ページ番号1003669 更新日 平成30年2月16日

石油・天然ガス産業:技術開発の潮流-商品化と差別化

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レポートID 1003669
作成日 2007-07-20 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 企業
著者 野神 隆之
著者直接入力
年度 2007
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ <作成日:2007/7/20> <石油・天然ガス調査グループ:野神 隆之> 石油・天然ガス産業:技術開発の潮流-商品化と差別化 (各社年報他) ① 1970年代の原油価格高騰に伴う石油需要低迷と1980年代後半以降の原油価格低迷により、石油・天然ガス企業は軒並み研究開発投資を抑制、石油・天然ガスサービス産業からの技術の外部調達に依存するようになった。 ② 一方で、石油・天然ガスサービス産業は、高水準の研究開発投資を行った他、総合的な石油・天然ガス探鉱・開発技術サービスを拡充し、石油・天然ガス産業からの要望に応えるようになった。 ③ しかしながら、このような石油・天然ガス産業の積極的な外部調達の利用と、石油・天然ガスサービス産業による総合的技術サービスの発展が、いわゆる「技術の商品化」を招き、国営系石油会社がそれらを利用することにより一定の技術を調達することで、大手国際石油会社等の地位が相対的に低下するといった影響になって現れるとともに、産油国の資源ナショナリズムを補強する一因となってしまったと考えられる。 ④ このような状況下で、大手国際石油会社は研究開発等により、他社と差別化できる技術を獲得すべく努力中であり、またたとえ外部から購入した技術であっても自社による価値を追加するといった方策も実施している。さらに総合的な技術力の向上のために、知識の共有化や流動化についても工夫しつつある。 ⑤ 但し近年人材不足といった問題が発生している他、主に事業に直接結びつく技術開発が中心となっており、長期的なヴィジョンに基づいた研究開発等をどうするか、といった課題も存在する。 石油・天然ガス産業における主要企業の売上高に占める研究開発投資の割合は0.3%と、製薬、ソフトウェア、自動車、化学等の他の主要産業と比較しても圧倒的に低い状況にある(図1参照)。各種産業には、製薬のように研究開発に重点をおくような産業がある一方で、鉱業、通信、電力及びガスといった資本投資重点型産業、そしてそのどちらでもない産業と大きく分かれ(図2参照)、石油・天然ガス産業はどちらかといえば、後者に当たる(研究開発及び資本投資の合計の売上高に占める割合となると、全産業平均にかなり近づくことが判明する、図3参照)ものの、それにしても0.3%の研究開発割合は、生命保険業と並んで全産業のうちで最低水準である(もちろん全産業平均は大幅に下回っている)。このように石油・天然ガス産業においては、他の産業と比較して研究開発は余り重視されていないと言えそうだが、実際当該産業における、技術開発と研究開発はどのようになっているのか。本稿では、この点につき考察を加えることとしたい。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - 2468101214%16※世界の大手企業1250社を対象とした調査出所:英国貿易産業省(DTI) The R&D Scoreboard 2006年版 図2 各産業の売上に占める資本投資及び研究開発投資の割合<研究開発集約型産業>製薬・バイオテクノロジー全産業平均石油・天然ガス資機材・サービス石油・天然ガス生産<資本集約型産業>%18126売上高に占める研究開発投資の割合00612売上高に占める資本投資の割合%18※世界の大手企業1250社を対象とした調査出所:英国貿易産業省(DTI) The R&D Scoreboard 2006年版 図3 各業界における資本投資と研究開発投資の売上に占める比率図1 各業界における研究開発投資の売上に占める比率製薬・バイオテクノロジーソフトウェア・コンピュータサービス調査対象企業平均化学石油・天然ガス資機材・サービス石油・天然ガス生産製薬・バイオテクノロジーソフトウェア・コンピュータサービス調査対象企業平均化学石油・天然ガス資機材・サービス石油・天然ガス生産※世界の大手企業1250社を対象とした調査研究開発投資資本投資05101520%25出所:英国貿易産業省(DTI) The R&D Scoreboard 2006年版 - 2 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ゥつては、石油・天然ガス産業は、研究開発投資の売り上げに占める割合は現在よりは高かった(それでも他産業と比較すれば相対的には低かったが)と言われている。しかしそれは時が経つにつれ減少してしまった。1990年代からの現在に至るまでの大手国際石油会社の研究開発投資を見てみると、額の水準そのものについては、概ね2000年に至るまで減少傾向を示している(図4参照)。