ページ番号1003704 更新日 平成30年2月16日

原油市場他: 1バレル当たり90ドルを突破、高騰する原油価格

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レポートID 1003704
作成日 2007-11-19 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 市場
著者 野神 隆之
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年度 2007
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ <作成日:2007/11/18> <調査部:野神 隆之> (IEA、OPEC、米国DOE/EIA他) ① 米国では、原油先物市場における期近物の割高感、メキシコからの原油輸入の低迷などから、原油在庫が減少したものの、依然として平年並みの水準となっている。一方ガソリン在庫は精製マージン低下で生産が低迷した結果、在庫が平年を下回っている。平年並みである留出油在庫と併せ、原油と主要石油製品を合計した在庫は平年並みとなっている。OECD原油及び石油製品在庫も平年並みとなっている。 ② 2007年10月中旬から11月中旬にかけては、需給逼迫懸念や地政学的要因、そして米ドルの下落を背景に1バレル90ドル(WTI)を越え、11月7日朝の通常取引時間外での取引では98ドル台に到達する場面もあった。 ③ 2007年10月には、8月末のOECD石油在庫日数が過去5年平均を下回ったとの発表から、供給不足を懸念して市場が神経質になったが、IEAが11月に2007年第四四半期の世界石油需要を大幅下方修正したことから、現在では在庫日数は8月末時点では過去5年平均を上回る水準に、9月末についてはほぼ同等の水準となっている。 ④ 2007年第四四半期の世界石油需要は、今後の北半球の冬場の気温や米国等の経済状況によって左右されることになろうが、2008年についてはIEAでは依然前年比で大幅に増大していくと予想されており、原油価格高騰や世界経済減速の可能性等を考慮すると、今後下方修正される場面もありうるものと考えられる。 油市場他: 1バレル当たり90ドルを突破、高騰する原油価格 原 . 原油市場等を巡るファンダメンタルズ等 1米国では引き続き製油所でのメンテナンス等もあって稼働率は低迷を続けていたが、10月は平年と比較すれば著しく低いという状況ではなかった(図1参照)。しかしながら、原油価格高騰の石油製品価格への転嫁が思うように進んでいないことから精製マージンが低迷を続けており(図2参照)、11月に入ってからの製油所の稼働率回復ペースは鈍く、平年を割り込む状況となっている。またこのように精製マージンが低迷していることや原油先物市場においても期近物に割高感があることから、必要以上の在庫を積み増さない行動を精製業者がとりがちになっていること、さらには荒天に伴いメキシコから米国メキシコ湾地域への原油輸出に支障が生じたことから、原油在庫は10月中~下旬にかけて減少(特に米国メキシコ湾地域は10月12日及び19日の週に600万バレル強減少している)、現在この時期としては平年並みの水準となっている(図3参照)。 - 1 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 }1 米国精製稼働率の推移%100959085801234567891011122002-2006実績2002-2006実績(2005年ハリケーン発生に伴う低下分除く)2007出所:米国エネルギー省 ドル/バレル図2 精製マージン*の推移3020100-10123456789101112*:原油価格3、ガソリン価格2、暖房油価格1の割合による推定マージンを計算20062007出所:米国エネルギー省データ等をもとに作成図3 米国原油在庫推移(2003~7年)百万バレル37035033031029027025012345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111997-2002実績幅2003-7出所:米国エネルギー省 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 2 - 齦罇サ油所メンテナンスによる稼働率低下に加え、ガソリンの精製マージンは留出油に比べて早く低下したと見られることから、ガソリンの生産が回復せず、それに伴い在庫も低迷、11月に入ってからは再び平年幅を下回る状況となっている(図4参照、但し欧米間のガソリン価格差が増大していることから、今後ガソリン輸入が増大することも考えられる)。留出油については現在においても平年並みの在庫水準となっている(図5参照)が、11月に入ってからはガソリン同様精製マージンが低迷しており、今後一時的にせよ製油所における生産が低迷、在庫が減少することもありうる。