ページ番号1003642 更新日 平成30年2月16日

ガス輸出国フォーラム・ドーハ会議の結果: ガス版OPEC設立は当分ない =日本での報道と欧米専門誌・現地報道とはニュアンスに大きな相違=

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レポートID 1003642
作成日 2007-04-16 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 エネルギー一般市場
著者
著者直接入力 石井 彰
年度 2007
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2007/4/16 石油・天然ガス調査グループ: 首席エコノミスト 石井 彰 ガス輸出国フォーラム・ドーハ会議の結果: ガス版OPEC設立は当分ない =日本での報道と欧米専門誌・現地報道とはニュアンスに大きな相違= (GECFコミュニケ、IOD、Pllats、Gas Matters Today、Petoroleum Argus、Argus FSU Energy、 MEES、AOG、PIW、Interfax、MoscowTimes、RusEnergy、その他) ①ガス版OPECの設立に繋がるのではないかと、一般メディア等で注目されていたガス輸出国フォーラム(GECF)の第6回大臣会合が4月9日カタールのドーハにて開催され、参加国間の更なる協力の推進と来年の次回モスクワ会合までに次官レヴェル程度のワーキンググループによってガスの価格フォミュラとインフラストラクチャーと産消国間関係についてスタディする事となった。 ②本会議の結果と意味付けに関しては、日本メディアの報道内容と欧米石油ガス専門誌、現地紙、ロシアメディア等の報道内容はニュアンスに大きな隔たりがあり、日本では概ねガス版OPEC創設に大きく前進したかの如くややセンセーショナルに報道する姿勢であるのに対し、欧米石油・ガス専門誌・通信社、現地紙、ロシア通信社は、ガスOPEC設立関して否定的に報道している。また、カルテル創設に関するロシアの態度について正反対の報道となっている。今回明確にOPEC型のカルテル創設を主張したのはベネズエラのみである。 ③今回の会議のコミュニケ、周辺情報に関する情報を詳細に比較検討すると、当グループを含む世界のガス専門家の予想通り、少なくとも当分の間はガスの国際価格カルテルができる事はないという点が再確認されたと言える。 ④ただし、今次会議に関する情報を総合すると価格問題に関しては、輸出国側の最大関心事は、現在主流の石油価格リンク・フォーミュラ(S字カーブを含む)が現在の状況下で適正であるのかどうか、環境プレミアム上乗せの余地がないのかのかどうかと言う古くて新しい問題であり、日本関連のLNG価格について、今後新規契約の交渉においてはこの点が個別交渉のホットイシューになってくる可能性も考えられる。 4月9日にカタールのドーハにて第6回のガス輸出国機構の大臣会合が14ヶ国の代表を集めて開催された。参加国は、アルジェリア、ボリビア、エジプト、イラン、インドネシア、リビア、マレーシア、ナイジェリア、ノルウェイ(オブザーバー)、カタール、ロシア、トリニダド、UAE、ベネズエラで、ロシアは今回初めて閣僚級を派遣した。会議の結論として会議終了後に開示された会議コミュニケによると、以下の2点を確認している。 1.次回開催国であるロシアを議長とする高いレヴェルの委員会を立ち上げて、GECFのこれまでの成果を評価し、今後更に成果を上げるための方策について検討する事となった。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - 黷ノ対し、10日の主要な日本メディア報道の見出しは以下の通りで、ガス版OPEC設立に向けて大き こく前進したとの印象を持たせる報道を行い、一部の欧米大手一般メディアもそれに近い見出しで報じた。 2.次回会合は来年にモスクワで開催される。 方、同日の代表的な欧米石油・ガス専門誌、及びカタール現地誌、露通信の社見出しは以下の通りで 一あり、ガス版OPEC設立については否定的な報道を行っている。 ・“Energy Ministers Downplay Talk of Gas Cartel” International Oil Daily.(米) (エネルギー大臣達はガス・カルテルを否定) ・“`Gas OPEC` cartel not in the cards for now” Pllat`s Oilgram News.