ページ番号1003660 更新日 平成30年2月16日

マレーシア: マラッカ海峡を迂回する原油パイプライン計画の実現性を検証する

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レポートID 1003660
作成日 2007-06-25 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 エネルギー一般
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著者直接入力 坂本 茂樹
年度 2007
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ページ数
抽出データ マレーシア: マラッカ海峡を迂回する原油パイプライン計画の実現性を検証する (IOD、PLatts、FT、関連企業HP) 更新日:2007/6/25 石油・天然ガス調査グループ:坂本茂樹 マレーシアのTrans-Peninsula Petroleum1 社(TPP)を中心とする企業グループが半島部マレーシア北部を横断する原油パイプライン計画を打ち出した。本国政府の承認を得て、2007年5月末に事業推進に係わるグループ企業間の契約に締結した。この計画は、中東方面から東アジア市場に向かうほとんどの原油タンカーが航行する原油輸送の大動脈、マラッカ海峡航行の迂回策の一つである。中国など東アジアの石油輸入量増加につれ、同海峡の船舶航行はまもなく限界に達すると懸念されている。なお同計画には、製油所建設も含まれる。 しかしTPPの現時点の計画は、パイプライン建設を実現させるための条件を十分に満たしていないと考えられる。まず当事者企業の事業推進能力が疑問視され、マレーシア政府およびペトロナスも実質的な支援を実施しない。次に、原油輸入国はエネルギー政策がバラバラで同一歩調を取る気運がなく、産油国側の本計画への関心も概して低い。現時点でのマラッカ海峡航行は、滞船が発生するほど深刻な状態ではなく、またロンボク海峡航行という代替ルートもあることから切迫感が薄く、打開策を真剣に議論するには時期尚早との感が強い。 本稿では、マラッカ海峡航行の迂回パイプライン実現に向けた個々の条件を検証し、石油輸入国としてこの問題にどのように対処すべきかを考えるための一考察としたい。 1. マレー半島横断原油パイプライン建設計画が一歩前進 (1) 計画を推進する企業間の契約締結(2007年5月末) マレー半島横断原油パイプライン計画を推進するマレーシアTPP社は、2007年5月28日にエン ジアリング会社など関系企業と本事業計画を推進する主要契約(Master Alliance Agreement)に締結した。これにより、同計画は一歩前進することになった。今回の契約調印式には、パイプライン建設計画を承認したマレーシアのアブドラ首相、および隣国インドネシアのユドヨノ大統領も臨席した。 2) マレー半島横断原油パイプライン計画の概要(製油所建設を含む) TPPによる本パイプライン建設計画は製油所新設を含み、事業内容は、次の通りである。 ① 原油パイプライン建設 1ペトロナス出身の複数のエンジニアが設立したマレーシアの企業。非上場で払い込み資本金100万リンギット(約6,500万円)。 (Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - E パイプライン・ルート(図1参照): 半島部マレーシア北部マラッカ海峡沿岸のクダ(Keda)州ヤン(Yan)港~東部クランタン(Kelantan)州バチョク(Bachuk)を結ぶ全長306km。3本のパイプラインを敷設する。 ・ 輸送能力: 200万b/d(2011年) ? 600万b/d(2014年完成時)、段階的に輸送能力を増強 ・ 原油備蓄タンク併設: 円滑な原油輸送を図るため、1億8,000万バレルの備蓄施設を併設 ・ 建設期間: 2008~2014年、2011年に運用開始予定 70億ドル ・ 予算: ・ 事業推進者: TPP (オペレーター、マレーシア)、Ranhill(エンジニアリング、マレーシア)、PT Tripatra(エンジニアリング、インドネシア)、Bakrie and Brothers(パイプ供給、インドネシア)、Al-Banader International(原油調達、サウジアラビア) 本パイプライン建設は、マラッカ海峡を経由する石油輸送の約30%を担う計画であると言われる。2006年のマラッカ海峡経由の原油輸送量は約1,120万b/dであり、その30%は340万b/dとなる。 図1 マレー半島横断原油パイプライン(案)、およびマラッカ海峡とその代替航行ルート - 2 - Global Disclaimer(免責事項)本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 90億ドル ・ 予算: ・ 事業推進者:SKS Ventures2(マレーシア)、Merapoh Resources(マレーシア)、National Iranian Oil Co(NIOC、国営イラン石油会社) 石油製品は、日本、韓国、中国等アジア市場への販売を計画している。また事業推進者は、日本、韓国、中国の企業にも製油所投資を呼びかける意向だという。 3) マレーシア政府のパイプライン建設計画承認(2007年5月初旬) マレーシア政府は、2007年4月中旬時点で本計画はまだ検討段階との見解を示していた。しかしアブドラ首相は5月7日に、同パイプライン計画は政府が進めようとしている北部回廊開発計画の理念に沿うと述べて、同計画を承認することを明らかにした。 ( マラッカ海峡航行を迂回するバイパス建設の必要性は以前から指摘されてきた。しかし、今回マレーシアTPP社が示す計画は、必要な諸条件を満たしているとは言えず、計画の実現可能性は低いと考える。