ページ番号1003670 更新日 平成30年3月5日

カタール・UAE:ドルフィン・ガスパイプラインが完成  ― GCC のガス利用は新たな段階へ ―

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レポートID 1003670
作成日 2007-07-24 01:00:00 +0900
更新日 2018-03-05 19:32:42 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 エネルギー一般天然ガス・LNG
著者
著者直接入力 石田 聖
年度 2007
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 〈更新日:2007/7/23〉〈中東事務所:石田 聖〉 カタール・UAE:ドルフィンガスパイプラインが完成 ― GCCのガス利用は新たな段階へ ―■ ペルシャ湾岸初となる国家間の大規模ガス・パイプラインであるドルフィン・ガス・パイプラインが完成した。■ カタールを除くGCC諸国*1は、もともと天然ガス埋蔵量が潤沢とは言えず、近年の高油価を背景とした経済発展と人口増は、天然ガスをエネルギー源とする発電・海水淡水化に頼るこれらの国々の生活基盤を脅かすまでになっている。■ 世界最大のカタール・ノースフィールド・ガス田からの天然ガスを域内に行きわたらせるパイプライン整備は垂涎の的であった。■ 当面はないものの条件が整えば、中東とインド亜大陸とを結ぶ巨大ガス・パイプライン・ネットワークが構築される可能性がある。1.はじめに 事業の進捗が大幅に遅れていたことから、その成功に若干の危惧も持たれていたドルフィン・プロジェクト*2について、2007年7月10日、ついにカタール・ノースフィールド・ガス田から、同社のラスラファンにおけるプラントを通して、UAE(アブダビ)タウィーラへの送ガスが開始された。*1 GCC:Gulf Cooperation Counci(湾岸協力会議)は通称で、正式にはCooperation Council for the Arab States of the Gulf。1981年5月、外交、軍事、経済全般のあらゆる分野でのメンバー国間の調整を促進することを目的として、アラビア湾岸の6ヵ国(サウジアラビア、クウェート、バハレーン、カタール、アラブ首長国連邦、オマーン)によって設立された地域協力機構。当初はイランのアラビア湾全域に対する影響力へのけん制の目的もあった。イラク戦争以降、対米関係等への意見の相違もあり、足並みの乱れも指摘されている。2010年を目指して域内の通貨統合を計画している。*2 アラビア湾、インド洋とオマーン山地を越える様子を海面上にとび出る遊泳中のイルカになぞらえて命名されたという。Global Disclaimer(免責事項)本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)中東事務所が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。@このパイプライン・プロジェクトは、アラビア湾岸域内で最初の国境を越える大規模ガス・パイプラインとなった。今後、急拡大を続けているUAEの経済を電力および水の供給から支えるものになることが期待される。.ドルフィン・エナジー社(Dolphin Energy Ltd.:DEL) 2(1)事業概要 ドルフィン・プロジェクトは、カタールのノースフィールド・ガス田からUAEやオマーンなどへのガス供給事業で、事業主体はドルフィン・エナジー社である。第2フェーズまで含めるとインド洋を越え、インド亜大陸にまで達する遠大な計画(予定)はあるが、第2フェーズの詳細は決まっていない。第1フェーズは、カタール~UAE間のパイプライン370kmを建設するもので、当初2001年上期に着工、2003年初めの完成を目指していた。しかし、事業は約4年遅れ、今般開通のはこびとなった。ガス供給量は、当初206億m3/年(20億cf/d)が予定されており、最大送ガス能力は330億m3/年(32億cf/d)である。2007年7月現在、まだ当初予定送ガス量には達していないが、2008年初には、20億cf/dとなる予定である。 プロジェクトの直接総投資額は約35億ドル(うちパイプライン建設コストは約19億ドル)、発電、石油化学や周辺インフラ整備も含めると,事業規模は約80~100億ドルになるとされる。  カタール・ノースフィールド・ガス田からは自社の2基のプラットフォームでガスが生産され、自社のラスラファンにあるプラント(建設費約16億ドル:図1)で、処理後、海底パイプラインによってUAEのタウィーラに送られる(図2)。 ガスはタウィーラからユーザーであるADWEC(Abu Dhabi Water and Electricity Company)、DUSUP(Dubai Supply Authority)、UWEC(Union Water and Electricity Company)に供給される。これら各社はドルフィン・エナジー社と25年のガス売買契約を締結している。 