ページ番号1003623 更新日 平成30年3月5日

東チモール/豪州:「チモール海境界線条約」等発効に伴うグレーター・サンライズガス田開発の行方、東チモール探鉱鉱区の状況

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レポートID 1003623
作成日 2007-03-13 01:00:00 +0900
更新日 2018-03-05 19:32:42 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 探鉱開発天然ガス・LNG
著者
著者直接入力 坂本 茂樹 レイニー・ケリー
年度 2006
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2007/3/23 東チモール/豪州:「チモール海境界線条約」等発効に伴うグレーター・サンライズ 石油・天然ガス調査グループ:坂本茂樹/シドニー事務所:レイニー・ケリー ガス田開発の行方、 東チモール探鉱鉱区の状況 (Platts、IOD、Wioodside社HP、JOGMECシドニー事務所情報) 東チモール議会は2007年2月、豪州との「チモール海境界線条約」等の条約を批准し、両国間の懸案であったグレーター・サンライズ ガス田開発への最大の課題が解決された。今後同開発事業は、ガス田開発方式の決定、ガスのマーケティングなど、次の検討段階へと移る。 ガス田開発方式に関して、パートナー間では豪州ダーウィンへのLNG液化設備建設で合意がなされつつあるが、東チモール政府は自国への液化設備建設を求めており、決着を見るまでにある程度の協議期間を要するものとみられる。しかし本案件は中長期的に東アジア・ガス市場へのガス供給に対する貢献が期待される案件であり、時宜に適う解決が望まれる。 また、領海確定を一定期間先送りして先に資源開発を実施する本案件の開発方法が、他地域で領海問題を抱える資源開発案件に対して、一つの示唆になるものと考えられる。 東チモール議会は、2007年2月20日、東チモール/豪州間の領海およびチモール海のグレーター・サンライズ ガス田の利益配分に関連する下記条約を批准した。 ①「チモール海境界線条約」 (2006年1月12日調印) (the treaty on Certain Maritime Arrangements in the Timor Sea 、CMATS) ② International Unitisation Agreement (IUA) (2003年3月調印) 2006年1月に調印された「チモール海境界線条約」は、チモール海において未だ決着していない東チモール/豪州間領海確定を50年間先送りし、同海域にあるグレーター・サンライズ ガス田(一部が両国の共同開発地域(JPDA、Joint Petroleum Development Area)にかかる)の政府収入を両国政府が折半することを定めている。 2003年4月に発効した「チモール海条約」(Timor Sea Treaty)によって、JPDA内外に跨るグレーター・サンライズ ガス田の炭化水素賦存比率をJPDAの中:JPDAの外=20.1%:79.9%とすること、及びJPDA内収入の配分比率を東チモール:豪州=90%:10%とすることが定められている。また、IUAGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - . チモール海ガス田開発に係わる条約発効 (1) 東チモール議会、「チモール海境界線条約」を批准 1ノよって、両国政府のグレーター・サンライズ ガス田からの収入配分比率は、次の通りとなっていた: 東チモール=20.1%*90%=18.1% 豪州=20.1%*10% + 79.9%=81.9% 「チモール海境界線条約」、IUAは既に締結されていたものの、東チモール議会はまだ批准をしていなかった。この度の東チモール議会による両条約批准(2月20日)を受けて、豪州連邦議会は、未批准であった「チモール海境界線条約」の批准手続きを開始した。2007年2月末に豪州下院での批准が行われ、3月中に上院での批准が完了する予定である。 1 チモール海鉱区図(ガス田、JPDA、東チモール探鉱鉱区) 図Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 2 - ) 両国政府による条約発効の確認 東チモール議会による2月20日の「チモール海境界線条約」等批准の後、東チモール/豪州両国政府は2月23日に、これら2条約の発効を確認する覚書きを取り交わした。