ページ番号1004081 更新日 平成30年2月16日

原油市場他:終値でも1バレル当たり90ドルを突破

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レポートID 1004081
作成日 2011-01-17 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 市場
著者 野神 隆之
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年度 2010
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2011/1/16 石油企画調査部:野神 隆之 原油市場他:終値でも1バレル当たり90ドルを突破 (IEA、OPEC、米国DOE/EIA他) ① 米国では今後経済の改善に伴いガソリン需要が増加するとの期待感が強まったこと等から、ガソリン先物価格が上昇、精製利幅が一定水準を維持したことから、製油所での製造活動が活発化したこともあり、当該製品在庫が増加、量的にも平年幅の上方に位置している。他方、寒冷な気候が欧米に到来したことにより暖房油先物価格が押し上げられたことで当該製品に関する精製利幅も上昇した結果、こちらも製油所での生産が増加することになった。他方軽油需要は製油所での旺盛な生産ほど堅調ではないことが示唆され、暖房油在庫は減少したものの、軽油在庫が増加した結果、留出油全体の在庫は増加となり、水準自体も平年幅を超過する状態を維持している。原油在庫は減少傾向となっているが、米国メキシコ湾岸の製油所等での年末の課税対策の動きを反映していると見られ、またそれでも水準としては平年幅上限近辺に位置している。 ② 米国原油在庫の大幅な減少が影響し、12月末時点のOECD諸国推定原油在庫量も減少しているが、平年幅を超過している状況には変化はない。他方、製品については、欧州では厳しい寒波が来襲にもかかわらず暖房油を含めた中間留分在庫は増加したものの、米国ではプロパンや「他の石油製品」の在庫が減少したことに加え、日本でも冬場に備えて灯油が出荷されたことに伴い当該製品在庫が減少したことから、OECD諸国全体としても製品在庫は減少、水準としては平年並みとなっている。 ③ 2010年12月中旬から2011年1月中旬にかけての原油市場においては、12月中旬には米国や中国等での石油及び経済関連統計類等が原油価格に上方圧力を加えた一方で、米国連邦準備制度理事会(FRB)の同国失業者減少に対する悲観的な見通し等が原油価格の上昇を抑制した結果、原油価格は概ね1バレル当たり87~89ドル程度で推移したが、12月下旬以降は米国での経済改善を示唆する経済指標類や株式相場の上昇、石油関連施設の停止による需給逼迫懸念の増大等から、原油価格(WTI)は終値ベースで1バレル当たり90ドルを超過することとなった。 ④ 市場では、引き続き米国景気回復に対する期待が根強く、それが当面原油相場を支持する形となると見られる。他方、カナダでのオイルサンド改質装置の停止が米国オクラホマ州クッシングでの原油在庫の低下をもたらすことで、短期的にはWTIに上方圧力を加えることも想定される。 ⑤ 2012年の世界石油需給を展望すると、経済成長が堅調であったり石油が効率的に消費されなかったりする状況が継続し、かつ非OPECやOPEC産油国での石油等生産量が全く伸びない、ということであれば、、世界経済及び石油需要の下振れリスクやOPEC産油国の減産遵守率低下の可能性が考えられることから、そのような確率は必ずしも高いとは言い切れないものと思われる。むしろ、金融緩和策実施等の反動による世界経済減速等を考慮すれば、OECD在庫日数は現状からはそう離れない水準で推移することも考えられる。 ? 1 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 . 原油市場を巡るファンダメンタルズ等 米国エネルギー省エネルギー情報局(EIA)から発表された2010年10月の同国ガソリン需要の確定値は前年同月比で1.1%程度の増加と9月の2.8%程度の増加からは減速を示している(図1参照)ものの、なお速報値(0.4%の増加)からは上方修正されている(但し、9月同様10月についても米国ガソリンスタンドのクレジットカードでの支払い記録をもとに推定した需要増減(1.6%程度の減少)と相反する結果となっていることから、引き続き今後EIA側のデータにその反動が現れる可能性があることについて注意が必要であることには変わりはない)。他方、EIAの速報値によれば、米国の12月のガソリン需要は前年同月比で2.9%程度の増加となっている。11月3日の米国金融当局による追加金融緩和策実施の発表もあり、経済に対する信頼感が改善したことにより、年末のクリスマス休暇シーズンにおける小売売り上げが堅調であった(後述)旨伝えられていることからすると、12 月のガソリン需要はそれなりに改善を示している可能性はあるが、12月には米国では北東部等でしばしば降雪が発生し交通に影響を与えたとも言われていることから、今後確定値が発表される際にはそのような要因が織り込まれることもありえよう(因みにガソリンスタンドでのクレジットカードの支払いをもとに推定した12月の同国ガソリン需要は前年同月比で0.4%程度の増加であった)。 図1 米国ガソリン需要の伸び(2006~10年)%86420-2-4-6-8-10123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112※2010年11~12月の確定値は未発表出所:米国エネルギー省のデータをもとに作成速報値確定値修正幅 また、2011 年に向けて米国での経済がさらに回復を続けることにより、最終的には雇用が改善、自動車で通勤する労働者が増加する、との市場の期待に加え、米国ヴァージン諸島にあるHovensa(米国独立系石油会社Hessとベネズエラ国営石油会社PDVSAの合弁企業)の操業するSt. Croix製油所(原油精製処理能力日量52.5万バレル)においてガソリン製造装置である流動接触分解装置(FCC:Fluid Catalytic ? 2 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 racking)(処理能力日量15万バレル)が12月9日に予定外の改修作業を開始した(12月24日に終了)が、この製油所で生産される石油製品は主に米国東部に輸送され消費されることから、クリスマス休暇に向けた買い物シーズンを控えて、既に11月末までに他の製油所のメンテナンス等による操業停止の影響で平年幅下限近くにまで低下していた米国東部におけるガソリン在庫(図2参照)をさらに低下させる恐れがあるとの需給逼迫懸念が発生、またニューヨーク商業取引所(NYMEX)でのガソリン先物契約におけるガソリンは米国東部に位置するニューヨーク港(New York Harbor)が引き渡し地点となっていることで、NYMEX でのガソリン先物価格を押し上げることとなった。