(米) (ガスOPECは当面のカードではない) ・“Gas Exporters say no to cartel” The Peninsula. (カタール現地紙) (ガス輸出国はカルテルを否定) ・“GECF shuold focus on improving global energy security-Kremlin aid” Intefax(露) (GCEFは世界的なエネルギー供給安全保障を高めるべきものと大統領府側近) 米石油・ガス専門誌、カタール現地紙、中東経済誌、露メディア、及び在モスクワの契約コンサルタント 欧による情報を総合すると実質的に以下のような結果と現状であったと考えられる。 ・コミュニケにて設立するとされた高いレヴェルの委員会での検討とは、フリステンコ露エネルギー相がカタール現地で語ったところによれば、「次官級レヴェルで年6回程度開催し、主として価格フォーミュラ問題、インフラストラクチャー、産消間関係について研究と検討を行う」とのこと。(IOD,The Peninsula、Moscow times=Interfax、他) この価格フォーミュラ問題に関しての主たる問題意識は、アルジェリアのケリル大臣によれば、「現在主流となっている石油価格へのインデクセーション・システムは、現在では最早天然ガスの主たる競争相手が石油ではなく他のエネルギーであり、今後原子力や再生可能エネルGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 2 - ・「ガス版OPEC創設へ」東京 ・「ガス版OPEC前進」サンケイ ・「ガス版OPEC検討」日経 ・「ガス価格調整で部会」読売 Mー等との競争となるので合理的ではないのではないか、他のインデクセーション・システムもあり得るのではないか」(IOD)という事であり、また「石油に比べて環境プレミアムがついて然るべきにもかかわらず、現状は石油価格の$10/MMBtuより安く$7/MMBtuになっている契約が多い」と言うことのようである。(Pllats他) 一方、UAEの大臣は「需給予測も同委員会の重要な問題であり、価格問題は当事者企業間の相対交渉で決まるべきものであるので、価格フォーミュラが必ずしも主題ではない」と語っている。 (IOD) 回の委員会設立についての合意が、価格カルテル、即ち所謂ガス版OPEC設立の準備ではとの憶測 今について、同日フリステンコ大臣は、「GECFは変わるべきではないし、消費国に対して透明性と協調的なポジションを維持すべきである。」と語り、「カルテルを指向すべきと言う決定は全くなされていない」と明確に否定した。(Interfax他) 更に 「国際ガス市場の性格から見てガス・カルテルは15~20年間は不可能である。」(Argus FSU Energy)とも語っている。 また、今会議主催者であるカタールのアティア大臣は「カルテルという言葉を使用されること自体が不愉快である」と語り(ロイター他)、 アルジェリアのケリル大臣は「カルテルが成立されるための市場条件は少なくともテクニカルには今後10年から15年程度は整わない」と語り(The Peninsula他)、また今回の騒動の発端であるイランのバジリ・ハマネ大臣も「この委員会は価格を決めるための物ではない。カルテル創設には長い期間が必要だ」と語っており、またアルデビリOPEC理事(イラン出身)も「ガス版OPEC構築を目指しているわけではない」と語っている。(ロイター他) 更にエジプトの大臣は「ガス版OPECは消費国にも生産国にもともに利益にならない。世界はガス版OPEC創設への準備ができていない」と述べた。(IOD) 露のプリホトコ大統領補佐官は、同日モスクワで「価格問題はガスを販売する『企業』の専管事項である。今回の会議の意味は世界のガス供給安全保障を如何に高めるかと言うことである」とカルテル創設へ向けた処置との見方を否定している。(InterFax) 会議直前の6日に、露フリステンコ大臣は「ロシアはこれまで誰かに対して敵対的な組織(カルテル)に参加すると言ったこともないし、これからもあり得ない」とも語っている。(Intefax) 更に同大臣は、「この様なカルテル創設を懸念する消費国の喧しいコメントは、部分的には輸出国に関して世界の脅威、モンスターとのイメージ作り上げることによって、国内問題から目をそらせるといういつもの伝統的なパターンから来ている」と皮肉っている。(Interfax) また、ミレル・ガスプロム社長は「今回の会議はガス供給の安全保障が最大のイシューであり、これは輸出側だけでなく輸入側にも重要な問題である」とコメントした。