ページ番号1003616 更新日 平成30年2月16日

原油市場:気温低下で暖房油需要が増大、原油価格が 1 バレル当たり 60 ドル近辺へと上昇

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レポートID 1003616
作成日 2007-02-18 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 市場
著者 野神 隆之
著者直接入力
年度 2006
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ <作成日:2007/2/18> <石油・天然ガス調査グループ:野神 隆之> 原油市場:気温低下で暖房油需要が増大、原油価格が1バレル当たり60ドル近辺へと上昇 (IEA、米国DOE/EIA、OPEC他) ① 米国北東部では2007年1月後半から平年を下回る気温となってきたこともあり、暖房油需要が増大、これに伴って原油価格が反発、1月中旬には1バレル当たり50ドルを割り込んだこともあったが、2月に入り1バレル当たり60ドル程度にまで上昇した。 ② しかしながら1月前半までが温暖であったこともあり、米国では留出油在庫は豊富にある他、製油所メンテナンス時期への突入で、原油処理量も低下、結果として原油在庫も豊富な水準にある。 ③ 他方OECD諸国全体で見ると、原油在庫は豊富ながらも減少を示しており、OPEC産油国による減産の影響が出ていることが疑われる。 ④ 気温の低下により、米国では天然ガス価格が上昇しているが、英国では気温が平年並みであることや天然ガス貯蔵量も問題ない水準にあることから、天然ガス価格が低迷、100万Btu当たり3.5ドル程度と2003年8月以来の低水準となった。 ⑤ 今後も当面の間は米国北東部等の気温、ないしは気温に係る予報等に原油価格は左右されることになりそうであるが、既に冬場の暖房シーズンも後半に入ってきており、高水準の在庫もあることから、この面からの原油価格維持には限界があるものと思われる。 ⑥ ただ、ナイジェリアでは2007年4月に大統領選挙が予定されており、それに向けて同国内での政情が悪化することが予想されることから、同国からの石油供給途絶懸念が増大、原油価格に影響を与える場合も考えられる。 ⑦ IEAは2007年2月7日に中期オイル・マーケット・レポートを発表した。それによると保守的に見積もっても世界の余剰生産能力は今後日量200~500万バレルで推移することになり、その意味ではこの面からは原油価格に対して下方圧力が加わることになろう。 . 原油市場等を巡るファンダメンタルズ 11月中旬に寒波が米国北東部に訪れ、気温が平年を割り込むことが多くなった(図1参照)ことから、暖房油を含む留出油需要が増大(暖房油需要の80%程度が米国北東部であると言われる)、その結果1月後半からは留出油在庫は減少することになった(図2参照)。しかしそれまで気温が平年を相当程度上回る状況であったことから留出油需要が低迷、在庫がもともと高水準となっていたこともあり、寒波襲来に伴う取り崩しが行われてもなお在庫は平年に比べて高い水準にある。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - ト国製油所におけるガソリン生産量はこの時期にしては旺盛である(図3参照)他、米国への輸入が比較的堅調であった(図4参照)。これは2006年12月に暖冬であったこともあり、自動車による外出が増加するとの見通しが市場で出てきたこともあり、ガソリン価格が上昇、原油価格との差が開いた(図5参照)ことから、製油所でのガソリン生産が増大した他、欧米間のガソリン価格差も開いた(図6参照)ことから、欧州等から米国へ向けガソリンが輸出されたことに伴うものと考えられる。このため、ガソリン需要も堅調であると伝えられるもののの、それにも増してガソリン在庫が急増、この時期としては平年幅上限近くの豊富な水準となっている(図7参照)。 