このため、ガソリン先物価格と原油価格との差が維持された格好となった(図 3 参照)ことから、米国全体としては、製油所でのガソリン生産は比較的堅調に推移したこと(図4参照)により、同国のガソリン在庫はむしろ増加、この時期としては平年幅の上方に位置するようになっている(図5参照)。 百万バレル図2 米国東部ガソリン在庫推移(2003~11年)7060504012345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111211997-2002実績幅2003-11出所:米国エネルギー省データをもとに作成ドル/バレル図3 米国におけるガソリン及び暖房油と原油の価格差(2010~11年)201510501234567891011121ガソリン暖房油出所:米国エネルギー省データ等をもとに作成 ? 3 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 }4 米国のガソリン生産量(2009~11年)67891011121234567891011121出所:米国エネルギー省データをもとに作成図5 米国ガソリン在庫推移(2003~11年)日量百万バレル9.69.49.298.88.68.41百万バレル2402202001801604325※4週間平均12345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111211997-2002実績幅2003-11出所:米国エネルギー省データをもとに作成 留出油については、寒冷な気候が欧米(暖房油の消費の中心地であり、かつNYMEX で先物契約が取引される暖房油の引渡し地点であるニューヨーク港を含む)にしばしば到来している(図6参照)ことが、暖房油先物価格を押し上げており、この結果当該製品と原油との価格差も拡大したこから、製油所での留出油の生産も堅調となった(図7参照)。ただ、確かに暖房油在庫は寒波の来襲による暖房需要の増加に伴い減少した(図8参照)が、他方、輸送向けに利用される軽油については、8月には確定値ベースで前年同月比11.1%程度の増加となっていたのが10月には3.9%の増加にとどまるといった状況となった他、速報値ベースであるが12月については寒波が到来したにもかかわらず、留出油全体(速報値の段階では需要は軽油と暖房油には区分されていない)としては、前年同月比でほぼ同水準となるなど、軽油需要の減速を示唆する内容となっていることもあり(図9参照)、軽油在庫は増加している。この結果暖房油在庫の減少が軽油在庫の増加で相殺され、両者を併せた留出油在庫全体は増加となっている他、平年幅を上回った状態は維持されている(図10参照)。 ? 4 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 }6 米国(NY)気温(2010~11年)℃151050-5-10111212010年平年気温(月間値) 図7 米国の留出油生産量(2009~11年)日量百万バレル4.84.64.44.24.03.83.63.41234567891011121234567891011121※4週間平均出所:米国エネルギー省データをもとに作成百万バレル図8 米国の軽油と暖房油の在庫(2010~11年)百万バレル605550454012512011511010511/1911/2612/312/1012/1712/2412/311/7暖房油軽油 ? 5 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 23456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112速報値確定値修正幅※2010年11~12月の確定値は未発表出所:米国エネルギー省のデータをもとに作成図10 米国留出油在庫の推移(2003~11年)百万バレル1801601401201008012345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111211997-2002実績幅2003-11出所:米国エネルギー省データをもとに作成 図9 米国留出油需要の伸び(2006~10年)%181614121002468-2-4-6-8-10-12-14-16一方「その他の石油製品」に区分される石油製品の需要が大きく伸びていることが寄与し、米国の12月の石油製品全体の需要(速報値)は前年同月比で4%弱の増加となっている(図11参照)(但し、この「その他の石油製品」の需要は、時として石油統計が速報値から確定値に移行する際に大きく修正されることがあるので、注意が必要である)。また、原油については、12月に入り米国メキシコ湾岸地域で2,000万バレル強の原油在庫が減少したこと(当該地域の製油所による年末の課税対策に伴う在庫の削減と言われている)が影響し、同国全体の原油在庫も減少傾向を示した(図12参照)が、それでもなお、在庫水準自体は平年幅の上限近くに位置している。また、米国メキシコ湾での原油在庫の減少に対し、同国オクラホマ州クッシング(Cushing)での在庫は増加傾向となっており、12月末時点では、2004年に同地域での原油在庫統計を開始して以来の最高水準に近い3,749万バレル(最高は2010年5月14日の週に記録した3,795万バレル)に到達した(図13参照)。これがこの地を引き渡し地点としてNYMEXで先物契約が取引されるWTIの価格に下方圧力を加えることとなっている。また、米国アラスカ州におけるトランス・アラスカ・パイプライン(Trans Alaska Pipeline)の停止(後述)から、代替原油としてロシア産の原油(ロシアの太平洋岸コズミノ? 6 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 iKozmino)港から輸出されるESPO原油)やオマーン原油(ESPO原油及びオマーン原油ともに品質がトランス・アラスカ・パイプラインにより輸送されるアラスカ・ノース・スロープ(ANS:Alaska North Slope)に類似した品質であるとされる)の需要が高まることにより、相対的にロシア及び中東産原油の需給が引き締まり、最終的には欧州での石油需給にも影響を与える、といった観測から、英領北海で生産されるブレントの価格に上方圧力が加わった結果、ブレントの価格が WTI のそれを上回る、といった傾向が強くなり、2011年1月14日には、終値ベースで両者の価格差が7ドルを超過する(これは2009年2月13日以来のことである)という状態になっている(図14参照)。