特にBPは1990年代前半から投資額が目立って減少、その後も低迷している。2000年以降は産業における研究開発投資額は回復基調となっているものの、原油価格が総じて上昇基調であったこの時期、売上高もそれにつれて増加していることから、売上高に占める研究開発投資の割合は、1990年代のみならず2000年以降も総じて低迷している状況にある(図5参照、なお図4及び5においてTotalは減少傾向が明確ではないが、これは一般的に高額の研究開発投資を必要とする化学部門が相対的に大きいことに起因するものと思われる)。では、石油・天然ガス産業における、いわゆる研究開発投資を軽視してきた傾向の背景にあるものは何か。 . 石油・天然ガス産業における技術開発及び研究開発の変遷 1図4 大手国際石油会社の研究開発投資899091929394959697989900010203040506ExxonMobil ChevronShellTotalBPConocoPhillips※再編前については、主要各社の数値を合算、またTotalグループはSanofi相当分を除外出所:各社年報他より推定図5 大手国際石油会社の研究開発投資の売上高に占める割合百万ドル1,0008006004002000%1.00.80.60.40.20.09394959697989900010203040506ExxonMobilChevronShellBPConocoPhillipsTotal※再編前については、主要各社の数値を合算、またTotalグループはSanofi相当分を除外出所:各社年報他より推定- 3 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 Q. 研究開発投資低迷の背景 石油・天然ガス産業は1970年代の原油価格高騰と石油需要の減少(図6参照)、1980年代の原油価格の急落といった出来事を経験してきた。このような中で、石油・天然ガス企業は、収益の伸び悩みや余剰精製施設等の発生などの問題に悩まされることになり、各社ともコスト削減や余剰施設の廃棄といったリストラ努力を徹底して実施することになった。そのような中で行われたのが、研究開発費の削減であった。これは研究開発が即座には業績に結びつきにくいことによるものと考えられる。米国エネルギー省の調査では、エネルギー産業の研究開発予算は、既に1983年から1993年までに33%減少している。石油・天然ガス企業はその代わり、外部からの調達(アウトソーシング)を積極的に行うことで、自社の事業における技術の使用をサポートしようとした。このようなことにより、各社の研究開発投資額や割合は低下傾向となったと言えよう。 日量百万バレル図6 世界石油需要と原油価格ドル/バレル7570656055504540354035302520151050707172737475767778798081828384858687888990※原油価格は1983年まではArabian Light、1984年以降はBrent世界石油需要(左軸)原油価格(右軸)出所:BP統計 一方、そのような石油・天然ガス産業の要望に応えたのが、いわゆる石油・天然ガスサービス産業であった。例えば業界最大手のSchlumbergerの例を見てみると、同社の研究開発投資額は、1990年代半ばに増加しており(図7参照)、その後も事業買収や売却で多少の変動はあるもの、概ね一定水準の範囲内で推移している。また売上高に占める研究開発費の割合も3~6%程度と石油・天然ガス産業に比べると大幅に高い水準となっている。石油・天然ガス産業がリストラ努力を強め、様々な技術的課題をより積極的に外部調達するにつれ、石油・天然ガスサービス産業は、組織再編や企業買収等を通じて提供できるサービスを強化していった。従来は個別の作業における技術的課題の解決が大部分であったものが、例えば探鉱活動等のかなりな部分において、プロジェクトを総合的に管理するような事業(統合サービス)も発達、石油・天然ガス産業のコスト低減と作業の効率化に貢献するようになった。1997年に石油・天然ガス会社228社に対して実施した調査によれば、石油・天然ガスサービス産業による統合サービスの利用する石油・天然ガス企業数は1980年代後半には全体の5%であったのが、1996年には30%へとGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 4 - 搗蛯オていた。さらにその時点で既に50%を越える石油・天然ガス企業が石油・天然ガスサービス産業による統合サービスの利用に興味があると回答しており、この数は1980年代の20%未満から大幅に増大していた。例えばSchlumbergerはIPM(Integrated Project Management)といった手法を開発、油・ガス田開発に関して、総合的に管理できるようになっている。Schlumbergerは今後もこのような統合型サービスに注力していく方針であり、中南米、中東、ロシア等でこのようなサービスが発展していくと予想している。 