同社の資本構成およびガスの流れの概要を図3に示す。アブダビ政府の投資機関Mubadala Development(以下、ムバダラ開発社)が51%を、24.5%ずつをTotalとOccidentalが所有している。 (2)事業の経緯 1999年3月に推進事業者であるUAE Offset Group(UOG)が設立された。同社は、プロジェクトの戦略パートナー契約を締結していたTotalFinaElf(当時)、Enron(当時)とともに、ドルフィン・エナジー社を2000年に設立した。出資比率は、UOGが51%、TotalFinaElfとEnronがそれぞれ24.5%であった。その後、UOGはムバダラ開発社に移行され、Enron社の破たんを受けて2002年にオクシデンタル社が参加し、現在の出資比率となった(図3)。Global Disclaimer(免責事項)本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)中東事務所が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。Jタールガス・LNGプラントカタールガス・原料パイプラインカタールガス・コンデンセートタンクラスガス・LNGプラントラスガス・原料パイプラインラスガス・コンデンセートタンクラスガス・LNGタンクラスガス・建設キャンプドルフィン・ガス処理プラントオリックスGTLプラントラスラファンIWPP(第1期)North Field Alphaパイプラインモジュール・コリドールSBV-O電波塔North Field Alphaパイプライン受入QP施設予定地ラスラファンIWPP(第2期)冷却水取入れ施設LNGプラント予定地コンデンセート精製プラント冷却水放出施設輸出用タンククラッカーパールGTL(建設中)GTLプラント予定地ヘリポートQ-TelRLC(ラスラファン工業市)施設病院RLCゴルフコース予定地ラスラファン-メッサイード・パイプラインメインゲートその他のプラント予定地(詳細未定)※緑丸以外は主な既存施設出所:各種資料をもとに筆者作成αβγABCDE123456789101112131415161718192021222324X防波堤防波堤4D6γC1455132Bβ 7 6Qatargas(Ⅳ)Train Qatargas(Ⅲ)Train Train 5Qatargas(Ⅱ)Train 4 Train 3Train 2Train 1α Qatargas 87QATARGAS10931211X116X012km15XX18201719E2223524XX21Train1Train2Train3Train4Train5Train6Train7RasGasRasGas(Ⅱ)RasGas(Ⅲ)A図1 カタール・ラスラファン工業市の各施設配置宴Xラファンドゥハーンドーハカタールウム・ザイードラスアルカイマシャルジャアジュマンドバイフジャイラジュベールアリタウィーラアブダビドルフィン・プロジェクトのパイプラインその他の既設パイプラインミルファマクタ(ADNOC)アラインサウジアラビアUAEタママC/バブ(ADNOC)ブハサハブシャンアサブ  図2 ドルフィン社のパイプライン出所:同社ブローシャーより作成オマーンoccidental petroleumcoporation51%24.5%24.5%ノースフィールド・ガス田Oman Oil Company S.A.O.Cガス・パイプラインファフード‐ソハールADWEADubai Supply AuthorityUnion Water & Electricity(DUSUP)Company (UWEC)Dubai Alminum (DUAL)DWEAなど図3 ドルフィン社の株主構成とガスの流れ出所:各種資料より筆者作成サウスパルス・ガス田イランバンダールアッバスターン・カイラノースフィールド・ガス田  900Tcf界ルEEZ境マナマAl Shaheen850MMBOE@ムバダラ開発社はアブダビ政府が100%保有する投資会社で、再生可能エネルギーを含むエネルギー関係への投資のほか、教育、医療、自動車(スポーツカー・メーカー フェラーリ社の5%を出資)にも投資している。UAE副首相Shaikh Hamdan Bin Zayed Al Nahiyan(故ザイード大統領四男)がドルフィン社の会長を務めている。 2003年10月には、ドルフィン・エナジー社はADWECおよびUWECとガス供給MOUを締結し、その後2005年5月には、DUSUPと7億cf/dのガスを25年間供給することで契約した。 2004年1月からは、ドルフィン社はフジャイラのUnion Water and Electricity Company(UWEC)に1億3,500万cf/dのガスを供給している。このガスは、OOC(Oman Oil Company)からファフード-ソハール・パイプラインを通して、アラインに供給されているもので、ドルフィン社所有のアライン-フジャイラ間の24インチ、182kmのパイプラインを使って送られている。