もっともガソリンや留出油の一種である軽油の小売価格は上昇傾向となっており(図6参照)、精製マージンが回復に向かうとも考えられることから、在庫の減少は一時的なものとなる可能性もある。なお、このような状況でも、原油とガソリン、及び原油、ガソリン、そして留出油を合計した在庫は依然として平年並みとなっており(図7、8参照)、全体として石油需給が逼迫していることを示してはいない。 図4 米国ガソリン在庫推移(2003~7年)百万バレル24022020018012345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111997-2002実績幅2003-7出所:米国エネルギー省百万バレル図5 米国留出油在庫推移(2003~7年)1601401201008012345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111997-2002実績幅2003-7出所:米国エネルギー省 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 3 - }8 米国石油製品小売価格の推移(2007年)セント/ガロン3503002502001234567891011ガソリン軽油出所:米国エネルギー省 米国の石油需要であるが、10月までの速報値及び確定値を見る限りガソリン及び石油全体において引き続き低迷の傾向が示されている(図9、10参照)。一方11月の速報値においては、ガソリンについては前同期比0.6~0.8%の伸びを示しているが、米国経済成長鈍化が懸念されている状況下において、このような伸びが持続可能であるかどうか注視していく必要があろう(図11参照)。また、石油全体については、前年同期比マイナスとなっている(図12参照)。 図9 米国ガソリン需要の伸び(2006~7年)%4321012345678910111212345678910速報値確定値※2007年9~10月の確定値は未発表出所:米国エネルギー省 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 4 - }10米国石油需要の伸び(2006~7年)%6420-2-412345678910111212345678910速報値確定値※2007年9~10月の確定値は未発表出所:米国エネルギー省図11 2007年米国ガソリン需要伸び率の推移(前年同期比、4週平均)6/16/156/297/137/278/108/249/79/2110/510/1911/2出所:米国エネルギー省図12 2007年米国石油需要伸び率の推移(前年同期比、4週平均)%1.510.50-0.5%3210-16/16/156/297/137/278/108/249/79/2110/510/1911/2出所:米国エネルギー省- 5 - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 シ方欧州においては、北海を中心に夏場に大規模な油田メンテナンスを実施したことから、原油供給が一時的に低迷、その結果同地域における原油在庫が減少した。米国での原油在庫減少と併せ、これによりOECD諸国の原油在庫は減少しているが、それでも依然として平年幅の上方に位置している(図13参照)。一方ガスオイル(暖房油)に係る仕様変更(2008年1月1日より硫黄分が現行の0.2%から0.1%へと引き下げられる)に伴う大規模製油所メンテナンスにより、欧州への軽油等中間流分の供給が減少した。このようなこともあり、OECD諸国の石油製品の在庫も減少したが、それでもこちらも平年並みとなっている(図14参照)。従って原油と石油製品を合わせた石油全体の在庫は平年並みとなっており(図15参照)、2006年同時期の記録的に高い水準からは低下しているが、平年を割り込んで逼迫しているという状況でもない。 図13 OECD原油在庫推移(2005~7年)億バレル10.510.09.59.08.58.0123456789101112123456789101112123456789101995-20042005-7出所:IEAデータ他より推定図14 OECD石油製品在庫の推移(2005~7年)億バレル1615141312123456789101112123456789101112123456789101995-20042005-7出所:IEAデータ他より推定 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 6 - }15 OECD在庫(原油+石油製品)の推移(2005~7年)億バレル26252423222120123456789101112123456789101112123456789101995-20042005-7出所:IEAデータ他より推定 原油価格は高騰している(後述)ものの、一方投機筋(石油非当業者、最終的には原油を引き取らない業者)は一時的には原油先物を購入すべく活発に市場に参入してきた時もあるが、常時活発であったかというと必ずしもそうとは言えない(図16参照)。