ページ番号1003678 更新日 平成30年3月5日

ロシア: ロシアの天然ガス輸出計画に組み替え-アルタイ・パイプライン計画の中止と東シベリア・コビクタ・ガス田の売却

レポート属性
レポートID 1003678
作成日 2007-08-22 01:00:00 +0900
更新日 2018-03-05 19:32:42 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 天然ガス・LNG探鉱開発
著者 本村 真澄
著者直接入力
年度 2007
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2007/8/20 石油・天然ガス調査グループ:本村真澄 2006年に、ガスプロムと中国のCNPCとは天然ガス輸出計画で合意していたが、この6月ガスプロムは、天然ガス価格での合意が図られないとして、CNPCとの間で続けられていた交渉を打ち切った。 ・・ これにより、西シベリアから中国へ天然ガスを輸出する「アルタイ・パイプライン」計画は頓挫した。 ・ 一方、コビクタ・ガス田に関しては、開発工事は殆ど進捗せず、ロシア政府側はライセンスの剥奪の方向で動いていたが、6月22日にBPは、TNK-BPがガス田権益62.9%とガスの輸送販売会社「東シベリアガス」の株式50%をガスプロムに譲渡すると発表した。 ・ コビクタ・ガス田に関しては、何年が塩漬けにした後、中国への輸出を再び志向する選択肢と、逼迫する国内の需給情勢を睨み、国内供給、即ち西方のProskokovoにパイプラインを引き、既往の国内ネットワークに載せる方法の2つが考えられる。周辺国の動きと国内事情から、後者が現実味を帯びて来ていると推測される。 ・ また、BPとガスプロムは海外権益の交換を含む総額約30億ドルに達する広範な共同事業を行うことで合意した。また、TNK-BPは別途、西シベリア南部のUvat油田群開発に25億ドルの投資を予定しており、BPのロシア投資は引き続き高い水準である。 ・ 中国とトルクメニスタンは、アムダリア右岸のガスを中国へ輸送するパイプラインを建設する件で2006年に合意したが、中国側は国内通過で広州に至る第2西気東輸パイプライン計画を2006年9月に承認し、2007年4月には通過国のウズベキスタンと、8月にはキルギスタン、カザフスタンとパイプライン建設で合意した。ガス価格は、$100/1,000m3と云われ、ロシアの拒否する価格をトルクメニスタンが容認している。 ・ ロシア: ロシアの天然ガス輸出計画に組み替え -アルタイ・パイプライン計画の中止と東シベリア・コビクタ・ガス田の売却 . アルタイ・ガスパイプライン計画の中止 1(1) CNPCとのガス供給契約の破棄 2007年6月、ガスプロムエクスポルトのSergei Chelpanov副社長は、CNPCへのガス供給に関する2006年3月の合意について、破棄する方針を語った(FSU Energy, 2007/6/01、PA, 6/04)。この合意とは、昨年3月21日にプーチン大統領が北京を訪問した際に、ガスプロムとCNPCとの間で交わされたもので、中国向け「西」及び「東」の天然ガス・パイプラインの建設と680億m3/年のガスを供給するというものである。今回の破棄により、これまで1年以上にわたって専門家協議が進められて来た「西」ルートにGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - ?たる「アルタイ・パイプライン」計画が挫折することとなった。 これは、ガス価格で歩み寄りが殆ど見られなかった為である。これは、先行するコビクタ・ガス田からの輸出問題でも終始問題となった点である。2005年10月の時点で、ロシアの主張するガス価格は$160~170/1,000m3、一方中国側の主張は$70/1,000m3と、依然として2倍以上の開きがあったと云い、結局、ロシア産業エネルギー省は中国側に対して、コビクタのガスを中国へ輸出する交渉の2年間凍結を提案した(Russian Petroeleum Investor, 2006/Jan)。この後、2006年3月のプーチン大統領の訪中で両者は再び交渉のテーブルに着き、「アルタイ・パイプライン」で合意したものの、結局1年と僅かで今回も交渉が中止となった。 今回の交渉中止で、ガスプロムは、ガス市場としての中国を当面見限ったものと思われる。ガスプロムは伝統的な市場であった欧州に集中し、極東に縁の深いロスネフチが対中国事業を引き受けると専門誌は予測している(PA, 2007/6/04)。 (2) 欧州へのガス長期販売契約の締結 ロシアは既に、2005年にはオーストリアのOMV及びドイツWintershallと長期の天然ガス供給契約を締結していたが、その後に交わされた2006年3月のロシアと中国の天然ガス供給の合意は、これまでロシアからの天然ガス輸出を独占してきた欧州市場に大きな影響を与えた。「中国カード」は欧州市場を牽制する機能を持つこととなった。2006年にはこの「中国カード」に触発されて、欧州主要各国は、ロシアと次々に20年~30年の天然ガス長期供給契約の締結を行った(表1参照)。更に、イタリアとフランスでは、ガスプロムが相手国での直接販売権を取得するなど、欧州市場に大きく食い込むことに成功した。 ドイツに続いて、2006年11月14日、イタリアのENIとは、既往のガス供給契約を2035年まで延長することで合意した。昨年のイタリアのロシアからのガス輸入量は218.5億m3であった。更に、2010年からは、ガスプロムは30億m3/年を上限に、イタリア市場内で増加分のガスを自ら販売できる様になった。これは、昨年一旦ガスプロムによる20億m3/年の販売で合意していたものが、イタリア政府の反トラスト局から阻止されたものである。その他、対象は特定しないものの、ロシア或いは第三国における上流案件と、国際市場におけるLNGプロジェクトの進展でも合意した(PON, IOD, 2007/11/15)。 2006年12月19日、GdFは天然ガスの長期供給契約でガスプロムと合意している。これは、契約を2030年まで延長し、既往契約量である年間120億m3をNord Streamの稼働開始を受けて2010年から更に25億m3上乗せし、また2007年10月からフランス国内のエンドユーザーに対して年間15億m3を上限にガスプロムが直接販売できるとするものである(PON, IOD, 2007/12/20)。 欧州主要国が長期契約に応じた以上は、中国カードの利用価値は既に低下したことになる。ガスプロGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 2 - 2011年から20年間 2010-11年から25年間90億m3/年 10億m3/年 40億m3/年 OMV 2007-27年 44億m3/年 直接販売権 ムとしては、今回それを維持する必要性が低下したため、交渉の中断に至ったものと思われる。 時期 国 会社 契約期間 供給量 その他 ガスプロムの対欧州長期契約 1. 表2005年5月 オーストリア 2005年10月 独 Wintershall 2006年6月 デンマーク DONG 2006年8月 独 E.On コビクタ・ガス田の権益はTNK-BP(62.9 %)、InterRoss(25.82%)、イルクーツク行政府(10.78%)が保有し、これらのパートナーで形成されるルシア・ペトロリアム(RUSIA Petroleum)がオペレーターとなっていた。TNK-BPはロシア・オリガルヒのアルファ・グループとアクセス・レノバが50%、BPが50%で、2003年に合弁企業を設立したものである。 同ガス田の開発に関しては、2003年に中国、韓国へ輸出するパイプライン計画のFSが完了したが、総事業費は当初の120億ドルから180億ドルへと高騰するなど、事業の困難さが痛感される結果となった。また、前述の通り天然ガス価格に関しては、ロシア側と中国側の主張の乖離は大きいままであった。その後、輸出に関する議論の進展はなく、2006年から国内のサヤン市経由イルクーツク市に向けて国内生産を開始しした。 (2) ライセンス問題 コビクタ・ガス田に関しては事業の遅れから、天然資源省はたびたびライセンスの剥奪の可能性に関して言及して来た。2006年からイルクーツク州向けの生産が開始されたが、ライセンスでは年間90億m3の生産が規定されているものの、実際にはその0.4%の3,380万m3の生産にとどまったことから、ライセンス条件の未達が問題化した。但し、TNK-BP側は生産量が少なかった主たる理由は、ガスプロムが輸出Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 3 - . コビクタ・ガス田の現況 2(1) ガス田の概要 2006年11月 伊 ENI 2035年まで 2010年から30億m3/年の直接販売2006年12月 仏 2030年まで延長 出典:(PON, IOD, 2007/11/15, 2007/12/20)他 GdF 既往120億m3/年 追加25億m3/年 最終消費者に15億m3/年直接販売pイプラインを建設しなかったことであると反論している。