なお、留出油在庫が平年幅を超過する一方で、原油在庫が平年幅上限付近、ガソリン在庫が平年幅上方付近にそれぞれ位置していることから、原油とガソリンを合計した在庫、そして原油、ガソリン及び留出油を合計した在庫は、ともに平年幅上限付近に位置している(図15及び16参照)。 123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112※2010年11~12月の確定値は未発表出所:米国エネルギー省のデータをもとに作成速報値確定値修正幅百万バレル図12 米国原油在庫推移(2003~11年)図11 米国石油需要の伸び(2006~10年)%1002468-2-4-6-8-10-12-1439037035033031029027025012345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111211997-2002実績幅2003-11出所:米国エネルギー省データをもとに作成? 7 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 S万バレル図13 クッシング地区の原油在庫(2004~10年)4035302520151012342004 2009652005 2010 872006 9102007 11122008 出所:米国エネルギー省データをもとに作成ドル/バレル図14 WTIとブレントの価格差(WTI-ブレント、2010~11年)20-2-4-6-87891011121図15 米国原油+ガソリン在庫推移(2003~11年)百万バレル610590570550530510490470450 12345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111211997-2002実績幅2003-11出所:米国エネルギー省データをもとに作成 ? 8 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 S万バレル図16 米国原油+ガソリン+留出油在庫推移(2003~11年)80075070065060055012345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111211997-2002実績幅2003-11出所:米国エネルギー省データをもとに作成 他方、米国でのメキシコ湾岸地域を中心とする原油在庫の大幅な減少が影響し、12月末時点の OECD諸国における推定原油在庫も減少している。ただ、例年この時期はOECD諸国の原油在庫が減少傾向を示していることから、結果としては、平年幅を超過している状況を維持していることには変わりはない(図17参照)。他方、製品については、欧州では厳しい寒波が来襲したものの、暖房油を含めた中間留分の在庫はむしろ増加している(ユーロの下落でドイツの消費者が相対的に割高となった製品の購入を手控えたと指摘する向きもある)一方で、米国ではプロパン(暖房用に利用されると言われている)や「他の石油製品」の在庫が減少したことに加え、日本でも冬場に備えて灯油が出荷されたことに伴い在庫が減少したことで、OECD 諸国全体としても製品在庫が減少、水準としては平年並みとなっている(図 18 参照)。なお、原油在庫が平年幅を超過し、製品在庫が平年並みの水準となっていることから、原油と製品を合計した在庫は平年幅上限付近で推移している(図19参照)。また、12月末の推定OECD石油在庫日数は58.4日と10月末の水準(59.3日)から減少を示している。 図17 OECD原油在庫推移(2005~10年)億バレル10.510.09.59.08.58.01234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121995-20042005-10出所:IEAデータ他より推定 ? 9 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ュバレル図18 OECD石油製品在庫推移(2005~10年)1615141312123 45678 910111212345 6789101112123 4567 8910111212345 678910111212 34567 891011121234 567891011121995-20042005-10出所:IEAデータ他より推定 億バレル図19 OECD石油在庫(原油+石油製品)推移(2005~10年)1234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121995-20042005-10出所:IEAデータ他より推定 2010年12月中旬から2011年1月中旬にかけての原油市場等の状況 26252423222120. 22010年12月中旬から2011年1月中旬にかけての原油市場においては、12月中旬には、OPEC臨時総会(12月11日開催)での原油生産枠の据え置き決定、中国石油需要に関する統計や経済改善を示唆する米国経済指標類、そして米国原油在庫の市場の事前予想以上の減少等が原油価格に上方圧力を加えた一方で、米国連邦準備制度理事会(FRB)の失業者減少に対する悲観的な見通しや米ドルの上昇が下方圧力を加えた結果、原油価格は1バレル当たり概ね87~89ドル程度で推移したが、12月下旬以降は米国での経済改善を示唆する経済指標類や株式相場の上昇、米国等での石油関連施設停止による石油需給逼迫懸念の増大等に市場の注目が集まった結果、原油価格(WTI)は終値ベースで1バレル当たり90ドルを超過することとなった。(図20参照)。 ? 10 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ゙ル/バレル図20 原油価格の推移(2003~11年)15014013012011010090807060504030201234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121WTIBrentDubai 12月11日に開催されたOPEC臨時総会で原油生産枠の据え置きが決定されたことにより、原油価格が1バレル当たり90ドルに迫まっているにもかかわらずOPEC産油国側から増産等に対する明確な意図が見られない旨市場が確認する格好となったことに加え、同じく12月11日に中国国家統計局から発表された11月の同国消費者物価指数が前年同月比で5.1%の上昇と10月の4.4%から加速し、市場の事前予想であった4.7%も上回ったことから、12月11~12日に同国金融当局から金利引き上げの発表がなされるとの観測が市場で強まったが、実際には当該期間中そのような発表がなされなかったことで、金利引き上げに伴う中国の経済減速と石油需要鈍化に対する市場の懸念が後退したこと、また、12月13日に中国の調査機関である北京美蘭徳信息公司(CMMR:China Mainland Marketing Research)が、11月の中国の原油精製処理量が日量896万バレルと過去最高を記録した旨発表したこと、さらには、12月13日に格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが、米国で実施される予定の減税や失業保険給付措置延長は、同国の財政面からはマイナスであることから、今後 2年間「トリプル A」の格付けを引き下げる可能性を高める旨の見解を示した他、中国で金利引き上げ措置の実施が見送られたことから投資家のリスク許容度が拡大したことで、米ドルが下落したことにより、12月13日には、原油価格は前週末終値比で1バレル当たり0.82ドル上昇し、同日の終値は88.61ドルとなった。