ページ番号1003707 更新日 平成30年2月16日

ブラジル:巨大油田発見で石油政策に影響?

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レポートID 1003707
作成日 2007-11-22 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 探鉱開発
著者 舩木 弥和子
著者直接入力
年度 2007
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2007/11/16 調査部:舩木弥和子 (PN、IOD、BNA他) ラジル:巨大油田発見で石油政策に影響? ブ* PetrobrasはSantos盆地のBM-S-11鉱区、Tupi油・ガス田の可採埋蔵量は原油とガスをあわせて石油換算50~80億bblであると発表した。そして、ブラジル沖合のサブソルトの海域全体はTupi油・ガス田以外にも大量の炭化水素資源を埋蔵している可能性があるとしている。 * Petrobrasのガブリエリ社長の発表によれば、Tupi油・ガス田の開発は大水深・大深度の開発となるが技術的には問題がなく、2010~11年に生産量10万b/dでテスト生産を開始し、その後、生産量を40万b/d程度に増加させるという。 * Tupi油・ガス田の埋蔵量に関する発見を受けて、政府は、11月末に実施予定の第9次ライセンスラウンドの対象鉱区312鉱区のうち、同油・ガス田周辺鉱区など41鉱区を除外し、271鉱区の入札のみを行うことを決定した。 * 政府は、また、石油政策や石油法の変更も検討していると伝えられている。既存の契約の変更やキャンセルはないとされているが、Petrobrasを優遇する方向への法的変更が行われる可能性があると見られている。 * ルラ大統領は、5年後以降にOPECへ加盟することも検討するとしている。 * ブラジルのこれらの動向が、ベネズエラ等と同様の資源ナショナリズムにつながるものなのか、今後の同国の政策の行方に注目したい。 1)Tupi油・ガス田 (Petrobrasは、11月8日、リオデジャネイロ沖合250kmに位置する Santos盆地のBM-S-11鉱区、Tupi油・ガス田の可採埋蔵量は原油と天然ガスをあわせて石油換算50~80億bblであるとの発表を行った。Petrobrasの発表によれば、同油・ガス田の原油と天然ガスの比率は85対15となっている。また、原油はAPI比重28度とブラジルの原油としては軽質で、硫黄分も少ない。BM-S-11鉱区は2000年の第2次ライセンスラウンドで取得された鉱区で、権益保有状況は、オペレーターのPetrobrasが65%、BGが25%、ポルトガルのPetrogal-GalpEnaergiaが10%となっている。 Tupi油・ガス田はサントス盆地、カンポス盆地、エスピリトサント盆地に長さ800km、幅200kmにわたって分布する岩塩の下、サブソルトプレイの最初の発見である。Petrobras は2006 年に1坑目1-RJS-628A井を水深は2,140mの海域で深度6,000mまで掘削し、API比重30度の軽質油4,900b/dと15万m3/dのガスを産出した。2007年9月には 1-RJS-628A井の南9.5kmの地点に1-RJS-646井を掘削し、API28度の原油2,000b/dガス6.5万m3/dの出油・ガスに成功した。そGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - オて、現在Tupi油・ガス田で3坑目の掘削を計画している。 Petrobrasは、過去2年間にサブソルトでこの2坑を含め試掘井15坑を掘削し、うち8坑の評価作業を終了し、8坑全てで良好な結果を得ている。そして、Tupi油・ガス田だけでなく、ブラジル沖合のサブソルトの海域全体が大量の炭化水素資源を埋蔵している可能性があるとしている。また、数ヶ月以内に同油・ガス田に近いBM-S-9、BM-S-10鉱区の埋蔵量の規模についても発表を行う予定としている。 Tupi油・ガス田の開発について、Petrobrasは、開発コストについては投資額がどの程度になるか分からず問題があるが、技術面での障害はないとしている。政府やPetrobras内からは、大きな期待感から5年後には100万b/dを生産できるとの発表もあった。しかし、Petrobrasのガブリエリ社長が発表したところによれば、同油・ガス田は2010~11年に生産量10万b/dでテスト生産を開始、その後も5年間は評価作業を続けるが、生産量は次第に増加し40万b/d程度に達するという。しかし、大水深・大深度の開発であり、ブラジルではサブソルトでの生産はまだ行われていないことから、2012年以前に商業ベースで開発を行えるのかについて懐疑的な見方をする向きもある。 ブラジルの主要堆積盆地と岩塩分布図 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 2 - P統計によると、2006年末のブラジルの確認埋蔵量は原油が122億bblで世界第17位、天然ガスが12.28Tcfで世界40位となっている。