ページ番号1003634 更新日 平成30年2月16日

ロシア/ブルガリア/ギリシャ:ボスポラス海峡を迂回するBurgas-Alexandroupolisパイプライン計画が始動-3ヶ国が調印へ

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レポートID 1003634
作成日 2007-04-06 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 探鉱開発
著者 本村 真澄
著者直接入力
年度 2007
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2007/3/19 改:2007/4/6 石油・天然ガス調査グループ:本村真澄 ロシア/ブルガリア/ギリシャ:ボスポラス海峡を迂回するBurgas-Alexandroupolisパイプライン計画が始動-3ヶ国が調印へ ギリシャを訪問したプーチン大統領は、2007年3月15日、Costas Karamanlisギリシャ首相、Sergey Stanishev ブルガリア首相と、懸案であったボスポラス海峡を迂回する Burgas(ブルガリア)-Alexandroupolis(ギリシャ)パイプラインの建設に関する政府間合意書(Intergovernmental Agreement)に調印した。 ・パイプラインの権益比率は、ロシア(51%)、ブルガリア(24.5%)、ギリシャ(24.5%)、特にロシア側の中での権益比率はオペレーターとなるTransneftが34%、他はGazprom Neft(33%), Rosneft(33%)である。ブルガリア権益には、カザフスタンのTengiz田を操業しているChevron等の参加が見込まれており、同パイプライン操業に必要な「通油コミット」量は確保されたものと思われる。 ・2006年4月にプーチン大統領は、カザフスタンのナザルバーエフ大統領とCPCパイプラインを56万b/dから135万b/dで拡張することで合意する際に、Burgas-Alexandroupolisパイプラインの建設を条件とした。一方で、Chevronは同年8月、CPCの拡張を決定するのであれば、Burgas-Alexandroupolisパイプラインへの参加に関心があるとする発言を行っており、これが今回の決着につながった。 ・Burgas-Alexandroupolisパイプラインの目的としては、ロシアおよびカザフスタンの石油輸出の拡大を実現するだけでなく、ロシアがギリシャを経由して南ヨーロッパ市場を目指す天然ガス・ネットワークの構築にあたってのleverage(てこ)として機能させる意図がある。これは、米国による南欧州市場でのロシア産天然ガスの排除、中央アジア産ガスの導入という構想と衝突するものであるが、今回の3カ国合意は、ロシア側の構想が実質的に一歩前進したものといえる。 ・ロシア/ブルガリア/ギリシャ3カ国による政府間合意 . 1(1)今回の動き 2007年3月14日、ギリシャを訪問したプーチン大統領は、翌15日、Costas Karamanlisギリシャ首相、Sergey Stanishevブルガリア首相と、懸案であったボスポラス海峡を迂回するBurgas-Alexandroupolisパイプラインの建設に関する政府間合意書(Intergovernmental Agreement)に調印した(IOD:International Oil Daily, PON:Platts Oilgram News, 2007/3/16)。 ボスポラス海峡を迂回するBurgas-Alexandroupolisパイプラインの構想については、ロシア及びギリシャ企業との間で1993年に生まれている。3カ国は既に2005年4月、Burgas-Alexandroupolisパイプラインに関する主旨同意書(MOU)に署名しており、さらに2006年9月、プーチン大統領が南アフリカ共和国訪問途中に1日を割いてギリシャに立ち寄り、2006年内の政府間合意を目指すことを確認した(Interfax, Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - 006/9/05)。その後、3カ国は2007年2月7日に予備合意を結び(Interfax,2007/3/12)、最終的に今回の調印となった。ブルガリアは、2006年9月においてGeorgi Parvanov大統領が出席したが、今回は首相の参加となった。 