従って投機筋でない業者(石油当業者、最終的には石油を引き取ることもある業者であり、一部投資銀行は関係会社に製油所等を保有していることからこちらに分類されると伝えられる)による活動が、最近の原油価格高騰に影響しているものと考えられる。 百万バレル図16 NYMEX原油市場における投機筋の動き(2006~7年)2007年10月中旬から11月中旬にかけては、需給逼迫懸念や地政学的要因、そして米ドルの下落を背景に1バレル90ドル超(WTI)へと上昇、一時は98ドル台に到達する場面もあった。(図17参照)。 891011121234567891011出所:米国CFTC . 2007年10月中旬から11月中旬にかけての原油市場等の状況 2Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 7 - 140120100806040200-20-40}17 原油価格の推移(2003~7年)ドル/バレル10090807060504030201234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234567891011WTIBrentDubai 10月15日には、トルコ政府が、イラク北部を本拠地とし、しばしばトルコでゲリラ活動を行っていたクルド労働者党(PKK)に対して、トルコ軍をPKK攻撃のためイラク北部に越境して派遣する権利を首相に付与することを議会に申請、さらには10月17日には同国議会が圧倒的多数で申請を可決したことから、両者の緊張が高まるとともに、イラク北部からの石油輸送が攻撃等で破壊され、その結果同国からの輸出が影響を受けるかもしれないことに加え、中東情勢が不安定化するかもしれない、といったことにより市場関係者の不安が増大したことで、原油価格は10月12日の1バレル当たり82~84ドル台から上昇を続け、17日には1バレル当たり89.00ドルへと到達する場面も見られた。もっとも17日に発表された米国石油統計で、原油在庫が市場の事前予想(80~110万バレルの増大)を上回る、178万バレルの増大となっていた旨判明したことが原油価格に下方圧力を加えたことから、同日は原油価格が乱高下し、終値では1バレル当たり87.40ドルとなった。そして10月18日には、米ドルが対ユーロに対して記録的に安くなったことから、原油をはじめとする商品市場へ投資家による資金が流入、終値でも1バレル当たり89ドル台となった他、同日通常取引時間後の時間外取引では一時1バレル当たり90.02ドルと、史上初めて90ドルを突破した。また10月19日未明の時間外取引時間においても1バレル当たり90.07ドルとなったが、その後は利益確定による売りが出て下落、同日の通常取引での終値は1バレル当たり88ドル台となった。 10月22日には米ドルが反発したことや、11月渡しの原油先物取引が同日で期限となったことから、原油価格は下落した。また、10月23日には原油先物取引における期近物が12月渡しへと交代したが、翌24日に発表される予定の米国原油在庫が増大しているとの市場の予想で、引き続き原油価格は下落、1バレル当たり85ドル台となった(因みに12月渡しの10月22日の終値は86.02ドルであった)。しかしながら10月24日に発表された米国石油統計は、そのような市場の事前予想(原油在庫30~100万バレルの増大)を裏切り、529万バレルの大幅な減少となっていたと判明したことから反発、10月25日においてもこの流れを引き継いだ上、米国がイラン革命防衛軍の一部精鋭部隊をテロ支援組織に指定したり、同国国有銀行の資産凍結を行ったりする等の新たな制裁を発表したことや、OPECのバドリ(el-Badri)事務局長をはじめとする幹部からOPECは追加増産は検討していない旨の発言があったことから、原油価格Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 8 - ヘ上昇、1バレル当たり90.46ドルと終値ベース90ドルを突破し、10月26日には、米ドルがさらに下落し記録的な安値となったことや、ナイジェリアで伊石油会社ENIの操業するOkono Okpoho油田の生産施設(Mystras FPSO)が武装勢力MEND(ニジェール・デルタ解放運動: Movement for the Emancipation of the Niger Delta)の攻撃を受け、6名の従業員が誘拐されるとともに、日量5万バレルの生産が停止した(人質は10月30日に解放されたが、生産については現在のところ復旧したとの情報は入っておらず、原油販売について不可抗力条項適用が宣言されたままの状態にある模様である)ことから、原油価格の上昇は続き、同日の終値は1バレル当たり91.86ドルとなった。 