ページ番号1003614 更新日 平成30年2月16日

エクアドル、ペルー、コロンビア:生産増の鍵を握る重質油開発

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レポートID 1003614
作成日 2007-02-16 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 探鉱開発
著者 舩木 弥和子
著者直接入力
年度 2006
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2007/2/16 石油・天然ガス調査グループ:舩木弥和子 エクアドル、ペルー、コロンビア:生産増の鍵を握る重質油開発 (PN、IOD、BNA他) 2006年末から2007年初めにかけて、中南米各国で相次いで重質油開発計画が発表された。エクアドルではPetroecuadorがSinopec、Petrobras、PDVSA、ENAPと共同で東部ITT油田を、ペルーではBarret Resources が北部Maranon Basinの第67鉱区の重質油を、コロンビアではEcopetrolがCastillaプロジェクト、Rubiales鉱区、Nare Teca鉱区の重質油を開発する。これらの重質油開発プロジェクトは、エクアドルとコロンビアにとっては原油生産量減退を食い止めるための、ペルーにとっては石油自給を達成するための、非常に重要なプロジェクトと位置づけられている。しかし、各プロジェクトともインフラの整備や環境問題など課題を抱えており、今後の進捗状況が注目される。各国別に重質油開発プロジェクトとその周辺の状況をまとめた。 クアドル エPetroecuadorはSinopec、Petrobras、PDVSA、ENAPと共同でコロンビア、ペルー国境に近いエクアドル東部に位置するIshpingo Tambococha Tiputini(ITT)油田を開発する計画を明らかにした。同油田の原油はAPI比重12~15度と重質ではあるものの、原始埋蔵量は55億bbl、確認埋蔵量は9.2億bblで、16~19万b/dを生産できる見通しである。総事業費は40億ドルと推定されている。資金やインフラが十分でないため、PetroecuadorはITT油田を独自に開発することができず、資金力や技術力を持つ石油会社を募るため、これまでにも何度か入札を計画してきたが、会社側の望むような条件が提示できず入札は中止されてきた。 エクアドルの原油生産量は長年約40万b/dで推移してきたが、2003年に東部の産油地帯と太平洋岸エスメラルダス近郊の積出港Balaoを結ぶOCPパイプラインが完成したことにより急増し、2005年には約53万b/dとなった。2006年は54万b/dの生産量のうち、25万b/dをPetroecuadorが、29万b/dをAndes Petroleum、Repsol YPF、Agipなどの石油会社が生産している。 このように生産量は増加傾向にあるが、エクアドルで生産を行っている企業は、2006年に炭化水素法が改定され、契約条件が変更されたことで、投資環境が悪化したことから、現在の生産量を維持していくために必要とされる額以上の投資は行っておらず、また、新規投資も検討していないという。また、エクアドル政府は、2006年に、Occidentalが資産譲渡にあたり事前に政府に届出を行わなかったことを理由に、その資産を接収した。石油会社各社による投資額の減少とともに、最も活発に活動していたGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - ccidentalがエクアドルから撤退せざるをえなくなったことから、エクアドルでの掘削井数は2005年の6坑から2006年は3坑に減少した。さらに、Petroecuador がOccidentalが生産を行っていた鉱区を引き継いだものの、その生産量はわずか半年あまりの間に10万b/dから8.3万b/dに17%減退した。このような状況から、エクアドルの原油生産量は、このITT油田の開発が行われなければ、今後は減少する見通しとなっている。 エクアドルでは1月15日に左派のコレア氏が大統領に就任した。コレア大統領は石油会社との契約の見直しやPetroecuadorの再建などを行うとしている。しかし、ベネズエラに比べ埋蔵量が少ないエクアドルがあまりにも厳しい条件を提示すれば、石油会社は撤退してしまうことも考えられる。一方、エクアドルは新規発見を行ったり、生産量を維持するために、外国石油会社の資金、技術、経験を必要としている。現在までのところ具体的な政策は発表されていないが、アコスタエネルギー相もこのような事情を勘案してか、契約の変更は個別の交渉によりケースバイケースで行われるが、一方的なものにはしないとしており、今後が注目される。 エクアドル、ペルー重質油開発関連鉱区図 各種資料より作成 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 2 - ネお、コレア大統領は、2月に入り、Petrobrasとの契約を打ち切る可能性があると示唆した。