最後に残った問題点は、ブルガリア政府があくまで、同じBurgasを起点とし、積出港をアルバニアのVlore港とする「Burgas-Vloreパイプライン」計画、あるいはAMBO (Albanian Macedonian & Bulgarian Oil)パイプライン計画とで共有できる受け入れターミナルを建設し、またそれを操業する特別会社の立ち上げに固執したことであったが、このブルガリア政府案は双方のプロジェクト推進グループから拒絶されたため、最終的にこれを断念した(PON, 2007/3/16)。これが最後まで交渉がこじれ、調印時期が遅れた原因と思われる。 プーチン大統領の今回の外遊は、3月13日にイタリアを訪問し、Romano Prodi首相と会談して、GazpromとENI、そしてロシア連邦原子力エネルギー庁とイタリア最大の電力会社ENELとの協力事業に関する発表を行った。次いで、ローマ法王Benedict十六世と会談したが、これは将来的にロシア正教会のAlexy二世総主教との会談を実現するための地ならしを志向するものである(Moscow Times, 2007/3/13)。ソビエト連邦崩壊直前の1989年に、ゴルバチョフ大統領がヨハネス・パウロ二世と会い、ソビエト共産党とバチカンとの間の数十年振りの歴史的和解が成立したが、今回の会談は、欧州に瀰漫するロシア異質論に対抗して、キリスト教という同質性をアピールする狙いがあびまんるものと思われる。次いでアテネ入りしたが、当初から2日の滞在を予定していたのは、前述の通りブルガリア説得の時間を織り込んだためと思われる。ブルガリアの2ルート併案に固執する姿勢はエネルギーの専門家から見ても不可解で、何らかの勢力による圧力が行われている可能性も考えれられる。 (2)今後のスケジュール 今後の作業スケジュールは以下のとおりである。 2007年上半期:国際プロジェクト会社(IPC, International Project Company)の設立 同時期:TransneftによるFS(1年以内) 2007年中:Host Government Agreeementの締結 2008年:工事開始(工事期間:18カ月) 2009年末:パイプラインの竣工。当初の通油能力 しかしながら、今回はあくまで政府間の合意であり、商業的な契約に至るまでは、多くの交渉事が控えており、このスケジュールに疑問を呈する向きもある(FT:Financial Times, 2007/3/15)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 2 - }1. 黒海周辺の石油パイプライン・システム。Tengiz 油田からNovorossiyskまでがCPCパイプライン。 ・ロシア(51%):ロシア側での権益比率Gazprom Neft(33%), Rosneft(33%), Transneft(34%) ・ブルガリア(24.5%):Bulgrgaz, Technoexportstroy、但し権益の一部をChevronに売却するとの噂あり(FT/ 2007/3/15)。他に、TNK-BP、KazMunaiGazの参加の観測あり。 ・ギリシャ(24.5%):Hellenic Petroleum-Thraki(23%), ギリシャ政府(1%)。Hellenic Petroleumは国営の石油精製企業。 (2)パイプラインの諸元 Burgas-Alexandroupolisパイプラインおよび、そこにタンカー経由で原油を輸送することになるCPC、競争者となるSamsun-Ceyhanパイプラインの諸元を表1に示す。Burgas-AlexandroupolisパイプラインのGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 3 - Burgas-Alexandroupolisパイプラインの概要 . 2(1)参加比率と参加企業(Interfax, 2007/2/22) 軏{的な諸元は以下の通りである。 ・総 延 長:ブルガリア領Burgasからギリシャのエーゲ海に面するAlexandroupolisまでの285km。 なおAlexandroupolisはVLCC(Very Large Crude Carrier)(30万t)接岸可能 ・総事業費:9億2,000万ドル(Moscow Times, 2007/3/13)~10億ドル(IOD, 2007/2/22、 FT, 2007/3/15)~13億ドル(PON, 2007/3/16) ・パイプライン操業会社:Transneft(同社が海外でオペレーターとなるのはアドリア海パイプライン以来) ・通油能力:当初30万b/d、次いで第2段階で48万b/d、第3段階で70万b/dとしており、将来的には100万b/dまで引き上げる(PON, 2007/3/16)。 