ページ番号1003680 更新日 平成30年3月5日

豪州: Santosの新たな挑戦; 炭層ガス (CSG=CBM)を用いたGladstone LNG

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レポートID 1003680
作成日 2007-08-23 01:00:00 +0900
更新日 2018-03-05 19:32:42 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 天然ガス・LNG
著者
著者直接入力 坂本 茂樹
年度 2007
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 豪州: Santosの新たな挑戦; 炭層ガス1(CSG=CBM)を用いたGladstone LNG 更新日:2007/8/22 石油・天然ガス調査グループ:坂本茂樹 (Santos/ LNG Ltd.社HP、Platts、IOD、コンサルタント見解、JOGMECシドニー事務所情報) Santosは2007年7月18日に、クィーンズランド州陸域で生産する炭層ガスを用いるGladstone LNG計画を発表した。炭層ガスを原料とする本格的なLNG計画は初めてである。 ガスは95%がメタンで不純物が少ないなど性状が良く、ガス生産コストは沖合深海ガス田等に比べて相対的に安いなど優位性がある。しかし、サントスはLNG事業のオペレーター・マーケティング経験が無いことから投資決定後のオペレーターの問題、また生産井の効率的な操業などの課題もある。 世界の長期的なエネルギー供給形態は今後ガス化が徐々に進展すると考えられ、LNG事業には原料ガス供給の長期的な安定性が求められる。炭層ガスを使用するLNG事業の登場は、石炭系資源の活用と原料ガス供給多様化の観点から一つの好材料と考えられる。 . SantosのCSGを用いたGladstone LNG事業計画 (1) 事業概要 Santosは、クィーンズランド州鉱区に保有する豊富なCSGを用いるLNG事業化検討を実施、その検討結果に基づいて7月に発表したGladstone LNG計画の概要は次の通りである。 液化設備建設場所 液化設備規模 投資額予想 クィーンズランド州東海岸のGladstone(湾内、市街対岸のCurtis Island) 300~400万トン/年 50~70億豪ドル;Gladstone液化設備、ガス田開発がそれぞれ50%。 事前調査とダーウインLNGのコストから算定 2009年 2010年 2014年 Santosがクィーンズランド州に保有するBowen, Surat堆積盆地のCSGガス田 20年の事業期間で必要とする4 Tcf を保有鉱区内で確保済 最終投資決定 施設建設開始 LNG生産開始 原料ガスの供給 ガス埋蔵量 1 1 石炭の生成過程で生じ、地下の石炭層(またはその近傍の地層)中に貯留されたメタン。英語ではCSG(coal seam gas)、CBM(coal-bed methane)等の表現が用いられる。本稿では、出所資料が用いる表現をそのまま使う。豪州でのCBM生産量の90%を占めるクィーンズランド州ではCSGが使われ、Santos資料でもCSGを用いている。 - 1 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 t化基地へのガス輸送 425kmのガス・パイプラインを建設して輸送(口径26~31インチ) 図1 Gladstone液化基地とBowen, Surat堆積盆地のCSGガス田の位置図 2) ガス田開発とガス性状 Santosは、クィーンズランド州にFairviewプロジェクト(権益76%)、Scotiaプロジェクト(権益 (100%)のCSG資産を保有しており、2006年のCSG全生産量に占める同社の比率は25%強であった。 Santosは自社保有鉱区から、Gladstone LNG液化設備(300~400万トン/年)向けにフィードガスを20年間供給するのに必要な4 Tcfのガス埋蔵量を確認済としている。 CSG生産井は、通常の天然ガス田生産井と比べて、効率的に制御することが難しい。2014年にGladstone LNGの生産を開始する際には500本の生産井を掘削し、全体のプロジェクト期間を通じては更に800本の生産井を掘削する予定である。CSG生産時に炭層から汲み上げて処理する水も州内の鉱業、農業用に利用する計画である。 