計画を実現させるための条件として、事業採算、代替輸送ルートの有無、パイプライン通油・マラッカ海峡航行を組み合わせた包括的運用ルール、原油輸入国・産油国双方の支持等が考えられるが、TPPの計画はこれらの諸条件への対処が不十分である。それぞれの項目について以下に検証する。 (1) 事業採算 ① タンカー所要日数(中東方面→東アジア)に基づく原油輸送経費 簡便的に原油タンカーの運航日数を比較すると、次の通りとなる。 2 マレーシアで食品関連事業、飲食事業、不動産事業、土木建設事業等広汎な事業展開をしている。2007年1月にNIOCと、イランにおけるガス田開発、LNG液化設備建設に係わる覚書きを締結した。- 3 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 . マレー半島横断原油パイプライン計画の実現可能性: 現時点では条件を満たせず 2 輸出用製油所建設 (詳細は2007年8月に発表予定) ・ 建設場所: 西岸Keda州Yanと東岸Kelantan州Bachukにそれぞれ建設 ② (ただしYanのみに建設するとの報道もあり) ・ 処理能力: 合計45万b/d (Yan、Bachuk製油所それぞれが20~25万b/d) ・ 建設期間: 2008~2014年 (注)Sunda海峡、Lombok海峡航行は、マラッカ海峡航行の代替ルート E マラッカ海峡航行(基準); ・ ロンボク海峡航行(代替ルート); ・ マレー半島横断パイプライン; 中東~東京湾のタンカー運航日数=21日 追加所要日数= (cid:169)3日 (輸送費15%アップ) 追加所要日数=(cid:169)3~5日(同上15~24%アップ) 基準とするマラッカ海峡航行と比較して、ロンボク海峡航行(代替ルート)は輸送経費が15%アップ、マレー半島横断パイプライン使用は15~24%アップになるものと考えられる。 なおマレー半島横断パイプライン使用ケースは、次の費用が加算されるために更に割高になる。 ・ タンカー・フレートが①中東~マラッカYan、および②Bachuk~東京湾の2本建となるために、中東~輸入国直行ケースに比べて割高になる。 ・ 貯油タンク建設費用、タンカーからパイプラインへの原油積み下ろし、パイプライン内の原油輸送、再積み出し等に要する日数・費用が加算される。 タンカー輸送の専門家は、マレー半島横断原油パイプラインを円滑に操業するためには、相応な貯油タンクを併設しなければならず、そのコストは馬鹿にならないものと見ている。 従って簡便的な航行コストの比較は、優位性のある順に1マラッカ海峡航行 2ロンボク海峡航行 3マレー半島横断パイプライン、となる。 a. 原油処理能力の限界:東岸Bachuk製油所(25万b/d) ・ 東アジアの石油消費国(日本、韓国、中国、台湾)は消費地精製主義を採り、十分な原油処理能力を備えている(同地域合計で1,530万b/d、2006年末、BP統計2007年)。石油製品輸入比率は総じて低く、2006年の日本と中国の石油需要合計に占める製品輸入比率は16%であった(BP統計2007年)。 ・ マレー半島東岸Bachuk製油所の原油処理能力(25万b/d)は、東アジア市場(日本、韓国、中国、台湾)向けマラッカ海峡経由原油輸入量約900万b/dの3%に満たず、原油輸送の代替としては機能しない。 ・ もし新設する製油所がすべてマラッカ海峡側(Yan)であれば、石油製品を東アジア市場に輸送するためにマラッカ・シンガポール海峡を経由せねばならないため、マラッカ海峡航行代替機能を全く期待できない。 b. 採算: {(原油)中東→マレー半島西岸}+{(製品)マレー半島東岸→東アジア} 輸送費を大まかに捉えると、マレー半島横断原油パイプライン経由ケースの原油輸送タンカー・フレーGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 4 - マレー半島西岸(Yan)で原油を受入、東岸の製油所(Bachuk)から石油製品を出荷する場合 ②gに準じると考えることができる。しかし石油製品を輸送する場合、物資自体の付加価値は高まるが、小型船である製品タンカー・フレートも高くなるため、一概に原油輸送ケースとの優劣を比較することは難しい。しかし、十分な原油処理能力を持つ経済成熟国(日本、韓国、台湾)の場合、石油を製品で輸入するニーズが低いために、有効なマラッカ海峡迂回策にはならないと考えられる、 マラッカ海峡の船舶航行は、将来の輸送量増加でますます混雑していくものと懸念されるが、現時点で滞船が発生するほどではない。またマラッカ海峡航行に比べて3日の追加日数はかかるものの、ロン ボク海峡経由の代替ルートもある。上記に記した輸送コストの比較結果から、採算上の観点からは、マレー半島横断パイプライン計画がマラッカ海峡航行迂回のための好ましい対策とは言えない。 2) マラッカ海峡航行に代わる迂回ルート(ロンボク、スンダ海峡3) ( マラッカ海峡航行の代替ルートとして、インドネシアのロンボク海峡(バリ島・ロンボク島間)およびスンダ海峡(スマトラ島・ジャワ島間)航行がしばしば引き合いに出される(図1参照)。両海峡とも現在、中東方面から東アジア向け大型タンカーは航行していないが、地元のフェリーおよび豪州からの貨物船航行に使用されている。スンダ海峡は可航域が狭く潮流が速いために大型船の航行には適さないが、ロンボク海峡は水深が深く可航幅も広い(最狭部で3.2km)ために大型タンカー航行も可能である。 難点としては、中東方面からのタンカー航路としてロンボク海峡を経由する場合、マラッカ海峡経由に比べて3日間の追加日数を要し、その分輸送経費のコストアッフ゜となる。また船舶の無害通航が認められる国際海峡のマラッカ・シンガポール海峡と異なり、ロンボク海峡はインドネシア領海内にあるため、自由な航行の保証は定かではない。 しかし、マラッカ海峡有事の際、同海峡を経由する輸送量の一部をロンボク海峡に振り替えることは物理的に可能である。 