これは、Petrobrasが探鉱を行っている東部の第31鉱区が、エクアドル最大の国立公園であるYasuni国立公園内にあり、Petrobrasが環境保護のために結んだ協定にたびたび違反しているための措置と伝えられている。コレア大統領は、この第31鉱区に隣接し同じくYasuni国立公園内に位置するITT油田については、環境面への影響は避けられないものの、開発・生産を実施するとしている。しかし、原住民や環境保護団体の動向もあり、同油田開発への影響が懸念される。 ペルー 米国のBarret Resources はエクアドルとコロンビアの国境に近いペルー北部Maranon Basinに位置する第67鉱区(総面積225,000エーカー)の重質油の開発を行うと発表した。生産開始は2010年の予定で、API比重12~21度の原油10万b/dを生産する計画である。同社は、パートナーのHanwha、Korea National Oil、Advantage Resources、Hyundaiとともに 10億ドルを投じて、生産地域の近くにアップグレードプラントを建設し、Perupetroが保有するNor-Peruanoパイプラインまでの間に全長250マイルのパイプラインを敷設する。同グループは1998年にPaiche、Pirana、Doradoの3坑を掘削するなど、過去10年間に1億ドルを投じ同鉱区の探鉱を行ってきた。1998年当時より同鉱区の埋蔵量は3億bbl程度と言われてきた。 なお、隣接する第39鉱区では、RepsolYPFが、2006年にBuena Vista-1X井を掘削し、API比重13~14度の原油3,000b/dの出油に成功している。両鉱区は国境を隔ててエクアドルのITT油田とも近く、国営石油会社Perupetroによると、両鉱区にはまだ掘削の行われていない構造も多く、さらなる発見が期待されるという。 ペルーでは、主要な発見が少なく石油会社の関心を集める機会がないことから、探鉱・開発活動が停滞し、2003年には掘削された抗井数が2坑、探鉱ライセンスの付与数が2件にまで減少した。その結果、原油生産量は1980年の20万b/dから2003年には9.2万b/dに減退した。1992年には石油の純輸入国に転じ、現在はエクアドルなど南米各国から輸入を行っている。 このような事態を懸念したペルー政府は、2003年以降、契約条件を変更し、ロイヤルティを5~20%に引き下げ、探鉱期間について優遇措置をとり、外資を積極的に導入する政策をとっている。政策の変更に加え、近年、政治的、経済的に安定したことにより治安が改善したため、探鉱ライセンスの付与数は2005年には15件に増加した。さらに、2005年にペルー国内で掘削された4坑のうち3坑で石油が発見されたことが追い風となり、2006年は16件の探鉱ライセンスが付与された。2007年にも18鉱区の入札Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 3 - ェ計画されている。 このように探鉱・開発が活発になり、また、新規プロジェクトが発足したことで、ペルーの原油生産量は増加し、2005年は対前年比12%増の11万b/d、現在は12万b/dに回復したと言われている。ペルーの石油需要は15万b/dで、第67鉱区で重質油10万b/dの生産が始まれば、ペルーは石油自給を達成し、石油輸出国となることも可能である。 なお、2006年10月にAchuar族など原住民30部族が、30年間に及ぶ環境破壊に抗議し、アルゼンチンのPluspetrolが生産を行っている第1AB鉱区と第8鉱区の生産井を占拠した。そのため、約2週間にわたり両鉱区の生産量5万b/dのうち4万b/dの生産が停止した。10月末にPluspetrol、政府、原住民の間で原住民の要求通りの合意が成立し、生産を再開している。 また、2006年12月にはOccidentalが、環境保護団体や原住民との長期にわたる環境を巡っての紛争を理由に、ペルー国内での全ての活動を中止し、同国から撤退することを明らかにした。Occidentalは同じく同国北部のAchuar族の住む第64、101、103鉱区で探鉱を行っていた。 このように近隣の鉱区で環境問題から探鉱・開発の中止、停止を余儀なくされるケースが出ており、第67鉱区の開発についても環境面での十分な配慮が必要となると考えられる。 ロンビア コ2006年12月、Ecopetrolは、2007~11年の5年間に120億ドルを投資する計画を発表した。120億ドルのうち約80%が探鉱・生産部門に充てられる予定で、同社の生産量を現在の約30万b/dから50万b/dに引き上げる計画である。Ecopetrolは、その中心となるプロジェクトとして、東部Llanos BasinのCastillaプロジェクト、Rubiales鉱区、中部Magdalena川流域に位置するNare Teca鉱区の重質油開発をあげている。Ecopetrolは、これらプロジェクトによる生産量を現在の6万b/dから2011年までに157,000b/dに増加させる計画である。