これにより、豪州連邦上院議会での条約批准を待って、東チモール/豪州間領海確定の50年間先送り、およびグレーター・サンライズ ガス田から得る政府側収入を両国政府が折半することが定まる。 このように両国政府によるグレーター・サンライズ ガス田収入の配分問題が決着することから、同ガス田開発は次段階へと進むことになる。 (. グレーター・サンライズ ガス田開発の見通し (1) ウッドサイド社のこれまでの対処 2 グレーター・サンライズ・エリアは、サンライズ、トロバドール等のガス田から成り、埋蔵量は天然ガス約8.9 Tcf、コンデンセート3.7億バレルと見積もられている(ウッドサイド発表)。 グレーター・サンライズ・プロジェクトを巡っては、これまでチモール海に係わる東チモール/豪州両国間の政治(領海)問題および事業の財務的枠組みが未定であったため、オペレーターのウッドサイドは同ガス田開発検討作業の中断を宣言して、同社が計画する他の有力LNG事業推進(プルート、ブラウズなど)を優先させていた。 2) ガス田開発に向けて、今後の課題 ウッドサイド社は、東チモール議会の条約批准後の2月21日に発表した事業報告書の中で、サンライズ・プロジェクトの今後の課題を次のように記している。 ① ガス田開発方式の決定(洋上LNG、陸上プラント建設;豪州側/チモール側) ② LNGのマーケティング ③ 東チモール政府との、ガス田開発契約の財務条件確定 (ガス田開発方式に関して、以前はパートナー間で洋上液化LNGプラント、および陸上液化プラント案 を巡って見解が異なっていた。洋上液化プラントは画期的であるが、まだ実績がないために慎重論が根強かった。陸上液化プラントの場合、ガスから東チモール側へのガス輸送は海底地形上の制約(ガス田と東チモールとの間に3000m超の海溝あり)で技術面の難しさおよびコストアップの問題があり、既に液Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 3 - サプラントを有する(コノコフィリップスのダーウィンLNG)豪州ダーウィンに液化設備を増設することが無難と考えられる。現時点でのパートナー間の見解は、ほぼダーウィン陸上液化プラント案に集約されつつある。しかし東チモール政府は、従来から東チモール側への液化プラント建設を強く求めてきた。この度東チモール議会が2月20日に「チモール海境界線条約」等の条約を批准した後、東チモール政府は「産業の立ち後れた同国ではLNG液化設備建設に伴う経済波及効果が強く求められる」として、再度チモール側への液化設備建設を強く主張した。今後は、液化プラント建設方法に関する関係者の合意が、プロジェクト推進への大きな課題になる様相である。 LNGマーケティングに関しては、次のような状況にある。オペレーターであるウッドサイドのLNG事業の中で、サンライズ・プロジェクトは当社のプルート(2010~11年稼働予定)、ブラウズ(2013~14年稼働予定)LNGプロジェクトに続くものと位置づけられている。つまりサンライズ・プロジェクトが順調に進展しても、生産開始は2015年以降になる。この時期は豪州の新LNG事業が次々と立ち上げる時期にあたり、マーケティングは決して容易ではないものと考えられる。豪州ではウッドサイド以外に、ゴーゴン(シェブロン)、イクシス(インペックス)、スカボロ(エクソンモービル/BHP)等のLNG事業が計画されている。さらに、PNGガス事業、ミャンマー(シュウェ)ガス田開発をLNG事業として2015年頃までに成立させる計画も有り、アジアLNG市場におけるマーケティングが熾烈になる可能性がある。 図2 アジア太平洋/中東のLNG液化設備計画 (各種情報・報道より) 万トン/年アジア太平洋/中東のLNG液化設備計画2500020000150001000050000200620072008200920102011201220132014オマーンイエメンアブダビカタールロシア豪州ブルネイマレーシアインドネシア Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 4 - 図2にアジアLNG市場向けの供給源となるアジア太平洋および中東のLNG液化設備計画を示す。2008年以降、主にカタールと豪州の液化設備増設により、同上地域におけるLNG液化設備能力は2015年までに現在の2倍以上になる見通しである。カタールは当初、主に欧米市場へのLNG販売を想定していたが、北米向け販売が思ったほど伸びないなど市場動向の変化により、アジア市場へのマーケティング比重を増している。 (3) グレーター・サンライズ ガス田に適用される財務条件 ガス田から得られる政府取り分収入は、それぞれの対象地域毎に東チモールおよび豪州の財務条件を用いて算出された収入を合算し、それを両国政府で折半する方式が採られるものと見られる。 つまり、次の3地域毎にそれぞれ税収を算出し、合算した額を折半する。 適用される契約の財務条件(fiscal terms)は次の通りである: (A) JPDAの90%: (B) JPDAの10%: (C) JPDA以外(暫定豪州側): 豪州方式(所得税+PRRT(石油資源税)) 「PS契約」+東チモール所得税 「PS契約」+豪州所得税 なお、ウッドサイド等コンソーシアムは、上述の税収算出方式をあらためて東チモール政府との間で確認してから、正式に適用が定まる。 4) 本ガス田開発のインプリケーション サンライズ ガス田は1975年の発見から既に30余年を経るが、豪州/インドネシア間の領海問題、東チモールとインドネシアとの抗争、2002年の東チモール独立後は豪州/東チモール間の領海等問題があって、ガス田開発の段階に到らなかった。 ガス田は8 Tcf以上のまとまったガス埋蔵量と豊富なコンデンセート分があり、良好な事業採算が期待 (される。また地理的に東アジア市場に近いため、中長期的にアジア市場へのガス供給に対する貢献が期待される。 また、東南アジアおよび日本近海においても、領海問題が絡んで事業が進展しない沖合資源開発案件が散見される。グレーター・サンライズ ガス田開発はまだ動き出したわけではないが、国家のナショナリズムが衝突する領海問題を一定期間棚上げして先に資源開発を実行する方式が、同様の領海問題を抱える他地域の沖合資源開発案件に対して、ひとつの示唆になるものと考えられる。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 5 - D 東チモールの政治、社会情勢 東チモールはインドネシアとの長い抗争を経て2002年5月に独立した。しかし2006年5月、首都デ 3ィリで発生した除隊元国防軍兵士による暴動が契機となって国内の対立勢力間の抗争が激化し、治安が悪化している。2006年6月にアルカティリ首相(当時)が治安悪化の責任を取って辞任し、翌7月にノーベル平和賞受賞者のラモス・ホルタ外相が首相に就任した。東チモール政府の要請を受けて、ポルトガルおよび周辺国の豪州、ニュージーランド等が国際治安部隊を派遣しているが、依然として治安の不安定な状態が続いている。 既にJDPAからの石油・天然ガス収入はあるものの(バユ・ウンダン油ガス田)、農業以外にめぼしい産業がなくて失業率が高いこと、さらに米などの必要物資が不足していることから、社会不安がくすぶり続けている。 東チモールでは2007年4月9日に大統領選挙が予定されている。8名が立候補しているが、実質的にはラモス・ホルタ首相およびルオロ国会議長(最大政党の東チモール独立革命戦線(フレティリン)党主)の争いになるものと見られている。 4. 東チモールの鉱区公開、探鉱活動 東チモール政府は2006年5月下旬、東チモール南部沖合領海内で豪州との共同開発地域(JPDA)の北側に設定した沖合11探鉱鉱区入札の落札結果を発表した(図1東チモール鉱区図参照)。 11の公開探鉱鉱区の中の6鉱区に9件の有効な応札があり、ENI(イタリア)が5鉱区(A, B, C, E, H)、リライアンス(インド)が1鉱区(K)を落札した。鉱区が設定された地域は、チモール海溝を含む深海域にあるフロンティア・エリアである(沿岸以外は水深200~3000m以深)。東チモール政府とENIおよびリライアンスとのPS契約は、それぞれ2006年10月および11月に締結された。 両社は程なく探鉱作業を開始するものと見られる。超深海を含むエリアであるが、チモールギャップの既発見ガス田群に隣接する地域でもあり、探鉱の成果が期待される。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 6 -
地域1 アジア
国1 東ティモール
地域2 大洋州
国2 オーストラリア
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 アジア,東ティモール大洋州,オーストラリア
2007/03/13 坂本 茂樹 レイニー・ケリー
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