3) マラッカ海峡航行を含む複数の輸送ルートを一括管理するルールの必要性 ( 前項に記したように、1マラッカ海峡航行に比して、2ロンボク海峡航行、3マレー半島横断パイプライン通油はいずれも高コストの負担を伴うために、これらの複数輸送ルートを一括管理するルール作りが必要である。しかしマラッカ海峡航行に関しては、現在のところまだ滞船発生には至っておらず、同海峡 3 石油・天然ガスレビュー 2006.11 Vol.40 No.6 「マラッカ海峡航行:現状と問題点」参照 - 5 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 g用者間に将来を見据えたルール作りの気運はない。 またパイプライン建設には、操業に必要な「通油コミット」量を確保しなければならないが、現状では追加コストを負担してマレー半島横断パイプライン通油をコミットする利用者を期待できない。これでは、パイプラインを円滑に操業することは難しい。 4) 計画当事者能力(マレー半島パイプラインおよび製油所建設)、およびマレーシア政府の支援 ① 計画当事者の事業推進能力 パイプライン建設オペレーターのTPPは非上場で資本金100万リンギットの小規模な企業である。ペ (トロナス出身の複数のエンジニアが始めた企業といわれるが、実態は未詳である。他の契約当事者は、現地では建設業、鋼材供給等の分野に一定の実績があるが、国際的には全く無名である。これら企業によるコンソーシアムが、産油国、原油輸入者を巻き込んで膨大な国際的物流の枠組みを作り上げ、パイプラインを建設して操業する事業調整能力、資金調達力および事業ノウハウを有するかどうか未知である。TPPのRahim会長は5月末のMaster Alliance Agreement締結に際して、「本事業は政治プロジェクトではない。経済性が実証できるから実施するコマーシャル・ベースの事業である。」と述べており、その精神には大いに賛同する。しかし、本事業のように世界的に主要な複数の石油関連企業および当事国政府が関与する大規模国際プロジェクトにおいては、民間のコマーシャル・ベースのみでは立ちゆかないケースが多く、政治的イニシアチブが果たす役割も多い。 製油所建設はマレーシアSKS Venturesが主導する。しかし製油所建設関連企業の中で石油企業はイラン国営NIOCのみである。NIOCの参加は、イランの政治体制が常態であるなら頼もしい支持母体となったろうが、同国が国際社会で孤立してNIOC自体の資金力・運営能力が疑問視される現在、まず投資自体が可能かどうか疑わしい。原油供給、製油所操業面の貢献度合いも未知数である。 マレーシア政府、国営石油会社ペトロナスの姿勢 ②マレーシア政府およびペトロナスの姿勢は、「東アジアへの石油輸送大動脈マラッカ海峡を経由する円滑な原油輸送のために尽力する」との直接的な関与をするのではなく、「マレー半島横断パイプライン計画が国内政策に役立つ可能性を期待する」消極的な関与に留まるものと考えられる。マレーシア政府は本事業計画を承認する理由として、「政府が進めようとしている北部回廊地域の経済開発に沿う」ことを挙げている。タイ国境との辺境地域開発は国内政治上の優先順位が高いと想像され、マレーシア政府は、パイプライン建設事業を地域開発に役立てることができるとみなしたものと考えられる。政府は本パGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 6 - Cプライン事業計画の国際関係先との折衝・合意達成および採算上の難しさを十分認識しているものと見られ、計画に深入りする可能性は低いものと考えられる。 またマレーシアで石油産業を独占しているペトロナスは、製油所建設事業に参加しない理由として、「対象となる原油が中東産であってマレーシア産ではないため」と述べている。恐らく計画推進の難しさやシンガポール石油産業との軋轢など、敢えて火中の栗を拾うことはしないものと考えられる。世界的な名声を持つ石油企業ペトロナスの支援があれば、本事業計画の信頼性は大きく増す。逆にマレーシアにおいてペトロナスの関与無しで実施される石油関連事業は、力不足との感を免れ得ない。 本項の結論として、事業推進者に信頼性のあるプレーヤーを欠き、本国政府の実質支援無しに計画されている本事業が、産油国、石油輸入国を含む国際的信頼を獲得するのは相当難しいと考えられる。 5) 石油輸入国側の状況(詳細は3章参照) (原油輸入に際してマラッカ海峡を利用する主要輸入国は、それぞれ石油産業・石油輸送政策が異なり、マラッカ海峡迂回ルート創出に対する立場はバラバラであって、共通政策を採れる状況にない。各国は、マラッカ海峡の船舶航行能力が既に限界に近づいており、将来輸送量の増加で更に逼迫する可能性が高いことを共通認識している。しかし現在はまだ滞船を強いられるほど切迫した事態に到っていないために、互いに石油産業政策、石油輸入政策面で歩み寄る機運はない。真剣に対策を議論するには、総じて時期尚早と考えられる。 日本、中国、韓国など東アジアの石油消費国が中東およびアフリカから原油を輸入する場合、タンカーはすべてマラッカ海峡を通過しており、2006年の同海峡経由原油輸送量は約1,120万b/dであった(BP統計2007)。マラッカ海峡経由原油輸送量の輸入国別比率を図2に示す。日本向けが最大で全体の40%を占め、次いで、中国(22%)、韓国(15%)、シンガポール(10%)、台湾(7%)の順となる。東アジア4カ国で全体の84%を占める。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 7 - 図2 東アジア原油輸入;:国別のマラッカ海峡通過比率(2006年、BP統計2007年6月) 東アジア原油輸入:国別マラッカ海峡通過比率 (1,120万b/d、2006年)シンガポール10%台湾7%韓国15%その他6%中国22%中国日本韓国台湾シンガポールその他日本40% 原油の中東依存度の高い日本の全原油輸入量に占めるマラッカ海峡経由比率は85%に達するが(図3参照)、日本は経済成熟段階にあって省エネ技術が発達していることから、将来の石油消費量はほぼ横ばいで推移すると考えられる。