12月14日には、この日開催されたFRBによる連邦公開市場委員会(FOMC)で、景気回復速度は失業を減少させるには不十分であるとの認識が示されたことから、原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.33ドル下落し88.28ドルとなったものの、翌15日には、この日EIAから発表された同国石油統計(12月10日の週分)で、原油在庫が市場の事前予想(250~300万バレル程度の減少)を上回る、985万バレルの減少となっている旨判明したこと、また同じくこの日ニューヨーク連邦準備銀行から発表された12月のニューヨーク州? 11 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 サ造業景況指数(ゼロが景気拡大と縮小の分岐点)がプラス10.57と11月のマイナス11.14から改善し、市場の事前予想(プラス5.0)をも上回ったこと、さらには同日FRBから発表された11月の同国鉱工業生産が10月比で0.4%増加、2010年7月以来の大幅な上昇となり、市場の事前予想(0.3%増加)を上回ったことで、原油価格は反発、1バレル当たり88.62ドルと前日終値比で0.34ドル上昇し、前日の下落を帳消しした。ただ、12月16日には、この日米国商務省から発表された11月の同国新規住宅着工件数が55.5万件と10月比で3.9%の増加となり市場の事前予想(55.0万件)を上回った他、同日米国労働省から発表された同国新規失業保険申請件数(12月11日の週分)が42.0万件と前週比で0.3万件減少し、市場の事前予想(42.0~42.5万件)と一致したか上回ったことに加え、同じく同日フィラデルフィア連邦準備銀行から発表された12月のフィラデルフィア地区製造業景況指数(ゼロが景気拡大と縮小の分岐点)がプラス24.3と11月のプラス22.5から上昇し、市場の事前予想(プラス15.0)を上回った等、同国の経済状況改善を示唆する経済指標類の発表が相次いだが、かえってこれらにより米ドルが一時上昇したことが原油市場に下方圧力を加える結果となり、価格は前日終値比で1バレル当たり0.92ドル下落、この日の終値は87.70ドルとなった。12月17日には、この日独公的研究機関Ifo経済研究所から発表された12月の独企業景況感指数(2000年=100)が109.9と11月の109.3(改定値)から上昇し、1991年以来の最高水準に到達した他、市場の事前予想(109.0~109.1)を上回ったことに加え、同じく同日米民間調査機関コンファレンス・ボード(Conference Board)から発表された11月の景気先行指標総合指数(LEI:Leading Economic Indicators)が10月比で1.1%の上昇と2010年3月以来の高い伸びを示した他、5ヶ月連続で上昇となった旨判明したことで、この日の原油価格の終値は1バレル当たり88.02ドルと前日終値比で0.32ドル上昇した。 12月20日には、12月22日に発表される予定の米国の2010年7~9月期の経済成長率(改定値)が年率2.8%と、11月23日に発表された速報値(2.5%)から上方修正されているとの市場の観測が増大したことに加え、米国の年末の休日旅行シーズンを控え米領ヴァージン諸島におけるHovensaのSt. Croix製油所での流動接触分解装置(FCC)の改修作業が継続していたことから、ガソリン需給に関する懸念が市場で増大したことにより当該製品先物価格が上昇した(米国ガソリン先物価格はこの日前日終値比で 2.6%の上昇となった)影響が原油市場に波及したこと、12 月 20 日にChevronがナイジェリアのデルタ州で原油パイプラインが12月17日に攻撃され(武装勢力「ニジェール・デルタ解放隊(Niger Delta Liberation Force(NDLF))」が12月18日にデルタ州の3ヶ所の輸送基地を攻撃した旨犯行声明している)当該パイプライン? 12 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ナ輸送する原油の生産を停止した旨発表した(このパイプラインはDibi-Abiteyeパイプラインと言われるもので同国の原油輸出港であるEscravos(2010年12月の輸出量は日量12万バレル程度(暫定値)と伝えられる)へ原油を輸送しているが、この攻撃による損傷でどの程度輸出が影響を受けたかについては明らかにされていない、なおChevronは1月13日に当該パイプラインの修理が完了し平常通り原油が輸送されている旨発表している)ことにより、この日(12月20日)の原油価格は12月17日の終値からさらに1バレル当たり0.79ドル上昇し、この日の終値は88.81ドルとなった。(なお2011年1月渡し契約はこの日を以て取引期限を迎えたが、2月渡し契約終値は1バレル当たり89.22ドルと前週末終値比で0.62 ドル上昇している)。また、12月20日夕方に米文書ソフトウェア大手アドビ・システムズから発表された 2011 年第一四半期(2010年12月~2011年2月)の業績見通しが市場の事前予想を上回った他、12月21日に加大手金融機関トロント・ドミニオン銀行が自動車金融会社クライスラー・フィナンシャルを63億ドルで買収することで米投資会社と合意した旨発表したことから、米国株式相場が上昇、S&P500指数は2008年9月12日(米大手金融機関リーマン・ブラザーズ破綻直前)の水準を上回った他、12月21日には、この日国際ショッピング評議会(ICSC:International Council of Shopping Centers)から発表された米国既存小売店売上高(12月18日の週分)が前年同期比で4.2%増加を示している旨明らかになり、同国経済に関する楽観的な見方が増大したこと、12月22日には、この日EIAから発表された同国石油統計(12月17日の週分)で原油在庫が市場の事前予想(230~340万バレル程度の減少)を上回る、533 万バレルの減少となっている旨判明したこと、12月23日には、同日米国商務省から発表された11月の同国製造業耐久財受注(輸送用機器除く)が前月比2.4%増加と市場の事前予想(1.6~1.8%増加)を上回った他、同じくこの日発表された12月のミシガン大学消費者信頼感指数(1966年=100)(確定値)が74.5と11月の71.6から上昇し、2010年6月以来の高水準に到達したことで、原油価格は12月21~23日の3日併せ、合計で1バレル当たり2.70ドル上昇、12月21日夕方の時間外取引において90ドルを突破する場面が見られた他、22日には終値が90.48ドルと2008年10月7日以来の90ドルを上回る水準で通常取引を終了することとなった。