百万ドル図7 Schlumberger研究開発投資700650600550500450400350しかしながら、大手国際石油会社の多くに対してコスト削減による経営効率と収益の改善に寄与する一要因となった技術の外部調達について、最近では綻びが見えてくるようになった。それは「技術の商品化」(Commoditization of Technology)の問題と言われている。技術の外部調達という手法により、石油・天然ガス企業は石油・天然ガスサービス産業から廉価で技術を調達できたが、そのような技術は例えば、大手国際石油会社以外にも、費用さえ支払えば誰でも利用でき、従って技術的にそれほど困難ではない従来型の油・ガス田の探鉱・開発については、そのような技術を使用すれば、誰でも事業を実施できることを意味する。 しかしながら、世界石油・天然ガス産業の状況は変化してきている。それまで大手国際石油会社にとって主力石油・天然ガス生産地域であった米国や北海地域では、1990年代後半には生産ポテンシャルに陰りが見られるようになって来た。原油価格はここ数年で高騰した。これによって出現してきたのがいわゆる産油国による資源ナショナリズムである。原油価格の高騰によって産油国(ないしは産油国国営石油会社)は莫大な収入を獲得することになった。また、産油国への参入を希望する民間石油会社も増大した。このため産油国が強気になって、民間石油会社に対する投資条件を悪化させるといった例が散見されるようになった。一方で、石油需要が急増し、より多くの石油供給源を求めるようになった中国やイGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 5 - 9394959697989900010203040506出所:Schlumberger年報等より推定 . 技術の外部調達―その影響 3塔hといった企業が、国外に石油供給源を求めて、産油国への参入を希望するようになった。このため、従来型石油・天然ガス資源を保有する産油・ガス国においては、鉱区入札において競争が激烈になり、サインボーナスの高騰や生産された石油等の分配条件が悪化するという状況になっている。「技術の商品化」はこのような状況にも影響を与えているものと考えられる。中国等の企業では従来から資機材や人件費等のコストはOECD諸国の石油・天然ガス会社に比較して相対的に低廉であるとの指摘はあったが、技術力の面では、それらの企業よりも一般的には劣ると言われてきた。しかしながら、「技術の商品化」で、ある程度の水準の技術であれば、石油・天然ガスサービス産業から購入すれば、対処できるようになった。このため、技術面で劣る企業であっても、資金面での問題さえ解決すれば、石油・天然ガス探鉱・開発事業のかなりな部分が可能となってきたという面がある。この意味では、中国等の石油・天然ガス企業は技術面でのハンデを克服して、さらに相対的に廉価な人件費等を利用すれば、鉱区入札において欧米系石油・天然ガス企業よりも有利な条件で応札することが可能となる。また産油国においても、原油価格高騰に伴い収入が増大していることから、かつては大手国際石油会社と自国の国営石油会社との共同事業により、大手国際石油会社の技術を利用して実施していた石油・天然ガス探鉱・開発事業が、従来型の技術水準範囲の油・ガス田開発であれば、大手国際石油会社を経由しなくても、直接石油・天然ガスサービス産業から技術を購入すれば、実施が可能になるので、この面でも産油国の資源ナショナリズムを補強する方向に働くものと考えられよう。SchlumbergerやBaker Hughesの2002~2005年の売上高を見てみると、大手国際石油会社(IOC)等に対する売上高の伸びに比べて、国営石油会社(NOC)の売上高の伸びが突出しており(図8、9参照)、しかもそれは原油価格の上昇とほぼ同じペースとなっているが、これはそれを示す一例と言うことができよう。これは一方で、大手国際石油会社にとってはビジネスチャンスの減少を意味し、一時的には企業経営上の問題を解決したかに見えた方法が、再び経営上の問題となって企業を苦しめるようになってきている、といった皮肉な結果になっている(図9参照)。 図8 Schlumbergerの売上高推移(2002年=100、左軸)ドル/バレル350300250200150100500と原油価格(右軸)70605040302010002IOC030405NOCインディペンデント原油価格(WTI)出所:Schlumberger - 6 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 出所:Baker Huges 図10 国営石油会社と大手国際石油会社、サービス会社の関係の変化(概念図)これまでの状況(例)最近の状況(例)国営石油会社国営石油会社権益付与納税等大手国際石油会社?作業発注技術提供大手国際石油会社作業発注技術提供サービス会社サービス会社 そのような状況の中で、大手国際石油会社等はどのように対応しているのであろうか。端的に言って、各社はこれまでの路線を修正し始めている。つまり、再び自社内での研究開発活動を通じた技術開発に注目、他社に対して差別化でき、従って企業の競争力を維持できる技術を開発することを目指すようになった。