ページ番号1003716 更新日 平成30年2月16日

エクアドル:石油契約見直しなど、石油産業の管理強化へ

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レポートID 1003716
作成日 2007-12-19 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 探鉱開発
著者 舩木 弥和子
著者直接入力
年度 2007
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2007/12/14 調査部:舩木弥和子 (Platts Oilgram News、International Oil Daily、Business News Americas他) * エクアドルでは、2006年4月以降、原油価格が契約時に合意した価格を上回った場合に生じる超過収入の50%を政府が取得することとなっていたが、コレア大統領は、この政府取得比率を99%に引き上げることを決定した。契約見直しのため石油会社との交渉が行われている。 * チリボガ石油相は、環境保護団体などから資金が集まらなければ、2008年6月にITT油田の入札を実施すると発表した。Yasuni国立公園周辺については油田開発と環境保護を巡って、政府内でも微妙なかけひきが続いていると考えられ、ITT油田以外の鉱区の探鉱・開発も難航する可能性がある。 * コレア大統領は、Orellana 州での抗議行動の発生をきっかけに、海軍提督の Zurita 氏をPetroecuadorの総裁に任命した。Zurita新総裁がPetroecuadorの主要ポストに海軍出身者を就任させたことから、Petroecuadorに対する政府の管理が強まることが懸念されている。 * エクアドルはベネズエラとの関係を強化しており、チャベス大統領の後押しもありOPECに再加盟することとなった。 クアドル:石油契約見直しなど、石油産業の管理強化へ エ1)契約条件を変更 (コレア大統領は10月4日に、原油価格が契約時に合意した価格(24ドル/bbl)を上回った場合に生じる超過収入の99%をエクアドル政府が取得するという大統領令に署名した。この超過収入の配分については、前パラシオ政権下の2006年4月に炭化水素法が改正され、50%を政府が取得することとされていた。エクアドルの原油輸出価格は、現在約64ドル/bblで、政府は石油収入が7億ドル増加すると期待している。 エクアドル政府は、今回の契約変更を受け入れられない企業は、締結しているPS契約をサービス契約に変更することができるとしている。現在、Agipはサービス契約のもとで生産を行っており、チリボガ石油相は、石油会社はサービス契約に変更しても十分な利益を得られると語っている。エクアドルでは、1993年までは石油会社はPetroecuadorとリスクサービス契約を締結していたが、外国企業による探鉱・開発投資を促進するため、1994年に政府がPS契約を導入した経緯がある。 コレア大統領は、上流部門の契約を変更することを公約とし、2006年11月の大統領選挙で当選し、2007年1月に大統領に就任した。しかし、これまで、与党「国家同盟」が国会で過半数を獲得していなかったため、上流部門の契約改定を行うことができなかった。ところが、2007年9月30日に憲法改正を行うGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 1 - スめの制憲議会議員選挙が行われ、「国家同盟」が130議席中過半数を確保する見通しとなった。この制憲議会開会中は、制憲議会が国会そして大統領の権限を上回る強力な権力を持つことになる。このような状況を背景に、コレア大統領は超過収入の政府取り分引き上げを決定したと言われている。 そして、エクアドル政府は、2006年4月に炭化水素法が改正され、超過収入の50%を政府が取得することとされていたのに未払いとなっていた2007年9月分までの3億1,700万ドルを、10月31日までに支払うよう石油会社に命じた。そして、支払いを行わない企業に対しては契約を無効とするか、法的措置をとるとした。Repsol YPFなどはすでに支払いを行ったが、支払いを拒否したCity Orienteに対し政府は11月8日に、同社との契約を終結させると発表した。City Orienteは国際投資紛争解決センター(ICSID)に仲裁を求めた。ICSIDは、エクアドル政府に対しCity Orienteとその従業員に対していかなる法的な行動をとることも慎むように命じた。 12月10日からは、エクアドル政府とPerenco、Petrobras、Repsol YPF、Andes Petroleum、City Orienteなどの石油会社は、大統領令に基づいて契約を変更するための交渉を開始した。しかし、政府は、超過収入を政府と石油会社の間で99対1の割合で配分することについてはすでに交渉の余地はないとし、PS契約をサービス契約に変更するよう求めているという。