ページ番号1003710 更新日 平成30年2月16日

油価上昇にもかかわらず上流業績が伸びないメジャーズ

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レポートID 1003710
作成日 2007-11-26 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 企業
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著者直接入力 岡崎 淳
年度 2007
Vol 0
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ページ数
抽出データ 更新日:2007/11/26 調査部:岡崎 淳 油価上昇にもかかわらず上流業績が伸びないメジャーズ (各社レポート、IOD、Platts他) 1. 2007年第3四半期のメジャーズの業績が発表された。結果は、全社ベースでは下流部門での精製マージンの大幅な下落を要因として前年同期比で各社において減益となっている。上流部門についてもTotalを除いた各社で減益となっている。 2. 減益の要因としては、既存油田の減退に加え油価高騰による生産物分与契約の石油・天然ガスの取り分減少や、ベネズエラでの一部実質国有化などによる生産量減少、コストの増加があげられる。 3. 長期的な業績の傾向としては、油価が高騰し始めた2004年から2005年にかけて上流部門の収益は大幅に増加している。しかしながら、2006年以降、水準としては依然高い利益が確保できているものの、伸び率についてはかげりが見え始めている。 4. 収益環境としては、2007年の第1及び第2四半期は前年同期比で石油・天然ガスの販売価格が下落した一方で、2007年第3四半期は上昇している。2007年第1及び第2四半期には油価及び天然ガス価格の双方で下落があったが、第3四半期については、油価は大幅上昇し、ガス価の下落を上回ったと考えられる。 5. 収益源となる石油・天然ガスの生産量については、特に2003年以降減少傾向が見られる。2007年に入ってからは特に生産量減少の傾向が見られる。 6. 生産量が減少する一方で、探鉱費や減価償却費などのコストの上昇が中期的に見られる。上流資本支出は増加しているが、増加分が埋蔵量と生産量の増加を伴わないものとなっている可能性があることから、将来的に各社とも重い負担を背負う可能性がある。 7. メジャーズを含む上流企業を取り巻く投資環境は、資源ナショナリズムの高揚と、コストインフレーションや人材不足といった厳しいものがある。収益源である埋蔵量を確保し、生産量を増加させていく必要が各社ともあるものの、これを実現していくためには難しい投資環境にある。このような状況でいかに対処していくかがポイントとなる。 8. 収益を確保するためには既存油ガス田の立ち上げに加え、新たに資源を確保していく必要がある。そのため、今後もメジャーズによる技術力とマーケティング力をテコとした産油国との協力関係強化は継続していくと思われる。 9. 2007年第3四半期の上流部門業績については増収減益という形となっているが、これが構造的なものか一時的なものかは不明である。現在のような厳しい投資環境が継続すれば、油価は高水準を維持するものの収益性が悪化していくという事態が発生する可能性があるかもしれない。 1. 2007年第3四半期のメジャーズの上流部門業績 2007年第3四半期のメジャーズの業績が発表された。全社ベースでの純利益(在庫評価調整済Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ンベース)については、全社において前年同期比で減少となっている(図1参照)。Totalについては下図では増益しているが、ユーロベースでは減益となっている。その大きな要因としては、下流部門において精製マージンが大幅に下落したことがあがられる。さて、上流部門についてはどのような結果であったのであろうか。これを示したものが図2である。 (図1) 百万ドル12,00010,0008,0006,0004,0002,0000-2,000純利益推移(全社ベース)BPChevronExxonMobilShellTotal1Q2Q3Q4Q1Q 2Q3Q4Q1Q2Q3Q 4Q1Q2Q3Q4Q1Q2Q3Q4Q1Q 2Q3Q200220032004200520062007  出所:各社プレスリリース 油価が高騰しており一見収益の環境が良くなったように見える上流部門であるが、その結果はイメージと必ずしも一致するものではなく、2006年以降、利益水準としては高いものを維持しているものの、その伸びは鈍化している傾向が見られる(図2)。2007年第3四半期については前年同期比で見るとTotalを除く各社において前年同期比で減益となっている。さて、それではなぜこのように利益の伸びが鈍化しているのかその理由を探ってきたい。 (図2) 百万ドル上流部門純利益推移8,0007,0006,0005,0004,0003,0002,0001,0000 BPChevronExxonMobilShellTotal1Q 2Q 3Q 4Q 1Q2Q 3Q 4Q 1Q2Q 3Q 4Q 1Q 2Q3Q 4Q 1Q 2Q3Q 4Q 1Q 2Q 3Q200220032004200520062007  出所:各社プレスリリース等  (一部筆者推計) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 2. 価格面の環境について 図3は、各社の石油の販売価格推移を示したものである。同図を見ればわかる通り2003年以降油価の上昇を背景に格差の石油販売価格も急激に上昇している。