マラッカ海峡航行の軽減策創出に対して強い切迫感は感じられない。韓国、台湾の原油輸入に占める中東依存度は日本よりやや低いが、マラッカ海峡航行の軽減策に対する姿勢は日本に似ている。 一方、発展途上で規模の大きい中国経済は、今後石油需要が大きく伸びまた輸入依存度も高まることから、マラッカ海峡を経由する輸入原油量(=中東、アフリカ原油)が2015年頃に日本を超えるものと見られる。しかし中国は打開策としてパイプラインによる原油輸入を重視しており、既にパイプラインを接続させたカザフスタンからの原油輸入を増やし、ロシアからのパイプライン原油輸入を精力的に交渉している。そして中東、アフリカ原油輸入ルートとして、パキスタン回廊、さらにはミャンマーを経由するパイプライン建設を検討しようとしている。一方、多くの関係国との複雑な交渉や国際協調が求められるマレー半島横断パイプライン計画に対して、現時点で公式にはコメントしていない。 またシンガポールは、石油精製産業を高度に発達させて東南アジアの石油製品取引市場の役割を担っており、この市場機能を脅かす可能性のあるマレー半島横断パイプライン+製油所建設計画に対して明確な反対を表明している。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 8 - このように、東アジアの主要原油輸入国、とりわけ輸入量で1、2位を占める日本と中国の石油輸入政策が異っており、協調してマレー半島横断パイプライン計画をサポートできる状況ではない。 6) 産油国側の状況、原油供給見通し(詳細は4章参照) ( 東アジアに原油を輸出する産油国(中東、アフリカ)はいずれも、マレー半島横断パイプライン計画に対する具体的な興味を表明していない。同計画推進に際して、産油国側の強い支持は期待できないものと考えられる。 中東の湾岸産油国政府はいずれも本パイプライン計画に具体的に関与する意志を示していない。原油価格が高値安定して売手市場である現況下、原油販売上で強い立場に立つ湾岸産油国が、採算に不安があって国際的な調整が難しい本計画に乗り出してくる可能性は非常に低いと考えられる。 オペレーターのTPP 社が5月28日に締結したMaster Alliance Agreementには、サウジアラビアAl-Banader International社が含まれており、同社が原油調達を担うものと考えられる。しかしAl-Banader International社がどのような企業であって、いったいどの程度の原油調達力を持つのか未詳である。 イランのNIOCはマラッカ海峡Yan製油所建設に参加する予定であり、原油供給に対してもある程度の貢献を期待できそうである。しかし資金と技術力に乏しいNIOCが果たして海外製油所投資に応じることができるのか疑問である。また国際社会で欧米各国と鋭く対立するイランの製油所事業参加は、却って本計画推進に対して逆効果を生じることも考えられる。 現時点で、アフリカ産油国の中にマレー半島横断パイプライン計画に興味を示す国はない。アフリカの東アジア向け原油輸出量のほとんどは中国向けのみであり、また地理的に東アジアに遠くて経済的繋がりも薄いことから、経済波及効果が限定されるマレー半島横断パイプライン計画に積極的に関与する可能性は非常に低い。 このように、産油国側がマレー半島横断パイプライン計画を支持して協力する機運は非常に乏しい。 以上列記したように、TPP社計画の全体像は未だ明らかになっていないものの、現状では計画を実現させるための条件はほとんど満たされていないと考える。5月末に実施されたグループ企業間の契約締 結は華々しく報道されたが、マレーシア産業界の本計画に対する関心は概して低く、世界の石油産業もさほど注目していない様子である。 上記項目の中で、石油輸入国側および産油国側の状況に関する詳細分析を次章以下に記す。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 9 - D 原油輸入国側の状況・見解 (1) 東アジア石油輸入国のマラッカ海峡経由原油輸入量、その見通し 東アジアの原油輸入の特徴を捉えるため、主要国の輸入先別原油輸入量を図3に示す。 図3 東アジア主要国の輸入先別原油輸入量(2006年、BP統計2007年・PIW) 3千b/d東アジア:原油輸入内訳(2006年、BP統計2007他)6,0005,0004,0003,0002,0001,0000中国(マラッカ経由比率)(62%)その他旧ソ連アジア太平洋アフリカ中東日本(85%)韓国(77%)シンガポール(51%) 本は、原油処理設備が中東の高硫黄原油処理に特化していること等から、比較的安価な中東原油輸入比率が全体の81%を占める。全輸入原油に占めるマラッカ海峡経由(=中東・アフリカ産原油)比率は85%と極めて高率である。韓国は、中東依存度が日本よりやや低いが、原油輸入相手国の傾向は日本と似ている。 これに対して、中国の原油輸入先は多様化している。中国の2006年の石油輸入依存度は51%であった(BP統計2007年)。原油輸入の特徴は、中東依存度が日本、韓国に比べて非常に低い38%に留まる一方、アフリカ(27%)、旧ソ連(12%、ロシアとカザフスタン)、アジア太平洋(12%、インドネシア他) 日(注) 「マラッカ経由比率」は全原油輸入量に占める中東・アフリカ産原油の比率 など、輸入先が分散していることである。その理由の一つとして、従来の精製設備が大慶など国産低硫黄原油処理向きであって脱硫設備が不足しているため中東産高硫黄原油処理に向かないことがある。Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 10 - ワたエネルギー資源の豊富なアフリカ、および旧ソ連との資源外交を積極的に展開して、スーダン、カザフスタン等に石油生産資産を保有しており、これらの国からの原油輸入が増えている。