また、ライセンスに規定された年間90億m3の生産量は過大であり、イルクーツク州の需要はせいぜい年間25億m3であると言われている(Gazeta.ru、2007/6/06)。 本年6月1日地下資源局で剥奪が検討される予定であったが、同日BPのTony Hayward CEOがガスプロムのミレル社長と接触するなどの動きがあり、決定は2週間延期された(表2参照、IOD他, 2007/6/04)。プーチン大統領はライセンス剥奪を支持し、「外的環境の悪いことは最初から自明であった。我々はいつまで待てばよいのか」と強い苛立ちを表明した(IOD, 2007/6/05)。 表2 コビクタ・ライセンスに関する動き 年 月 日 2007.1 2007.2.20 2007.4 2007.4.末 2007.5.23 同上 2007.5.28 同上 2007.5.31 2007.6.01 2007.6.15 2007.6.22 経 緯 イルクーツク州連邦自然利用分野監督局(ロスプリロドナドゾル)はコビクタ鉱床のライセンス遵守状況を調査 地下資源利用庁(ロスネドラ)がRusiaペトロリウム社に対し、3ヶ月以内にライセンス協定違反事項の改善を行わない場合はライセンスを剥奪すると勧告。 Rusiaペトロリウムはロスプリナドゾルの第1回調査に係る1月25日付調書とロスネドラが提出した「3ヶ月以内に違反が改善されない場合、ライセンスを剥奪する」という内容の通達の無効を求める訴訟をイルクーツク州仲裁裁判所に起こす イルクーツク州仲裁裁判所は保全措置のため、コビクタ鉱床のライセンス剥奪を禁じる イルクーツク州ロスプリロドナドゾルは違反改善の為の猶予期間(5/20)が終了したことを受け、Rusiaペトロリウムの再調査を開始 イルクーツク仲裁裁判所はRusiaペトロリウムが起訴した訴訟の予備審議を行う。 イルクーツク州仲裁裁判所はRusiaペトロリウムの訴訟の審議を棄却。保全措置のためコビクタ鉱床のライセンス剥奪を禁止するという命令を撤回 ロスプリナドゾルのミトボリ次官はRusiaペトロリウムの再調査結果(違反事項の改善はなしとの内容)を根拠とし、コビクタ鉱床のライセンス剥奪に関する提案書と再調査結果の調書をロスネドラに提出。 TNK-BPは取締役会を招集。重要テーマの一つはコビクタのライセンス剥奪であったと模様。当会議に出席したBP社長Tony Hayward氏は6/1にガスプロムのミレル会長と会談。 ロスネドラの地下資源利用者の権利の期限前執行に関する委員会にて、当該問題を審議。しかし、議事録には何の記載もなし。 ロスネドラは、委員会を開催せず、結論は延期。一方、TNK-BPはガスプロムとの話し合いを重ね、ガスプロム側から「興味深い提案があった」との説明。 BPはTNK-BPがKovyktaガス田権益62.89%とガス販売会社「東シベリアガス会社(ESGC)」の50%をガスプロムに7~9億ドルで売却することを発表 但し、TNK-BPはライセンス剥奪を忌避するためにガスプロムとの接触を続けており、6月9日にガスプロムのDmitry Medvedev会長は、両者の提携にBPの海外資産も含まれていることを示唆し、大いに関Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 4 - Sがあると語った(Moscow Times, 2007/6/13)。ロシアにおけるBPの活動に関しては、プーチン大統領も再三に亘って賛辞を呈しており、一方的なライセンス剥奪を行ってBPを困惑させ、再びその投資環境を巡って再び国際世論の矢面に立つとは考えづらく、ここに至ってむしろ、ガスプロムは広範な提携関係に踏み込もうとしている様子がうかがえた。 一方、ガスプロムの側は、かねてから同ガス田は「死に体」であり、終始その権益取得には関心ない旨表明してきた(Moscow Times, 2007/6/13)。但し、ガスプロムは2002年に東シベリアのガス開発コーディネーターに政府から指名されており、また2006年7月の法律により、ロシアの天然ガスの独占的な輸出権を付与されていることから、東シベリアの天然ガス開発における最大規模のガス田として基本的な関心は有している。 (3)ガスプロムによるライセンス取得 2007年6月22日、BPはTNK-BPがKovyktaガス田権益62.89%とガス販売会社「東シベリアガス会社(ESGC)」の50%をガスプロムに7~9億ドルで売却すること、またBP、TNK-BP、ガスプロムの3社は、30億ドルの共同事業を行うことで合意したと発表した(各紙、2007/6/23)。売却価格に関しては、ガスプロム側は6億~8億ドルとしており、若干の乖離があったが、最終的な売却価格は8億5,000万ドル~9億ドルとなると、TNK-BPのDudly社長が表明した。TNK-BPのコビクタ・ガス田への既往投資額は、同社の報告書によれば2006年末時点で4億5,000万ドルである(Vedomosti, 2007/7/30)。また、TNK-BPの帳簿価格では5億ドルという(IOD, 2007/6/25)。但し、価格は3ヶ月の協議を経て決定されることになっている。 プロジェクト価値は200億ドルあり、買い取り価格が廉価であるとの指摘があるが(Moscow Times, 2007/6/25, 産経、2007/6/24)、これは本格開発投資を行い、且つ生産した天然ガスを海外に輸出することを前提としたもので、現時点では望み薄である以上、採用できる見解ではない。国内販売を前提とすると20~36億ドルとの試算もあるが、これも本格的な投資を行ってガス生産を立ち上げた場合である(Eurasia Group, 2007/7/18)。 EC委員長のAndris Piebalgsは、コビクタの売却はロシア側がTNK-BPによる既往投資を適切に評価したものであり、ライセンス問題を解決し、エネルギー分野での長期の投資計画で合意したことはロシアの投資環境にとって良い影響と発言している(Interfax, 2007/6/25)。 (4) TNK-BPの基本的な立場 TNK-BPのロシアでの事業は良好である。2006年の純利益は対前年比40%増を記録した(MT, 2007/6/06)。2007年~09年にかけては、西シベリア南部のUvat油田群へ25億ドル投資する計画で、Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 5 - アれにより20万bbl/dを確保する(NC, 2007/6/07)。2008年には、太平洋パイプラインの竣工とともに、 イルクーツク州のヴェルフネチョン油田が生産を開始する。 全体に事業は順調であるが、株価は年初から30%下落したと言われる。これは、TNKのロシア人オーナーの退出の噂がある為で、オリガルヒの最後の拠点が国営系に渡るのかが注目されている。但し、プーチン大統領はBPの持つ技術力にはしばしば評価しており、BP自身の地位は安泰であると言える。 3. ガスプロムの戦略とコビクタ・ガス田の位置づけ (1)ロシアの天然ガス生産の現状とガスプロムの責務 IEAの予測(図1)によれば、Medvezhe, Urengoy, Yamburgの既往の西シベリア3大ガス田の減退は2020年に向かって顕著である一方、国内においてガス増産の要請は強く、ガスプロムはこれに答える責務がある。このため、2007年からは対前年度比40%増という大型予算を組み、欧州への供給ソースとして、極北のヤマル半島開発を掲げていたが、技術的な困難さとコスト増から容易でないと見られている。 図1 ロシアの2020年までの天然ガス生産計画。中央部のガスプロムの主要油田は減退傾向。グラフの1番下の石油企業系、独立系の増産傾向はあるが、右上の楔型に示す大幅な新規生産が不可欠。 更に、2006年は暖冬で天然ガス「不調」の年となり、売り上げは100億ドルの減少となった。これはGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 6 - 007年度予算(198億ドル)にも影響を与えるものと思われる。計画と実績の違いは以下の通り。 欧州への輸出量:1,600億m3 → 1,500億m3 輸出価格: $293.8/1,00m3 → $241.5/1,000m3 売り上げ: 460億ドル → 358億ドル (100億ドル減) かかる状況の下では、北極圏のガス田を開発するよりも、コビクタ・ガス田を西向けに供給する方がコスト的にも低く、かつ気候的な条件は遥かに良好である。一方、トルクメニスタンからの購入価格は2006年10月から$100/1,000m3となっており、国内価格を上回る状況になりつつある。中央アジアから輸入を増やすよりも、コビクタ・ガス田を西向けに供給する方が経済的にメリットがある。 (2) ガスプロムのコビクタ・ガス田に関する方針 産業エネルギー省は、2005年10月に中国との交渉の延期を決めた際、東シベリアの天然ガスの輸送計画自体を再構築する「東」計画なるものを策定した。