ページ番号1003689 更新日 平成30年2月16日

ヨルダン:オイルシェール開発がエネルギー確保の活路となるか?

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レポートID 1003689
作成日 2007-09-18 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 エネルギー一般
著者
著者直接入力 石田 聖
年度 2007
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ <更新日:2007/9/17> <中東事務所:石田 聖>ishida-hisashi@jogmec.go.jpヨルダン:オイルシェール開発がエネルギー確保の活路となるか? ■ヨルダンは、イラクやサウジアラビアなど大産油国を隣国にもっているが、同国の在来型炭化水素資源量は微々たるものである。■中東・北アフリカ地域で、ヨルダンはモロッコと並び屈指のオイルシェール資源をもつ。■中東・北アフリカ地域に一般的に見られる急激な自然人口増、さらに治安情勢の悪化によって隣国イラクからの流入する難民による社会人口増などによって、同国のエネルギー事情は逼迫の度を増している。■こうした中で同国政府は、是非ともオイルシェール資源を早期に開発したいと考えている。■高油価の中、ペトロブラス、シェル*1など大手国際石油企業の動きが注目される。 1.ヨルダンの石油・天然ガスの現状 ヨルダンの炭化水素資源は中東・北アフリカ諸国の中にあっては、イスラエル、パレスチナ、レバノンと並んで非常に特殊な状況にある。すなわち、国内で石油・天然ガスをほとんど産しない。大産油国であるサウジアラビアなどGCC諸国、イランには遠く及ばず、中規模産油国であるイエメン、シリア、トルコ、エジプトなどと比べても、その生産量は極めて少ない。 そのヨルダンにおいて、そこそこの炭化水素資源として注目されるのが、オイルシェールである。表1に世界の国別オイルシェール資源量(抽出原油予測量)を示す。同国の資源量はQian, J.(2003)によれば、世界十指に入るとも言われている。 まず、ヨルダンのエネルギー需給の実態と在来型炭化水素資源の概要を見ることにしよう。 ヨルダンは、国土面積約9万2,000km2、人口は2007年央の推計値で約600万人*2である。観光や運輸を除いて目立った産業を持たない。表2、表3および図1に示した通り、一次エネルギー消費の約70%を石油に依存しており、そのほとんどを輸入に頼っている。 ヨルダンには、商業的な生産を行っている1油田と1ガス田がある。図2に近年の同国の石油・天然ガスの生産推移を示す。 2006年初よりいくつかの国際石油企業が同国の在来型炭化水素資源の探鉱・開発プロジェク*1 Petrobras、Royal Dutch Shell(以下、シェル)*2  約70万人とも言われるイラク難民が含まれる。Global Disclaimer(免責事項)本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)中東事務所が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。-1-\1 世界のオイルシェール資源12345678910111213141516171819202122232425262728293031323334353637USA Russia Zaire Brazil Morocco Canada Australia Jordan China Estonia Italy France Thailand Egypt Israel Ukraine Sweden Kazakhstan England Burma German Yugoslavia Mae Sot Turkey Belgium Luxemburg Argentine Armenia Mongolia Spain New Zealand South Africa Bulgaria Hungary Poland Madagascar Chile 304,00039,00014,31012,0007,7396,3004,0804,0002,4832,4571,4311,000857816714600450400500286286220200147100100574442403519188753出所:Qian, J. (2003)抽出油量 単位:百万トントに参入しているが、ここではその詳細は述べない。政府は2006年に米独立系Sonoran Energyに探鉱鉱区付与するとともに、Hamza油田の操業権を与えた。同油田は図3に示すように30~40バレル/日の生産量しかないが、同社による増産が期待されている。1984年に発見されたHamza油田の油種は、中質(API 30°)、低硫黄(0.375wt%)原油である。1989年までは、約400バレル/日を生産したが、その後急速に減退し、2003年以降は図3に示した通りである。 一方、唯一のガス田であるRishaガス田は国営ガス企業が操業を行っている。Rishaガス田については、1989年に発見され、近年水平坑井の掘削など増産策が講じられているが、図4に示したとおり生産は低迷している。こうした中で、いままで未開発のガス田南部の開発を行い1億cf/dとする計画がある。ガスは、全量近傍のガスタービン発電施設(12万kW)で使用されている。 2.ヨルダンのオイルシェール 同国の鉱物エネルギー資源の探鉱・開発を受け持っているのは、NRA(Natural Resources Authority)である。NRAは、燐灰石をはじめとする無機鉱物資源に係る業務、石油・天然ガスの鉱業権付与などの業務のほかに、自らも探鉱および諸調査・研究を行っている。 