ページ番号1003672 更新日 平成30年2月16日

メキシコ:ブラジルとエネルギー協力の覚書締結、しかし国内での共同事業は行わず【短報】

レポート属性
レポートID 1003672
作成日 2007-08-17 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 企業探鉱開発
著者
著者直接入力 大川 悠
年度 2007
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2007/8/17 調査部:大川 悠 メキシコ:ブラジルとエネルギー協力の覚書締結、しかし国内での共同事業は行わず【短報】 (BNamericas, International Oil Daily, Petroleum Intelligence Weekly, 各社ウェブサイトほか) 8月6日、メキシコはブラジルと三つのエネルギー協力に合意した。一つは二国間の包括的なエネルギー協力に関する覚書、あとの二つはPEMEXとPetrobrasによる具体的なエネルギー分野における協定である。しかし、Petrobrasが望んでいたメキシコ領メキシコ湾大水深域においての共同事業は、炭化水素資源の国有化を規定するメキシコの憲法に抵触するとして本協定には盛り込まれなかった。 8月6日、メキシコとブラジルは二国間のエネルギー協力にかかる覚書(Memorundum of Under- standing: MoU)を結んだ。これは、ブラジルのルーラ1大統領のメキシコ訪問中に行われたものである。覚書はメキシコのケッセル2 エネルギー大臣とブラジルのセルソ・アモリン3外務大臣によって署名された。この覚書によって、二国間のエネルギー分野における専門家の交流、研究・プロジェクト・プログラムの設計と実行、共同研究やセミナーの開催についての協力が強化される。協力分野は、精製・供給・石油化学の技術開発、液化天然ガス(LNG)、燃料品質とエネルギー効率、再生可能エネルギー、生物燃料生産チェーンなど多岐にわたり、さらに二国間の燃料貿易、石油・天然ガス産業と価格政策の再編、ラジルとのエネルギー協力協定 ブPetroleos Mexicanos (PEMEX)とPetroleo Brasileiro S.A.(Petro- bras)、関連研究機関の関係発展、戦略的提携の促進も行われる可能性がある。 同様に、大統領に同行してメキシコを訪問していたブラジルの国営石油会社であるPetro- brasのセルジオ・ガブリエリ4総裁出所:http://www.sener.gob.mx/webSener/portal/index.jsp?id=244署名をする両国の大統領と大臣 左からブラジルのセルソ・アモリン外務大臣、ルーラ大統領 メキシコのカルデロン大統領、ケッセル エネルギー大臣 1 ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ(Luiz Inacio Lula da Silva) 2 ジョルジーナ・ケッセル・マルティネス(Georgina Kessel Martinez) 3 セルソ・ルイス・ヌーネス・アモリン(Celso Luiz Nunes Amorim) 4 ホセ・セルジオ・ガブリエリ・デ・アゼベド(Jose Sergio Gabrielli de Azevedo) - 1 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 iPresident)とメキシコの国営石油会社であるPEMEXのレジェス=エロレス5 CEOの間で二つの具体的な協定が結ばれ、2005年3月に取り交わされた協力協定が延長される形となった。協定の一つは、PEMEXのメキシコ南部・海域におけるE&P経験を生かしたブラジルのフラクチャー型炭酸塩岩貯留層6の共同研究にかかわるもので、もう一つは、深海における重質油の開発・生産にかかわるものである。PEMEXが膨大な埋蔵量を見込んでいるメキシコ領メキシコ湾大水深開発7に着手できない原因の一つが、深海開発技術の欠如であるといわれている。対するPetrobrasは深海開発における世界的な先導者であり、PEMEXにとって非常に有益となる豊富な知見、経験を持っているといえる。協定締結後の8月9日、今回の協力協定で注目されるのは、PEMEXと共同事業(JV)の形でメキシコ領メキシコ湾大水深開発を行うというPetrobrasの提案が、PEMEXに拒絶されたことである。Petrobrasはブラジルの国営石油会社であるため、他の外国民間石油会社よりは、PEMEXとメキシコ内で共同事業を行える可能性が高いと考えられていた。