カザフスタン、ロシアとは地続きである利点を生かして、パイプライン(2006年に阿拉山口にてカザフスタンからの原油パイプラインに接続)、およびタンク車での原油輸入量が多い。今後さらにアフリカ、旧ソ連からの原油輸入を拡大しようとしている。 IEAの石油需要見通し(World Energy Outlook 2006)等の前提を用いて想定した、マラッカ海峡を経由する原油輸送量推移を図4に示す。マラッカ海峡を経由する東アジアの原油輸入数量(=中東、アフリカ産)は、2006年に約1,120万b/dであったが、2015年に1,480万b/d、2030年には2,100万b/dへと増加していくものと想定される。 図4 東アジア原油輸入:マラッカ海峡通過数量推移(想定) 東アジア原油輸入:マラッカ海峡通過数量推移(想定)その他台湾韓国日本中国2006201020152030千b/d25,00020,00015,00010,0005,0000 出所:IEA World Energy Outlook 2006、PIW、コンサルタントデータ等 IEAは日本、韓国などOECD加盟国の石油需要の伸びをほぼ横ばいと見ている。一方、経済発展途上の中国の石油需要増加量は大きく、輸入依存度は2006年の51%から2030年には82%へと拡大するものと想定している。図4で「その他」に分類した東南アジアでもタイ、ベトナム等で石油輸入量が増加Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 11 - キる。 なお図4では、将来の各国の全原油輸入に占めるマラッカ海峡経由原油(=中東、アフリカ産)比率前提を2006年並としたが(日本85%、中国62%、その他75%)、原油埋蔵量で圧倒的な優位に立つ中東への輸入依存度がさらに高まる可能性も考えられる。 2章(5)において、「アジアの原油輸入国は、それぞれ石油産業・石油輸送政策が異なり、マラッカ海峡迂回ルート創出に対する立場はバラバラであって、共通政策を採れる状況にない」旨を述べたが、主要輸入国の状況を以下に記す。 2) 日本 マラッカ海峡迂回ルートは日本の石油企業にとって20年来の検討事項であるが、現時点で原油を輸 (入する石油精製業界として、具体的な対策を採るに至っていない。現在、日本の原油タンカーがマラッカ海峡を通過する頻度は平均すると1日で3隻であるが、滞船が発生することはほとんど無い。また日本の原油輸入量は今後ほとんど増加しないものと認識されている。しかし、中国の原油輸入が増加してマラッカ海峡を通過する原油タンカーが増えることを勘案すると、将来は深刻な状態になるとの懸念がある。 また日本の石油精製業界は原油処理に際して、原油タイプ毎に厳密な処理計画を立てるため、マレー半島横断原油パイプラインの施策を採った場合、パイプライン通油時に性状の異なる原油が混ざり合って原油の性状管理が出来なくなる事態を懸念している。しかし、現在は滞船が発生するほど深刻な状態ではないため、具体的な対策を検討して実行に移すという気運はない。 3) 中国 中国の石油輸送政策に関する記載は、主に「2007中国エネルギー発展報告4」から引用する(編集委 (員に中国政府のエネルギー政策策定者を含む)。中国政府のエネルギー管轄部門は、エネルギー安定供給に係わる懸念材料の一つに石油輸送問題を挙げ、それがマラッカ海峡の安全なタンカー輸送と切り離すことができないと認識している。中国の石油輸入量の内、中東およびアフリカからの輸入比率は全体の65%以上を占め、すべてマラッカ海峡経由で輸送される。中国政府は、船舶の行き来が混み合い、海賊が出没するマラッカ海峡に国のエネルギー輸送の大半を委ねざるを得ない状況に大きな危機感を抱いている。政府は船舶のマラッカ海峡安全運行に対する国際協力の他、石油輸送のマラッカ海峡依 4 「2007中国能源発展報告」崔民選編集 “The Energy Development Report of China 2007” - 12 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 カ度引き下げを真剣に検討しており、最善の策としてパイプライン輸送増加を進めようとしている。中国政府は石油輸入に占めるパイプライン輸送が45%以上であればエネルギー政策上安全と見なすが、35~45%の比率であれば危険、35%以下であれば非常に危険と見なす。この基準を用いると、マラッカ海峡経由だけでも石油輸入の65%を占める現状は、「非常に危険」な状態ということになる。 カザフスタンからの原油パイプラインは2006年に完成して同国からの原油輸入量が増加しつつある。ロシアとは東シベリア原油を輸入するためにタイシェットからの原油入パイプライン(大慶支線)建設の交渉を進めている。 図5 中国の原油パイプラインと輸入ルート案 (各種情報・報道から) しかし、中国が輸入原油のマラッカ海峡通過比率を下げるための最重要施策として取り組もうとしてい るのは、パキスタンからヒマラヤ山脈を経由して中国西部の新彊ウイグル自治区に到る原油パイプラインだという。本計画は、パキスタンのムシャラフ大統領が2006年2月に中国を訪問した際に合意された両国間エネルギー分野協力協議の一環として盛り込まれている。このパイプライン・ルートは、中国が軍事目的で使用権を得ているパキスタン西部のGwadar港を発し、北部のインダス渓谷を通って中国に到達するものであり、「中国パキスタン・エネルギー回廊の重要な一部分」と称される。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 13 - パキスタンに次いで、最近はミャンマーから中国雲南省昆明に至る原油パイプライン計画も頻繁に取り沙汰されている。この計画は、ミャンマー政府が2007年3月にShweガス田5の有力なパイプライン・ガスの販売先として中国を挙げてから、併せて大きくクローズアップされるようになった。中国国有石油会社SinopecがSittwe港から雲南省昆明までの1,250kmの原油パイプライン建設に係わる事業化検討調査を終了したと伝えられる。