図5には、ヨルダンのオイルシェール資源の分布を示表2 ヨルダンの一次エネルギー消費構成原油・石油製品 (千Toe)再生可能エネルギー (千Toe)天然ガス(千Toe)電力輸入 (千Toe)合計 (千Toe)19961997199819992000200120022003200420052006431663211―4590438565223―4673449167226―4784447168216―475548157521311511448037620665515049547918878529950317743123557745012821196199648953258313822387028495311119991247187表3 ヨルダンの輸入原油および石油製品単位:千トン原油重油LPGジーゼル油ガソリンジェット燃料合 計19973444611105213―19983559796103246719993501773138191―20003763626133239―20013875647138182―20023926758155230252003402357017129240437347114603476148425094509620044244100179543135152022005460219178785931567820064258―1825096515015出所:表2、表3ともにMinistry of Energy and Mineral Resources, Hashemite Kigdom of JordanGlobal Disclaimer(免責事項)本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)中東事務所が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。-2-2419991114953原油および石油製品再生可能エネルギー天然ガス輸入電力単位:千Toe図1 ヨルダンの一次エネルギー消費構成2006年実績出所:Ministry of Energy and Mineral Resources, Hashemite Kigdom of Jordanした。さらに分布地域ごとの概要を表4と表5にまとめる。 オイルシェールに関わるNRAの長年にわたる調査の結果、被覆層が最も薄く、企業化が容易と考えられている地域(鉱床)は、El-LajjunおよびSultaniである。これらの資源量は約20億トン(約150億バレル)と考えられ、その90%はマイニングにて採掘可能であるとされている。また、NRAの算定ではヨルダン全国では資源量原油403020100302010020032004200520062007天然ガス20032007図2 ヨルダンの石油・天然200620042005平均生産量(バレル/日)平均生産量(百万立方フィート/日)ヨルダンに多量のオイルシェール資源が賦存していることは古くから知られているところであったので、各国が協力してその資源化の努力がなされてきた。 1979年には、旧東ドイツの連邦天然資源地球科学研究所(BGR)によって、El-Lajjunのオイルシェールに対して、コア採取、分析、工業試験が実施された。1982年まで続いたこの共同研究によって、他にJurf、Ed-Daranish、El-Hasa、Saltaniに対しても調査井34坑が掘削された。 1980年には旧西ドイツの企業グループKlochner-Lurgiとの間で、Lurgi Luhrgasプロセスによるプラント設計と30万kW規模のオイルシェールを加水流動化した上で燃焼させる発電所のプレF/Sが実施されている。 1980~1981年には、El-Lajjunを対象とした、旧ソ連Technoprom Exportによる30~40万kW規模のオイルシェ  400億バレル、抽出可能油量280億バレルとされている。ガス生産の推移出所:NRAール直焚き発電所についての研究が実施された。同地のオイルシェールは灰分が多く(52~57%)、比較的熱量が小さいことが分かっている。 1985年には、中国Sinopec Internationalに対して1,200トンのEl Lajjunのオイルシェールが提供された。同社はこれを使用して撫順において研究を実施した。その結果、撫順タイプの炉では採算性が低いことが分かった。 1985年には、三菱重工業がEl-Lajjunのオイルシェール20kgを使って、炉の概念設計を行った。日量1万トンのオイルシェールを処理し、7,300バレル/日の原油を生産することができるとしたが、商業化のためのコストの算定までには至らなかった。Global Disclaimer(免責事項)本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)中東事務所が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。-3-HAMZEH OIL FIELD PRODUCTION 2004RISHA GAS PRODUCATION 20042004年1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月2005年1,2001,00080060040020001,2001,0008006004002000月間生産量(百万立方フィート)月間生産量(百万立方フィート)2004年1,00090080070060050040030020010001月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月2005年1,00090080070060050040030020010001月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月月間生産量(バレル)月間生産量(バレル)19図3 ハムザ油田の生産量推移出所:NRA1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月図4 リシャガス田の生産量推移出所:NRA さらに、1981年に石油公団および民間36社によって共同設立された日本オイルシェールエンジニアリング(株)(JOSECO)もEl-Lajjunのオイルシェールの分析を行っている。2005年7月、NRAはオイルシェール開発のために、調査・研究契約を締結すべく外資を広  く招聘した。 オイルシェールはヨルダン国土面積の約3分の1に分布している。