オマーンからUWECへのガス供給は、2008年からはカタールからのガスに代替され、パイプラインはガスの逆走に使用されオマーンへのガス供給に使われる。同社は、OOCと2005年9月に平均2億cf/dのガス供給契約を締結している。 また、2005年5月よりドルフィン社は約2年間にわたりラスアルハイマ(Ras Al Khaimah Natural Gas Commission)にオマーン産のガスを供給している。このガスも、カタール産ガスに順次置き換えられる。高油価を背景に潤沢な資金を有するムバダラ開発社が主株主ではあるが、ドルフィン社は順次プロジェクト・ファイナンスを金融機関等から受けている。第1期は2004年16社から13億6,000万ドル、2005年7月には、第2期投資として20社から24億5,000万ドルを受け入れている。さらに、同年9月には、イスラム金融で14社から10億ドルを調達した。 建設工事は、2004年にJGC(日揮)と、ラスラファンのガス処理を行う(脱硫、コンデンセートの分離、昇圧など)主プラントのEPC契約によって開始された。上流のガス供給では、ノースフィールド・ガス田に、第1井が2001年12月5日に開坑され、2002年4月に11,018ftまで掘削され終了した。その後、2基の海上プラントラットフォームから順次生産井が掘削された。 2004年11月にタウィーラの受入施設がTecnipによって受注され、2004年からは海底パイプラインの工事も始まり、2006年8月には日本製の44万トンの鋼材を使った370km 48インチの海底パイプラインが完成した。その後、サウジアラビアより自国の経済水域内を同パイプラインが通過しているとのクレイムも付けられたが、大きな問題とはならなかった。 海底パイプラインのテストのため、2007年3月からはQP(カタール石油公社)の処理したガスを4億cf/d送ガスしていた。2007年6月からはノースフィールドの自社生産井でのガス  Global Disclaimer(免責事項)本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)中東事務所が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。}4 中東諸国の石油・  天然ガス埋蔵量出所:BP Statistical Review of World Energy June 2006 より作成以下、他図も赤はガス、緑は石油を示す。(1)意外に少ないガス資源 中東湾岸諸国は、その膨大な石油資源から、エネルギーが潤沢にその生活を潤していると考えられている。 図4に主要中東産油国の石油・天然ガス埋蔵量を示す。また、図5には、国民1人当たりの石油・天然ガス埋蔵量を示す。膨大な石油資源を有しているサウジアラビアも、1人当たり資源量ではカタール、クウェート、UAEに遠く及ばない。 カタールを除くこれらの国々は外貨獲得手段としての石油資源の温存を優先したいことから石油に随伴するガスを望みどおりに生産拡大することはできないでいる。また、アブダビに見られるように、同国は世界第5位のガス埋蔵量を誇ってはいるが、石油生産維持のために油層にガスを再圧入する必要があったり、ガスがサワー(酸性)で生産が困難であるとの状況がある。生産を開始し、2007年7月10日の全面開通となった。.不足する天然ガス 3Global Disclaimer(免責事項)本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)中東事務所が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。走ッ一人当たりの油・ガス埋蔵量(油換算バレル:2005年)246,98040,93531,52813,1324,85195504,427バハレーンクウェートオマーンカタールUAEサウジアラビアイラン図5 中東主要国の1人当たり石油・天然ガス資源出所:Ms. Fatemaのプレゼン資料、その他資料より筆者作成(2)人口増と経済成長 GCC諸国のエネルギーの危機的な状況についてはすでに報告している*3。 GCC諸国の衛生状態、生活水準の向上は、自国民の爆発的な人口増加をもたらしている。さらに、高油価を背景とした経済の急拡大は流入人口も急増させている。GCC諸国では、IWPP*4、IPPによって支えられている生活基盤(水・電力供給)の脆弱性とエネルギー源としてのガスの不足が顕在化している。 図6には、GCC主要国の1次エネルギー消費構成を示す。図から明らかなように域内のエネルギー消費は、石油および天然ガスに限られる。輸送用燃料としての石油とIWPP燃料としてのガスが大半を占めており、ガスの割合は非常に高くなっている。 図7にアブダビの電力需要実績と予想、図8にアブダビの淡水需要実績と予想を示す。*3 JOGMEC石油・天然ガス資源動向「GCC:エネルギー危機に直面する湾岸諸国―ガス開発と域内ガスパイプライン整備が回避のカギに―」http:// oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/0/288/0506_out_f_qa_gcc_pipeline_iwpp.pdf*4 IWPP:Independent Water and Power producer 詳細については、石油上流企業関係者向けに現在執筆中の別稿に譲りたい。