ページ番号1003706 更新日 平成30年2月16日

カザフスタン地下資源法の改正について

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レポートID 1003706
作成日 2007-11-19 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 探鉱開発
著者
著者直接入力 古幡 哲也
年度 2007
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2007/11/16 調査部:古幡 哲也 公開可 カザフスタン地下資源法の改正について (IOD, Caspian Investor, Turan Energy 他) ・ カザフスタンのナザフバエフ大統領は、議会を9月下旬に通過していた「カザフスタン共和国地下資源及び地下資源利用法に関する修正・追加法案」(地下資源法)に10/24署名して法律が成立した。 ・ カザフスタンの経済的なSecurityに悪影響を及ぼす場合には、生産物分与契約(PSA)の条件の改定交渉をカザフスタン政府が強いたり、契約に定められた要件が満たされない場合にはカザフスタン政府が権益を剥奪したりすることが可能となった。 ・ さらに、カザフスタン政府が地下資源開発の契約方法や税制に関し再検討を始めたとの報道もある。 ・ カザフスタンは過去にも、自国に有利に働くよう法改正を行なってきている。今回の法改正の評価は難しいが、カザフスタンの地質ポテンシャルが高いことは事実であり、これらのリスクをいかにして緩和できるのかが、鍵となろう。 ・ 今後も海外からの石油開発投資を惹きつける必要があるため、今回の改正法が濫用されることは無いと思われるが、カザフスタン政府・国営石油会社(KazMunaiGaz、KMG)との交渉・協議等に際して、この改正法を背景に国際石油会社側の立場が弱まることは確実。、 ・ 格付け機関によるカザフスタンの格付けも低下。今後のカザフスタンへの石油開発投資のペースが落. 地下資源法の改正に関する報道 1ちることが懸念される。 すでにカザフスタン議会の下院・上院をそれぞれ9月25日、9月26日に通過していた地下資源法の改正案に、ナザルバエフ大統領が10月24日に署名して、法改正が行なわれた。当初はごく一部でしか報じられていなかったため、その真偽が確認出来なかったが、その後、大統領府のホームページにて以下の内容が掲載されていることが確認できた。 国家元首(ナザルバエフ大統領のこと)は≪カザフスタン共和国地下資源及び地下資源利用法に関する修正・追加法案≫に署名した。「この法案は、この分野(地下資源分野)の契約の締結と事業の遂行にあたって、国益を保護することを目的としている」と、大統領府報道局は述べた。 ・ 「戦略的に重要である」とカザフスタン政府が定める地下資源鉱床を利用する事業に際し、地下資源Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - . 今回の地下資源利用法改正の改正内容 2フ利用者の行動が、カザフスタン共和国の安全保障に影響を与えるほどに経済性を傷つける場合、カザフスタン政府は、国にとっての経済性を回復させることを目的として、契約条件の変更や追加を申し出ることができる。また一定期間(※)の後に地下資源利用者が契約変更や追加に応じない場合には、当局が契約を一方的に解消することが可能。(対価の支払いに関する規定なし。) (※:一定期間とは以下の通りで、交渉の開始から契約解消までは、最大1年の猶予があるということ) ① 政府が契約変更・追加の交渉開始を希望するレターを地下資源利用者に送付してから2ヶ月以内に、地下資源利用者から交渉開始に同意するレターが得られない、あるいは「交渉に応じない」旨を政府に伝えた場合。 (まず交渉に応ずるか否かを2ヶ月以内に返答) ② ①により交渉開始に同意するレターが得られてから4ヶ月以内に、地下資源利用者と政府の間で契約変更・追加に関していかなる合意も得られなかった場合。 (上記2ヶ月+交渉期間4ヶ月) ③ ②によりカザフスタンの「economic interest」を回復することに合意しておきながら、その後6ヶ月以内に変更契約にサインすることができない場合。 ・ これに加えて、地下資源利用者の契約履行状況が国益や安全保障の観点から適切かどうかをチェックし、適切でない場合は将来の契約履行を否認することが可能(2ヶ月の事前通知)。 . 当該改正法に対する反応 3法律が制定される前の段階で、Kazakhstan Foreign Investors’ Council Association(カザフスタン国際投資協会)、Kazakhstan Petroleum Association(国際石油会社・カザフスタン国内石油会社の業界団体)、International Tax and Investment Centre (非営利の研究・啓蒙団体、世銀・IMF等との関係深い)、米国商工会議所、欧州ビジネス協会は、ナザルバエフ大統領宛てに連名でレターを送付。当該レターの内容を含め、西側からの主な問題提起は以下の通り。 -既存の契約で付与されている権利が剥奪されることは投資家にとって大きな問題だ。 -憲法26.3条にて裁判所のDecisionなくして、財産が奪われることはない、と規定されている。そのほかの法律や国際的な合意から見ても、既存の契約を一方的に終結することはできないはずだ。 -たった2ヶ月の事前通知で契約をrefuseすることは、問題を解決するために一定の猶予を与えるIndustry Practiceに沿っていない。カザフスタンが調印・批准済みのEnergy Charter TreatyGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 2 - 磽ilateral Investment Agreementにも沿っていない。 -カザフスタンが調印済みの国際的合意に基づけば、国営化を行なう場合には適切な対価の支払いが求められているが、その点が明確になっていない。 -カザフスタン政府が「戦略的に重要な」プロジェクトなのかを一方的定めることができるので不透明。「カザフスタンにとっての利益に悪影響のある」場合とは何を指すのか不明。 -今後のカザフスタンへの外国投資にも悪影響を与える。 かし、上記レターに対するナザルバエフ大統領からの返答は無いまま、10/24に大統領は法案に しカザフスタン経済省国税計画部がワーキンググループを設置して、地下資源の開発契約のシステムと税制の改正をパッケージで検討を開始したと11月初めに報じられた。国税計画部の主な論点は以下の通り。これらを既存の契約に適用すべきかどうかは、報道によって国税計画部の主張が異なっている。このことからは、まだ方針がはっきりと固まっていないことがうかがわれる。 ○ PSAは透明性が低く、コントラクターにコストを抑えるインセンティブが働かない。 ○ また、契約上得られる利益の再配分のための契約条項がなく、PSAは好ましくない。 ○ PSAはカザフスタン独立後直後に締結された。当時、カザフスタンにはよりよい契約を締結するために必要なマンパワーも能力も持ち合わせていなかった。 . カザフスタン政府からの新たなメッセージ/地下資源契約システムと税制の再検討 4署名してしまった。 ○ VAT支払い免除などの特権は剥奪すべき。 ○ ロイヤルティ率を上げるべき。 このメッセージにいかなる背景があるのかは明らかにされていないが、地下資源法の改正と同様、カザフスタン政府が資源開発への関与を強める動きと同じ流れにあると思われる。今のところ、その後の進展は報じられていない。 5. 今後の見通しについて カザフスタンはこれまでにも法改正により、KMGの参加比率を少なくとも50%以上と定めたり、他の石油会社が権益を売却する際にその権益を先に買い取ることが出来る権利を国に与えたりするなど、国際的な商慣行からはかなり無理なことをする前科があった。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 3 - 。回の法改正に加え、税制改正・契約形態の再検討も進んでいることを踏まえれば今後のカザフスタンへの投資を慎重に考えざるを得ないとする意見がある一方、今回の法改正の本当の狙いはカザフスタン政府と外国石油会社の間で交渉による友好的な解決を志向しているものでまだ評価できるとの向きもあり、判断が分かれている。 それでもカザフスタンは、国際石油会社がアクセス可能かつ巨大なポテンシャルが残っている数少ないエリアであり、引き続き国際石油会社の注目を集めるであろう。高まる政治リスクを以下に緩和することが出来るのかが、今後のカザフスタンでの石油・ガス探鉱開発事業進出の重要な鍵の一つになっていくものと思われる。 ナザルバエフ大統領は「世界の国家競争力の上位50位に入る/世界の産油国上位20位に入る」という国家目標を掲げている。これを達成するためにはカスピ海上の探鉱・開発を進めることが必要であり、国際石油会社からの技術・ノウハウ・投資が必要と考えられ、カザフスタン政府が改正後の地下資源利用法をむやみに適用する可能性は低いと思われる。 ただし、法律の運用方針が不透明であるため、地下資源の開発権益獲得交渉や操業に際して外国石油会社の立場が弱まるはずであり、この点への留意は必要と思われる。過去には、カザフスタン政府に権益売買時の先買権を付与する法改正を行ないながら、実際には自発的に権益を差し出させた例もあり、同じように運用される可能性もある。 なお、今回の法改正との関連性は定かではないが、Standard & Poorsはカザフスタンのソブリン・クレジット・レーティングを1ランク下げ、BBB-(マイナス)とした。これはInvestment Grade中、最低のランク(Speculativeランクのすぐ上)でありインド、ルーマニアと同じランクである。カザフスタン側当局は、グレードの低下と法改正の関係を否定しているが、さらなる投資離れの材料とならないかどうか懸念される。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 4 -
地域1 旧ソ連
国1 カザフスタン
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 旧ソ連,カザフスタン
2007/11/19 古幡 哲也
Global Disclaimer(免責事項)

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