ページ番号1003688 更新日 平成30年2月16日

トルクメニスタン/アゼルバイジャン:カスピ海Kapaz油田の領有権問題について

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レポートID 1003688
作成日 2007-09-13 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 探鉱開発
著者
著者直接入力 古幡 哲也
年度 2007
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2007/9/13 調査部:古幡 哲也 公開可 トルクメニスタン/アゼルバイジャン:カスピ海Kapaz油田の領有権問題について (Caspian Investor, Turan Energy他) ・ アゼルバイジャンとトルクメニスタン間に位置するKapaz油田は、石油・天然ガスの賦存が確認されているが、Dispute Areaであるがゆえに開発が進んでいない。 ・ ロシア・カザフスタン・アゼルバイジャンの3カ国はそれぞれ二国間合意をベースに、カスピ海を「湖」ではなく「海洋」と認識し中間線で地下資源を区分管理。 ・ トルクメニスタンのベルディムハメドフ大統領の就任に伴い、解決に向けた動きが本格化。今後はアゼルバイジャンとトルクメニスタンとの間で共同開発の可能性も。国際石油会社の動きも出てきている。 .Kapaz油田の位置付け 1世界の天然ガス確認埋蔵量のおよそ1.6%、生産量の5.9%(BP統計、2006年)を占めるトルクメニスタンに対しては、ロシア・中国・欧州の各方面からのガスの綱引きが激化しつつある。一方、トルクメニスタンの石油の埋蔵量・生産量はきわめて小さく、埋蔵量/生産量はそれぞれ世界の0.04%/0.2%を占めるに過ぎない(BP統計、2006年)。 このようにガスリッチのトルクメニスタンにあって、石油の胚胎が期待されているのが、カスピ海上エリアであり、すでにDragon Oil, Maersk Oil, Petronas Carigaliがカスピ海上鉱区において石油・ガスの探鉱・開発に取り組んでいる。Petronas Carigaliはすでに石油およびガス、コンデンセートを生産中(石油約4千~15千bbl/d、ガス500千~1百万?、2005年)である。 このトルクメニスタンの油・ガス田トレンドからアゼルバイジャンのトレンド(Azeri・Chirag・Gunashli)に至るApsheron Sill(隆起帯)と呼ばれる地形高所のほぼ中央に位置しているのがKapaz油田である。ちなみにトルクメニスタン側ではSerderと呼ばれている。ACG油田の東端からはわずか25kmしか離れておら カスピ海の法的地位を定めた法的文書は1921年および1940年のソ連とイランの間で締結されたものしか存在せず、またそれらの文書も地下資源の利用までは想定していなかった。このため、ソ連邦の崩壊後の1993年頃からカスピ海の法的地位について沿岸国の間で論議がなされてきた。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - ず、ACG油田との生産施設の共有は十分可能と思われる。 .カスピ海の法的地位について 2i図1)カスピ海北部は境界線が事実上確定 現在も地下資源利用に関する沿岸5カ国間の完全な合意は無いが、ロシア、カザフスタン、アゼルバイジャンの3カ国は2国間協定を相互に交わし、世界でも一般的になっている二国間の「中間線」をもって境界とすることとし、2003年5月の議定書調印により最終合意済みである(一部、ロシア・カザフスタンの2カ国にまたがるKurmangazy, Khavalinskaya, Tsentralnaya等の油田は共同開発)。これによりカスピ海の北部では、この区分に基づく地下資源の境界線が実質的に確定した。 これに対し、イランは「地下資源は共同管理、これが認められない場合には海域の均等分割(20%)」を主張している。また、トルクメニスタンは、ソ連・イラン間の1940年合意で定められたソビエト構成共和国間の境界線を主張している。当時のカスピ海の海面は現在よりも低かったため、より大陸棚の発達しているトルクメニスタン側の海岸線が突出することになり、アゼルバイジャンとトルクメニスタンとの中間線はACG油田のChiragにいたることとなった(図1、図2参照)。(なお、海上・海中については、すでに共同管理の原則とすることでほぼ合意が得られている。) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 2 - Cラン=ソビエト友好条約 イラン=ソビエト通商海事条約(カスピ海の共同管理を宣言) アゼルバイジャンの「世紀の契約」にロシアがクレーム. 第1回沿岸5ヶ国会議(アシハバード、大統領級)イラン、ロシア、トルクメニスタンはカスピ海の共同開発を主張 ロシア・カザフがカスピ海海底分割の原則合意(ロシアは所管が外務省から燃料エネルギー省に変わり姿勢が変更)。アゼルバイジャンとトルクメニスタンは中間線による分割で交渉開始。イランは非難。ロシア・アゼルは中間線分割で合意。ロシア・カザフがカスピ海分割条約調印。イラン・トルクメニスタンが批判。 イランのカラジ外相がカスピ海均等分割と全会一致の原則宣言 Shell/Lasmoがイランと探鉱契約。アゼルバイジャンが非難。 沿岸5ヶ国会議(モスクワ、外相級)。イランがカスピ海の均等分割提案。 アリエフ大統領が Exxon (Zafar-Mashal鉱区)とMobil (Lerik Deniz鉱区).で探鉱契約。イランは権益侵害として非難。翌月のテヘラン開催予定のカスピ海沿岸5ヶ国会議をキャンセル カスピ海で重要な油田発見相次ぐ プーチン・ナザルバーエフ「カスピ海協力条約」調印 プーチン・アリエフ「バクー宣言」(カスピ海海底分割) ロシア・カザフスタンは中間線分割で合意 トルクメンバシで予定していた5ヶ国会議はイランの反対で延期 イランはBPのカスピ海での地震探鉱を非難 第2回沿岸5ヶ国会議(アシハバード、大統領級)合意なし ロシア・カザフスタン・アゼルバイジャンはそれぞれの国境線の接点の画定に関する議定書に調印。 