日量百万バレル図3 米国のガソリン生産量(2005~7年)9.598.587.57123456789101112123456789101112122005-72004-6(参考)出所:米国エネルギー省 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 2 - 図1 米国(NY)気温(2006~7年)℃2520151005-5-10-159101112122006-7年気温平年気温(月間値)百万バレル図2 米国留出油在庫推移(2003~7年)16014012010080123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112121997-2002実績幅2003-2007出所:米国エネルギー省 日量百万バレル図4 米国のガソリン輸入量(2005~7年)1.81.61.41.210.80.60.4123456789101112123456789101112122005-72004-6(参考)出所:米国エネルギー省ドル/バレル図5 米国ガソリンと原油の価格差(2006~7年)1210864211121図6 米国(NY)欧州(ロッテルダム)のガソリンスポット価格差の推移(2006~7年)12出所:米国エネルギー省ドル/バレル120246810-212Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 3 - }7 米国ガソリン在庫推移(2003~7年)百万バレル240220200180123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112121997-2002実績幅2003-2007出所:米国エネルギー省 原油については、米国においては、2007年1月中旬までの暖冬に加え、2007年1月後半には春の製油所メンテナンス時期へ突入したことで原油処理量が低下(図8参照)したことに伴い原油の受入量が減少したこともあり、在庫は増加するか減少しても小幅に留まっており、水準自体も平年幅の上方を維持している(図9参照)。 日量百万バレル17図8 米国の原油精製処理量161514131212345678910111212345678910111212注:4週間移動平均2005-72004-6出所:米国エネルギー省百万バレル図9 米国原油在庫推移(2003~7年)370350330310290270250123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112121997-2002実績幅2003-2007出所:米国エネルギー省 一方OECD諸国全体の原油在庫であるが、平年幅上限付近に位置しているものの、減少傾向が出てきている(図10参照)。これについては、OPEC産油国が11月1日以降実施している減産の影響が出Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 4 - nめていることによるものである、と見る向きもある。一方石油製品については、欧州においても全般的に厳しくない冬で暖房油需要が低迷していることもあり、平年並みを維持している(図11参照)。製品タンカー市況も比較的手頃な水準で安定しているということから、暖房油については、需要が低迷し在庫も豊富である欧州から、寒さの厳しい米国に向け輸出が行われる可能性がある、との指摘もある。 億バレル図10 OECD原油在庫推移(2005~7年)10.510.09.59.08.58.01234567891011121234567891011121*:2007年1月は推定1995-20042005-6出所:IEAデータ他より推定億バレル図11 OECD石油製品在庫の推移(2005~7年)16151413121234567891011121234567891011121*:2007年1月は推定1995-20042005-7出所:IEAデータ他より推定 なお、ファンダメンタルズ上の問題ではないが、原油先物市場では、1月中旬以降原油価格(WTI)が1バレル当たり50ドル近辺から60ドルにまで上昇したが、米国商品先物取引委員会(CFTC)の統計を見ると非当業者(投機筋)はこの時期においても売り越している(図12参照)など、先行き原油価格が下落すると見込んでいる模様である。一方で、年金基金等の投資ファンドの資金が流入(資金を直接投入する投資銀行はしばしば当業者として登録されているので、買い越し量は当業者の統計に含まれることになる)しているとの指摘もされており、投資筋による原油先物の売りを投資ファンドが買っているという構図になっていることが示唆される。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 5 - 007年1月後半には、米国北東部に寒波が到来し、気温が平年を下回る水準に低下したことに伴い、暖房油需要が増大するとともに、原油に対する需要も増加するとの観測のもと、2007年1月中旬には一時1バレル当たり50ドルを割り込んだ原油価格(WTI)は1月下旬から2月中旬にかけては急速に回復、一時60ドルを超える場面も見られた(図13参照)。 