CPC Burgas- Alexandroupolis 2001年10月 ロシア(24%),カザフ(19%),オマーン(7%),Chevron(15%),Luk-Arco(12.5%),Rosneft-Shell(7.5%),ExxonMobil(7.5%),Agip(2%),BG(2%),KazMunaiGaz(1.75%),Oryx(1.75%) 2009(?) ロシア(51%):Transneft Gazprom, Rosneft, ギリシャ政府(24.5%) ブルガリア政府(同) 将来的な参加者:Chevron, KazMunaiGaz, TNK-BP 黒海ターミナルから輸出 積み替え Burgas(ブルガリア) Alexandroupolis(ギリシャ) 285km テンギス 油田他 90億bbl テンギス油田 ノボロシースク(Novorosiysk) 1,580km X 40"/42" 56万→135万バレル/日 70万→100万バレル/日 33億ドル+16億ドル(拡張分) 9.2億ドル~13億ドル Samsun- Ceyhan 2008 トルコ政府、ENI, Calyk 同左 積み替え Samsun Ceyhan 660km 100万バレル/日 10.6億ドル イプライン パ操業開始 事業者/パートナー 供給油田 ソース埋蔵量 積出し地点 ターミナル 総延長 通油能力 総費用 当初、Alexandroupolis港は10万トン級のタンカーまでしか接岸できないと言われ、またエーゲ海での厳しい環境政策もあり、このため起点のBurgasは変わらないものの、輸送距離を伸ばし積出港をアルバニアのVlore港とするBurgas-Vloreパイプラインの構想が、米国資本のAMBO (Albanian Macedonian & Bulgarian Oil Pipeline Corporation) によって提案された。総延長は、820~900km、輸送能力は75万バレル/日、総事業費は12億ドルで、2004年12月アルバニア、マケドニア、ブルガリアの3当事国は建設のMOUに調印した。2005年の時点でFEEDの段階であったGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 4 - 表1 CPCと2つのボスポラス迂回パイプライン計画の概要 . Burgas-Vloreパイプライン計画の現状 3MEES:Middle East Economic Survey,2005/5/09)。工期は3年を見込んでいる。Vlore港は30万トン級まで接岸可能で、Alexandroupolisを凌ぐ好条件を有しているが、途中ルートは山岳地が多いのが難点である。 ブルガリア政府としては、当初は両方の計画を推進して、最終的により支持を得た案に乗る方策であった。なお、最近の報道ではAlexandroupolis港においても、VLCC級タンカーの接岸が可能との報道もあり(IOD, 2007/3/16)、Burgas-Vloreパイプライン計画の優位性はほぼ失われたもの. CPCパイプラインの拡張問題とChevronの立場 4と思われる。 この件は、石油・天然ガス資源情報(http://www.jogmec.go.jp/information/index.html)2006年5月24日掲載の「ロシア:原油・ガスの南輸出ルート拡充へ-黒海・バルカン半島をめぐる新規パイプライン計画の動き」に記した。 2006年4月4日、プーチン大統領とナザルバーエフ大統領とが会談し、懸案となっていたCPCパイプラインに関して、その能力を現行の56万バレル/日から135万バレル/日に拡張することで合意した(IOD, 2006/4/05)が、この時ロシア側はBurgas-Alexandroupolisパイプラインの建設を条件として提示した(IOD, 2006/4/12)。これの意味するところは、ボスポラス海峡のタンカー通行がほとんど限界に達している以上、滞船問題を引き起こさせないためにボスポラス迂回パイプラインが不可欠であり、そのようなパイプライン建設を実現させるために、操業を赤字にさせないだけの水準の「通油コミット」を迫ったということである。