ラブロフ外相がカスピ海諸国の共同海軍Casfor創設を提案。イランは地域外勢力の排除から支持。アゼルバイジャンは米国カスピ警備隊にすでに参加。カザフスタンも準備。 沿岸5ヶ国会議(テヘラン、外相級)の準備 アゼル政府とトルクメ政府の二国間交渉(バクー)の予定。 沿岸5カ国会議(テヘラン)の開催予定。 ACG PSA契約 CG生産開始 A 1921年 1940年 1994年4月 1996年11月 1997年11月 1998年2月 アリエフ大統領 PSA 調印で米国訪問 Khvalinsk発見Kashagan発見 Shirotnaya発見 1999年4月 2000年3月 7月 8月 10月 2001年1月 2月 3月 7月 2002年4月. 2003年5月 2005年10月 2007年6月 2007年9月 2007年10月 3月 7月 8月 11月 (表1:カスピ海地下資源の領有をめぐる主な動き) 年/月. 石油開発 カスピ海沿岸国の動き Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 3 - Kapaz油田で最初に掘削されたのはKapaz-1号井(1988年)であり、石油・ガスの胚胎が確認された。その後掘削された評価井(Kapaz-2、3、4、5)でも石油・天然ガスが確認されている(5号井ではガスのみの発見。その後、少なくとも8号井まで掘削された模様だが、掘削の結果は不明。)。ソビエト時代のスタディ結果では、石油の可採埋蔵量は約50百万トン(約3.6億bbl)で、30年間にわたり30千b/dの生産が可能と見積もられている。別のソースでは、原油換算で約2.2億bblの可採埋蔵量があるとの推定も Kapazは図2の通り、Dispute Areaに存在しているため、アゼルバイジャン、トルクメニスタン両政府ともに開発に直接つながるような行為は特段行ってこなかった。また、ニヤゾフ大統領在任中はカスピ海の法的地位に関する交渉もほとんど行われていなかった。 しかしトルクメニスタンでは、2006年12月にニヤゾフ大統領が死去、2007年2月に現実路線を取るベルディムハメドフ大統領が就任してからは、カスピ海の法的地位問題の解決に向けた動きが活発化している。5月にはアゼルバイジャンのNatik Aliev産業エネルギー大臣が「トルクメニスタンとの合意によりKapazを共同開発し、BTCパイプラインにつなぎこむことが十分可能」と発言、さらにその後6月には、アGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 4 - .今後の見通し 4ある。 3.Kapaz油田の概要 (図2:Kapaz/Serder油田とその周辺図) [ル政府代表団がアシハバードを訪問、カスピ海の法的地位に係る交渉を行っている。 さらに直近の情報では、10月17日にテヘラン・カスピアン・サミットが開催される運びとなっており、アゼルバイジャンのKhalafov外務副大臣は、このサミットでカスピ海の法的地位問題の解決に向けて前進することを期待する旨コメント。また、この下交渉のために、9月下旬にはトルクメニスタンからの交渉団がバクーに来訪し、二国間交渉を行う予定となっている。同外務副大臣によれば、海底を両国の中間線で二分割する案を検討するとのことであり、交渉成功への期待をにじませている。 これらの政治的な動きとシンクロするように、Chevronの現地会社社長が7月にトルクメ政府に招請された。その際、ChevronはKapaz油田の開発についてプロポーザルを提示したと伝えられている。同社は、アゼル政府を刺激しないよう、国営石油会社SOCARにもトルクメ側にプロポーザルを出すことを伝えている模様。また、Chevron以外にも、TNK-BP、Lukoil、Wintershall (独)もトルクメ政府にアプローチしていると報じられている。アゼルバイジャンやトルクメニスタンの技術力では開発が困難と見込まれるため、外資の導入は不可欠であり、今後はその他企業からのアプローチも増加してくるものと予想される。また、これらの国際石油会社の動きがテコとなって2国間交渉が進むという側面も期待できよう。 ACG油田やShah Denizガス田からの生産やKashagan油田の開発が進んでいるという既成事実、そしてロシア・カザフスタン・アゼルバイジャンの間の中間線による分割が世界的基準に照らしても妥当と見られていることから、今後の法的地位にかかる交渉も当該3カ国の間の合意をベースに進むものと見込まれていたが、上記の政治・コマーシャル面の動きはそれを裏付けるものである。 Kapaz油田では、すでに石油・ガスの存在が確認されており、地質的リスクはほとんど無い。パイプラインや鉄道貨車などによりカスピ海からの輸送手段確保が条件となるものの、既存のインフラを活用することができれば、西側市場への出荷は比較的容易であり、アゼルバイジャン・トルクメニスタンの間の共同開発により開発が迅速に進むことが期待される。 なお、アゼルバイジャン・トルクメニスタン2国間の境界問題が解決されることにより、トルクメニスタンの天然ガスを西側に持ち出すTrans Caspian Pipelineの実現に向け、ハードルがひとつクリアされることになるとの分析もあり、その意味でも、今後のカスピ海の法的地位に係る交渉の動向が注目されるところである。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 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地域1 旧ソ連
国1 トルクメニスタン
地域2 旧ソ連
国2 アゼルバイジャン
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 旧ソ連,トルクメニスタン旧ソ連,アゼルバイジャン
2007/09/13 古幡 哲也
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