8910111212出所:米国CFTC . 2007年1月下旬から2月中旬にかけての原油市場等の動向 2図12 NYMEX原油市場における投機筋の動き(2006~7年)百万バレル100806040200-20-40図13 原油価格の推移(2003~7年)ドル/バレル8070605040302012345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212WTIBrentDubai 1月20日前後には米国北東部で気温が低下し始めたが、暖房油在庫は豊富であり気温の低下を乗り切ることができるとの市場の観測のもと、同日の原油価格は1バレル当たり51.99ドルと低迷した。しかし1月23日には、この寒冷な気候を市場が気にしだしたことに加え、同日夜に行われるブッシュ大統領の一般教書演説で同国の戦略石油備蓄(SPR:Strategic Petroleum Reserves、現在貯蔵能力7.3億バレル)の貯蔵能力を倍増する旨発言する予定であるという情報が伝わった他、米国エネルギー省のボドマン(Bodman)長官が現在6.9億バレルあるSPRの貯蔵量を2027年までに15億バレルへと増加させる他、春より日量10万バレルのSPR積み増しを開始する、と発表したことを受け、原油価格(この日よりニューヨGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 6 - [クの原油先物市場では3月渡しの原油が期近物として取り扱われることになった)は前日比で1バレル当たり2.46ドル高と急反発し、1バレル当たり55ドル台となった。1月24日には前日夜にブッシュ大統領が一般教書演説でSPRを倍増する旨発表したこと、米国北東部に到来している寒気とOPECによる減産で、石油在庫が減少するのではないかとの観測が出てきたこと、また同日発表された米国石油統計でガソリン需要が前年同期比2.2%増加しており、この時期としては堅調に推移している、ということに市場が反応、原油価格は引き続き上昇した。翌1月25日には利益確定の売りが出たことや、米国における豊富な暖房油在庫で冬場の暖房油需要を乗り切ることができるのではないか、といった観測、さらにOPECの減産に係る懐疑的な見方などから原油価格は1バレル当たり54ドル台へと下落したものの、1月26日には米国東部では引き続き寒冷な気候が続く、との気象予報が出たことから原油価格は1バレル当たり55ドル台へと値を戻した。 1月29日には再び利益確定とOPEC減産に対する懐疑的な見方、冬の到来が遅かったことや在庫水準が高いこともあり、原油価格は1バレル当たり54ドルに下落したが、1月30日には一転OPEC減産による需給の引き締まり予想と、米国北東部に居座っている寒気、そしてそれに伴う留出油在庫の減少予想から原油価格は急反発、1バレル当たり57ドル近くで取引を終了(取引時間内の最高値は1バレル当たり57.05ドル)、さらにこの勢いは翌日も続き1月31日には1バレル当たり58ドル台となった。2月1日には同日発表された米国天然ガス統計で同国天然ガス貯蔵量が市場の事前予想(約2.0~2.3億立方フィート程度の減少)を下回る1.86億立方フィートの減少がとどまったことから、暖房用の石油・天然ガス在庫が冬を乗り切るには十分な水準であるとの観測が出てきたこともあり、1バレル57ドル台に下落したものの、2月2日には気候とOPEC減産に係る懸念が再燃したことで、原油価格は1バレル当たり59ドル台へと上昇した。 その後は寒冷な気候と豊富な在庫や利益確定といった要因にはさまれつつ原油価格は1バレル当たり60ドル台乗せを試す展開となったが、2月6日には1バレル当たり59.99ドルの最高値となったものの、1バレル当たり60ドルを突破することはできず、2月7日にかけ取引時間内には1バレル当たり57~59ドル、終値ベースでは1バレル当たり57~58ドルで推移した。しかしながら2月8日には、寒冷な気候といった要因に加えて、2月6日午後2時半に発生した米国カリフォルニア州におけるオクシデンタルのElk Hills油・ガス田(生産量石油換算日量12万バレル)の天然ガス漏出に伴う火災発生の後、生産量の95%が停止したことにより、同社から顧客への供給契約を履行できない旨の発言があったこと、イランの最高指導者ハメネイ師が、「イランが攻撃されればイランは世界中の米国関連施設に攻撃を加える」旨の発言を行ったことなどから、同日の終値は1バレル59.71ドルへと上昇した。