2007年第1及び第2四半期について石油販売価格は、前年同期比で下落している。しかしながら2007年第3四半期は約10%程度上昇しており、良好な価格環境にあった。 (図3) ドル/バレル原油販売価格推移8070605040302010?BPChevronExxonMobilShellTotal1Q2Q 3Q4Q1Q2Q 3Q4Q1Q2Q 3Q4Q1Q 2Q3Q4Q1Q 2Q3Q4Q1Q 2Q3Q  出所:各社プレスリリース等  (一部筆者推計)200220032004200520062007天然ガスの販売価格推移については、以下の通りである(図4)。こちらの方は、水準自体は上昇しているものの、価格については油価ほどには上昇していない。また、2006年第4四半期からは下落傾向も見られる。2007年に入ってからは、各社各期とも販売価格が下落している。2007年第3四半期については主に米国や英国での天然ガス価格が急落したことからその影響を各社とも受けている可能性が高い。 (図4) ドル/mcf天然ガス販売価格推移?BPChevronExxonMobilShellTotal出所:各社プレスリリース等(一部筆者推計)2002200320042005200620073Q2Q1Q4Q3Q2Q1Q4Q3Q2Q1Q4Q3Q2Q1Q4Q3Q2Q1Q4Q3Q2Q1Q0123456789Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ウて、石油と天然ガスを合わせた平均販売価格はどのようになっているであろか。この推移を見たものが図5である。図5を見れば明らかな通り、2004年以降2006年第3四半期にかけて各社の販売価格は急激に上昇している。2007年についていえば、第1及び第2四半期は前年同期比で販売価格は下落している上昇している。しかしながら、本年第3四半期ば販売価格は前年同期比で上昇していることから、価格環境は良好な環境にあったといえる。各社とも石油の生産比率が全体の中6割程度を占めることから油価の上昇の影響がガス価の下落の影響を上回ったものと考えられる。 (図5) ドル/boe石油・天然ガス販売価格推移?BPChevronExxonMobilShellTotal出所:各社プレスリース等(一部筆者推計) 2002200320042005200620073Q2Q1Q4Q3Q2Q1Q4Q3Q2Q1Q4Q3Q2Q1Q4Q3Q2Q1Q4Q3Q2Q1Q70.060.050.040.030.020.010.0. 伸び悩みが継続する生産量 3それでは、生産量はどうなっているのであろうか。これを見たものが、図6である。生産量については、価格と対照的に各社の伸び悩みが見られる。長期的な推移を見ると、2003年以降生産量は減少傾向が見られる。Shellについては2003年には日量4百万バレル(石油換算)の生産量を誇っていたが現在は日量3.5百万バレルを割る水準まで落ち込んでいる(2007年第3四半期については日量約3.1百万バレル)。ExxonMobilも2003年には日量4.5百万バレルの生産量があったが、2006年の年間平均生産量は日量約4.2百万バレルと落ち込んでいる。BPについては2003年に生産量が増加しているが、これはTNK-BPの買収によるものが大きい。しかしながら、2005年以降生産量は減少傾向にある。特に、2007年に入ってからは前年同期比で3~4%台と大きく生産量が減少している。ChevronはUnocal買収により2005年第3四半期以降生産量が増加しているが、2007年の各四半期については横ばいもしくは減少が見られる。Totalについては、2003年には、日量約2.6百万バレルの生産量を確保していたが、以降減少し2006年には日量約2.3百Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 怎oレルの水準まで減少している。しかしながら、2007年に入り新たなプロジェクトが立ち上がったことを主要因として2007年第2四半期以降は前年同期比で生産量が増加している。 (図6) 千バレル/日(石油換算)石油・天然ガス生産量推移5,0004,5004,0003,5003,0002,5002,0001,5001,0005000?BPChevronExxonMobilShellTotal 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q  出所:各社プレスリリース等200220032004200520062007生産量を石油と天然ガスに分けて見ていくこととする。石油については、各社とも生産量が横ばい、もしくは減少する傾向となっている(図7参照)。2005年以降横ばいもしくは減少といった傾向になっている。2007年第3四半期については、全社において前年同期比で減少している。 (図7) 千バレル/日3,0002,5002,0001,5001,0005000石油生産量推移?BPChevronExxonMobilShellTotal1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q  出所:各社プレスリリース等200220032004200520062007天然ガスの生産量推移であるが、2003年以降各社で減少傾向にある(図8)。ExxonMobilとShellは2003年には年間平均日量約100~110億立方フィート台の生産量を確保していたがその後大幅に減少しており日量80~90億立方フィート台の生産量まで減少している。BPとTotalについても2003年以降生産量が減少している。唯一Chevronのみが天然ガスの生産量を増加させているが、これは前述の通りUnocalの買収により増加しているものと思われる。