10月29日においても、米ドルの下落が続いたことに加え、メキシコで荒天のため、石油生産日量60万バレルが停止したとの情報で、同国の原油を輸入している米国への原油輸入量が減少し、それが原油在庫の減少に繋がるとの見方が市場で出てきたこともあり、原油価格は引き続き上昇、1バレル当たり93.53ドルとなったが、10月30日には停止していたメキシコの油田が生産を再開させるとの情報に加え、原油先物市場の主要参加者と見られる投資銀行ゴールドマン・サックスが同社の顧客に向け、原油先物は利益確定の売り時である、との報告を行った旨明らかになったこと、そして翌31日に発表される米国石油統計で、原油在庫が増大しているであろう、という見方が出てきたことから、原油価格は急落、一時は1バレル当たり90ドルを割り込む場面も見られた(終値は1バレル当たり90.38ドル)。ところが果たして10月31日に発表された米国石油統計では、原油在庫が市場の事前予想(10~60万バレル程度の増大)に反し、389万バレルと前週に引き続き大幅な減少となっており、特にWTIの引渡し地点であるオクラホマ州のクッシング(Cushing)地区で310万バレルの減少になっていたと発表された他、前日より開催されていたFOMC(連邦公開市場委員会)で0.25%の利下げが決定されたこと、さらには米ドルが減価したといった各種要因で、原油価格は急騰、一時1バレル当たり94.70ドルを記録、終値でも前日比1バレル当たり4.15ドル高の1バレル当たり94.53ドルとなった他、通常取引時間終了後の時間外取引では、さらに上昇し、1バレル当たり96.24ドルを記録した。しかし11月1日には、米ドルの反発や米国での経済減速懸念が増大(同日商務省から発表された9月の消費者支出は、市場関係者の事前予想(0.4%増)を下回る0.3%であったことや、10月のISM製造業景況指数が50.9と市場の事前予想の51.5~51.8を下回っていた他、3月以来の低い水準にとどまっていた)したことから、原油価格は1バレル当たり93.49ドルへと下落したものの、11月2日には米国労働省から発表された10月非農業部門の雇用者数が市場の事前予想であった8万人の倍の16.6万人となっていたことや米ドルが再び下落したことから、原油価格は反発、終値ベースで1バレル当たり95.93ドルとなった。 11月4日には、クルド人武装勢力が、10月21日のトルコ・イラク国境付近で行われたトルコ・PKK交戦時に捕虜となったトルコ人兵士8人を解放したことを受け、トルコがイラク北部のクルド勢力を攻撃するとの懸念が緩和したことで、翌5日の原油価格は1バレル当たり93ドル台へと下落したものの、11月6Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 9 - 冾ノはノルウェー領北海において暴風雨に伴う高波でConocoPhillipsがEkofisk油・ガス田における16ヶ所のプラットフォームのうち最大5ヶ所で従業員を避難させ、生産を停止するかもしれないと発言したことに加え、BPがValhall油田(生産量日量8万バレル)の生産を停止するかもしれないとの観測が出てきたことや、イエメンでアデン(Aden)港から輸出するための原油を輸送するパイプラインが爆破され、日量15.5万バレルの輸送が停止した(ただ、アデン港のタンクに原油が貯蔵されていることから、輸出には即座には影響はない旨伝えられる)ことで供給懸念が増大したこと、アフガニスタンで自爆テロが発生したことや米ドルが下落さらに下落したこともあり、原油価格は一時1バレル当たり97.10ドルに達した他、終値でも1バレル当たり96.70ドルと史上最高値を更新するなど、上昇の勢いが増した。さらに11月7日朝の時間外取引では、1バレル当たり98.62ドルを記録するなど一層高騰したが、同日発表された米国石油在庫では、原油在庫が82万バレルの減少と市場の事前予想(90~160万バレルの減少)を下回っていたことに加え、利益確定の動きが出てきたことから、原油価格は一時1バレル当たり94ドル台にまで下落、その後終値は1バレル当たり96.37ドルとなるなど値動きの激しい展開となった。11月8日にはノルウェー領北海における暴風雨の接近によりBPのValhall油田の生産停止とConocoPhillipsのEkofisk油田の生産停止(停止した生産量は日量14万バレルとされる)の情報から、一時原油価格は1バレル当たり97.70ドルまで上昇する場面もあったが、米国連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ(Bernanke)議長が、米国経済は信用市場問題を抱えている他、成長とインフレの両面で問題に直面している旨の発言を行ったことで、米国経済成長減速とそれに伴う石油需要の伸びの減退に関する懸念が市場で発生したことが、原油価格に下方圧力を加えことで、1バレル当たり95ドル台へと下落した。11月9日には11月13日に取引期限を迎える12月渡し原油オプション取引において1バレル当たり100ドルで原油を調達する権利の購入量が増大していたことから、1バレル当たり100ドルに行くのではないか、との先入観が市場参加者の間で大きくなってきたこともあり、原油価格は1バレル当たり96ドル台へと上昇した。 