに原油生産能力を40%近く増強する。」旨発言するなど、原油市場における市場関係者の心理を冷やすような発言が相次いでおり、原油価格維持のための減産を主張する加盟国との間での足並みの乱れを感じさせる。サウジアラビアは1980年代前半に見られたような対OPEC原油要求量の減少を自国の原油生産量の減少によって調整するという、いわゆる「スウィング・プロデューサー」には、もうならないとしていることから、現在実施中の減産、そして2月1日実施予定の減産についても自国分についてはそれなりに遵守するかもしれないものの、それ以上の負担は受け入れないものと見られ、それがひいてはOPEC産油国のGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 10 - 1611162126限月01/19/0712/30/0512/30/0412/31/03 . 今後の見通し:気温、OPEC... 4ク産遵守に対する市場の懐疑的な見方をさらに根強くし、2007年第二四半期の石油不需要期に向かって原油価格にさらに下方圧力を加える可能性もある。 また、原油先物市場に対する投機(ないしは投資)ファンド等の動きであるが、現在原油価格がこの先さらに下がるとの見方は市場関係者の間で比較的強く、そうなるとファンダメンタルズで余程の問題が発生するか、ないしは大きな供給途絶懸念が発生するかしない限り、先行きの原油価格弱含み予想から、原油生産者やヘッジファンドがさらに原油先物を売りに出してくることが考えられ、こうなると原油価格の下落が一層加速される可能性もある。 原油価格を予想している各機関の2007年原油価格予想については、現在のところ大多数の機関が様子見といった状況であり、概ね1バレル60ドル前後の予想が多いが、1バレル当たり40ドル台といった予想も散見される状況である(図17参照)。 ドル/バレル図17 各機関の2007年原油価格予測(WTI)807570656055504540 2004実績GNUAHOV2005BIPW2006DKRCJQEIA2007FMTELS*:A~Fはコンサルタント、G~Wは投資銀行出所:各機関資料他 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 11 -
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2007/01/21 野神 隆之
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