2007年に入っGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 トから各社について各期でバラツキが見られるが、BPのみが生産量を2007年第1~第3四半期にかけて前年同期比で減少させている。 (図8) 百万立方フィート/日天然ガス生産量推移14,00012,00010,0008,0006,0004,0002,0000?BPChevronExxonMobilShellTotal1Q2Q3Q4Q1Q2Q3Q4Q1Q2Q3Q4Q1Q2Q3Q4Q1Q2Q3Q4Q1Q2Q  出所:各社プレスリリース等3Q200220032004200520062007 さて、なぜ、石油・天然ガスの生産量が減少しているのであろうか。外部的な要因としては、ナイジェリアでの政情不安や米国でのハリケーンによる生産停止があげられる。2007年第3四半期については、ベネズエラでの権益の一部国有化の影響も大きいものと考えられる。しかしながら、そのような要因だけでなく、油価が高騰したことにより生産分与契約プロジェクトの石油会社取分原油が減少していること、また、プロジェクトのコストが大幅に増加していることや技術的に困難な油田の開発が多くなっていることから、プロジェクトが予定通り立ち上がらないことがその要因として考えられる。これに加えて、資源ナショナリズムが高揚しており新たな資源の確保が各社とも困難になっていることも要因となっていると思われる。 販売価格と生産量を合わせてみた収入については、2007年第1四半期及び第2四半期は、販売価格の下落と生産量の減少の双方の影響があり減収となっている。しかしながら2007年第3四半期は販売価格の上昇が生産量の減少を補っており、各社で増収となっている(図9)。それでは、2007年第3四半期は、なぜ業績が思わしくなかったのであろうか。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 i図9) 百万ドル25,00020,00015,00010,0005,0000上流部門収入推移BPChevronExxonMobilShellTotal1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q200220032004200520062007出所:各社プレスリリース等から筆者推計 当たり前の話であるが、収入が増加しているにもかかわらず減益となっているのはコストが増加しているからとなる。図10は、探鉱費と減価償却費(全社ベース)を合わせてみたものである。減価償却費については、四半期については部門別にデータが開示されていない企業があることから全社ベースの減価償却費となっている。上流部門がしめる減価償却費の割合は各社とも約7割程度あることから、厳密な計算とはならないが傾向はつかめると思われる。 特に2006年に入り、じわじわとコストが増加していく傾向が見られる。探鉱費については、各社ともsuccessful-effors法を用いており、地震探鉱等の費用については発生時に費用化される、また、探鉱井については、失敗時にはすぐに費用化されることとなっている。減価償却費については、上流部門の資産は、生産開始時から主に生産量比例法により償却されていくこととなる。当然のことながら開発費の高いプロジェクトについてはより多くの償却負担を迫られることとなる。 . 増加するコスト 4 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 i図10) 百万ドル探鉱費・減価償却費推移(全社ベース)5,0004,5004,0003,5003,0002,5002,0001,5001,0005000BPChevronExxonMobilShellTotal1Q2Q3Q4Q1Q2Q3Q4Q1Q2Q3Q4Q1Q2Q  出所:各社プレスリリース等3Q2004200520062007図11は上流部門の資本支出の推移を示したものである。全体として投資は増加傾向にあるが、特に2005年以降が顕著である。しかしながら資機材、建設費などのコストが大幅に増加しているという点に注意する必要がある。つまり、コストは増加するもののこれに見合った埋蔵量や生産量増加はなされていない可能性がある。これらの投資は、いずれコストとして費用計上されていかなければならないこととなる。埋蔵量の補填や生産量の大幅増加など実態的な投資となっていない以上、将来的に油価等の動向によっては重い償却負担を迫られる可能性があるとも考えられる。図11であるが、企業買収を含めると、傾向が把握しにくくなるため、買収額を除外してある。なお、操業費についても上昇していると言われているが、これらについては四半期ベースでは必ずしも開示がされておらず、把握することができない。 (図11) 百万ドル5,0004,5004,0003,5003,0002,5002,0001,5001,0005000上流資本支出推移(除く企業買収)BPChevronExxonMobilShellTotal1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q200220032004200520062007  出所:各社プレスリリース等Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 T. 伸び悩む上流業績の背景 さて、メジャーズの上流業績については、高油価を背景に依然高水準にあるものの、その伸びが鈍化しているが、その背景には何があるのであろうか? 上述の通り、生産量の水準は低下する傾向にある。むろん、この要因は石油会社の探鉱開発活動そのものというよりは、油価が高騰したことにより取り分の生産量が減少していることなどが起因していることは事実であろう。