分布域南部は、賦存層が地表近くに分布している。現在、調査・研究を主体にした4 MOUが既に締結されており、今後、別途25ブロックに分割の上、テンダーの実施を予定している。 2006年6月12日、NRAとシェルはオイルシェール資源評価研究のMOUを締結した。シェルについては、1998年に経済評価MOUがNRAとの間で結ばれ、調査研究が実施されてきた。2006年9月には、同国エネルギー鉱物資源大臣Azmi KhuraisatおよびNRA総裁Mahir Hajazinほかが、シェルの米国およびカナダのパイロットプラントを視察している。 2006年11月5日、ヨルダンエネルギー鉱物資源省は、El-LajjunおよびKarakにおいているオイルシェール資源評価研究のためMOUを3社と締結した。これらは、International Company for Investment in Oil Shale(サウジ資本によってヨルダンで設立された会社)、Oil Shale Company of Jordan(オイルシェール開発で実績のあるエストニアのEesti Energia of Estonia の関連会社)、Jordan Company for Mining and Energy(英企業2社によって設立)である。現在F/S段階であるが、結果が良い場合には商業生産契約に移行したいと同省は考えている。前述のサウジ企業の共同出資によるコンソーシアムは、未だ構想段階ではあるが40億ドGlobal Disclaimer(免責事項)本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)中東事務所が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。-4-ishaベイルートサイダレバノンダマスカスシリア・アラブ共和国イルビッドダルアアズスワイデアラッドラッバEl LajjunAttrat Um GhudranアンナブクアズラクエドドゥルーズHamzaラマラケラマアンマンSiwaqa死海へブロンエルサレムベツレヘムマダバジャニン西岸地区ナブルスパレスチナアルマフラクアズソールトアズザルカナハリーヤゴラン高原カラクWadi MagharSultaniJurf Ed Darawishヨルダン“Shell”サウジアラビア“Shell”マアンディモーナイスラエルエイラートアカバ  設定鉱区オイルシェール分布地スタディ鉱区(Shell)“Shell”油田オープン鉱区(鉱区名)Sultaniガス田HamzaRisha主要都市国境線主要道地方道鉄道0 35km70海抜海水準以下0 ~ 250 m250 ~ 500 m500 ~ 750 m750 ~ 1000 m1000 ~ 1750 m1750 ~ 2500 m2500 ~ 3250 m図5 ヨルダンのオイルシェールの分布と研究鉱区出所:後掲のNRA資料より筆者編図-5-面積???m ??m2)オイルシェールの平均層厚?(m) (m)(m)m))20.429.62431.6表4 オイルシェール分布地の概要El-LajjunSultaniAttarat Um GhudranWadi MagharJurfEd DarawishEth-Thamad被覆層の層厚?(m)????? (m)?????(m)?????m)?????)?????15-622-86被覆層の平均層厚?(m) (m)(m)m))ストリッピングレシオ?(平均)?(平均)(平均)資源量??トン)??トン)?トン))埋蔵量??トン) ??トン)?トン))28.8 111196117069.31.611309893484545-80+53.21.224500(24500) **6604032.5-5040.51316002160090.663.89-12847.3―800025006672―200142-400142―400―11400―* 「ズリ混入率」とも訳され、高品位のオイルシェール鉱石の容量を、敷居値以下の(廃棄しなければならない)低品位の鉱石量で割った数字** NRAによる現在の算定出所:後掲のNRA資料より筆者作成表5 各オイルシェール鉱床の物理特性El-LajjunSultaniAttaratUm GhudranWadi Maghar*JurfEth-Ed DarawishThamad*22.110.5平均含油量(???) (???)(???)???))全有機物量(???)? ?))発熱量(?cal???)?cal???))?? ?))CaCO3 (???)(???)S(??)(???)(??)(???) (???)(???)?? ?)) 比重?(??cm(??cm(??cm??cm3)含水量(???) (???)(???)?? ?))* 掘削坑井数が少ない地域での値。出所:後掲のNRA資料より筆者作成1.812.43159054.33.17.521.5121046.962.41.962.6823.16―52.22.61.81.716.820.8780~1270482.62.032.75.718 86469.12.22.12.810.5―――3.21.82.5ルを投資して、10万バレル/日程度の抽出・生成プラントの建設を計画している。 ペトロブラスは自国での経験もあり、資源が豊富なヨルダンに注目している。2007年2月23日同社はヨルダンエネルギー鉱物資源省との間で、Atarat地域における2年間のF/S実施についてのMOUを締結している。F/S結果が良い場合には、自社技術を使っての開発に着手することになる。同社によれば、同国でのオイルシェール開発には300から320億ドルの投資が必要になるという。 一方クウェートのKGLはヨルダンへの投資を拡大しようとしている。同社は2007年7月13日に5億ドル以上の資金を同国の複数のエネルギー分野に投資することを発表した。製油所の近代化がメインとなるものの、本投資にはオイルシェール開発も含まれている。 米貿易開発庁(USTDA:U.S. Trade and Development Agency)は、ヨルダンエネルギー鉱物資源相に対して、オイルシェールに関する分析機器など技術サポートとオイルシェール開発戦略策定に関するソフト面でのサポートを行っている。