ページ番号1003700 更新日 平成30年3月5日

パプアニューギニア: 着実に進展する新規LNG案件(InterOil、ExxonMobil)

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レポートID 1003700
作成日 2007-10-18 01:00:00 +0900
更新日 2018-03-05 19:32:42 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 天然ガス・LNG
著者
著者直接入力 坂本 茂樹
年度 2007
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2007/010/17 石油・天然ガス調査グループ:坂本茂樹 (各社情報・HP(InterOil、Oil Search)、Platts、IOD) プアニューギニア: 着実に進展する新規LNG案件(InterOil、ExxonMobil) パ パプアニューギニア(以下、「PNG」)の2件のLNG案件(InterOilおよびExxonMobilグループ)が具体化しつつある。 PNGを事業基盤とする新興石油企業InterOilは、2006年に発見したElk/ Antelopeガス田評価作業を実施しつつ、パートナー企業とともにLNG事業化計画を進めている。ExxonMobilグループ(以下、EMグループ)は、2007年2月に豪州向けパイプライン(以下、PL)ガス輸出検討を中止した後に、2007年末を期限としてLNGプレFEED(事前事業化)スタディーを開始した。従来のガス事業検討パートナーは順次LNGスタディー参加を表明し、スタディーは計画に沿って進展している。 アジア太平洋地域のLNG供給は不透明感が強い。日本への最大LNG輸出国であるインドネシアは、ガス供給力低迷により、2009~10年の契約更新期以降のLNG輸出の見通しが立っていない。アジア市場へのLNG主要供給国である豪州の新規事業は、Woodsideが7月末にPluto事業の最終投資決定を決めたが、Pluto、ChevronのGorgonを含む主要案件は大幅コストアップを余儀なくされて事業採算が悪化していると見られ、生産開始時期が先送りされる傾向にある。 一方、アジア太平洋地域のLNG需要は、価格高騰から新規市場(中国、インド、米国西岸)に需要伸び悩み傾向があったものの、基本的には堅調に推移するとみられる。このような状況下でLNG需給の逼迫期間は2010年を超え、2015年頃まで続くとの見方が有力となっている。 東アジアのLNG需要家には新規LNG供給者に対する関心が高まっている。PNGのLNG事業者もこの関心・期待を強く意識していることが感じられる。InterOilグループ、EMグループともに、今後日本でのマーケティングを本格化していくものとみられる。 . InterOilのLNG事業化検討 (Elk/ Antelopeガス田、PPL238鉱区) InterOilはElk/ Antelopeガス田(2006年発見)評価作業を継続すると同時に、意欲的にLNG事業化検討を進めている。InterOilのLNG事業の特徴は、その機動力と決断の早さにあると言える。 (1) LNG事業化検討の進捗 1LNG事業中流分野(パイプライン建設、液化事業)は、InterOil、メリルリンチ、Pacific LNG(スイスClarion Finanz子会社)の3社が1/3ずつの権益を持つLiquid Niugini Gas社(PNGに登記)によって実施される。1997年に主に米国出身の石油産業人によって設立されたInterOilにはLNG事業のGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - o験や固有のノウハウの蓄積は無いが、同社グループLNG事業は豪州Woodside社から転籍したLNG専門家によって指揮されている。 主要な事業項目の進捗状況は、次の通りである: ・ 液化基地建設サイト: 首都ポートモレスビー湾内、市街地対岸にあるInterOilのNapa Napa製油所に隣接して建設する(操業上のシナジー効果を得るために製油所に隣接して建設、用地はPNG政府から99年リースで借り受け、図1参照)。 ・ 液化設備能力: ・ パイプライン: 900万トン/年(2トレーン、1年程度の間隔をおいて順次建設する) Elk/ Antelopeガス田からポートモレスビーの液化基地向けに口径36インチのPLを建設する。PLはガス田から約80kmで海岸に至り、液化基地まで海底PLとなる。 ・ 中流分野投資額: 50~70億米ドル 図1 InterOilのLNG施設位置(Elk/Antelopeガス田、ポートモレスビー製油所、JOGMEC作成) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 2 - InterOilは迅速なLNG事業化実現を目指しており、スケジュールは次の通りである: FEED開始 最終投資決定 契約の財務条件確定 設備建設開始 LNG生産開始 2008年3月 2009年初 2009年中旬 2009年 2012年 将来的には、日本など東アジアのLNG買主が事業参加することも視野に入れていると言われる。 