Global Disclaimer(免責事項)本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)中東事務所が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。300,000250,000200,000150,000100,00050,000石油換算バレル/人}6 湾岸諸国の一次   エネルギー消費構成出所:BP Statistical Review of World Energy June 2007 より作成橙色円内の数字は百万TOE、「浮き輪」 の大きさは相対的な消費量の多寡を表す。緑は石油、赤はガスの消費とそれぞれの割合図7 アブダビの電力需給予測出所:ADWEA annual report(2006) より作成棒グラフは設備容量を示す。実線はピーク時の需要実績、点線はピーク時予測を示す。図8 アブダビの淡水化水需給予測出所:ADWEA annual report(2006) より作成棒グラフは設備容量を示す。実線はピーク時の需要実績、点線はピーク時予測を示す。45%25.655%カタール80%20%クウェート21.9サウジアラビア42%158.958%66%34%57.2Demand growthAbu Dhabi Power Demand 1993 - 2004Abu Dhabi Power Demand Forecast 2005-2015Demand growthAbu Dhabi Water Demand 1993 - 2004Abu Dhabi Water Demand Forecast 2005 - 201519931994199519961997199819992000200120022003200420052006200720082009201020112012201320142015199319941995199619971998199920002001200220032004200520062007200820092010201120122013201420151,2001,1001,00090080070060050040030020010009008007006005004003002001000発電能力:万kW造水:百万ガロン/日Global Disclaimer(免責事項)本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)中東事務所が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。UAE@70年代、オイルダラーの流入と工業化を急いだGCC諸国は、アルミ精錬、製鋼(電気炉)などの、エネルギー多消費産業を育成してきたが、これらの事業の継続がますます電力供給不安に拍車をかけている。 域内には埋蔵量900Tcfを誇るカタール・ノースフィールド・ガス田のガスがあり、近隣諸国に供給するガス・パイプラインの整備が喫急の課題となっていた。今般のドルフィン・パイプラインの開通によって、供給体制に若干の光明が見えるようになってきた。(3)頼らざるを得ないガス資源 ドバイ政府の見通しでは今後2015年まで10%前後の経済成長が見込まれ、人口は倍増して250万人程度になると見込まれている。ドバイのガス需要は夏のピークで16億cf/d程度とされているが、今後数年間で需要は倍増すると思われる。 近年、ご多聞にもれずGCC諸国の王族・政府関係者にも温暖化効果ガス排出削減の機運が非常に盛り上がってきている。こうした事情を背景に、原子力発電の導入や太陽光発電などの再生可能エネルギーへの転換が真剣に検討されている。しかし、今のところGCC諸国においては電力・淡水需要の急拡大にこたえる方法は天然ガスをエネルギー源としたIWPPしかないのが現状である。(1)域内の相互融通 今般のドルフィン・パイプラインの開通はGCC諸国の新しい時代の幕開けを意味している。 既報告*5のとおりイランからUAEへのガス輸入パイプラインについては、未だ正式には開通していない。しかし、イラン-シャルジャ間のパイプラインが開通すれば、今般のドルフィン・パイプラインの開通とあわせて、一挙にカタール・UAE・イラン・オマーンを結ぶ巨大ガス・ネットワークが構築される。前述した通り、域内のガス需要は日々拡大しており、今般のドルフィン・パイプラインだけでは、UAEおよびオマーンのガス需要を満たすだけであるが、域内の天然ガスの相互融通が可能となった意義は大きい。.今後の見通しとビジネスチャンス 4*5 JOGMEC石油・天然ガス資源動向「Dana Gasの挑戦―注目される湾岸地域初の民間ガス会社―」http:// oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/1/1746/0707_out_f_ae_danagas_kurd_iran.pdfGlobal Disclaimer(免責事項)本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)中東事務所が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。