Global Disclaimer(免責事項)本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)中東事務所が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。-6-efrigeration Wells(冷却井) 北部は、同国のオイルシェール分布域の約3分の2を占め、分布深度は地表より500~1,000mであると予測されている。1998年より前述のとおりシェルが継続的に調査を行っている。 この技術的背景としては、次のことが考えられる。米国には世界最大量のオイルシェール資源が賦存している。約2兆バレルの資源が存在すると推定されている。油価が高止まりしている現在、米国政府は再度オイルシェール開発に向けて動き出している。 東部~中西部ではインディアナ州、ケンタッキー州など約10州に、西部ではユタ、ワイオミング、コロラドの3州にそれぞれオイルシェールが賦存している。最も注目されているのが西部のGreen River Shale層である。同層は、厚さ約300mの表土の下に厚さ約700 m のオイルシェール層として存在する。このように、地下数百mの場所で、従来型のマイニングによるオイルシェールの採掘は非常に困難である。ゆえに、シェルは後述のインシチュー法を試みている。 米国では、1970年代の石油危機後に連邦政府の指導もあり、多数の民間企業がオイルシェール開発プロジェクトを推進した。しかし、1980年代の油価下落とともに相次いで撤退した。近年の原油高騰を背景にして、米国政府は、再びオイルシェール開発に向けて民間企業を誘導すべく、諸政策を実施に移しつつある。 1980年代の米国政府および各企業の一斉撤退の後も、シェルはオイルシェール開発に取り組み続けた。同社は、独自のIn-Situ Conversion Process (ICP)法を考案した。図6に概要を示す.シェルのオイルシェール技術開発 3Producer Wells(生産井)Heater Wells(加熱井)temperature nuclear Overburden(被覆層)gasesOil Shale(オイルシェール層)Ice Wall(地下氷障壁)(Isolate In-Situ Retort)(インシチュー「レトルト」)図6 シェルのインシチュー法の概念出所:Nuclear Power for the Transport Sector, Charles W. Forsberg(日本語の付記は筆者による。)Global Disclaimer(免責事項)本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)中東事務所が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。-7-ッ法では、地表から地下のオイルシェール層に向けて垂直坑井を複数坑掘削し、そこにヒーターを設置し、数年間をかけてオイルシェール層を約350℃まで加熱する。ケロジェンの分解に伴い、水素成分に富む軽質油成分が早期に生成する。この軽質油成分およびガスは、加熱井の間に設置された従来型の石油生産井を通じて生産する。この方法では、地下の有機炭素資源の65~70%が回収される。生産物は、通常の原油よりはるかに軽質であるとされる。生産物は、従来の原油より軽い最終製品まで精製することができるとされており、その品質は、加熱時間と温度により制御可能とのことである。後述の特許でも述べられていることであるが、この手法はロックエバル分析装置におけるケロジェン吸着炭化水素「S1」成分を主に回収するものである、と理解すれば、石油探鉱技術者には理解しやすいと思われる。 同社は、地下加熱する場合に障害となる地下水を当該プロセスから隔離し、また環境汚染を引き起こす可能性のある副生物を地下水の流れから遠ざけるために、地下水を地下氷障壁(subsurface barrier:図6の「インシチュー・レトルト」)で分離することを提案している。同社の試験結果では、実際に、凍結した壁が加熱領域から汚染物質が漏れ出ることを防いだという。 インシチュー法について、シェルは一連の特許を取得し、さらに出願を続けている。例えば米国特許公開公報20030080604(出願日:2002年4月24日)については、公開されたその文書を見ると総ページ数697ページ、請求項の数がなんと7441もある。この特許が有効となった場合、インシチュー法によるオイルシェールからの石油生産は、シェル社の許諾がなければいかなる場合も実施できない恐れがある。 筆者は、2007年2月にNRAを訪問し、E&P部門のスタッフと面談する機会を得た。当方より、米国ではインシチュー法の風力発電によって地下に送り込む電力を得るアイデアをシェルは持っているがヨルダンでは如何に、と質問した。シェルの計画では、必要電力は600万kWと算定されており、現在のヨルダン全体の電力需要が200万kW程度であることから、風力発電でまかなわれるような範囲ではないとのことであった。このように、インシチュー法によるオイルシェールからの「原油」生産は、極めて大規模プロジェクトになることが予想される。 図7に示したように、シェルは2007年1月に発表した「Technology Report 2007」で、インシチュー法によるオイルシェール開発を主要27項目の研究テーマのひとつとして重要視している。 早期にオイルシェールからの「原油」の生産を実現したいNRAであるが、シェルの反応は芳しくない。現在、商業生産に移行すべく両者で協議中であるが、シェルは条件が整ったとしても商業的な生産開始は2022~2025年ごろだとしている*3。 油価が高止まりしている現状において、シェルのインシチュー法はさておいても、すでに技術的に成熟しているマイニング・乾留法を用いたプロジェクトについては、そのオイルシェー.ヨルダンのオイルシェール開発の今後の展望 4*3 International Oil Daily 2007/7/11Global Disclaimer(免責事項)本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)中東事務所が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。