これには、ロシア石油企業のみならず、カザフスタンで操業する石油企業、特にTengiz油田の操業企業からの参加が是非とも必要である。 折しも、トルコ政府はBurgas-Alexandroupolisパイプラインの対抗馬としてSamsun-Ceyhanパイプライン計画を国策として推進する姿勢を示し、ENIがこれに参加し、Totalも計画の支持に廻った。これにより、競争の帰趨は「通油コミット」の獲得競争にかかっているという状況であった。 2006年8月、懸案であったCPC拡張とボスポラス迂回ルートに関する議論において、Chevron Neftegaz Inc.のIan MacDonald社長はCPCの拡張を決定するのであれば、Burgas-Alexandroupolisパイプラインへの参加に関心があるとする発言を行っている(Interfax, 2006/8/31)。ChevronはTengiz油田の原油の搬出に関して、BTC(Baku-Tbilisi-Ceyhan)パイプライン経由も選択肢として検討しており、この時点ではロシア側の明確なコミットを必要としていた。9月の3カ国の基本合意により、参加の意思が決定されたものと思われる。今回の調印で、Chevronのモスクワ事務所は歓迎の声明を出し、CPCが拡張されGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 5 - 驍アとにより、Burgas-Alexandroupolis パイプラインへの参加の経済性が高まると述べた(Inerfax, 米国によるユーラシアのエネルギー政策 . 52007/3/15)。 Matt Bryza国務省欧州ユーラシア担当補佐官は3月8日、イスタンブールにあるトルコのシンクタンク“Steam”において以下のような内容の「米国のユーラシアエネルギー戦略」に関する講演を行った(PON, 2007/3/12)。 ・「米国のユーラシアエネルギー戦略」Matt Bryza国務省欧州ユーラシア担当補佐官 (1)カスピ海石油資源の輸送独占の排除 米国は、これまでロシアによるカスピ海の石油資源の輸送独占を排除することを方針としてきており、その成果として、BTCパイプラインと、Baku-Supsa(グルジア)パイプラインがある。カスピ海のガスに関しても、その生産者がロシア-欧州ライン以外の搬出ルートを持つことが重要である。ただし、米国企業によるカスピ海でのガス生産の実績はなく、米国がこのガスを輸入することもない。 (2)欧州のガス市場における競争の必要性 欧州のガス市場において競争状態を作る必要がある。Gazpromは独占体であり、競争を妨げる存在で、例えば中央アジアのガスを100ドル/1,000m3で買い、欧州に280~300ドル/1,000 m3で売っている。独占のなせる技だ。欧州に中央アジアのガスを直接導入できれば競争状態を作れる。また、Gazpromに対しては、ガス価格を引き下げることが可能になり、未開発資源の有効利用を促せる。これにより、ロシアの天然ガス生産の現状は減産へ向かっているが回復する。 (3)イランの位置づけ イランのガスを“Nabucco” 等欧州向けパイプラインに供給することは、米国法の下で支持できない。 しかし、イランのガスがトルコに行くことは問題ないし、インド、中国に行くことは悪くない。 (4)イラクの位置づけ 今後、イラクが欧州に対する重要なガス供給者となる。米、トルコ、イラクの3国でイラクのガス開発の協議をしており、今後閣僚級に引き上げられることを期待する。 (5)アゼルバイジャンの位置づけ アゼルバイジャンからトルコに至る「南コーカサス・ガス・パイプライン」が完成し喜ばしい。更に、これが7月にギリシャに輸出されることは、他のカスピ海のガスが欧州に向かうための重要な第1ステップとなる。アゼルバイジャンのガス埋蔵量は1兆m3あり、2012~2014年までに生産量を200億m3/年に増加でGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 6 - ォる。IGI(Interconnector-Greek-Italy)パイプラインとNabuccoに供給するに十分な量が確保されている。さらに、2030年までにアゼリは300億m3/年生産できる。アゼルバイジャン-ギリシャのガス輸送契約は2008年に締結される見込み。これは、続いてその他中央アジア諸国、すなわちカザフスタン、トルクメニスタンのガスを欧州向けに輸出する基礎となるものである。 . 