これらの油田で生産される原油のAPI比重は12.5~19度となっている。 なお、Cubarral、Apiay、Pachaquiaro、Aguila、Cano Sur、Macarenasの各鉱区を対象とするCastillaプロジェクトについて、Ecopetrolは、2007年初めまでにExxon Mobil、Chevron、Petrobras、BP、Lukoil、Total、Repsol YPF、Sinopecの8社から1社を選出し共同で開発を進めるとしていたが、2007年に入り、Ecopetrol単独で開発を行うことを決定した。 これについては、ここ数年間、積極的に外資導入を進めてきたコロンビア政府の政策と相反すると見る向きもある。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 4 - オかし、コロンビア政府は、外資導入政策を継続しており、2007年中にカリブ海沖合入札を含め36鉱区の入札を行う計画である。カリブ海沖合入札では27鉱区が公開される予定であるが、この鉱区の中にはExxon Mobil、Petrobras、Ecopetrolが探鉱を行ったTayrona地域の一部を含む有望な海域が含まれており、Exxon Mobil、Pluspetrol、Hunt Oil、Anadarko、Royal Dutch Shellが興味を示しているという。 このように、政府が、引き続き有望な鉱区を公開していく計画であることからも、今回のCastillaプロジェクトのEcopetrolによる単独開発の決定により、今後、政府がこれまでの外資導入政策を変更し、資源ナショナリズム政策をとるとは考えられない。 コロンビア政府は2006年7月より、Ecopetrolによる探鉱・開発を活発にし、国内での生産増を図るとともに、国外でも資産買収を行い、また、政府の財政状況を改善するために、Ecopetrolの株式売却を検討、年末には国会がこれを承認した。現在、2007年9月までにEcopetrol株式20%売却のオファーができるよう準備が進められている。2007~11年の5年間に投資される予定の120億ドルの一部は、このEcopetrol株式売却により賄われるという。 近年、Ecopetrolはコロンビア以外の国の探鉱・開発部門への進出について検討を続けている。特にブラジルについては、2006年に第8次ライセンスラウンドに参加し、PetrobrasとともにTucano BasinのTUC-T-156鉱区を落札、2007年に入ってからはBahia州のTucano156鉱区でPetrobrasと共同探鉱を行うことで合意している。ブラジル以外にもエクアドル、ペルー、トリニダード・トバゴでの探鉱・開発への参加の機会をうかがっているという。 また、下流部門については、スイスのGlencoreとカリブ海沿岸のカルタヘナ港に位置するカルタヘナ製油所の精製能力を現在の75,000b/dから14万b/dに増加させ、国内需要に合うように改良を行う計画である。 このように、コロンビア政府は、原油生産量を増加させ、石油自給を維持するために、外資導入政策と同時に、Ecopetrolの強化を進めており、今回の決定も、Ecopetrol株式売却が本決まりになり、資金面でも余裕が生まれる見通しとなったことを踏まえて、さらに同社の強化を図っていきたいとの意気込みと考えられる。 コロンビアの原油生産量は、同国最大の油田であるCusiana油田やOccidentalのCano Limon油田の減退から、1999年の81.5万b/dから2004年には52.5万b/dに減少した。新たに埋蔵量を発見できなければ、2011年までに石油の純輸入国に転じる可能性も指摘され、危機感を抱いたコロンビア政府は、2002年以降、生産期間の制限を廃止したり、ロイヤルティを変更するなどの外資導入政策をとってきた。さらに、ゲリラ活動が沈静化し、治安が改善したことから、契約締結件数や探鉱・開発部門への投資額はGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 5 - 揄チしてきたが、これまでは大きな発見がなく、石油会社の関心をつなぎとめておけるのかが懸念されていた。しかし、2月には、LukoilがCusiana油田の南東約50kmに位置するCondor鉱区で確認埋蔵量1億bbl以上の油田を発見したとの報道があり、今後も政府が計画している程ではないにしても、ある程度の契約締結件数、投資額を維持できるのではないかと考えられる。 コロンビア重質油開発関連鉱区図 各種資料より作成 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 6 -
地域1 中南米
国1 エクアドル
地域2 中南米
国2 ペルー
地域3 中南米
国3 コロンビア
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 中南米,エクアドル中南米,ペルー中南米,コロンビア
2007/02/16 舩木 弥和子
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