調査結果は定かではないが、パイプライン能力が40万b/dで、昆明に原油処理能力20万b/dの製油所を建設する計画と伝える中国メディアもある。 パキスタン、ミャンマー経由パイプラインともに、峻厳な渓谷や山岳地帯を経由するために、建設作業の難しさや高額な建設費が予想される。相手国のカントリー・リスクに関しては、パキスタンは政府・社会の不安定性が懸念され、ミャンマーは国際社会において長期間孤立状態にあるなど、不安材料が多い。 さらにパイプライン輸送能力と採算性を鑑みると、中東・アフリカ産原油輸送方法としてのパキスタン、ミャンマー経由パイプラインの有効性には疑問点が多い。両パイプライン・ルートの輸送能力合計を仮に100万b/dと仮定すると、中国の全中東・アフリカ原油輸送に対する貢献は図6の通りとなる。 図6 中国の中東・アフリカ原油輸入に占めるパキスタン/ミャンマーPL経由の比率(想定) 中国の中東・アフリカ原油輸入中、パキスタン/ミャンマーPL輸入比率千b/d10,0009,0008,0007,0006,0005,0004,0003,0002,0001,00002010(29%)2015(21%)2030(11%)(パキスタン/ミャンマーPL通油比率)中東・アフリカ原油内パキスタン/ミャンマーPL (注) 中国原油輸入量前提: IEA石油需要見通し(World Energy Outlook 2006) ある程度の貢献を期待できそうであるが、2015年以降、原油タンカーのマラッカ海峡航行を軽減させる 5 韓国大宇が2004年にミャンマー西部沖合で発見した有力ガス田。中国、インド、タイがパイプライン・ガス輸入の意向を表明しており、またLNG事業化の案もある。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 14 - pキスタン経由パイプラインは、建設費の高額さ、中国内陸部を経由して消費地の東部沿岸部まで輸送する距離を鑑みると、輸送タリフが5~10ドル/バレルの高額になるものと見られ、タンカー輸送と比して採算性が著しく劣るために実現しない可能性も考えられる。 中国のエネルギー輸送部門研究者の論文では、マレー半島横断パイプラインのような国際事業の地政学的デメリット、とりわけ米軍が関与する可能性のある事業への懸念が強調され、パキスタン経由原油パイプライン事業のような2国間事業が中国にとって有益としている。しかし中国政府の公式発言は、多分に政治的観点から述べられ、経済性を考慮していないことが多い。 中国はエネルギー供給を最も重要な国家政策の一つと捉えており、また国内石油精製産業育成の観点から消費地精製主義を転換する可能性は低いと考えられる。TPP社が提案したマレー半島横断パイプライン計画に対しては、公式にコメントしていない。しかしそれは、現在はマラッカ海峡航行が可能であってまだ切迫感に乏しく、具体的な対策を議論する段階ではないからと考えることができる。 4) シンガポール シンガポールは国策として石油製品交易センターの機能を堅持し、人口350万人の小規模な市場に (比して大規模な石油処理設備を有して活発な石油製品取引を行っている。そのためシンガポールにとって、目と鼻の先であるマレー半島部に大規模な輸出型製油所が建設されることになれば、同国石油産業にとって強力なライバル出現となり、死活問題にもなりかねない。中東方面からシンガポールに輸送される原油はすべてマラッカ海峡を経由するものの(2006年では全輸入の51%)、石油精製業自体が立ちゆかなくなれば元も子もなくなるため、シンガポールはマレー半島における輸出製油所建設計画に真っ向から反対している。 効果は低くなる。 . 産油国(原油輸出国)の状況・見解 (1) 湾岸産油国 4 東アジアへの主要な原油供給国である湾岸産油国(サウジアラビア、クウェート、アラブ首長国連邦等)は、いずれもマレー半島横断原油パイプライン計画に対して公式にコメントしておらず、ましてや同事業に対して積極的に関与する姿勢を見せていない。原油は数年来高価格が続いており、売り手市場であって産油国側が販売活動に乗り出す必要はない。過去には原油市場が反転する時期もあったが、今後の原油市況は大方$60/バレル程度の高値安定との見方が支配的であり、産油国側が輸送問題改善をGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 15 - ワむ販売活動に乗り出す必要性は低い。また中東原油の輸送は、基本的に購入者による配船が多く、売手の産油国が関与するケースは少い。 今回のマレー半島横断パイプライン計画にはサウジアラビアのAl-Banader Internationalが参加しているが、同社の実態および原油調達能力ともに未詳である。 なお、サウジアラビアARAMCOは中国沿岸部において、福建石油精製・石化合弁プロジェクト6に投資しており、他にも製油所事業への投資検討が伝えられるなど、拡大する中国石油市場進出に意欲的である。しかし、今回のマレー半島製油所事業に関しては特段の意思表示をしていない。 2) イラン 国営イラン石油会社NIOCがKeda州Yan製油所事業に参加を予定している。NIOCは本パイプラ (イン建設計画全体に大きな興味を持っていると伝えられている。今回の計画では外国企業が全建設コスト(160億ドル)の約70%を調達する予定であるが、そのうちのかなりの部分をNIOCが支援するとの見方もある。 Yan製油所建設事業の主体となるマレーシア民間企業SKS Venturesは2007年1月にNIOCとイランにおけるガス田開発に係わる契約を締結して注目されたが、その見返りとしてNIOCにマレーシアYan製油所事業参加を提案したものと見られる。NIOCは製油所建設事業に参加する以上、原油供給に対しても一定の貢献をするものと見られる。もし米国・イラン関係が更に悪化して米国がイラン産品に対する禁輸制裁措置を発動した場合、イラン原油を積載したタンカーはマラッカ・シンガポール海峡を通行できない可能性がある。