そこでは、コビクタの天然ガスは西方向を目指し、中国は天然ガスをカザフスタンに依存するとなっている(Russian Petroeleum Investor, 2006/Jan)。Russian Petroeleum Investor誌の図面を見ると、コビクタから西に延びるパイプラインはTaishetを経由して、西シベリアに展開する既存のパイプラインネットワークの中のTomskに近いProskokovoへ繋ぎ込まれるよう描かれている(図2参照)。 ロシア政府には当初から、国内の統一ガス供給システム(UGSS, United Gas Supply System)への繋ぎ込み、つまり西シベリアのプロスココヴォ(ケメロボの近く)方向への案がある。距離は直線で1,300km程度であり、バイカル湖北方経由とほぼ同程度の総延長となる。 (3)「2030年までのロシア極東天然ガス統一生産・輸送プログラム」 コビクタ・ガス田の権益を巡る議論と期を併せるかのように、2007年6月15日、フラトコフ首相が議長を勤めるロシア政府の燃料エネルギー委員会は、「2030年までのロシア極東天然ガス統一生産・輸送プログラム」、いわゆる最新の「ボストーク・プログラム」を承認した。このプログラムは、その後4~6週間で産業エネルギー省承認、その後議会承認の手続きを経る予定である。 このプログラムによれば、極東地域における今後の生産の主体は、チャヤンダ・ガス田、サハリン-3、そしてコビクタ・ガス田の3ガス田であるとされる。 国内市場への供給見通しは2020年までに270億m3/年、2030年までに320億m3/年であり、2020年開始予定の中国、韓国向けガス輸出量は250-500億/年となり、アジア太平洋各国向けLNG供給量は200億m3/年となる可能性もある。当該地域内のガス部門開発費はRb2.4兆($920億)となる見通し。東シベリアにおけるガス生産は2011年まではなく、省庁間で話し合いが持たれているKovyktaガス田にGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 7 - ィける商業ガス生産は2017年以降に開始されるとされるとされる。チャヤンダ・ガス田においては、2008年第1四半期に調査が開始され、2016年に生産開始される可能性もあり、サハリン州からのガスと混合することにより、東向けガス輸出の主要ガス田となる(PON, 2007/6/18)。 2017年商業生産開始というスケジュールは、これまでガスプロムが国際的なヘリウムの需給を睨んでこれまで主張していた2015年以降というタイミングと符合している。 これに対して、この会議に出席していた統一エネルギー・システムスのチュバイス総裁は、国内需要の伸びが適切に評価されていないとして、コビクタのガスを国内主要地域に供給すべく、輸送ルートを西方向に振り向ける計画を再度検討すべきと主張した(Interfax, 2007/6/15)。 (1) 中国の基本的な立場 . 中国の対抗する動き 4ロシアは中国に対して、ガス価格を$170/1,000m3或いはそれ以上を要求しているが、中国、特に東北地方にとっては過大な水準である。トルクメニスタンは2006年10月から$100/1,000m3でロシアに供給しており、中国へも同時期、第2西気東輸パイプラインの認可がなされる際に、同じ水準で合意したとされる(WSJ, 2006/9/28)。但し、ロシアと合意したトルクメニスタンの販売価格は、ウズベキスタン国境での売り渡し価格であり、中国に販売する場合には、途中ウズベキスタン、カザフスタン、一部キルギスタンも通過すると見られ、これらの国の通過タリフも加わることから、実際の価格水準はより高いものと思われる。しかしながら、これによりトルクメニスタンから中国への天然ガス供給は現実的なものとなったことは確かである。 (2) 対トルクメンニスタン 2005年5月に、ニヤゾフ大統領、胡主席会談でアムダリア河右岸の地域のガス田権益取得で合意している。2006年4月には両者が、アムダリ河右岸から中国まで300億m3/年の天然ガス・パイプライン建設で合意しており、両国の基本的な枠組はすでに成立している。 (3)対ウズベキスタン 2007年4月30日、中国国家発展改革委員会の馬凱(Ma Kai)主任とウズベキスタンのRustam Azimov副首相は、ウズベキスタンの天然ガスを中国に輸出する総延長530km、通ガス能力300億m3/年のパイプラインを建設する政府間合意書(Intergovernment Agreement)に調印した(PON, IOD, 2007/5/03)。