Santos保有鉱区のCSG組成は、95%がメタン(CH4)で、窒素やCO2、エタンの含有率は低く、硫黄Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 2 - (出所)Santos社“Gladstone LNG”発表資料(2007年7月18日)より ェ等は含まれておらず、性状は極めて良いという。CSGの生産事業としては、恵まれた環境にある。 SantosはGladstone LNG向けに、自社鉱区で生産するCSGを用いる計画であるが、適切なガス売買条件が合意できれば他社のCSG鉱区からのガス購入も検討するとの方針である。 図2 炭層ガス(CSG)地上生産設備 (出所)Santos社“Gladstone LNG”発表資料(2007年7月18日)より Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 3 - 3) 液化設備設置場所 液化設備は、湾内にあるGladstone市街地対岸の北方5kmのCurtis Island南海岸に建設する。Santosは建設場所の土地所有者クィーンズランド州中部港湾局と、既に土地買収の交渉に入っている。Gladstone港は、港湾に適度な深さがあること、既存の産業設備があることから、州内7都市の港湾候補の中から選定された。今後、Curtis Islandと本土とを繋ぐ橋梁、道路などを建設する予定である。 ( (出所)Santos社“Gladstone LNG”発表資料(2007年7月18日)より Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 4 - 図3 炭層ガス(CSG)生産設備の模式図 図4 Gladstone LNG液化基地模式図 (Curtis Island南海岸、対岸がGladstone市街地) (出所)Santos社“Gladstone LNG”発表資料(2007年7月18日)より 4) LNGの販売 Santos鉱区のCSGの組成は、メタンが95%でエタン成分はほとんど含まれていないため、液化した場合に低カロリーのLNGに分類され、LNG販売先に何らかの制約を受けることも考えられる。Santos社は、LNGの低カロリー問題に対して、マーケティング・コンサルタントの見解を引用して、「同様に低カロリーであるアラスカKenai LNG2は全量日本市場に輸出されているので、高カロリーLNG市場であるアジアへの輸出にも問題ない」というコメントを説明資料に記している。 日本の都市ガスは、LNG導入時(1969~72年)に、高カロリーのブルネイLNGに合わせて国内規格を統一した。低カロリーのアラスカLNGを用いる際には、LPGを混合してカロリーをあげることで対処している3。日本のLNG輸入の65%を占める発電用需要に対しては、カロリーの異なるLNG貯蔵のタンク (繰りなど管理上の技術的問題はあるものの、消費単位が大ロットであるために、一定量の低カロリーLNG使用に大きな支障はない。Santosは、高カロリーLNG市場の日本向けに低カロリーのアラスカ 2 オペレーターはConocoPhillips。1969年からLNG生産開始、全量を東京電力/東京ガス向けに輸出。現在の売買契約(123万トン/年)は2009年まで。 3 「石油・天然ガスレビュー」2005.9 Vol.39 No.5の「 “熱”能く、LNG市場を制す 」参照 - 5 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 NGが輸出されている事例を挙げて、日本市場向け販売も前提にしていることを仄めかしている。しかし、既存の低カロリーガス市場である米国向けのLNG販売が可能であれば、さらに好ましいことは言うまでもない。 5) SantosがCSG使用のLNG事業を実施する理由 Santosは、クィーンズランド州で生産するCSGの地元市場向け供給を引き続き実施するが、豪州東部はCSG資源に富み輸出を含む長期的で大規模なCSG供給が可能であるために、LNG事業を計画する、としている。実際、2000年頃から開始されたCSG生産は近年急速に生産量を増やしており、Santosは更に野心的な生産計画を立てている(図5および次章参照)。 図5 豪州のCBM生産量推移 (豪州のCBM生産量推移 (Geoscience Australia)Bcf/年NewSouthWalesQueensland7060504030201002000200120022003200420052006 (出所)Geoscience Australia また豪州ガス市場は価格が低いために(売価US$2.0程度)、輸出ができれば、ガス事業採算は向上する。 