また大学や研究機関等との共同研究事業を通じて技術と開発することや、たとえ石油・天然ガスサービス産業等から購入してきた技術であっても、そのような技術に何らかの価値を付加(自社なりの技術を追加する等)し、他社との差別化を図るようになっている。また、プロジェクト推進に際して、企業の技術力を存分に発揮できるような効率的な研究開発体制を構築すべく、社内の情報供給化やコミュニケーション体制の改善等を推進し、大規模で複雑なプロジェクトであっても、自社で利用可能な技術を効率的Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 7 - . 大手国際石油会社等の対応 4図9 Baker Hughesの売上高推移(2002年第四四半期=1.0) ゥつ最大限利用できる体制を目指して努力するようになっている。 一方北米等の中堅石油会社(インディペンデント)はどうであろうか。大手国際石油会社は少ないとはいえ、それなりの研究開発投資を行っており、総合的な技術力を再び養いつつある一方で、産油国等の国営石油会社は、収入が増大したことから、その豊富な資金力により、商品化した技術を購入、一定水準の技術力を事実上獲得している。しかしインディペンデントは、原油価格が高騰したとはいえ、収益では大手国際石油会社には劣り、またこの20年の間に自社での研究開発活動は弱体化に追い込まれていることから、他社と差別化できるような技術の開発は大手国際石油会社に比べると相対的に困難であり、一方産油国等の国営石油会社は通常水準の技術は獲得していることもあり、インディペンデントは人件費や資源アクセス等の面でも競走上不利であるように見える。 このような状況下、インディペンデントは小規模な組織であることから、内部の各部門の連携が大手国際石油会社(や一般的に大規模な国営石油会社)に比べて円滑に行われやすいことから、これを駆使して、社内横断的に技術を最大限かつ迅速に利用することが得意である傾向がある。また、特定の資源(シェール・ガス、タイトサンド・ガス、CBM:コール・ベッド・メタン等)に対して、以前(まだ大手国際石油会社が注目していない時点)からの操業を通じて経験や改善を積み重ねたりするなどしている。また、これは必ずしも研究開発や技術開発が直接関係するということではないのかもしれないが、インディペンデントの中には、大手国際石油会社や国営石油会社の支配力の及びにくいような、ごく狭い範囲における特定の分野に特化した戦略を採用するところもある。例えば、Apacheは大手国際石油会社等が手放した油田で、老朽化しているものの魅力的であるような資産の特定に強みを持っており、またOccidentalは比較的大規模の増進回収法の利用を得意とする他、特定の中東等の産油国における資源のアクセス方法を持っている。それ以外にもインディペンデントには特定の資源開発手法を習得しており、その分野での存在意義を確立して事業を推進しているとことが多い。 このようにインディペンデントは大手国際石油会社や国営石油会社が浸透してない分野で、簡素な組織により迅速な意思決定と小回りの聞く経営、そして自社での経験と得意分野を武器に生き残りを目指しさて、研究開発及び技術開発上の課題であるが、まず、これは研究開発・技術開発分野に限ったことではないのであるが、人材の不足が影響を及ぼしている、といったことが挙げられる。1980年代の石油需要減少と原油価格下落、それに伴う石油会社の業績悪化とリストラの実施で、技術者数が減少した他、学生に対する石油・天然ガス業界のイメージ悪化に伴う石油工学等の専攻学生が低迷し、石油・天然ガス産業に学生が流入せず、一方で業界の既存の技術者が高齢化し、退職しつつあることから、業界におGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 8 - . 最近の研究開発等における課題 5ていくものと考えられる。 ッる技術者数は減少しつつある。このため、大手国際石油会社はインド等非OECD諸国において研究開発センターを開設したり、退職した技術者に職場に残ってもらい、若手への技術移転を円滑にするようにしたりするなどの工夫はしているものの、研究開発や技術開発要員の確保には各社苦心していると伝えられる。また、石油・天然ガス会社にとっての研究開発や技術開発の対象の面でも問題はなしとしない。それはややもすると各社の対象が目の前の事業になるべく直接結びつくものに行きがちとなり、長期的なヴィジョンを持った研究開発・技術開発を目的としたものが少ない、といった点である。この場合、日々の事業の改善には役立っても、様々な基礎研究に基づく革新的な技術が出現しにくくなる恐れがあり、大手国際石油会社にとって長期的にはこのような問題への対応に迫られる可能性も否定できない。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 9 -
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2007/07/20 野神 隆之
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