しかしながら、現状、資機材や建設費などのコストが増加していること、開発が困難な油田が増加していることから、思うように埋蔵量の補填ができず生産量減少を補えていない可能性があるのではないかと思われる。 2007年第3四半期で業績が前年同期比で増益しているのはTotalであるが、西アフリカや中東などで新たなプロジェクトが立ち上がったため生産量が増加しており、この要因が大きいのではないかと思われ、今後もいかにプロジェクトを立ち上げていくがポイントとなっていくと思われる。 しかしながら、新たなプロジェクトを立ち上げていくためには、投資が必要となってくるもののコストの増加に如何に対応していくか、各社とも苦慮しているのが現状であろう。油価が大幅に変動する一方で、開発費はアップフロントで固定されてしまうことから、高騰しているコストにどのように対応するか、プロジェクトをどのように管理するか、その管理能力が今後ますます問われていくこととなる。 また、現状新たな資源へのアクセスが、困難になっており、メジャーズによる産油国国営石油会社との技術力とマーケティング力をテコとした提携という傾向は、今後も継続することが考えられる。よってLNGを含めたガスの商業化やオイルサンドを中心とした非在来型資源の開発、一貫操業のメリットを生かした重質油の開発が継続するのではないかと思われる。具体的には、BPとGazpromとの協力関係を締結し、リビアにも再参入をしている。ExxonMobilは、クウェートでの上中下流一貫型の重質油開発について覚書(HOA)をKOCとの間で締結している。TotalのShtokmanガス田への参画が可能になっている。また、資源ナショナリズムが比較少ないメキシコ湾や、北極海といったフロンティア地域への進出も継続するのではないかと思われる。このようなメキシコ湾については深海や深部のガス開発、北極海といった開発が困難な地域についてはまだメジャーズの差別化が図れるかと思われる。 油価の高騰は、確かに、石油企業の業績を大幅に増加させた。カナダオイルサンドの開発など、低油価の時期には進まなかった資源の開発が可能となったかもしれない。しかしながら、石油企Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ニにとって恩恵をもたらすように見える油価高騰はプラスのみでなく、資源ナショナリズムの高揚による新たな資源へのアクセスが困難になったことや、資機材、建設費の高騰といったコストの増加といったをもたらしており、収益源となる資源の確保が困難になっている状況にある。加えて、高い開発費は将来的に各社に思い負担となってくる可能性がある。このように油価高騰は、石油会社にとって副作用をもたらしているという側面もある。また、物理的な面から言えば低油価の時期に大規模なリストラを行ってしまっており、人員を削減し経営資源が減った中で開発を増加させなければならない必要に迫られている。現在は、特に中間層の人員が不足しているという状況にあると言われているが、人員の育成については時間を要することから各社にとり頭の痛い問題になっているのではないかと思われる。 さて、今後についてであるが、足許の2007年第4四半期は、生産量の増加が予測されている。確かに、季節的に生産量が増加する傾向にあることから2007年第3四半期のような落ち込みなないものと考えられる。BPについては本年10月にアンゴラのGreater Plutonio油田が生産を開始している。ExxonMobilについては、10月にアンゴラのKizomba A油田に隣接するMarimba North油田が生産を開始している。このように新たなプロジェクトが2007年第4四半期に立ち上がっていることから、生産量の減少が補填できることとなるのではないかと思われる。しかしながら、油価は2007年第4四半期でかなり上昇をしていることから生産分与契約のプロジェクトについてさらなる生産量の減少も考えられることについては留意をする必要があり、新たなプロジェクトでどれくらい生産量を増加させることができるかがポイントなってくる。また、コストについてもどれくらい上昇を回避できるかがポイントとなってくる。 上述の通り、実態的に投資が増加せず、したがって埋蔵量の増加、生産量の増加につながっていないことが起こっている可能性がある。2000年代前半に立ち上がったプロジェクトについては、開発費が現在と比べて低い一方で、油価は上昇していることからかなりの利益を享受しているはずである。しかしながら操業費が上昇している可能性があること、また、昔立ち上げたプロジェクトで生産が減退していくものが存在することから新たなプロジェクトで補填していくことが必要になる。しかしながら上述の通り産油国の立場が相対的に強くなってきていることから過去と比較して良いプロジェクトの条件が獲得できない可能性がある。そうすると、油価が上昇しても経済性は改善しないプロジェクトが増えていく可能性もある。今回の上流部門減益については、一時的なものであるか、もしくは構造的なものになっているかどうかは不明である。しかしながら、現在のような厳しい投資環境が相当期間継続すれば油価が高水準を維持しても良い経済性がGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 m保できず構造的なものになりえる可能性もありえるかもしれない。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
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2007/11/26 岡崎 淳
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