炭化水素資源の国有化を規定する憲法は改正しない、すなわち、石油の探鉱開発に外資は導入しない、というはっきりとしたメッセージが大統領やPEMEX CEOから発せられているなかで今回のような提案をしたということは、恐らくPetrobras自身も、ある程度の期待を持っていたのではないかと考えられる。しかしその甘い期待は打ち砕かれ、メキシコは改めて、石油・天然ガス開発への外資導入を禁ずる憲法の改正はせず、したがって共同事業も行わないと明言した。 PEMEXは8月20日から共同研究を開始すると発表した。 なわなかったPetrobrasの思惑 かブラジルのルーラ大統領はメキシコの意向を受けて、「PEMEXとPetrobrasが国外でのプロジェクトで連携すれば、世界の石油・天然ガス産業におけるわれわれの存在を現在よりも大きくするとてもよい機会となる」と、メキシコとブラジルがそれぞれの国以外でのプロジェクトで協力する提案をした。この提案に対してPEMEXは、今のところコメントをしていないようである。 所:PEMEXウェブサイト 出Petrobrasはこのほか、帝国石油とメキシコのDiavazと組Petrobrasのセルジオ・ガブリエリ総裁(左)と PEMEXのレジェス=エロレスPEMEX CEO(右) 5 ヘスス・レジェス=エロレス・ゴンザレス・ガルサ(Jesus Reyes-Heroles Gonzalez Garza) 6 (fractured carbonated reservoirs) フラクチャー(亀裂)の発達した炭酸塩岩貯留岩で、原油が胚胎する貯留層の一つ。 7 詳細は、佐藤隆一氏著の『メキシコ湾大水深の古第三系石油開発に道を拓く』(JOGMEC, 石油・天然ガスレビュー, Vol.41, No.1)を参照のこと(http://oilgas-info.jogmec.go.jp/)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 2 - ナPTDという合弁企業を設立し、2003年からメキシコのガス開発サービス事業に従事している。対象はメキシコ北部、Burgos盆地のCuervito鉱区とFronteirizo鉱区で、PTDの出資比率はPetrobrasが45%、帝国石油が40%、メキシコのDiavazが15%である。 周知のとおり、国際石油企業はメキシコ領メキシコ湾大水深開発における探鉱開発への参入機会をうかがっており、布石となる技術提携などの協力を惜しまない。形はそれぞれ異なるものの、Petrobras以外の国際石油企業のいくつかも、PEMEXと何らかの関係を持っている。以下、限られた情報ではあるが、その状況をまとめる(順不同)。 (1) Statoil 2007年3月2日、StatoilとPEMEXは、メキシコのTres Hermanos油・ガス田8からの温室効果ガス9放出を削減するための協力協定を結んだ。同油田からの石油随伴ガス(フレアガス)を減らすことで、2018年までに温室効果ガスの放出を炭素当量にして16万4,000トン/年に削減することを目的としている。Statoilは、ノルウェー大陸棚の厳しい環境基準のもとで開発経験を積んでおり、この分野において世界で先導的な立場となった。フレアガスはメタンと天然ガス液(NGL)に分離され、市場で販売される。 8月14日、上記の協定に引き続いて、PEMEXはStatoilと二酸化炭素排出権にかかわる新たな同意書(Letter of Intent)に署名した。PEMEXは自社で保有する3カ所の製油所で温室効果ガスの削減を行い、それによって生じる二酸化炭素排出権をStatoilに販売する。削減が行われる製油所は、Hector R Laya Sosa製油所(ヌエボ・レオン州)、Miguel Hidalgo製油所(イダルゴ州)、Antonio Dovali Jaime製油所(オアハカ州)で、合計で20万トン/年以上の二酸化炭素が削減される見込みである。 PEMEXによると、これらの事業はカルデロン10大統領が2007年5月に提案した気候変動問題に対する国家戦略の枠組みのもとで行われ、京都議定書に盛り込まれたクリーン開発メカニズム11にのっとっている。 8 1959年に発見された油・ガス田で、Tempico-Misantla盆地、ベラクルス州に位置する。この油・ガス田が選ばれた理由は明らかにされていないが、フレアガスの二酸化炭素含有量が65%と高いことが理由の一つと推測される。 