-8-mart FieldsRtechnology AthabascaSeismicimagingElectromagnetic imagingSnake wellsEnhanced oil recoverySwellableelastomersCO2 corrosion inhibitorsNonstopInnovationMeeting ChallengesLNGRefinery equipmentCatalystsStyrene monomer/ propylene oxideCoal gasificationTight gasDeep waterGTL FuelV-PowerRdieselOffshore windBiofuelsEthanolOil shaleSurplus sulphurExploringNew HorizonsEco-MarathonCarbon capture and sequestrationDraugenCIS technologyMonotowers図6 シェルの技術開発戦略出所:Shell Technology Reportル採掘(マイニング)条件がフィージブルと判断された場合には、一挙にプロジェクト化が加速される可能性がある。【参考文献】(順不同)   帰ってきたオイルシェール ~一世紀にわたる技術開発に飛躍の芽~ JOGMEC石油・天然ガスレビュー 2006年7月号(Vol.40, No.4)http://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/0/675/200607_001a.pdfOil Shale Resources Development In Jordanhttp://www.nra.gov.jo/oilshale/Updated%20Hamarneh%20Report%202006.pdfOil Shalehttp://www.nra.gov.jo/minerals/Oil%20Shale.pdfNRAアニュアルレポート(NRAホームページ)http://www.nra.gov.jo/Ministry of Energy and Mineral Resourcesホームページ http://www.memr.gov.jo/MEES 2006/6/19、2006/9/18、2006/11/13、2007/3/5International Oil Daily 2007/7/11Arab Oil and Gas Directly 2007年版Shell Technology Reporthttp://www.shell.com/home/content/technology-en/technology_report/shell_technology_repoGlobal Disclaimer(免責事項)本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)中東事務所が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。-9-t_12012007.html同プレゼン資料http://www.shell.com/static/technology-en/downloads/news_and_library/webcasts/technology_webcast_18012007_slides.pdfIn-situ法に係るシェルの一連の特許:米国特許7051811、7055600、7077198In-situ法に係るシェルの特許出願公報:20030080604Qian, J, 2003 Oil shale of the world-2002. A paper presented in the Oil shale symposium in Estonia 2002.Nuclear Power for the Transport Sector, Charles W. Forsberghttp://www.inspi.ufl.edu/icapp06/highlights/pdf/forsberg.pdfPEC海外石油情報(ミニレポート)平成17年3月30日「米国のオイルシェール開発事情」http://www.pecj.or.jp/japanese/division/division07/pdf/2004/2004041.pdfPEC海外石油情報(ミニレポート)平成18年2月22日「米国のオイルシェール開発事情」http://www.pecj.or.jp/japanese/division/division07/pdf/2005/2005031.pdfこの記事はpdfファイルで提供させていただいております。図面は拡大印刷しても解像度がおちませんので、必要図面は適宜拡大プリントアウトしてお使いください。2007年4月より、JOGMEC中東事務所の管轄エリアに東アフリカが加わりました。Global Disclaimer(免責事項)本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)中東事務所が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。-10-
地域1 中東
国1 ヨルダン
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
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国6
地域7
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国8
地域9
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国10
国・地域 中東,ヨルダン
2007/09/18 石田 聖
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