InterOil社Napa Napa製油所に隣接する液化基地模式図(ポートモレスビーの湾内) 図2 2) Elk/ Antelopeガス田の作業状況とガス埋蔵量 InterOilは、2007年8月に評価井Elk2の掘削を終了、9月に併せて実施していた地震探鉱作業を完了して、評価作業を継続している。Elk/ Antelopeガス田のガス層が当初の想定に比べて厚いことが (Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 3 - (出所)InterOil.社ホームページ(2007年8月 事業説明資料) サ明している様子である。ガス性状は、液分(C3、C4)含有量が高く、LNG事業化した際に、LPG販売による事業採算の良化を期待できる。 ガス田評価作業継続中のため埋蔵量はまだ確定していないが、InterOilは2007年10月初旬にガス田の推定埋蔵量を3~15Tcfから3.5~18.9 Tcfへと上方修正した。 (3) LNGのマーケティング 液化部門の事業会社Liquid Niugini Gas社の株主であるメリルリンチ社(世界第三位の投資銀行、ファイナンスに強み)がLNGのマーケティングを担当する。同社は欧米ガス市場において、先物で57 bcf/d 、現物で8 bcf/d(=LNG換算6,000万トン/年)のガス取引を行うトレーダーであり、LNG事業の知見も有する。 グループが目標とするLNG市場は東アジアであり、特に日本、韓国などの高カロリーLNGを好む伝統的市場を主要目標としている。また一方で、米国センプラ社と協議するなどして、米国西海岸(メキシコ・コスタアズル基地軽油)、米国メキシコ湾岸LNG基地への販売も検討している。 4) InterOilグループLNG事業の特徴と強み・弱み InterOilグループは、上流資産のElk/ Antelopeガス田に相対的な優位性がある。同ガス田は、山がちなハイランド地方にある既存油ガス田(Kutubu、Hides等)と異なって海岸に近い場所に位置するため、ガス田開発、PL等施設建設が相対的に容易でかつ安価である。ガス性状も十分な液分を含むなど良好である。 (環境問題、労働者対策に関しては、さまざまな規制の厳しい豪州と比較して、相対的に融通の利く事業環境にある(第3章参照)。 InterOilの経営上の強みは、新興企業ゆえの身軽さからくる決断の速さと機動力である。一方の現EMグループが10年来ガス資産事業化を検討するもまだ実現していないことと比べると(以前のオペレーターはChevron)、InterOilの機動性には目を見張る。新進気鋭の経営陣に率いられたInterOilは、WoodsideのPluto事業に匹敵する短期間のLNG事業実現を目指している。同社のLNG事業経験は無いものの、LNG事業を率いるのはWoodsideから転じたNWS事業経験を有するLNG専門家である。資金調達の観点からは、メリルリンチ、Pacific LNGと組むという用意周到さを見せている。マーケティングを担当するメリルリンチは、LNG事業経験こそ無いが、欧州ガス・トレーダーとしてLNGを含むガス取引に習熟している。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 4 - nterOilグループLNG案件の最大の弱点は、現時点でガス埋蔵量が確定していないことであり、早期の埋蔵量確定が望まれる。InterOil社自身の弱みは、他のLNGプレーヤーと比べてあまりにも小規模な企業体制と経験の無さである。しかし規模・人材・資金力などの弱点は、適切な人材の外部からの調達、適切な他企業とのコンソーシアム結成によって補うことが十分可能とも考えられる。 . ExxonMobilコンソーシアムのLNG事業化検討 (1) LNG事業化検討の進捗(ExxonMobil主導のプレFEEDスタディー) ExxonMobilは2007年2月に豪州向けPLガス輸出検討を中止することを明らかにした後、LNG事業化のプレFEEDスタディー実施を表明した(パートナー間のCost Sharing Agreementに規定)。2007年4月にSantosとOil Searchが、7月にはAGLがプレFEEDスタディーへの参加を決め、9月時点のパートナーおよび参加権益シェアは次の通りである: 2 EMグループはプレFEEDスタディー期間を2007年末としている。640万トン/年の液化設備を建設するためのガス埋蔵量はほぼ確認済と見られ、次期フェーズ(FEED)に進む可能性が高い。