また12月23日には1 バレル当たり91.51ドルの終値となっている(なお12月24日はクリスマスに伴う休日のため、NYMEXでの通常取引は行われなかった)。 他方、12月24日にはHovensaのSt.Croix製油所におけるFCCが操業を再開し、米国東部におけるガソリン需給逼迫懸念が後退したことに加え、12月25日には中国人民銀行が金融機関の貸し出しと預金の基準金利(期間はどちらも1年間)の0.25%? 13 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 フ引き上げを決定(12月26日から実施)したことで、同国の経済減速と石油需要鈍化懸念が市場で増大したことから、12月27日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.51ドル下落し91.00ドルとなったものの、12月27日夕方に米調査会社マスターカード・アドバイザーズが2010年11月5日~12月24日の米国の休暇シーズン中の小売売上高が前年同期比で5.5%の増加を示し2009年同時期の4.1%を上回っていた旨発表した他、12月30日にEIAから発表される予定の同国石油統計で原油在庫が減少しているとの観測が市場で発生したことから、12月28日には原油価格が反発、この日の終値は1バレル当たり91.49ドルと前日の終値の水準近くまで価格が回復することとなった。ただ、12月29日には、米国の原油在庫が1月に入ると増加するとの観測が市場で増大したこと、12月30日には、この日英金融機関HSBCから発表された12月の中国購買担当者指数(PMI:Purchasing Managers' Index、50が景況感拡大と縮小の分岐点)が54.4と11月の55.3から低下し、2010年9月以来の低水準となったことで、同国経済に対する懸念が市場で発生したことに加え、同じく同日EIAから発表された同国石油統計(12月24日の週分)で、原油在庫が126万バレルの減少と市場の事前予想(260~320 万バレル程度の減少)ほどには減少していなかった旨判明したことから、原油価格は12月29~30日の2日間併せ終値ベースで1バレル当たり1.65ドル下落し、12月30日の終値は89.84ドルと90ドルを割り込んだ。しかしながら、翌31日には、2011年に世界経済が回復するとの観測から投資家のリスク許容度が拡大、米ドルが下落したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり1.54ドル上昇し、91.38ドルで通常取引を終了している。 また、1月3日には、この日米国供給管理協会(ISM)から発表された12月の米国製造業景況感指数(50が景気拡大と縮小の分岐点)が57.0と11月の56.6から上昇し、2010年5月以来の高水準に到達していることが判明した他、同日米国商務省から発表された 11 月の同国の建設支出が前月比で 0.4%の増加となり市場の事前予想(0.2%の増加)を上回っていたこと、1月3日に英金融情報サービス会社マークイット(Markit)から発表された12月のユーロ圏製造業購買担当者景況感指数(50が景況感拡大と縮小の分岐点)が57.1と12月16日から発表された速報値56.8から上方修正されたことで、原油価格は続伸、この日の終値は前週末終値比で 1 バレル当たり0.17ドル上昇の91.55ドルとなった。ただ、1月4日には、年末年始の上昇局面に対する利益確定の動きが市場で発生したことに加え、1月4日に米国商務省から発表された11月の同国製造業受注額が市場の事前予想(前月比0.1%減少)に反し0.7%増加している旨判明したにより米ドルが上昇したことから、原油価格は反落、この日の終値は1バレル当たり89.38ドルと前日終値から2.17ドル下落した。1月5日には、こ? 14 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 フ日米企業向け給与計算サービス会社オートマチック・データ・プロセッシング(ADP)子会社等から発表された12月の米国民間部門雇用者数が前月比で29.7万人増加し、2001年の統計開始以来の大幅な伸びとなり市場の事前予想(10万人)を上回っていることが判明したことに加え、同じくこの日ISMから発表された12月の米国非製造業景況感指数(50が景気拡大と縮小の分岐点)が57.1と11月の55.0から上昇し2006年5 月以来の高水準となった他市場の事前予想(55.6~55.7)を上回ったこと、さらに同日EIAから発表された同国石油統計(12月31日の週分)で、原油在庫が市場の事前予想(125~200万バレル程度の減少)を上回る、416万バレルの減少を示していたことで、原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.92ドル上昇、この日の終値は90.30ドルと終値ベースで90ドルを回復したものの、翌6日には、この日明らかになった米小売企業の2010年12月の同国既存店売上高について一部企業のそれが市場予想を下回っていた旨判明したことから米国株式相場が下落したことに加え、1月7日に発表される予定の米国雇用統計で同国雇用者が相当数増加していることを示しているとの期待が市場で増大したことにより米ドルが上昇したこと、そして1月7日には、ベルギー及びアイルランドの国債保証コストが過去最高となったことに加え、ポルトガルやイタリアの当該コストも上昇するなど、欧州一部諸国の債務に対する懸念が市場で増大したことから米ドルが上昇したこと、また1月7日に米国労働省から発表された12月の同国雇用統計で非農業部門雇用者数が10.3万人の増加と市場の事前予想(15.0~17.5万人増加)を下回ったことに加え、1月7日に米国マサチューセッツ州最高裁判所が銀行による2件の住宅差し押さえを無効とする判決を下したことにより銀行株式が売られたこともあり米国株式相場が下落したことから、原油価格は1月6~7日両日終値ベースで1バレル当たり2.27ドル下落、1月7日の終値は88.03ドルとなった他、1月6~7日の両日とも一時88ドルを割り込む場面も見られた。 