i2)インド亜大陸への伸延 そもそも、ドルフィン・パイプライン事業は、1990年代初めに開始され、当初計画はパキスタンまでの遠大な計画であった。地政学的不安定要因をもつペルシャ湾からインド洋へのルートについては、イラン・イラク戦争時に湾内からオマーン山地を越えてインド洋へ出るGulf Pipeline(原油)構想があった。その後、イ・イ戦争が終結し、ホルムズ海峡リスクは軽減した。 一時取りざたされていたオマーン~インド間に建設が計画されていた深海ガス・パイプラインプロジェクトは、2000年に正式に中止されたことを明らかになった。これは、同深海パイプライン敷設の技術的問題及び総額40億ドルとも目されるプロジェクトコストの資金調達が困難である等の理由からである。 同プロジェクトは、1993年にOOC(Oman Oil Co.)とインド石油公社(Gas Authority of India)との間で覚書が結ばれ、両国間の海底にパイプライン(全長1,200km)を敷設し、1999年からオマーン産ガスをインド向けに供給するとの内容で合意していたものであった。  イランより、パキスタン、インドへのガス・パイプラインの建設が取りざたされて久しいが、ドルフィン・パイプラインの開通を足掛かりとして、ペルシャ湾北側からの北回り陸上ルートではなく、カタール+イラン→UAE→オマーン、さらに海底パイプラインによるパキスタン・インドへの天然ガス供給も否定できない状況となってきた。 (3)日本勢のビジネスチャンス 今般のドルフィン・パイプラインの開通については、前述のとおりUAEのガス需要が急拡大していることから現状の設備容量やガス供給元では不十分であるが、今後、①カタールよりのパイプラインが複線となった場合、②イランからのパイプライン・ガスの供給が本格化した場合、③アブダビでサワーガスの開発が軌道に乗り、国内需要を満たす供給源となった場合、④オマーンにおけるタイト層ガス開発など非在来型ガス資源の開発が進展した場合には、前述通りインド亜大陸へのパイプライン伸延の可能性も否定できない。 そうした場合、日本企業には、ドルフィン・プロジェクト拡張の場合の鋼材・資機材の納入、プラント増設への参入チャンスが考えられる。アブダビでは、サワーガス開発に係る高品質特殊鋼・機材などの納入が期待される。オマーンでは現在約35tcfのガス確認埋蔵量を、非在来型天然ガスなどへの探鉱対象の拡大により、今後数年間で40tcf以上に引き上げる計画である。 そこで、石油上流企業はガス探鉱開発に係るオマーン政府の強い意気込みに応えるべく、新規の探鉱・開発プロジェクトの創成を考える必要があろう。 今般のドルフィン・プロジェクトの完成はカタール、UAE、オマーンを巨大なガス供給ネットワークで結ぶものであり、今後も湾岸地域の天然ガス動向を注視していく必要がある。Global Disclaimer(免責事項)本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)中東事務所が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。Q考文献等 日本経済新聞 2007年6月28日(衛星国際版) Gulf News 2007年7月11日 MEES 2007年7月16日 Dolphin Energy Ltd.ホームページ http://www.dolphinenergy.com/ Oman Oil Companyホームページ http://www.oman-oil.com/ ADWEAホームページ http://www.adwea.ae/default.htm Mubadala Developmentホームページ http://www.mubadala.ae/Gastech2006におけるMs. Fatema Al Neaimi(Head of Market Research, ADGAS)の講演資料 この記事はpdfファイルで提供しております。図面は拡大印刷しても解像度がおちませんので、必要図面は拡大プリントアウトしてお使いください。2007年4月より、JOGMEC中東事務所の管轄エリアに東アフリカが加わりました。Global Disclaimer(免責事項)本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)中東事務所が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
地域1 中東
国1 カタール
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 中東,カタール
2007/07/24 石田 聖
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