しかしながら11月11日に、サウジアラビアのヌアイミ(Naimi)石油大臣が、原油価格沈静化のためにOPECが今後追加増産について協議するかもしれない旨発言したとの情報が流れたことや米ドルが上昇したこと、さらに11月13日には国際エネルギー機関(IEA: International Energy Agency)が同日発表したオイル・マーケット・レポート(OMR:Oil Market Report)において、原油価格上昇で世界石油需要が既に影響を受けているとして、当該需要を下方修正したことから、原油価格は11月12~13日にかけて終値ベースで1バレル当たり5ドル強下落し、一時は90ドル割れ寸前となった(11月13日の終値は91.17ドル)。11月14日には翌日発表される予定の米国石油統計(この週は11月12日が前日の「退役軍人の日」(Veteran’s Day)の振替休日となっていたため、発表は11月15日となっていた)において、原油在庫が減少しているであろう、との見通しが市場で出てきたことや、OPECのバドリ事務局長が「この時期においては、率直に言って、増産すべきだとは思わない。」旨の発言をしたことから、OPECが実際に増産すGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 10 - 驍ゥどうかについて市場で懐疑的な見方が出てきたことで、原油価格は前日比(終値ベース)1バレル当たり2.92ドル上昇し、94.09ドルとなったものの、果たして11月15日に発表された米国石油統計では、原油在庫は市場の事前予想(30~80万バレルの減少)とは反対に、281万バレル増大していたことから、原油価格は反落した。ただ、11月16日には、米ドルが再び下落したことと寒気が米国北東部に向かったため暖房油需要が増大するとの観測が出てきたこともあり、原油価格は上昇、1バレル当たり95.10ドルで通常取引を終えている。 . 今後の見通し 310月11日に発表されたIEA/OMRでは8月のOECD在庫日数が53.5日と過去5年平均の53.8日を下回ったことが明らかになり(図18参照)、需給逼迫懸念から石油市場を一層神経質にしてしまった。ただ、この在庫日数は月末の在庫量を翌3ヶ月の需要量で除すことにより算出されており、10月11日のOMRでは、2007年第三四半期まで低迷していたOECD諸国石油需要が第四四半期になると急回復すると予想されていたことから、8月の在庫日数計算を行う際にも、この第四四半期の堅調な需要量の影響を部分的にでも受けることになり、その結果在庫日数が低めに算出されている可能性があった。11月13日発表のOMRでは2007年第四四半期の世界石油需要が10月11日のそれよりも日量50万バレル下方修正された(図19参照)。これにより再度計算すると、2007年8月のOECD在庫日数は54.3日と過去5年平均である53.8日を上回っていることになる(なお2007年9月のOECD在庫日数は52.8日と、過去5年平均である52.9日とほぼ等しい水準となっている、図20参照)。IEAは2007年9~11月に第三四半期及び第四四半期の世界石油需要を、それぞれ日量78万バレル、日量90万バレル下方修正した。このような修正もあり、2007年6月には2007年全体の世界石油需要の伸びも前年比2.0%増(日量167万バレル増)であったものが、2007年11月には前年比1.2%(日量101万バレル増)へと下方修正されている。 今後の2007年第四四半期の世界石油需要、そして原油価格は、北半球を中心とする地域における冬場の気温にまず、左右されることになろう。IEAは「平年並み」の気候を前提として需要を算出しているとされるが、これが平年を上回る気温の場合には暖房油を中心とする石油需要は当初予想よりも減少するであろうし、平年を下回る気温の場合には当初予想よりも石油需要は増大することになる。従ってこのような冬場の気温ないしは気温予想により石油需要見通し、そして石油市場と原油価格が影響されることになるものと考えられる(因みに現在のところ米国海洋大気庁(NOAA:National Ocean and Atmospheric Administration)をはじめとする気象予報機関は、2007~8年の冬は平年よりも温暖であるとの予報を発表している)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 11 - }18 OECD石油在庫日数*の推移(2007年10月時点)日5856545250481234567891011122002-6幅20072002~6平均*:月末在庫量÷翌3ヶ月の石油需要出所:IEAデータをもとに作成図19 OECD石油需要の伸びの実績と見通し(前年同期比、2007年11月)需要の伸び低迷需要の伸び下方修正(対10月)1Q062Q063Q064Q061Q072Q073Q074Q071Q082Q083Q084Q08出所:IEAデータをもとに作成図20 OECD石油在庫日数*の推移(2007年11月時点)%2.52.01.51.00.50.0-0.5-1.0-1.5日5856545250481234567891011122002-6幅20072002~6平均*:月末在庫量÷翌3ヶ月の石油需要出所:IEAデータをもとに作成 さらに米国等の経済状況についても留意する必要があろう。