液化基地サイト候補は2カ所に絞り込んでいるが(ポートモレスビー近郊、および同市北西約100kmの海岸)、まだ決定していない(図3参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 5 - ExxonMobil(オペレーター) Santos Oil Search AGL 日本パプアニューギニア石油 MRDC(PNG政府系) 計 合 42.5% 13.8% 36.6% 3.3% 2.7% 1.1% 100% (出所)Oil Searchホームページ(2007年9月”Good Oil Conference”説明資料) プレFEEDスタディー期限の2007年末を目指し、パートナー間の油ガス田ユニタイゼーション交渉、対PNG政府との財務条件交渉等は徐々に進展しているものと見られる。EMグループが事業対象とする個々の油ガス田は、パートナーの権益構成が複雑であるが、パートナーはもともと豪州向けPLガス輸出プロジェクトを共に検討した基盤を共有しているため、ユニタイゼーションの合意は可能とみられる。 プレFEEDスタディー終了に伴って2007年末~2008年初にFEED作業に入り、2009年に最終投資決定を行って、2013年のLNG生産開始を目標にしている。 投資額は90~100億米ドルを見込んでいる(ガス田開発、PL建設、液化設備建設)。 2) 使用するガス田とガス埋蔵量 EMグループがLNG事業の対象とするガス田を特定していない。しかし使用する主要なガス資産は、 (Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 6 - 図3 EMグループのLNG事業位置図(ガス田、液化基地サイト) nイランド地方でEM社が操業するHides(5.3Tcf)およびJuhaガス田(1.2Tcf))とOil Search社がオペレーターを勤めるクツブ等既存油田の随伴ガスである。さらに、現在探鉱作業実施中の南方Forelandでガス発見があった場合にそのガス資産、および南東部で原油生産中のGobeエリアの随伴ガスを利用する可能性がある。つまり、PNGで既存油ガス田権益を持つ企業の多くがパートナーであるため、既存鉱区のガス資産の多くを事業対象としている。 既発見ガス資産の性状は、不純物含有量が少なく良質で、適度な液分を含むためLPG販売による事業採算良化も期待できる。 図4 油ガス田の位置図 (Oil Search HP,2007年9月”Good Oil Conference”説明資料) しかし、山岳地域であるハイランド地方の油ガス田開発はコストが高い。最近コストアップが話題になっている豪州沖合LNG事業と同程度の高いコストがかかるものと考えられる。個々の油ガス田への資機材持込をすべてヘリコプターに頼らざるをえない。油ガス田間の地勢が接続していないため、ガス田をGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 7 - qぐためのPLを大きく迂回せざるを得ない。またPLが海岸に達するまでに、高低差の大きい高地、沼地地帯を通るなど、難しい地形での建設作業が求められる。PNGのPL建設では、陸上PLが沖合PLに比べてコストがかかるのが特徴である。 (3) LNGのマーケティング ExxonMobilがグループを代表してLNGのマーケティングを実施する。同グループは、LNG販路獲得のためには2013~2015年の生産開始タイミングが重要と認識している。 4) EMグループLNG事業の特徴と強み・弱み 同グループは、1990年代半ばから10年以上をかけて対豪州向けPLガス輸出を検討してきた長い基盤がある(2001年までChevronがオペレーター)。Hides、Juha、Angoreガス田(オペレーター:ExxonMobil)、Kutubu等生産油田の随伴ガス(オペレーター:Oil Search)を主体として、LNG事業 (実施に要するガス埋蔵量を確認済である。ガス性状は良質で、適度な液分を含むため事業採算に貢献する。ExxonMobilは対外的にも、本LNG事業に対する自信を明言している。 本LNG事業の弱みは、第一に、PNGハイランド地方の地形に因る開発作業とPL等施設建設の難しさおよび高コストである(前項参照)。次に、企業背景が異なる複数のパートナーから成るグループの機動力発揮の難しさがある。各油ガス田の権益シェア構成が複雑に入り組み、ユニタイゼーション交渉では難しい局面もありうる。重要な局面においてコンソーシアムとしての決断の慎重さ、遅さも考えられる。豪州向けPLガス輸出検討は、10年以上の長期検討期間を経て、結局実現しなかった。その最終局面では、パートナーが個々に離脱する脆さを露呈した。油ガス田毎にガス性状が異なることも懸念される。 InterOilガス資産の単純さ(Elk/ Antelopeガス田のみ)とその事業判断の迅速さと比較すると、好対照を成している。 . PNG政府のLNG事業に対する姿勢 PNG政府は、LNG事業計画に協力的だと言われる。PNGではめぼしい新規油田発見が無いために原油生産量が漸減している(2006年の生産量:約5万b/d)。