Santosは現段階では自社100%でGladstone LNG事業を推進するが、将来のマーケティング、エンジニアリング、資金調達等の事業段階に於いては、パートナーを募って事業を進めることもあり得るとしている。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 6 - 6) Glodstone LNGの事業採算見通し、第三者の見解 Gladstone LNGに事業採算は明らかにされていないが、業界コンサルタントは、WoodsideのPlutoと同程度か若干上回る水準にあると見る。つまり、Gladstone LNGの採算分岐点は、既存LNG事業に較べると高いものの、Plutoを含む新規LNG事業と比べると同程度あるいはこれらを上回る水準にあると考えられる。 クィーンズランド州政府は、Gladstone LNG事業が州内CSG資源に新たな事業機会をもたらすこと、LNG輸出額が年間10億ドルにも達すること、さらに州内に新規雇用機会を創出できることから、SantosのGladstone LNG計画を歓迎している。 . Santosおよび豪州のLNG事業の現況 (1) Santosの石油ガス事業 Santosは石油上流企業であって(E&P事業専業、Exploration & Production)、現在の生産資産の多くは豪州国内の石油ガス資産である。中でも権益66.6%を保有する陸域Cooperガス田やクィーンズランドのCSG鉱区で生産する東部市場向けガスの比率が最も高く、豪州国内市場向けガスの最大供給者である。CSGに関しては、2002年にScotiaプロジェクトでCSGの生産を開始し、2005年にFairviewプロジェクト権益を持つTipperary社を買収して、CSG資産を大きく拡充させた。 図6 Santosの販売数量見通し(2005~2020年) 2- 7 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 (出所)Santos 2006年決算説明資料(2007年2月26日)より 豪州東部(クィーンズランド州、ニューサウスウェールズ州等)は陸域のCooperガス田の他に豊富な石炭資源と炭層ガスに恵まれ、世界の成熟経済圏の中ではガス価格が最も安い地域である。 Santos社中長期計画は、2011年以降国内における生産、特に原油生産が減少に転じる一方で、2014年からLNG生産・販売量が増加していくと想定している(図6参照)。このLNG生産は、ダーウィンLNG事業の拡張、およびPNGのLNG事業開始を念頭に置いているものと見られる。 CSG販売量は、特にFairviewプロジェクトにおいて2006年以降順調に拡大することを想定している(図7参照)。 図7 SantosのCSG生産量推移想定 2) SantosのLNG事業 Santosは、今後特にアジア地域でクリーンなエネルギー供給に対するニーズが強まることを前提にして、LNG需要が高まるものと想定しており、LNG事業への取り組みを強化しようとしている。現在Santosが参加しているLNG事業は、ダーウィンLNG(オペレーター;ConocoPhillips)およびパプアニューギニア(PNG)でのExxonMobilが主導するLNG事業検討コンソーシアムである。 (ダーウィンLNGでは、液化事業および上流ガス田(豪州/東チモール共同開発地域JPDAのBayu-Undanガス田)に10.64%の権益を持って事業参加している。Santosはダーウィンに近いBonapart堆積盆地にPetrel、Ternガス田を保有しており、探鉱活動を継続しながら、これらのガスをダーウィンLNG基地に供給することで同事業の拡張を検討している。またチモール海のSunriseガス田に近いEvans Shoal、Calditaガス田に関しても、LNG事業向け供給を検討している。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 8 - (出所)Santos 2006年決算説明資料(2007年2月26日)より }8 ダーウィンLNGと周辺のSantos保有ガス田 (出所)Santos社HP SantosはPNGにおいては、2007年4月にExxonMobilが主導するLNG事業検討コンソーシアムに参加し(Cost Sharing Agreement パートナー)、8月初め時点で13.8%の権益を保有している。同社ははGobe油田、Hidesガス田等権益の一部を保有しており、これらガス資源の事業化のためLNG事業に積極的に取り組むことを明言している。 