ウズベキスタンの天然ガスの生産量は年間約600億m3でほぼ横這いで、国内需要は約500億m3/年、一方ロシアには年間70億m3が、近隣のタジキスタン、キルギス、カザフスタンGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 8 - ノも年間50億m3前後を輸出しており、新たに年間300億m3ものガスを輸出余力は到底見込めない。これは、アムダリア河対岸のトルクメニスタンの天然ガスを中国へ輸出するための通過パイプライン計画と解釈される。 (4)対カザフスタン 中国の胡錦涛主席は8月18日、カザフスタンを訪問し、ナザルバーエフ大統領と、中国向け石油パイプラインの内、最後に積み残しとなっていたKenkyak-Kumkol区間の建設で合意し、続いてトルクメニスタンから中国へ向かう年間300億m3の天然ガス・パイプラインについて、カザフスタンを通過を認める声明を発表した(日経、毎日、2007/8/19、PON, IOD, 8/21)。 (5)対キルギスタン 上記同意の1週間前、キルギスタン政府は、トルクメニスタン-中国ガスパイプラインに投資する用意があることを表明した(PON, 2007/8/21)。このパイプラインは、カザフスタンの南部を通る際に、一部がキルギスタン内を通過する。 これにより、中国はトルクメニスタンからの天然ガス輸入に関し、通過国の了解はすべて取り付けた。 ・ ガスプロムは$100/1,000m3よりも高いガス価格での対中国輸出を断念し、「アルタイ・パイプライン」に関する中国との交渉は中断することとなった。 ・ 中国は$100/1,000m3程度のより安価なトルクメニスタン産ガスを輸入することで合意済み。トルクメニスタンにおいては、中国はアムダリア右岸地域にPS契約による上流権益を確保するとともに、通過国のウズベキスタン、カザフスタン、キルギスタンともにパイプライン建設で合意した。2009年にトルクメニスタンから東向きに中国を目指す天然ガスプローは着々と形成されつつある。中国国内では、第2西気東輸を建設することにより、広州まで天然ガスを送る。 ・ コビクタ・ガス田の中国向け輸出計画も同様の理由で進捗していない。コビクタをProskokovo方面へ、西向きフローを建設することにより国内供給を優先する可能性が高まっている。 ・ ガスプロムは引き続く需要増、欧州各国との長期契約等で、国内ガス生産量の引き上げが求められる一方で、西シベリアの既往巨大ガス田の減退が著しい。これを補う次世代鉱床として、東シベリアのコビクタ、チャヤンダ、そしてサハリン-3のガス田開発が急務であると認識されているが、現場での進捗状況は依然としてのろい。Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 9 - . 結論-ガスプロムの対応策 5}2.ユーラシア大陸での天然ガスパイプラインネットワーク Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 10 -
地域1 旧ソ連
国1 ロシア
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 旧ソ連,ロシア
2007/08/22 本村 真澄
Global Disclaimer(免責事項)

このwebサイトに掲載されている情報は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

※Copyright (C) Japan Oil, Gas and Metals National Corporation All Rights Reserved.

本レポートはPDFファイルでのご提供となります。

上記リンクより閲覧・ダウンロードができます。

アンケートにご協力ください
1.このレポートをどのような目的でご覧になりましたか?
2.このレポートは参考になりましたか?
3.ご意見・ご感想をお書きください。 (200文字程度)
下記にご同意ください
{{ message }}
  • {{ error.name }} {{ error.value }}
ご質問などはこちらから

アンケートの送信

送信しますか?
送信しています。
送信完了しました。
送信できませんでした、入力したデータを確認の上再度お試しください。