今回の3カ国合意の意義と今後の展開 6(1)参加国の思惑 ・ロシア:欧州エネルギー市場、特に地中海域への供給者としての役割の拡大 ・ギリシャ:石油ガス供給における地域的なハブ国を目指す ・ブルガリア:ターミナルを拡充することによりバルカン半島に対する備蓄機能を提供 (2)「エーゲ海ガス・パイプライン(Aegean Gas Pipeline)」計画への影響 ロシアによるギリシャへのBurgas-Alexandroupolisパイプライン計画の提案の見返りに、ロシアがトルコ-ギリシャ間の「エーゲ海ガス・パイプライン(Aegean Gas Pipeline)」計画への参加を目論んでいることを、石油・天然ガス資源情報2006年5月24日掲載の「ロシア:原油・ガスの南輸出ルート拡充へ-黒海・バルカン半島をめぐる新規パイプライン計画の動き」において触れた。このパイプラインは通ガス能力110億m3/年で、ギリシャのDepaとトルコのBotasによるJVにより建設され、2007年6月より操業の見込みである。さらに、イタリアのEdisonグループとの契約で、2012年までにガスはアドリア海を越えてイタリアに到達することになっている。今回の調印を受けて、Financial Times紙は、ギリシャに対するロシア側の参加要求の圧力が更に強まると予測している(FT, 2007/3/15)。2006年4月、米国のライス国務長官はギリシャに立ち寄り、Karamanlis首相に対して、Gazpromの参加要請を拒否し、アゼルバイジャンのガスを充てるよう求めた(FT, 2006/4/25)。Depaの役員は、ギリシャは当面トルコ経由で2006年12月から生産開始となったアゼルバイジャンのガスを輸入し、ロシアへの依存度を上げないとの方針を述べている。 (3)米国とロシアの南欧州-中央アジア・エネルギー戦略 Matt Bryza国務省欧州ユーラシア担当補佐官の講演に見るとおり、ここでは、ロシアの輸送独占の排除が明確に謳われており、Burgas-Alexandroupolisパイプラインも米国にとっては敵対的なプロジェクトという位置づけになるものと思われる。また、これに対してChevronが参加の方向であることは、米国政府とメジャーズの立場が全く相容れないものであること、ロシアの立場がむしろメジャーズ近いものであることを物語っている。 黒海、バルカン半島を廻ってのロシアのエネルギーフローの戦略に関しては、2006年5月の前述のGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 7 - L事に記したところである。図2はこの関係を図示したものであるが、今回の調印はロシアがまず一歩前進したということである。これに対して、米国は一貫してロシア排除の姿勢を堅持しているが、関係国はこれに協力したところで特段の見返りが得られる訳ではない。アゼルバイジャンからのガス輸出は技術的な問題から2006年12月の生産開始以来、たびたび操業停止という状態になっている。 プーチン政権のエネルギー政策は、2006年のウクライナとの係争の例で見られたように、政治性の放棄と商業性へのシフトで特徴付けられ、エネルギーの輸出の促進と利益確保に重点が置かれている。2月に訪日したフラトコフ首相の演説(2月28日)に見るとおり、ロシアにとっては付加価値の高い工業国家への転換が最大の課題であり、エネルギーからの収入は産業投資への原資と位置づけられている。一般紙やCheney副大統領演説に見られるような、「ロシアがエネルギーを政治の道具に使っている」という非難は、パワーポリティックスからの見方であり、産業の実態とはかけ離れた見解であると言えよう。そもそも新大陸国家のアメリカの政府が、旧大陸におけるエネルギー輸送になぜ容喙してくるのか、そしてようかいそれが米国にとって果たして利益となるのか、米国政府とメジャーとの姿勢の隔たりこそがその回答となるであろう。 図2. 欧州-中央アジアのエネルギー情勢を巡る各国の関係 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 8 -
地域1 旧ソ連
国1 ロシア
地域2 欧州
国2 ブルガリア
地域3 欧州
国3 ギリシャ
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 旧ソ連,ロシア欧州,ブルガリア欧州,ギリシャ
2007/04/06 本村 真澄
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