さらに2月9日には、前日の流れを引き継いだ上で、ナイジェリアの国営石油会社NNPCの広報担当者が2006年10月のOPEC協議での合意に基づき同国は日量14.2万バレルの減産を実施する予定である旨発言した他、3月にはGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 7 - ナ大日量30万バレルの減産を実施する計画であるのと情報が伝わったことから一時1バレル当たり60ドルを突破した(最高値は1バレル当たり60.80ドル)。しかしその後利益確定の動きから1バレル60ドルを割り込み、同日の終値は1バレル当たり59.89ドルとなった。 2月12日には、サウジアラビアが「3月15日に開催予定のOPEC通常総会では生産量を現状維持にするであろう」旨の発言があったことや、同じくサウジアラビアが3月のアジア諸国向けの供給で、3月は契約数量から7%減少させて供給するといった発言があり、2月の最大14%よりも削減率が縮小したことから供給上の懸念が後退、1バレル当たり57ドル台へと下落したが、2月13日には同日発表された国際エネルギー機関(IEA)のオイル・マーケット・レポートで世界の石油需要を上方修正するとともに、非OPEC石油供給を下方修正したことから、世界石油需給が引き締まる方向に向かうとの見方が出てきたことで原油価格は反発、1バレル59ドル台へと値を戻した。翌2月14日には、同日発表された米国石油統計は、留出油在庫が市場の事前予想(400~430万バレルの減少)を下回る302万バレルの減少にとどまったこともあり、2月15日までは終値ベースで1バレル当たり58ドル程度となった(さらに2月下旬には米国東部では平年を上回る気温になるであろうとの気象予報が出たことで、2月15日には一時1バレル当たり56ドル台へと下落する場面もあった)ものの、2月16日には米国の駐ラゴス(ナイジェリア)総領事館から、同国の武装勢力がこれまでの攻撃地域であった南部ニジェール・デルタ地域から攻撃を拡大するかもれいない、との警告が発出されたことや、天然ガスの地下貯蔵量の減少が事前予想(2.5億立方フィート程度の減少)を上回る2.6億立方フィートの減少となったことで、暖房油価格が上昇した影響に加え、連休(2月19日はワシントン大統領誕生記念日で通常取引は行われない)を控えた取引調整等の要因で、原油価格は1バレル当たり59ドル台へと上昇している。 . 天然ガス市場:英国で天然ガス価格が低迷 3米国の天然ガス市場では、2005~6年の冬の暖冬や2006年夏場の暑すぎない気候に伴う、空調向け電力需要及びそれに伴う発電向け天然ガス需要の低迷により、地下貯蔵量が平年を上回る状況が続き、天然ガス価格に下方圧力を加えてきたが、1月後半以降米国中西部及び北東部で気温が低下したことに伴い、暖房用需要が増大、地下貯蔵量も平年並みにまで減少してきた(図14参照)。天然ガス価格は2006年9月に一時百万Btu当たり4ドル台前半にまで下落した(図15参照)が、その後は冬場の暖房用需要を見込んで上昇、11月後半には百万Btu当たり8ドル台を超えることもあった。その後暖冬もあり12月終わりには百万Btu当たり6ドルを割り込むこともあったが、1月後半の米国北東部及び中西部での寒波の到来に伴う暖房用需要の増大、及び増大見通しで百万Btu当たり8ドル近くへと上昇している。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 8 - }14 米国天然ガス貯蔵量の推移(2006~7年)兆cf4.03.53.02.52.01.51.00.5123456789101112122000-52006-7出所:米国エネルギー省ドル/百万Btu20図15 天然ガス先物価格の推移(2005~7年)1510508910111212345678910111212NYMEXIPE/ICE 一方英国の天然ガス市場では、2005年冬の天然ガス価格高騰以来、国内需要が低迷するようになった。また2006~7年の冬が平年並みであり(図16参照)、暖房用需要が増加しない他、貯蔵量も問題ない水準であることに加え、2006年10月1日にはノルウェーからのLangeledパイプラインの南方部分が完成、ノルウェー領北海からの天然ガス輸入が可能となったことで、供給不足懸念が後退したこともあり、天然ガス価格が下落、2007年2月16日現在百万Btu当たり3.5ドル程度と米国の半分以下、同国では2003年8月以来の低い水準となっている。