しかしマレー半島横断原油パイプラインを使用できればシンガポール海峡を航行できないリスクを回避できる。イランにとって本事業参加は、イラン原油禁輸リスクを回避する政治的な動機付けが強い。逆の見方をすると、原油輸送の大動脈であるマラッカ海峡迂回という戦略的プロジェクト実施に当たって、米国がイラン参加に対して何らかの介入をする可能性がある。 また別の観点からは、2章(6)に記したように、NIOCは生産低迷が懸念される自国の石油・ガス生産量維持のために多額の投資が必要としている折、果たして外国製油所事業への投資余力および必要な技術力があるのかどうか疑問視される。 6 Sinopec、福建省、ExxonMobil、ARAMCOが出資して福建省泉州に設立する石油精製・石油化学総合プロジェクト。2009年の稼働予定で、既存の8万b/d製油所を24万b/dに増設し、石油化学コンプレックスを併設する。 - 16 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 T. ボスポラス海峡迂回ルート(Burgas-Alexandroupolisパイプライン)との比較 旧ソ連圏の原油輸送に目を向けると、マレー半島横断パイプライン計画と極めて類似した背景を持つBurgas-Alexandroupolisパイプライン計画がある。同パイプラインは黒海と地中海を結び、タンカー輸送が逼迫して滞船が頻発しているボスポラス海峡航行の削減効果を期待されている。2007年3月に同パイプライン建設に向けた関係国政府間合意書が締結され、マレー半島横断パイプライン計画に比べて一歩先行している。マレー半島横断パイプライン計画の実現性を吟味するために、これらの両パイプライン計画の比較を行う。 (1) 黒海経由原油輸送 黒海を経由して地中海などの国際市場に販売される原油は、ロシア産原油(ロシアの全原油輸出量の約30%)とカザフスタン産原油(CPC経由で黒海へ)、およびアゼルバイジャン原油の一部である。 図7 旧ソ連(ロシア欧州部)の原油輸出パイプライン(各種情報・報道から) 現時点ではロシア原油の比率が高いが(2007年央で67%)、将来はテンギス、カシャガン両油田の増産によってカザフスタン原油の比率が増えるものと想定される。 - 17 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 }8 旧ソ連(ロシア、カザフスタン)、黒海軽油の原油輸出数量 Burgas-Alexandroupolis 旧ソ連、黒海経由原油輸出数量(想定)カザフ/その他カザフ/カシャガンカザフ/テンギスロシア/黒海経由200720102015千b/d3,0002,5002,0001,5001,0005000(2) パイプライン諸要素の比較: マレー半島横断 vs Burgas-Alexandroupolis パイプライン マレー半島横断パイプライン (製油所新設を含む) Burgas-Alexandroupolis (パイプライン建設のみ) 契約締結状況 操業開始 原油供給元 2007年5月、事業者間契約締結 (Master Alliance Agreement ) 20011年(運用開始)~2014年(完成)中東、アフリカ産油国 2007年3月、政府間合意書締結 (Intergovernmental Agreement) 2009年(?) ロシア、カザフスタン、アゼルバイジャン (黒海ターミナル経由) 南欧(イタリア、スペイン、フランス) 285km 東アジア(日本、中国他)、東南アジア 306km 200万→600万バレル/日 70万→100万バレル/日 70億ドル(PL)+90億ドル(製油所) 原油供給先 総延長 通油能力 総費用 海峡の航行状況 マラッカ海峡はまだ滞船が発生するに至っていないが、将来の輸送量増加が予想される ロンボク海峡(スンダ海峡) なし 9.2億ドル~13億ドル(PL) ボスポラス海峡は需要期に頻繁に滞船が発生 なし 原油輸出国(ロシア、カザフスタン)が協力して計画を主導 Chevron他大手生産者が実施予定 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 18 - 代替航行ルート 国際間取り決め、政府支援 通油コミット 見通し無し L比較表から、Burgas-Alexandroupolis推進に大きな役割果たした要因であって、マレー半島横断 上パイプライン計画にはあてはまらないのは、下記の項目であることがわかる。 ① 元来の航行ルート(海峡)の航行状況(逼迫状況-1) マラッカ海峡の航行状態はまだ滞船が発生するほどではないが、ボスポラス海峡は石油需要期(冬季)に頻繁に滞船が発生しており、迂回ルート開拓の必要性に迫られていた。 ② 代替航行ルートの有無((逼迫状況-2) マラッカ海峡航行の場合、追加日数と輸送コストがかかるものの、ロンボク海峡航行という代替ルートがある。一方、黒海からの原油搬出にはボスポラス・ダーダネルス海峡航行しかなく、代替方法はパイプライン建設しかなかった。①、②を考え合わせ、ボスポラス海峡航行は現在のマラッカ海峡航行に比べて、迂回ルート創出への切迫感が強かった。 ③ 国際間の合意・取り決め 黒海からの原油搬出路開拓に迫られたロシア、カザフスタンは官民挙げてBurgas-Alexandroupolisパイプライン計画を支援している。一方、TPP社のマレー半島横断パイプライン計画に対しては、産油国、原油輸入国(および企業、NIOCを除く)ともに明確に支持を表明する者はいない。 ④ 通油コミット(運用ルール) カザフスタンのTengiz油田を操業するChevronがBurgas-Alexandroupolisパイプライン使用に意欲を示すなど、同パイプライン操業に必要な「通油コミット」量は確保されたものと見られる。今後、原油タンカーを航行する産油国(ロシア、カザフスタン)側が音頭を取って、無料で航行できる国際海峡のボスポラス海峡と、輸送タリフが発生するパイプライン通油とを一体管理するルール作りを行う予定である。 