しかしながら、1月8日朝に米国アラスカ州のトランス・アラスカ・パイプランで小規模の原油漏出事故が発生し(現地時間午前8時50分に従業員が漏出を発見したとされる)操業を停止した(事故前には日量63万バレルの原油を輸送していたと伝えられる)ことに伴い、当該パイプラインに原油を供給するアラスカの油田での原油生産量が95%削減されたが、1月10日時点でも復旧の目途が立たないことで、米国での石油需給逼迫懸念が市場で発生したこと、また、1 月 11 日には、この日朝ノルウェーのSnorre油田(原油生産量日量11.6万バレル)とVigdis油田(同4.1万バレル)(双方とも操業者はStatoil)がSnorre Aプラットフォームにおけるガス漏出により生産を停止した(発生したのは現地時間午前3時38分、生産停止は午前4時前とされるが、20時間弱の停止の後当該油田は生産を再開したと伝えられる)旨の情報が流れたことに加? 15 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ヲ、米国アラスカ州のトランス・アラスカ・パイプラインについて依然復旧目途が立たなかったこと(なお当該パイプラインはその後現地時間11日午後7時に施設の凍結防止のため暫定的に日量40万バレルの輸送を再開したが、迂回パイプラインの設置工事を行うため1月14日夜より36時間程度の予定で再度操業を停止するとされる)、さらに、1月11日にBPの米国メキシコ湾原油流出事故を調査する大統領委員会の最終報告書が発表され、米国政府及び石油産業に対し同種の事故の再発を防ぐために緊急対策が必要である旨呼びかけられていたことで、将来における石油供給に関する懸念が市場で発生したこと、1月12日には、この日EIAから発表された同国石油統計(1月7日の週分)で原油在庫が215万バレルの減少と市場の事前予想(30~140万バレル程度の減少)を上回って減少している旨判明したこと、1月12日に実施されたポルトガル国債入札が順調であったことに加え、前日(1月11日)夕方に米大手銀行JPモルガンのダイモン最高経営責任者(CEO)が米CNBCテレビ番組において2011年第二四半期にも配当を引き上げる可能性がある旨言及した他、1月12日には米ウェルズ・ファーゴ証券のアナリストが米大手銀行株式に対する投資判断を引き上げた旨報道されたことで、1月12日においては金融機関株式価格が押し上げられたこともあり米国株式相場が上昇したことから、原油価格は1月10~12日は終値ベースでいずれの日も上昇、1月12日の終値は1バレル当たり91.86ドルと、価格はこの3日間で3.83ドル上昇した。1月13日には、この日米国労働省から発表された同国新規失業保険申請件数(1月8日の週分)が、前週から3.5万件増加し44.5万件となった他市場の事前予想(40.5~41.0万件)を上回ったことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.46ドル下落し終値は91.40ドルとなったが、1月14日には、この日FRBから発表された12月の同国鉱工業生産指数が前月比0.8%上昇と、2010年7月以来の高い伸びとなった他、市場の事前予想(0.5%上昇)を上回ったことで、原油価格のこの日の終値は1バレル当たり91.54ドルと、0.14ドルではあるが、前日終値からは上. 今後の見通し等 市場では、引き続き米国金融当局により実施される追加緩和を通じた景気回復に 3対する期待が根強く、それが当面原油相場を支持する格好となるものと考えられる。米国では一連の経済指標類の発表に加えて、1月10日夕方にアルコアにより2010年第四四半期等の業績報告シーズンが開始されたが、2010 年第四四半期は、ちょうど米国金融当局による追加金融緩和の実施に対する市場の観測が強まり、実際11月3日のFOMCでは2011年6月末までにFRBが6,000億ドルの国債の購入を行う旨昇している。 ? 16 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ?閧ウれたことから、市場関係者等の同国経済に対する信頼感が改善、株式相場が上昇基調となった他、経済指標類も経済が改善を示すものが目に付くようになった。このようなことから、当該期間の業績については、それなりに良好なものが発表されることが予想され、その結果、市場関係者の景気回復に対する楽観的な見方がなお一層強まることで株式相場が上昇、さらには、景気回復に伴い石油需要が増加するとともに需給が引き締まり原油価格が上昇するとの見方が増大し、実際に価格を押し上げてしまいやすくなることが想定される。 これまでリスクと考えられていた欧州の一部諸国の債務問題と中国の金利引き上げ等の金融引き締め政策による同国経済減速及び石油需要鈍化については、要因としては依然存在しており、また、例えば欧州では、12月15日に米格付け機関ムーディーズ・インベスターズ・サービスがスペインの国債格付けを引き下げる方向で見直す旨発表した他、12月17日には同じくムーディーズがアイルランドの国債の格付けを5段階、12月23日には英格付け会社フィッチ・レーティングスがポルトガルとハンガリーの長期信用格付けを1段階、それぞれ引き下げている。また、1月14日には、同じくフィッチがギリシャの長期信用格付けを1段階引き下げ「投資不適格級」とするなど、当該問題が改善する兆候を示すということにはなっていないように見受けられる。中国金融当局は、12月10日に銀行預金準備率を0.5%引き上げる旨決定したことに加え、12月25日に金利を0.25%引き上げ、また1月14日には再度預金準備率を0.5%引き上げる旨決定している。しかしながら、1月12日に実施されたポルトガルの国債入札に加え、1月13日に実施されたスペイン及びイタリアの国債入札も順調に実施されたことで、欧州一部諸国の債務問題に対する懸念が緩和したことに加え、市場心理における米国景気回復期待の占める割合が増大した結果、相対的に欧州一部諸国の債務懸念と中国の金融引き締め政策による同国の石油需要鈍化懸念といった要素の市場心理に占める割合が低下しており、この結果、原油相場の欧州及び中国要因に対する感度が鈍化する状況になっている。例えば、前述の欧州各国の格下げの発表については、原油価格に明確に織り込まれているようには見受けらない。また、12 月に実施された中国の金利引き上げについても、翌取引日であった12月27日の原油価格を1バレル当たり0.51ドル引き上げたにとどまっており、これは10月19日に行われた同国の0.25%の金利引き上げで、この日原油価格が3.59ドル下落したこととは対象的である。