3. Gladstone LNG事業の課題 (1) オペレーター問題 SantosはダーウィンLNG のパートナーではあるが、LNG事業のオペレーター経験もマーケティング経験もない。Woodside社がNWS LNGの操業経験を通じて日本のLNG買主との信頼関係を築きあげ、首尾良くPluto LNGの売買契約をまとめ上げた事例と較べると、LNG買主のSantosへの信頼性はまだ弱い。 またSantosは比較的小規模の独立系石油事業であり(事業地域は豪州、東南アジア(インドネシア、ベトナム))、Woodsideと比べて売上高規模が73%、税引後利益は50%であった(2006年)。SantosGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 9 - ミ100%ベースでLNG事業を実施することは負担が大きすぎる可能性がある。 LNG事業の推進を確実なものにするためには、LNG事業の経験を持つパートナーを招じ入れることが一つの解決方法である。投資決定の後、資金調達、LNGマーケティング開始に先だって、新パートナー参加の可能性がある。 2) ガス田操業の技術 世界的に資材、設備建設費が上昇する中にあって、LNG事業の運営には、操業費を適切にコントロ (ールして事業コストを抑えることが重要になる。CSG生産費は総じて安価と見られるが、天然ガス生産設備と較べてCSG生産は技術的に操業が難しいため、操業コスト制御が事業採算に与える影響が大きいと考えられる。 Santosは豪州における主要CSG生産者の一つであるため、生産設備の制御には長けていると考え(3) 環境問題対策 西豪州沖合で展開しつつある新規LNG事業案件(Gorgon、Pluto、Icthys等)は、沖合、陸上設備双方でますます厳しくなる環境保護対策に対処するために、いずれもガス田開発作業の遅延、およびコストアップを余儀なくされている。 これに対して、産業用港湾として発展したGladstone湾内では、さほど厳しい自然環境保護対策は課せられないものと見られている。 一方、CSG生産に際しては、地下の炭層から汲み出した水を処理して農業、産業用に利用することが検討されている。近年干ばつに悩むクィーンズランド州では、この水利用を巡って当局から何らかの条件が課される可能性がある。 4) 国内市場向けガス供給上のCSGの扱い 西豪州政府が2006年2月に、将来の州内市場向けのガス供給を確保するために、ガス生産者に対してガス埋蔵量の15%程度の州内市場向け供給を義務化する政策を提案した際、自由な経済活動を標榜する連邦政府は西豪州政府の政策に反対した。2006年9月に作業部会(working group)が設立され、同部会が将来の豪州のガス供給計画が検討し、2007年8月に検討結果お公表する予定である。 8月半ばの現地紙報道によると、この作業部会の提案には、陸域の炭層ガスを含め、何らかの国内市 (Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 10 - られる。 鼬?ッガス供給が規定されるとの見方もある。しかし、クィーンズランド州政府は州内CSG資源を使うGladstone LNG事業を歓迎しており、連邦政府は豪州が世界的に信頼される主要LNG輸出国となることを提唱していることから、Gladstone LNG計画に負の影響を与える提言がなされる可能性は小さいと考えられる。 . Gladstone LNGの豪州、世界LNG需給への影響 炭層ガス(CSG)を用いる大規模LNG計画は、SantosのGladstone LNGが初めてのケースとなる。初めての石炭系ガス使用のLNGは新たなLNG事業機会の創出であり、LNG事業立ち上げの機会を拡げることになる。現時点ではGladstone LNGに続くCSG使用のLNG計画は報告されていない(小規模計画は、第6章参照)。Gladstone LNG計画が順調に進展すれば、2000年代初期以降本格化した豪州のCSGは、国際市場で販売される機会を得て、今後更に生産が増加する可能性がある。 世界LNGの短期需給はタイトであり、中長期需給はその価格前提と相まって極めて不透明な状況に 4ある。しかしながら、環境問題対策、石油資源の高価格化から、長期的には炭化水素系エネルギーの中でガス比率が高まるものと考えられる。一方、石油ガス資源の探鉱開発対象エリアは、深海などのフロンティア・エリアの比率が更に高まり、高コスト化していくものと見られる。こうした状況の中で、LNGの原料ガスとして新たに炭層ガスが加わることは、今後さらに選好性が強まるLNG供給にとって一つの好材料である。 