(Gas Matters Today) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 3 - フ会議で明確にガス・カルテルの設立について意向を示したしたのは、「GECFがOPEC類似の組 今織に進化する事を希望する。輸出国は再生不可能資源である石油やガスのフェアーバリューを守るための権利を放棄すべきではない」と述べたベネズエラのラミレス大臣だけであった。(IOD、Pllats他) ただし、直接当事者ではないもののロシアの下院議員で露ガス協会会長のヤゼフ氏はモスクワにて「高いレヴェルでの委員会設立は、何れカルテルに向かう一つのステップである。」と語っており、ロシア内が完全に一枚岩でないことを窺わせる。また、アルジェリアのケリル大臣は、「GECFは長期的にはガス版OPECに向かいつつある」とも語っている。今会議では、長期的課題としてのカルテル設立について輸出国としては存在感のないベネズエラ、イラン、リビアとアルジェリアが肯定的、大輸出国のカタールとロシアが否定的、他の輸出国は音無、無関心の印象であったと纏めている。(Argus FSU:ロンドン) 上のような情報から、今回の会議結果も踏まえて、欧米のガス専門家・業界筋は、ガス・カルテルが少 以なくとも当分の間は成立し得ないことで一致している。(AOG他) これは、当調査グループも含めて世界の専門家が一致して予想した通りの展開である。(OIES他) 一方で、格別新しい問題ではなく過去何年にもに亘って議論されてきた事柄であるが、アルジェリアのケリル大臣が詳細にコメントしたように、現在欧州、並びに日本を含む極東向け長期売買契約の主流となっている石油価格リンクの価格フォーミュラの有効性、合理性については、一部の輸出国が再検討する事について関心が深く、今後の新規長期売買契約の締結交渉において具体的な大きな問題となってくる可能性が考えられる。ガス価格の石油価格リンクについては、欧州ガス問題の第一人者であるオックスフォード・エネルギー研究所のJ.スターンも、ガスと石油の直接的な競合関係は70年に比べてずっと低くなっているので最早合理性がないとのレポートを今月に発表しており、今後この問題の議論が輸出国側だけでなく輸入国側でもホットになってくる可能性が出てきている。 今後の新規日本向けLNG案件ないし、既存案件の契約更改に際しては、要注意事項となろう。 般のガス版OPEC設立「騒動」を巡って留意しなければならないと考えられるのは、消費側、特にEU 今の政治レヴェルと一般マスメディア、特に日本のマスメディアが敏感な反応を示した事に関連して、今後同様な傾向が拡大すると、将来的に消費側自身の利益にとって良い面と悪い面の両義的な意味合いを持つことが懸念される事である。今回の騒動に関してパリで発行されているArab Oil & Gas誌(4月16日号)は、「GECF:メディアが大山を鳴動させて鼠一匹」というタイトルの論評記事を掲載して、消費国の一Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 4 - ハメディアの先走った“熱狂”報道に警鐘を鳴らしている。 70年代の2回の石油危機やここ3年間の石油価格高騰の歴史、経緯を詳細に見てみると、消費国自身が過敏な反応によってパニック的な行動を起こしたことが、少なくとも主要な要因の一つとなって、これらの消費国側にとって大きな問題を引き起こしている。70年代の石油危機では、消費側のパニック買いによって原油のスポット価格を不必要なレヴェルまで急騰させたことが、OPECが後追いで公示価格を大幅に引き上げる事の直接的な原因となっているし(歴史的に証明されている)、今次原油価格高騰も消費側の行動やコメントが、産油国側のバーゲニング・パワーを引き上げて更に事態を悪化させている様相が濃厚である。(拙著「21世紀型石油危機の誕生と資源ナショナリズム」、石油天然ガスレビュー07年1月号参照) ガス版OPEC設立懸念に関しても、将来的に輸出国側のバーゲニング・パワーを不必要に向上させるようなパニック的な反応は避けなければならないと考えられる。警戒感を持ちつつも冷静に合理的に反応し、行動することが、消費側、ないし投資側の利益となろう。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 5 -
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2007/04/16 石井 彰
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