自国内にLNG事業事業が成立すれば、原油収入に代替する多額の税収を期待できる。 3PNGでは石油ガス上流分野の法令により、PNG政府は開発移行が決まった油ガス田に最大25%の権益を取得して事業参加できる。InterOilは、LNG事業への政府参加を要請する意向であるが、中流Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 8 - ェ野の政府参加に関する規定が無いために、その参加権益は双方の交渉によって決められる。 PNGにはめぼしいガス需要がなく、まだガス産業が育っていない。既存のガス生産は、ハイランド地方の鉱山向けの発電用需要としてHidesガス田が少量のガスを生産しているのみである(15MMcfd)。火力発電の主要燃料は石油系である。政府は海外機関(世界銀行、各国の政府系支援組織など)の支援も得て、LNG、化学産業を含むガス利用方法を検討中であるが、まだLNG以外には具体化していない。現時点で、ガスの国内供給義務に係わる規定は無い。しかしPNG政府は、国民の福利に供する国産エネルギー利用を検討するとしていることから、将来は何らかの国内供給義務が課せられる可能性がある。 PNGの石油エネルギー省は小規模な組織であって、石油、ガスの専門化が少ない。従って、今後LNG事業に係わる対政府交渉が具体化する際に、政府の審査能力、許認可等政府承認の実行力・迅速性において若干問題が発生する可能性がある。 なおPNG政府は、LNG事業を含む石油ガス産業への関与を機動的に行うために、2007年7月に国営石油会社(Petromin)の設立を決めた。しかし設立間もないPetromin は、まだ実質的な活動を開始していない様子である。 . PNGのLNG事業の特徴 (1) PNGのガス資源 PNGの確認ガス埋蔵量は15Tcfであって(BP統計2007年)、アジア太平洋地域の主要LNG輸出国である豪州、インドネシア、マレーシアの約90 Tcfと比べると大きな差異がある。しかし、アジアの主要 4ガス生産国であるバングラデシュ、ミャンマーと比べると遜色なく、タイ、ブルネイよりも多い。これまでPNGにめぼしいガス産業が無かったためにガス探鉱が推進されてこなかったことを考えると、現在2つのLNG事業グループが実施している探鉱、ガス田評価作業の完了後には、ガス埋蔵量が上方修正される可能性が高い。また既に探鉱密度が高い東南アジア産油国と比較すると、探鉱密度の粗いPNGは将来ガス埋蔵量が増加するポテンシャルが大きいと考えられる。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 9 - 図5 アジア太平洋地域のガス埋蔵量:全体で523 Tcf (2006年末、BP統計2007年6月) アジア太平洋のガス埋蔵量(2006年末、BP統計)その他2%インドネシア17%バングラデシュ3%ブルネイ2%PNG3%ベトナム3%タイ2%ミャンマー4%パキスタン5%インド7%中国17%インドネシア豪州マレーシア中国インドパキスタンミャンマーバングラデシュPNGベトナムブルネイタイその他豪州18%マレーシア17% 2) 豪州等近隣LNG輸出国との比較 PNGの主要産業は鉱業(金、原油)、農業(コーヒー、パーム油)であって雇用創出力のある産業は無い。経済は発展の初期段階にあり、経済体制、雇用に関連する各種規制は総じて緩い。 PNGのLNG事業環境を、同国との繋がりの深い豪州と比べると、次のような特徴がある。 (・ しばしばサイクロンに見舞われて現場作業中断が発生する西豪州と異なり、パプア湾のポートモレスビーにはサイクロンがないため、液化基地サイトの気象条件が有利。 ・ 西豪州LNG事業にコストアップをもたらしている環境保護対策が、PNGでは問題化していない。 ・ 豪州のように強い労働組合に守られた堅固な労働者保護政策とそれに派生する労働力流入規制がない。東南アジア一帯から良質の熟練労働者移入が可能であり、人材不足に因るコストアップを制御できる。 ・ 日本など東アジア市場に近いため、LNGの輸送コスト面で有利。 ・ (Hidesガス田の限定的な需要を別にして)PNGにはガス産業、ガス需要がないために、現時点では、ガスの地元供給義務がない。 このように、規制が緩く労働力移入も可能であるため、PNGのLNG事業は比較的コスト管理が容易とGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 10 - lえられる。また、PNGには国内のガス需要、ガス産業基盤がほとんど無いために、インドネシアにみられるような国内市場向けガス供給に係わるしがらみや資源ナショナリズム的な動きが発生していない。 しかし、今後ガス産業を含む産業化の進展により、ガスの国内供給義務を含むさまざまな規制が導入される可能性がある。 また、LNG事業が今後、現代産業社会に程遠いPNG国民社会にどのような影響をもたらすのかを注視する必要がある。当局が産業政策を誤ってLNG事業収入が不適切に使用された場合、アフリカの一部産油国に見られるような社会混乱が発生する可能性も否定できない。