現在炭層ガスの豊富な地域は、豪州の他に、米国、中国、インド、インドネシアなどの主要石炭産出国である。豪州以外の国は、巨大な国内エネルギー市場を抱えて輸出余力は無いと見られる。しかし、新たなエネルギー供給方式の登場により、エネルギー調達の選択の幅が増えるものと考えられる。 . 豪州のCBM事業 (1) CBMに係わる制度・政策 豪州のCBM資源は、陸域油ガス田と同様に各州政府の管轄下にある。クィーンズランド州では、2005年1月に施行された新法により、州内で販売される電力量の13%以上をガス(CBMを含む)および再生可能燃料を用いて発電することが定められている。 52) CBMの探鉱、開発、生産 CBMの探鉱、開発用の坑井掘削数は、2000年以降急増しており、CBM生産が活発化していること (Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 11 - ェ解る。2004年の掘削数は277坑であり、同年の石油・天然ガス探鉱、開発の掘削数209坑を大きく上回っている。坑井数全体の中の約90%はクィーズランド州で掘削された。 図8 豪州CBM坑井掘削数の推移 本300250200150100500豪州CBM坑井掘削数推移(Geoscience Australia)NewSouthWalesQueenslandVictoria20002001200220032004 (出所) Geoscience Australia CBM生産量も2000年以降急速に拡大しており、Santosは今後も意欲的な増産を計画している(図5, 7参照)。2006年のCBM生産量に占めるクィーズランド州比率は92%であった。 3) 有力なCBMプロジェクト、生産企業 2006年は、Santosが操業するFairviewプロジェクトの生産量が最大で全体の約22%であった。同 (プロジェクトは今後も生産量の増加が見込まれている。今後増産が見込まれるその他の有力な事業には、Moranbahプロジェクト(オペレーター:Arrow Energy)、Spring Gullyプロジェクト(オペレーター:Origin)、Undulla Noseプロジェクト(オペレーター:Origin)がある。 . 炭層ガスを用いるその他のLNG事業計画 (1) 豪州LNG Ltd.社のGladstone LNGプロジェクト 豪州、アジア等で小規模LNG事業を手がけるLNG Ltd.社は、クィーンズランド州でArrow Energy社からCSGの供給を受け、Santosと同様にGladstone で100万トン/年の規模のLNG事業を計画 6Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 12 - オている(2007年5月にArrow EnergyとのHOA(覚書き)締結)。同社はGladstone市街地の西方にある波止場に取得したLPG関連施設を再利用することにより、相対的に安価なLNG事業を立ち上げることが可能としている。事業の詳細は、次の通りである。 液化設備建設場所 液化設備規模 投資予想額 生産開始 クィーンズランド州Gladstone(湾内市街地側、Santos基地の対岸) ~100万トン/年(第1段階) 3億5,000万米ドル 2011年 2) 中国の炭層ガスLNG事業 中国では石炭の豊富な山西省晋城市において中国資本により、下記2件のCBM使用の小規模LNGプロジェクトが計画されている。生産されたLNGは、中国の内陸小規模LNG事業と同様に、主に中国南東部の産業需要家向けにローリー出荷されるものと見られる。 ① 中国聯盛投資有限公司/中聯CBM公司の事業 (液化設備建設場所 液化設備規模 投資額 生産開始 山西省晋城市 日量50万m3*2基(=合計26万トン/年) 6億香港ドル(=7,700万米ドル) 2008年 香港中華煤気有限公司/晋城無煙煤鉱業集団有限公司の事業 液化設備建設場所 液化設備規模 生産開始 山西省晋城市 第1期: 日量25万m3(=6.5万トン/年) 第2期: 日量75万m3(=19.6万トン/年) 第1期: 2008年 ②Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 13 -
地域1 大洋州
国1 オーストラリア
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 大洋州,オーストラリア
2007/08/23 坂本 茂樹
Global Disclaimer(免責事項)

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