2007年9月18日、及び10月30~31日のFOMCではそれぞれ0.5%、0.25%の利下げが行われ、それによって原油価格の上昇が見られたが、サブプライムローン問題はそれだけにとどまることなく、実体経済に影響を及ぼす可能性が出てきているGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 12 - 齦福ナ、インフレ懸念が増大しつつあるとの見方が出てきていることもあり、12月11日に開催を予定している次回FOMCでの決定については簡単に利下げに動けない可能性がある。従来から最近の急激な原油価格の上昇は石油需給によって支持されるものではない、との見方が市場関係者の間でかなり多かった他、前述の通り原油先物市場において発言力のあるとされる大手投資銀行がこの水準の原油価格においては顧客に対して売却を推奨するといったことも明らかにになっており、原油価格の下落リスクは高まっているものと考えられる。このため今後経済減速感が一層強まり、世界石油需要を低迷させるとの見方が市場で増大すると、原油価格が軟化に向かう、といった場面も予想される。この点については、今後発表される各種経済指標や米国金融当局者の発言等に注意する必要があろう。なお、欧米が経済的に減速し、石油需要の伸びが鈍化するとしても、中国では依然として高度な経済成長から石油需要は比較的堅調になるのではないか、という議論も見られるが、中国のGDPに占める輸出の割合は近年上昇してきている(図21参照)ことから、欧米の経済減速の中国経済、そして石油需要に対する影響が全くない、とは言い切れないものと思われる(但し時間を要する場合は考えられよう)。 図21 GDPに占める輸出の割合%4030201002000200120022003200420052006中国日本出所:IMF/IFSデータより作成 10~11月のOMRでは、2007年後半を中心に世界石油需要が下方修正された。一方2008年については11月のOMRで第一四半期を日量14万バレル、第二四半期を日量26万バレル、2008年全体を日量30万バレル、それぞれ下方修正しているが、依然として2008年は前年比2.3%、日量194万バレル増(特に第一四半期は前同期比2.8%増、日量237万バレル増)と2007年までの石油需要に比べて大幅に世界石油需要が回復するとの予想になっている。これについても原油価格高騰と経済減速から2007年同様下方修正されるリスクを含んでいる旨留意しておくべきであろう。因みに現在発表されているOMRの需給データをもとに2007年10~12月のOECD在庫日数を試算してみると、概ね51~52日程度となり、過去5年平均をそれなりに下回る場合も想定されるが、2008年第一四半期のOECD需要の伸Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 13 - ムを過去5年間の平均である0.3~0.7%であったとすると、過去5年平均並みとなる(図22参照)。 図22 OECD在庫日数(2007年)日5655545352511234567891011122008年1月以降の需要の伸びが2003~7年の平均である場合の在庫日数増分IEAによるデータを使用した場合2002~6年平均※2007年9月までは実績、以降は試算出所:IEAデータ他より推定 一方、2007年第三四半期に北海での大規模メンテナンス等により大きく減少した原油生産は最近では回復してきている(図23参照)他、産油国での原油船積みも2007年9~10月にかけては相当量増大していると伝えられる。従って11~1月にかけては、それらが消費国に到着することにより、OECD諸国等での在庫は増大する可能性も考えられる。 日量千バレル図23 世界石油供給の増減(2007年、前月比)1,5001,0005000-500-1,000-1,50012345678910出所:IEAデータより作成 OPECは12月5日にアブダビ(UAE)で臨時総会を開催する予定である。日量50万バレル程度の増産について協議されるかどうかについては、その直前に原油価格が高騰しているかどうかにもよるが、サウジアラビア、クウェート、UAEは原油価格の高騰は世界石油需要の減退をもたらし、最終的には自国の石油収入の減少となるとの認識を持っていることから、原油価格が大幅に下落している状況でない場合には、増産について協議することも考えられる。但しイランやベネズエラは原油価格高騰を容認する姿勢を示しており、総会での追加増産決定までにはなお紆余曲折も予想される。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 14 -
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2007/11/19 野神 隆之
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