このようなエクアドル政府の対応に対し、Repsol YPFは、6カ月間交渉を行って合意に至らなければ国際的な仲裁機関に訴えるとしている。また、CNPC、Sinopecも超過収入の99%を政府が取得することについて国際機関への提訴を検討しているという。 政府は現在の高油価の状況下では、石油会社はエクアドルでの投資や探鉱・開発を続け、エクアドルを離れることはないとみている。しかし、2006年5月には政府がOccidentalとのBlock15に関する契約を無効とし同社の資産を接収しており、また、アマゾン地域の現地住民も石油開発に敏感に反応している。このようにエクアドルは石油会社にとってすでに良好な操業環境とは言いがたく、今後さらに同国への投資が減少し、探鉱・開発活動が減退することが懸念されている。 (2)ITT油田開発 12月10日、チリボガ石油相は、2008年6月15日までに環境保護団体などから資金が集まらなければ、6月16日にITT油田(Ishpingo、Tambococha、Tiputiniの3油田の総称)の開発に関する入札を実施すると発表した。 エクアドル東部のITT油田の原油はAPI比重12~15度と重質であるものの、原始埋蔵量が55億bbl、確認埋蔵量が9.2億bblで、Petroecuadorによれば開発が行われれば原油19万b/dを生産できる見通しで、エクアドルの今後の原油生産動向に大きく影響を与える油田とされている。PetroecuadorはGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 2 - inopec、ENAP、Petrobras、PDVSAとMOUを締結し、同油田の開発を進めることを計画していた。しかし、同油田がユネスコの生物圏保護区であるYasuni国立公園内にあることから、ITT油田を開発した際に見込めるのと同程度の資金(今後10年間にわたり最低でも年間3.5億ドル)が得られれば開発を行わないとして、国際的な環境保護団体などからの反応をうかがっている。コレア大統領は、エクアドルは援助の資金を求めているのではなく、ヤスニ国立公園の環境保護についての共同責任を国際社会に理解してもらいたいとしている。 ITT油田以外にもYasuni国立公園とその周辺の地域については、2007年2月にBlock31で探鉱中のPetrobrasが環境保護協定に違反したとして、また、7月にはPetrobrasがBlock18等の権益売却にあたり事前に政府の許可を得なかったとして、政府が同社との契約を打ち切る可能性があると発表した。さらに、10月中旬には、チリボガ石油相が、Yasuni熱帯雨林での掘削を禁止する見通しと発表し、Andes Petroleum、Repsol YPF、Petrobrasの探鉱・開発に影響を及ぼすのではないかと懸念された。しかし、その1週間後の10月末には、政府はPetrobrasのBlock31の開発に環境許可を与え、同鉱区の開発が実施されることとなった。Petrobrasは3億ドルを投じて開発を行い、2009年にAPI比重16 ~19度の原油4万b/dの生産を開始する計画である。このように、Block31については開発が行われることとなったが、Yasuni国立公園周辺については油田開発と環境保護を巡って、政府内でも微妙なかけひきが続いていると考えられる。 (3)Petroecuador総裁交代で政府の管理強化 11月25日に、産油地帯であるアマゾン地域Orellana州で雇用、インフラ整備、環境問題改善を求める抗議行動が発生した。その結果、2006年5月にOccidentalから接収した鉱区を除いたPetroecuadorの原油生産量が一時的に17.5万b/dから13.9万b/dに20%減少した。このような事態を受け、政府は11月29日に、同州に非常事態宣言を発した。 生産量はほぼ正常に回復しつつあるものの、コレア大統領はPetroecuadorの総裁をPareja 氏からエクアドル海軍提督の Zurita 氏に変更すると発表した。Zurita 新総裁は、生産部門の子会社Petroproduccionの副総裁に海軍大佐のGoyes氏をあてるなど、Petroecuadorの生産・精製・国外販売の主要ポストに17人の現役の海軍将校を任命した。そして、汚職をなくすためPetroecuadorの機構の調査や改革、人員削減を行う必要があると語った。また、政府から財政的な支援が得られれば2007年12月末までにOccidenntalから接収した鉱区を除いた同社の生産量を17.5万b/dから19万b/dに引き上げることができるとしている。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 3 - Rレア大統領は、今回の人事異動により、Petroecuadorに対する政府の管理を強化するこができたと言われている。しかし、Zurita新総裁が生産量減退などPetroecuadorの操業面での問題をすぐには解決できるとは考えられず、また、主要ポストに海軍出身者を登用したことで、Petroecuador内部に紛争が生じる可能性もあると懸念されている。 (4) ベネズエラとの関係強化でOPEC再加盟 エクアドルは、1993年1月に、各国同額で設定されたOPECの拠出金の支払いを不服かつ困難としたことに加え、増産意欲があるにもかかわらず生産枠の増加が見込めなかったことからOPECを脱退した。しかし、2007年3月に、コレア大統領が再加盟の意向を表明し、10月にOPECに対し再加盟を申請していた。そして、12月にOPECはエクアドルが正式に再加盟したと発表した。 このエクアドルのOPEC再加盟については、ベネズエラの影響が大きいと言われている。中南米で唯一のOPEC加盟国であったベネズエラはエクアドルに対し、OPECに再加盟することで技術的な支援を受けられるとして、再加盟を促したという。 OPEC再加盟に限らず、エクアドルとベネズエラとの関係は強まってきている。 両国は、コレア氏が大統領に就任した2007年1月に、ベネズエラでのエクアドル原油の精製処理、ベネズエラからエクアドルに対し石油製品供給、エクアドルのEsmeraldas製油所改修で合意した。そして、4月には、PDVSAとPetroecuadorがITT油田開発でMOUを締結している。また、PetroecuadorとPDVSAはSacha油田の生産量増加のためのプロジェクト実施に関し覚書を締結した。さらに、PetroecuadorとPDVSAは、約50億ドルを投じて太平洋側Manabi県Mantaに精製能力30万b/dの製油所を建設することでも合意している。 (5)エクアドルの最近の生産状況 エクアドルの原油生産量は、長年約40万b/dで推移していた。しかし、2003年10月に、オリエンテの産油地帯と太平洋岸エスメラルダス近郊の積出港Balaoを結ぶ重質油パイプラインOCP(送油能力45万b/d、API比重18~20度)が完成し、1972年に敷設されたSOTEと合わせて送油能力が85万b/dに増加したことから、2004年以降、同国の原油生産量は約55万b/dに増加した。 エクアドルの原油生産の中心は国営石油会社Petroecuadorであるが、1987年以降、Petroecuadorの生産量は減退している。従来からPetroecuadorが保有している鉱区の生産量は2001年の22.4万b/dから2006年に18.8万b/dに、2007年上半期には16.9万b/dに減少した。また、Occidentalから接収しGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 4 - スBlock15も、接収した時点では9.8万b/dであった生産量が、2007年に入ってからは8万b/d台に減少している。 このようなPetroecuadorの生産減退により、エクアドルの2007年1~8月の原油生産量は対前年比7%減の50.7万b/dとなっている。うち、Petroecuadorが25.5万b/d、Andes Petroleumが7万b/d、Repsol YPFが6.5万b/d、Petrobras が3.5万b/dを生産している。 政府やPetroecuadorは生産減退を食い止めるため、他国の国営石油会社に協力を求めたいとしている。投資環境悪化からPDVSA以外の企業が参入する可能性は低いと見られていたが、韓国のKim Young Juエネルギー相が供給源を多様化するためにエクアドルでの石油開発に参加したいとキトを訪問し、チリボガ石油相と石油その他のエネルギー資源の開発について共同開発を行うことで合意し、MOUを締結した。このMOUに基づき、KNOCとPetroecuadorはパートナーを組み活動を行うこととなった。韓国側はエクアドル西部のBlock4及びBlock5の権益を取得したいとしている。また、コレア大統領はインドネシアのユドヨノ大統領と、PertaminaとPetroecuadorが5,000万ドルを投じてLagio Agrio、Duento、Durenoの3油田の探鉱・生産を協力して行うことで合意し、LOIを締結した。 エクアドル主要鉱区図 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 5 - Gクアドルの原油確認埋蔵量埋蔵量(億bbl)1994199619982000200220042006エクアドルの石油生産量・消費量(出所:BP統計) 60.050.040.030.020.010.0-6005004003002001000 生産量(千b/d)消費量(千b/d)(出所:BP統計) 1994199519961997199819992000200120022003200420052006 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 - 6 -
地域1 中南米
国1 エクアドル
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 中南米,エクアドル
2007/12/19 舩木 弥和子
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