この点はPNG政府の政策に対する期待にあわせて、現在PNGに支援を行っている世界銀行など国際組織や各国政府系の支援機関に期待するところが大である。 5. 世界LNG需給に占めるPNGの新規LNG案件の位置 世界LNG需給は、引き続き、将来予測の難しい状況が続いている。 アジア市場へのLNG主要供給国の一つである豪州の新規事業では、Woodsideが7月末にPluto事業の最終投資決定を決めた。しかし、PlutoやChevronのGorgonを含む主要LNG事業は、資機材値上がり、人材不足に拠る人件費上昇、環境保護対策等によって大幅コストアップを余儀なくされて事業採算が悪化していると見られ、生産開始時期も先送りされる傾向にある。インドネシアでは、Chevronが東カリマンタン沖合深海鉱区ガス田開発に着手する計画を表明しているが、政府が描くガスの国内市場向け優先策に基づくガス需給では、依然として将来のLNG輸出可能量の見通しが立っていない。 一方、LNG需要は価格高騰から2005~06年にかけて新規市場(中国、インド、米国西岸)に需要伸び悩み傾向があったものの、基本的には堅調に推移するとみられる。新規市場においても、インドでは2006年5月に初めて高値のLNGスポット・カーゴが購入され、中国でも2007年5月に初めてスポット・カーゴが購入されて以後、継続的にスポット・カーゴの取引が行われている。インド、中国はともに石炭を主要エネルギー源としているが、、都市部および主要産業集積地のような購買力のある地域では、都市ガスまたは発電用として、高額であっても徐々にガス需要が増えているものと考えられる。中国では、主に石炭多消費による大気汚染対策が、従来に増して深刻に論じられるようになってきている。2007年8月末~9月初に相次いで報道されたPetroChinaのシェル、Woodsideからの豪州産LNG購入に係わる覚書き締結は、中国政府のガス数量確保政策に基づくものと見られる。覚書きの内容は、「液化事業が最終投資決定されることを条件」とする緩い取り決めであるが、中国企業が国際市場価格でLNG売買契約を締結する予兆として注目される。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 11 - アのような状況下で、従来は2010年頃まで逼迫するものと見られていたLNG需給は、2010年を超えて2015年頃まで逼迫状況が続くとの見方が有力となってきた。東アジアLNG需要家の中で、豪州LNG新規案件の他に、新規LNG案件を抱える新輸出国の動向に注目が注がれている。2006年に事業化動向が注目されたミャンマーのShweガス田は、中国向けパイプラインガス事業となる公算が強まった。現在、最も新LNG輸出国となる可能性の高い国はPNGである。InterOilおよびExxonMobilグループが計画するLNG2案件が計画どおりに2012~13年に順次LNG生産を開始すると仮定すると、アジア市場にLNGを供給するアジア太平洋および中東の液化事業設備能力は、図6のように推移する。 図6 アジア太平洋・中東の液化事業設備計画 万トン/年アジア太平洋・中東の液化事業設備計画25,00020,00015,00010,0005,00002006200720082009201020112012201320142015オマーンイエメンアブダビカタールロシアPNG豪州ブルネイマレーシアインドネシア PNGのLNG設備能力は約1,500万トン/年(≒InterOil 900+EMグループ640万トン/年)となり、東アジア向けLNG供給国の中で一躍存在力を増す。アジア太平洋地域のLNG輸出国の中では豪州、インドネシア、マレーシアに次ぎ、カタール以外の中東LNG輸出国の規模を上回る。 InterOilおよびExxonMobil両グループともに既に東アジア市場でのマーケティングを開始しており、 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 12 - (出所)各種情報・報道からJOGMEC作成 。後日本での活動が本格化する。両グループともに市場の期待を強く意識しており、自信を持ってマーケティングに取り組む姿勢である。2件のPNGのLNG案件には、まだ埋蔵量の確認を含めていくつかの課題が残るものの、将来のアジア市場向け有力LNG供給候補として今後の動向が注目される。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 13 -
地域1 大洋州
国1 パプアニューギニア
地域2 大洋州
国2 オーストラリア
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 大洋州,パプアニューギニア大洋州,オーストラリア
2007/10/18 坂本 茂樹
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