一方、マレー半島横断パイプライン計画は、原油タンカーを航行する各輸入国の立場、思惑がばらばらであり、複数の輸送ルート(パイプライン通油、マラッカ海峡航行、代替のロンボク海峡航行)を一体管理するルール作りに乗り出す気運は今のところ皆無である。 このように、両パイプライン計画を比較すると、Burgas-Alexandroupolis計画は滞船が頻発するボス ポラス海峡迂回ルート創出の必要性に迫られて関係国間の協力が成立した。一方、マラッカ海峡航行はまだボスポラス海峡ほどには逼迫しておらず、ロンボク海峡という迂回ルートもある。マラッカ海峡利用者の間には、国際間で協定を取り決めるのはまだ先の話という意識が強い。 また現時点のボスポラス海峡の原油輸送量(170万b/d)はマラッカ海峡輸送量の15%程度であってGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 19 - K模が小さいこと、関係国が産油国(ロシア、カザフタン)、パイプライン通過(ブルガリア、ギリシャ)のほぼ4カ国に絞られ、マラッカ海峡航行の関係国より少ない点も考慮に入れる必要がある。 . 今後の方向性(マラッカ海峡航行迂回ルート) 6しかし、大石油消費国の中国を抱えるマラッカ海峡の船舶航行が今後も増加していくのは動かしがたい事実であり、やがては対策に迫られる。その際に必要なのは、タンカー航行者側(原油輸入国)が共通認識を持って共通政策を作り上げることであり、そこに産油国側の協力を取り付けることができればベストである。 (1) 石油輸入国側の利害調整 東アジアの石油輸入国で最も輸入量が多い日本と中国との間で何らかの合意を図ることができれば対策の実効力が格段に向上する。東アジアは輸入者が配船するFOB船による原油輸入が多いため、日本と中国との協力が無ければ実行力のある解決は図れない。 マラッカ海峡航行を補うには複数の迂回ルートの組み合わせが必要になると考えられる。1ルートのパイプライン敷設で解決する問題ではない。中国が計画するパキスタン、ミャンマー経由パイプラインが実現したとしても、峻厳な地形を通り東部沿岸消費地に遠いこれらのパイプラインの輸送能力と価格競争力には限界があり、中国東部沿岸向けの中東・アフリカ原油輸送の代替効果は低いと考えられる。やがては別のより有効な迂回ルートが必要になる。 2) 産油国の協力獲得: 中東産油国の東アジア市場への関心 (中東産油国にとって、規模の大きい東アジア石油市場の重要性は今後ますます増大していくと考えられる。また中東産油国は東アジア石油下流部門に対する進出意欲が強い。ARAMCOは既に米国下流分野に進出し、かつて日本の下流部門進出に対して真剣な検討を行った。現在は中国市場に注目して、福建石油精製・石化合弁プロジェクトに参加するほかに、複数の製油所・石化事業への進出を検討している。クウェート石油も欧州下流分野に進出している。 東アジア石油市場において中東産油国との下流部門共同事業を設立するなどの協力関係構築を通じて、原油輸送分野でも産油国との協力関係を築くことが望ましい。 3) 複数輸送ルート運用の包括的運用ルール作成 (中東方面から東アジアへの原油輸送に際して、タンカー運航日数が最も短いマラッカ海峡航行に勝るGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 20 - 求[トはない。他の代替ルート・方法はすべてマラッカ海峡経由に比べて日数がかかりまた追加経費が発生する。従って、すべての石油輸入者が公平にマラッカ海峡および他ルート航行(他の方法)を組み合わせて利用するためのルール作りが必要である。 その場合、中国のようにパキスタン、ミャンマーとの2国間協定にて輸送ルートを開拓できる地理的優位性を持つ国、すべてタンカー輸送に頼らざるを得ない日本等の輸入国との間の利害調整が必要となる。また国際海峡航行、国際パイプライン(に準じる)国際事業の実施は、必ずしも民間ベースですべて完結できるわけではない。少なくとも当初の国際的枠組み作りには政府間のイニシアチブおよび合意が必要である。国際的な協力を取り纏める努力が求められる。 4) マレー半島を横断する他ルート開拓の可能性: タイのマレー半島部 半島部マレーシア北部を通る今回のTPPの計画は、以前タイのタクシン政権下で検討されたマレー (半島タイ側におけるパイプライン計画が同氏の失脚で潰えた結果、浮かび上がったものである。マレー半島はタイ南部で最も横断距離が短く、TPPのパイプライン計画(308km)の半分の距離である。タイ側にパイプラインを建設することができれば事業採算は大きく向上する。タイ側のパイプライン建設計画が潰れたのは、推進者タクシン前首相の失脚の他に、津波による地元経済の疲弊、治安の悪さが原因であったと言われている。 しかしパイプライン敷設距離の短さに基づく経済性優位を考慮すると、一定の対策期間を設けることで問題点の解決は可能と考えられる。ある程度の時間的余裕がある以上、タイ側におけるパイプライン建設を再度検討する価値が十分ある。 油輸入国全体に係わる協力体制作り、特に日本、中国との利害調整は容易ではないと考えられる。 原しかしマラッカ海峡を実際に使用する受益者(原油輸入者)の当事者意識が必要である。やがてやってくる危機に対して事前に対処する叡智が求められる。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 21 -
地域1 アジア
国1 マレーシア
地域2 アジア
国2 中国
地域3 アジア
国3 日本
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国・地域 アジア,マレーシアアジア,中国アジア,日本
2007/06/25 坂本 茂樹
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