このようなことから、当面これらのリスクについては、市場を驚かすような余程劇的な出来事が発生しない限りは、原油相場への影響は限定的になるものと思われる。他方、欧州で債務問題を抱える一部諸国の国債の成功裏での発行に加え、1月13日にはトリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁がインフレ対策の重要性について言及、場合に? 17 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 謔チては金利の引き上げも辞さない旨示唆したことで、今後ユーロが上昇する反面ドルが下落する展開となる可能性もあり、これも原油相場上昇にとっては追い風となりうる。もっとも経済改善を示唆する経済指標類の発表等がかえって米ドルの上昇を誘発することで、原油相場の上昇を抑制したり、下方圧力を加えたりする場面が発生することも考えられるなど、米ドルの変動は今後も原油市場においては撹乱要因として機能する恐れがあることには留意する必要があろう(但し、市場の基本的な認識は米国(やがて世界)の経済が回復し石油需要が増加する、といったものであるので、当面米ドル変動の原油相場に対する影響は一時的で、例えば持続的に原油価格を下落させるものではないものと見られる)。 他方、米国等の石油生産・輸送関連施設の大部分は復旧、もしくは部分復旧しているが、石油生産関連施設等の信頼性に対するイメージの低下を市場が引きずることに加え、市場の基本的な関心は、将来の米国等の景気回復持続に伴う世界石油需給の引き締まりといったことであるので、石油施設での生産活動等の回復といった要因が原油相場を継続的に押し下げるということにはならないのではないかと思われる。また、これに類似する要素として、中国での軽油特需に関する問題(同国の第11次5カ年計画に定められているエネルギー効率化の政策目標(2010年末までに2005年比で単位GDP当たりエネルギー消費量の20%低減)のため、地方政府が工場等に対して強制的に電力供給を停止したことにより、工場等が自家発電装置稼動のために積極的な軽油購入を行った結果、自動車向けの軽油が不足、ガソリンスタンドでは売り切れ、といった事態となるなど混乱が発生、製油所では軽油生産のために稼動を引き上げるとともに、軽油輸入を増加させたことで、2010年11~12月は原油や石油製品の純輸入量が相当程度増加したと伝えられる)は、同国での政策目標上の期限(2010年末)を過ぎたことから、今後緩和していくものと見られるが、これについても市場の関心が違うところに向かいつつあることから、原油相場の明確な押し下げ要因とはなりにくいものと考えられる。 むしろ、石油需給上注意しなければならないのは、クッシングの在庫状況であろう。1月6日(午後3時30分頃と伝えられる)に加石油会社Canadian Natural Resourcesの操業するカナダ・アルバータ州北東部でのホライズン(Horizon)オイルサンド改質装置(能力は日量11万バレルであるが2010年1~9月の合成原油生産量は日量9万バレル程度であった)で火災が発生し、1月12日に同社は1月分の合成原油出荷に対して不可抗力条項の適用を宣言している。ここで生産された合成原油はパイプラインで最終的にはクッシングへと輸送されてくる場合もあることから、今後この分の合成原油がクッシングに到着しなくなることで、同地点での原油在庫が減少し始めることも? 18 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 \想される。このような事情から、ごく短期的には、WTI に対して、ブレント価格との差を縮小すべく、上方圧力が加わる可能性が考えられる。 ただ、もう少し先を見ると、第二四半期に近づくにつれ、米国中西部等での製油所が春場のメンテナンスを開始する。そうなると製油所で受け入れられなくなった原油がクッシングへと流入してくることから、そう遠くない時期にクッシングの原油在庫は増加に転ずる可能性があることに加え、現在加パイプライン会社である TransCanada がネブラスカ州スティール・シティ(Steele City)からクッシングまでパイプラインを敷設する作業を実施中である(図21参照)。これはKeystoneパイプラインプロジェクト(第二期)と呼ばれる。当該プロジェクト(第一期)は、カナダのアルバータ州ハーディスティ(Hardisty)と米国イリノイ州パトカ(Patoka)を結ぶパイプラインの建設であるが、既に2010年6月30日に完成し操業を開始している(輸送能力は日量43.5万バレルである)。Keystoneパイプライン(第二期)は、2011年第一四半期(2月になると見る向きもある)に完成する予定であり、そうなるとカナダからさらなる原油がクッシングを目指して流入する(最大日量 15.6万バレル程度との指摘もある)ようになることから、原油流出用のパイプライン能力が限定されるクッシングではなおさら原油在庫が増加しやすくなり、この結果WTIのブレントに対する割安感が強まりやすい、といったことになるものと思われる。 図21 Keystone パイプラインプロジェクト 出所:TransCanada資料他より作成 ? 19 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 シ方、春場のメンテナンスに伴う原油不需要期が接近することから、例年であればこれからの時期は市場の強気心理も緩和しやすくなるが、2010~11 年の冬においては、欧米等においてこれまでしばしば厳しい寒波が訪れていることから、暖房油需給の逼迫の可能性につき市場が神経質になるような状況は今しばらく続くものと予想され、その意味では当面原油相場に下方圧力が加わりにくいものと考えられる。また、天気予報も、時として大幅に改定され、平年を超過する穏やかな気温予報が一転して厳しい寒波の到来と気温の低下の予報に変更される場合もあるので、このような気象予報及び実際の気温状況等については今しばらく注意する必要があろう。 これまでの試算で、2011年第三四半期まではOECD諸国の石油在庫日数は概ね現状に近い水準で推移する可能性がある旨明らかにしてきた。今般2011年1月11日にEIAが「短期エネルギー展望」(STEO: Short-Term Energy Outlook)において、2012年の世界石油需給展望を発表したことから、2010年11月4日に石油輸出国機構(OPEC)から発表された「世界石油展望」(World Oil Outlook)及び12月10日に国際エネルギー機関(IEA)から発表されたオイル・マーケット・レポート(Oil Market Report)での展望と併せ2012年の世界石油需給につき考察することとしたい。 まず、世界経済成長率(年率)であるが、IEAが4.5%弱の成長と見込んでいるのに対し、EIAとOPECはいずれも3.7%である。