9 地球温暖化の原因になるガスで、京都議定書では二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)、パーフルオロカーボン類(PFCs)、六フッ化硫黄の6種を削減目標に盛り込んでいる。 10 フェリペ・カルデロン・イノホサ(Felipe Calderon Hinojosa) 11 クリーン開発メカニズム(CDM:Clean Development Mechanism)とは、先進国が開発途上国に技術・資金等の支援を行い温室効果ガス排出量を削減、または吸収量を増幅する事業を実施した結果、削減できた排出量の一定量を先進国の温室効果ガス排出量の削減分の一部に充当することができる制度である(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)。 - 3 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 企業との関係 他2) BP 2007年7月24日、BPとPEMEXの間で技術提携協定が結ばれた。協定の数は三つで、一つは包括的な科学技術協力について、あとの二つは深海掘削における専門知識の共有と、メキシコ既存油田の増産を目的としたガス圧入(air injection)技術についての研究に関するもので、契約期間はそれぞれ5年間である。PEMEXは、今回の契約は純粋に科学的なもので金銭的なやりとりはないとしているが、社員の相互交流や実地研修が可能となる模様である。 (3) Royal Dutch/Shell 今から15年前ごろ、Shellが保有するDeer Park製油所は、軽質・低硫黄原油から、より価格の低い高硫黄原油の精製へ転換をするためのビジネス・パートナーを探していた。Deer Park製油所は、米国ヒューストン郊外から約30km東のHouston Ship運河沿いにある製油所である。一方、PEMEXは当時、重質原油の生産が増加しており、主要な顧客を探していた。両者の思惑が合致し、ShellとPEMEXは1993年2月、折半出資会社のDeer Park Refining Limited Partnership(DPRLP)を設立した。転向のための改修には10億ドルを投資し、2001年3月に完了した。 現在、Shell Deer Parkは米国において6番目に大きな製油所であり、34万b/dの原油精製能力がある。PEMEXは、メキシコで産出されたMaya原油をこの製油所に運び、石油製品にして米国の顧客に販売しており、2003年には、20万b/dを超える販売先があったと言われている。この製油所は、Shellの系列子会社を通して操業・管理されている。 (4) その他 詳細は不明であるが、フランス企業、Totalの2006年年次報告書には、「2003年12月に署名された技術提携協定のもとで、PEMEXとさまざまな研究が行われている」とある。またスペイン企業のRepsol-YPFの2006年年次報告書によると、PEMEXは、2004年に同社の株主となり、Pemex International Espana, S.A.を通して株式全体の約4.83%にあたる5,895万5,269株を保有している。 以上 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 4 -
地域1 中南米
国1 メキシコ
地域2 中南米
国2 ブラジル
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 中南米,メキシコ中南米,ブラジル
2007/08/17 大川 悠
Global Disclaimer(免責事項)

このwebサイトに掲載されている情報は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

※Copyright (C) Japan Oil, Gas and Metals National Corporation All Rights Reserved.

本レポートはPDFファイルでのご提供となります。

上記リンクより閲覧・ダウンロードができます。

アンケートにご協力ください
1.このレポートをどのような目的でご覧になりましたか?
2.このレポートは参考になりましたか?
3.ご意見・ご感想をお書きください。 (200文字程度)
下記にご同意ください
{{ message }}
  • {{ error.name }} {{ error.value }}
ご質問などはこちらから

アンケートの送信

送信しますか?
送信しています。
送信完了しました。
送信できませんでした、入力したデータを確認の上再度お試しください。