Langeledパイプラインについては2007年10月には北方部分が完成し、ノルウェー領北海にあるOrmen Lange(埋蔵量14兆立方フィート)からの天然ガス輸出(最大輸出量は日量約20億立方フィート)が開始されるものと見られることから、需給関係は当面の間緩和基調となるものと考えられる。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 9 - 。後も引き続き当面の間は米国北東部を中心とする気温と気温に関する予想に原油価格は左右されることになろう。ただ、留出油在庫は高水準を維持している他、冬場の暖房シーズンに伴う石油需要期も終わりに近づいており、2月後半には米国北東部では気温が平年を上回るようになるとの予報も出ていることから、この面では遠からぬ時期に原油価格に対して下方圧力が加わってくるものと考えられる。 一方2006年11月1日から実施されているOPEC減産であるが、更新されたデータから判断すると、サウジアラビアとUAE、ナイジェリアはほぼ合意通りの遵守状況となっているが、その他の加盟国は半分以下の遵守状況となっている。特に一部の加盟国については殆ど遵守していない状況となっており、全体としては合意の半分程度の遵守となっている(図17参照)。2007年2月1日には日量50万バレルの追加減産が実施される予定であり、これまでの遵守率から判断すると、追加減産に関しても完全な遵守はなされないとの考え方もできようが、いずれにしても少なくとも現在の減産量をこのまま維持する、ということになると、消費国においては石油在庫積み上げが鈍化するか、場合によっては減少する、ということになり、ファンダメンタルズ上は相対的に引き締め要因となることから、今後のOPECの減産遵守状況に注意する必要がある。石油在庫と原油価格の関係から判断すると、今回のOPEC減産はファンダメンタルズ上では原油価格1バレル当たり70~80ドルへの急騰を意味しないものと考えられるが、このようなファンダメンタルズ上の引き締まりを材料として投資ないし投機に係るファンドが市場に流入し、その結果価格が上昇するという可能性は考えられる。 9101112122006-7年気温平年気温(月間値) . 今後の見通し:IEAが中期石油市場見通し(改訂版)を発表 4図16 英国(ロンドン)気温の推移℃2520151050-5Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 10 - }17 OPEC減産達成率100%80%60%40%20%0%-20%-40%-60%アルジェリアインドネシアイランクウェートリビアナイジェリアルカターウジサAEUズエラベネ体全PECO2006年12月2007年1月出所:IEAデータから推定 また、このようなファンダメンタルズ上の要因に加えて、いわゆる地政学的要因も依然として存在する。特にナイジェリアは2007年4月21日に大統領選挙を控えており、武装勢力の活動が活発化するなど情勢が悪化しやすい状況にある。もしナイジェリア国内の石油施設が攻撃を受けたり、主要石油生産地域である同国南部のニジェール・デルタの治安が悪化したりする、ということになれば、同国からの石油供給途絶懸念が増大、それに伴い先物市場への資金が流入し、その結果原油価格が上昇する可能性がある。イランについては、実際には即石油輸出が停止する、といった状況に係る可能性は低いものの、石油を武器として使用する旨の要人の発言に市場が反応することも考えられる。また、アル・カイダ等のゲリラ活動でも石油価格が上昇することもありうる。 2007年3月15日にウィーンで予定されているOPEC通常総会であるが、既にOPECではある程度の減産が行われており、少なくとも以前と比べて相対的に需給が引き締まる兆候を見せていることから、総会開催時に向け原油価格が1バレル50ドルを割り込むなど急落するか、急落する兆候が見えるかしない限り、追加減産などの実施は決定されないものと考えられる。 IEAは2007年2月7日に中期オイル・マーケット・レポート(MTOMR:Medium-Term Oil Market Report)を発表した。これは2006年7月12日に発表したMTOMRの改訂版である。両者を比較すると改訂版は世界の石油需要が日量約29~42万バレル下方修正されている。この理由としてIEAは2006年の世界石油需要の下方修正、そして2007年の経済成長率予測の下方修正によるものであると説明している。但し2011年までの世界石油需要が全体として下方修正されていることもあり、伸び自体は年間日量約180万バレル、年率2%程度と2006年7月の報告から余り変化していない。