また、これまでブラジルで最大規模とされていたRoncadorは可採埋蔵量が30億bblでTupi油・ガス田はこの約2倍にあたる。このようにブラジルにとってTupi油・ガス田は非常に大きな発見であり、同油・ガス田の発見により、ブラジルはこれまでの石油自給を達成しつつある産油国から世界市場へ石油を供給できる大産油国へとその位置づけを変えていく見通しである。このような事態をふまえて、ブラジル政府は石油政策の変更やOPECへの加盟を検討し始めた。 2)第9次ライセンスラウンド対象鉱区の変更 第9次ライセンスラウンドは312鉱区を対象に11月27、28日実施される予定で、多くの企業がTupi油・ガス田周辺の鉱区に関心を示していた。ところが、政府は、Tupi油・ガス田の埋蔵量に関する発表の直後に、国家の利益を保護する必要があることから、同油・ガス田周辺鉱区などの41鉱区を除外した 271鉱区の入札のみを行うことを決定した。今回のライセンスラウンドから除外された41鉱区の内訳は、エスピリトサント盆地2鉱区、カンポス盆地13鉱区、サントス盆地26鉱 (区となっている。政府は貴重な資源を国家の管理下に置き、民間企業や外国企業がブラジルの埋蔵量にどの程度までアクセスしてよいかを再評価するとしている。しかし、政府が有望な鉱区をPetrobrasのために確保しておこうとしているとの見方もあり、StatoilHydroは「政府がTupi油・ガス田周辺の鉱区を除外したことはゲームの規則の変更であり、同国のエネルギー政策の変更である」と批判した。また、今回初めてライセンスラウンドに参加することで話題となっていたブラジルの鉱業会社Companhia Vale do Rio DoceとMMX Mineracao e Metalicosは第9次ライセンスラウンドには参加しないことを決定した。 3)石油法の変更 政府は、また、Tupi油・ガス田による埋蔵量の増加で、国内の石油産業のありかたそのものを (再検討し、エネルギー政策を変更しなければならないと判断し、石油法の変更を検討していると伝えられている。 現在のところ、ルラ大統領は、民間企業との既存の契約を変更したり、キャンセルすることはないとしている。しかし、政府収入を増やしたり、ライセンスラウンドをPetrobrasに有利になるよう変更したり、サブソルトプレイについては現在のコンセッション契約をPS契約に変更するなどGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 3 - フ法的変更を行う可能性があるとされている。場合によってはサブソルトプレイにはPetrobras以外の企業の新規参入を許さない可能性もあるとされており、有望鉱区から民間企業が閉め出され、Petrobrasの石油産業独占状態に戻ることを懸念する向きもある。 (4)OPEC加盟も視野に ルラ大統領は、Tupi油・ガス田の生産開始に伴い、5年後以降にOPECへ加盟することを検討すると語った。 ブラジルのOPEC加盟については、ベネズエラのチャベス大統領がこれを強く促していると伝えられている。チャベス大統領は、ブラジルがOPECに加盟すれば、ベネズエラ、エクアドル、ブラジルと中南米の加盟国が3カ国になり、OPEC内での中南米諸国の存在感が増すと考えているという。また、ブラジルのOPEC加盟により、中南米地域の統合を図ることができるとしている。 さらに、ベネズエラはPetrosur、Petrocaribe、PetroandinaをあわせたPetroamericasを設立し、エネルギー不足の中南米の国々に有利な条件で石油を提供することを計画しており、ブラジルにも参加を呼びかけている。 5)終わりに Tupi油・ガス田によりブラジルは石油自給を達成・維持するだけでなく、中東やベネズエラと (並ぶような産油国となるとの見方がなされており、ブラジルにとってこの発見は朗報と言うことができよう。しかし、同油・ガス田については、まだ2坑しか掘削がなされていないことから、今回発表された埋蔵量について疑問視する向きもある。 ブラジルでは1997年にPetrobrasの石油産業独占が終了、石油産業を対外開放する政策がとられてきた。ルラ政権は左派政権ではあるが、中道色が強く、チャベス、モラレス、コレア各大統領とは一定の距離を保ち、外資による探鉱・開発を歓迎する体制をとってきた。ライセンスラウンド対象鉱区削減や石油法の変更は、ベネズエラ等と同様の資源ナショナリズムにつながる動きなのか、今後のブラジルの政策の動向に注目していく必要がある。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 4 -
地域1 中南米
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国10
国・地域 中南米,ブラジル
2007/11/22 舩木 弥和子
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