他方非OPEC石油供給量(便宜上アンゴラを含む)はロシアやカスピ海周辺の旧ソ連諸国、ブラジルといった国々で堅調に伸びていくと予測しているが、前回の予測に比べると日量約40~100万バレル程度下方修正されている。この理由としては、石油開発業界における資機材不足及び人材不足に伴うプロジェクトの遅延や、産油国における法制等の変更に伴う不透明性、既存の油田において当初予想よりも生産量の減Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 11 - ゙が早かったことなどを織り込んだものとしている。 MTOMRでは今後余剰生産能力は日量219~442万バレル、世界石油需要に占める余剰生産能力のの割合は2.6~4.9%と試算している。余剰生産能力が少なくなると原油価格が上昇する可能性が高まる(但し1990年代には余剰生産能力が少なかったにもかかわらず原油価格が下落した場合もあり、必ずしもこの法則が常に当てはまるとは限らない)。因みに2000年以降2004年までの月毎の原油価格(WTI)と推定余剰生産能力(なお今回は余剰生産能力についてはイラク、インドネシア、そしてナイジェリアといった国では政治等の理由で余剰生産能力を使用できない場合も最近あることから、必要な場合にはこのような能力を余剰生産能力として参入しないなど、相当程度保守的に算出した)及び世界石油需要に占める余剰生産能力比率を示してみると、図18及び19に示す通りの関係が現れる。特に余剰生産能力が日量100万バレル以下、世界石油需要に占める割合が1%以下になると価格が急激に上昇する傾向が示唆される。ただ、2005年から2007年にかけては、余剰生産能力から想定される価格を大幅に上回ってしまっているようである。余剰生産能力という観点から見れば原油価格は既に下落してもいいものであるが、依然として投資資金の流入により支えられているものと考えられる(また2004年も後半になると投資ないし投機資金の流入が加速した可能性があることから、この点においても注意が必要であろう)。MTOMRで示されている通り、今後も余剰生産能力の観点からは原油価格には下方圧力が加わってくる、ということになる。この力学に対して、投資資金の流入がどこまで原油価格を支えられるか、注目されるところである。 ドル/バレル図18 OPEC余剰生産能力(横軸)と原油価格(WTI)807060504030201000123456782000-2004年2005年2006年2007年910日量百万バレル出所:IEAデータより推定 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 12 - 123456789102000-2004年2005年2006年2007年出所:IEAデータより推定11% なお、当該中期見通しを見る上で、考慮しておきたい事項として石油供給に係るリスクがある。例えばベネズエラやアルジェリアといった産油国では、いわゆる資源ナショナリズムが盛り上がりを見せており、それに伴う法制や税制の変更等で、外資による投資が低迷する恐れがある。そうなると将来に向け原油生産能力などが当初想定したほど伸びない、という可能性が出てくる。さらに、ハリケーンが米国メキシコ湾に来襲することなどにより、当該地域での開発活動に支障が生じ、生産開始等が遅れるといったリスクも想定される。 加えて、2007年1月1日にOPECに正式加盟したアンゴラの動向にも留意する必要があろう。アンゴラはGDPの約半分、国家予算の80~90%程度を石油に頼っているといわれており、自国経済も発展中であることから、OPEC加盟は経済的な要因というよりも政治的な要因であるという見方が専らである。従って仮に原油生産枠を設定されても、それを遵守するかどうか疑問と考えることもできるが、もし生産枠を遵守するということになれば、将来的には市場に対してある程度の影響を及ぼす場合がある可能性も否定できない。石油市場の基本的な将来像は増大する需要が同じく増大する供給により満たされるということであるが、需給上のリスクについては今後も随時注意していく必要がありそうである。 ドル/バレル図19 OPEC余剰生産能力比率(横軸)と原油価格(WTI)8070605040302010Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 13 -
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2007/02/18 野神 隆之
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