但し、IEAとEIAは、2012年は2011年よりも経済成長が加速する、と認識しているのに対し、OPECは2011年と2012年の経済成長率は同程度としている(図22参照)。他方、2012年の世界石油需要の伸び(対前年比)はOPECで日量100万バレル、IEAが日量130万バレル、EIAが日量160万バレルとなっている(図23参照)など、EIAの展望は他の2者よりも堅調な需要増加を見込んでおり、世界石油需要の対GDP弾性値も2010年から2012年にかけて0.5のまま殆ど改善しないことを示唆している(IEA及びOPECの2011~12年のそれは、概ね0.30~0.35程度であり、IEAは2010年の0.6程度から弾性値が半減することを示している)(図24参照)。また、IEAもEIAも非OECD諸国の石油需要が日量150万バレル強増加する、という見解では一致しているが、OECD諸国については、IEA が日量25万バレル減少するのに対し、EIAは、日量10万バレル弱増加するとの認識となっており、この点が両者の世界石油需要の増加量の違いになって現れている。 2012年の世界石油需給について考察する . 4? 20 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 }22 各機関の世界経済成長に対する認識年率%54320102011EIAIEAOPEC2012出所:各機関資料をもとに作成日量百万バレル図23 各機関の世界石油需要増加量に対する認識1.81.61.41.21.00.80.70.60.50.40.30.220112012IEAEIAOPEC出所:各機関資料をもとに作成図24 各機関の世界石油需要の対GDP弾力性に対する認識2010IEA2011EIAOPEC2012出所:各機関資料をもとに作成 他方非OPEC産油国の石油等供給量については、そもそも2010年時点で、IEA、EIA及びOPECの間には量的な開きがあった(いずれも原油、原油に準ずる液体、バイオ燃料等を含むとされる)(図25参照)が、2012年にかけて、EIAは他の2者に対し? 21 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ト非OPEC産油国の石油等生産量増加の低迷が顕著に示される結果となっている。IEAやOPECが、2011年及び2012年にかけ非OPEC産油国石油等供給量が年間日量40~60万バレル程度増加すると考えているのに対し、EIAは2011年に日量20万バレル程度増加した後、2012年は殆ど増加しないと考えている(図26参照)。これは EIA が欧州石油供給量の減退幅を相当程度見込んでいることに加え、ロシアを含む旧ソ連諸国の供給量も2010年から2012年にかけて減少すると認識していることが影響している(IEA及びOPECは2010年から2012年にかけて旧ソ連諸国の供給量は日量30万バレル程度増加すると考えている)。逆にOPEC産油国のNGL等供給量については、多少ばらつきがあるが、2011年から2012年にかけて概ね日量30~50万バレルの増加(2010年から2012年にかけては日量90~120万バレルの増加)となっている。 日量百万バレル図25 各機関の非OPEC産油国石油等供給量に対する認識5655545352515020102011EIAIEAOPEC2012出所:各機関資料をもとに作成日量百万バレル図26 各機関の非OPEC産油国石油等供給増加量に対する認識0.80.60.40.20.020112012IEAEIAOPEC出所:各機関資料をもとに作成 このようなデータをもとに今後OPEC産油国が2010年12月時点の原油生産量を? 22 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 。後も維持したと仮定した場合に、2012年9月にかけOECD諸国石油在庫日数がどのようになるか試算してみた。また、別のシナリオも用意した。このシナリオは2012年の経済成長率を年率3.5%(EIAやOPECを若干下回るが、概ね過去の世界経済成長率の平均に近い水準)、世界石油需要の対GDP弾性値を0.35(IEAやOPECを若干超過する水準)、非OPEC産油国の石油等供給量やOPEC産油国のNGL等供給量はIEAに準ずる、というものである。なお、それぞれの試算は2012年について行っており、2011年の世界石油需給シナリオについてはIEAのデータを利用したものとなっている。ただ、IEAの前提とする2011年の経済成長率は4.2%程度と2010年(4.7%)から若干の低下にとどまっているものの、もともと現在の経済に対する信頼感改善は、各国の積極的な金融緩和等の刺激策に伴うものであり、ある種の需要の前倒しの類となっている部分があることから、早晩金融緩和等に対する効果が薄れてきたり、インフレの兆候が現れたりすることで金融引き締めを実施する必要に迫られることにより、経済成長が鈍化して来る恐れがあること、昨今の石油価格上昇(例えば全米ガソリン平均小売価格は12月には1ガロン当たり3ドルを超過する状態となっているが、この水準になると米国消費者のガソリン消費行動に変化が出始める、と見る向きもある(図27参照))により、ガソリン等の石油需要に負の影響を与え始める可能性もあることから、IEAの想定する2011年の世界石油需要も下方修正される場合がありうることに留意する必要があろう。 セント/ガロン図27 米国石油製品小売価格の推移(2007~11年)4504003503002502001501234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121出所:米国エネルギー省データをもとに作成 結果としては、世界石油需要の伸びを低く考えているOPECについては、OECD在庫日数が上昇する一方で、非OPEC産油国による石油等生産量の伸びを低く見込んでいるEIAにおいては当該在庫日数が51日程度と平年といわれる幅(50~55日程度)の下方にまで低下することになる(図28参照)。他方、IEAや別途用意したシナリ? 23 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 Iでは2012年になっても現状の水準からそう離れず、また平年幅の上限も超過する、ということになる。従って、世界石油需給が逼迫に向かうのは、今後経済成長が持続するか、もしくは石油消費効率が全く改善せず、かつ非OPECやOPEC産油国の石油等生産量も増加しない、といった石油需給引き締まり条件が複数現実化するといった前提を満たした場合、ということになる。ただ、金融緩和策の反動等により世界経済や石油需要が下振れするリスクを内包していることに加え、OPEC 産油国の原油生産枠遵守率は特に現在のような1バレル当たり90ドルを超過するような原油価格の環境下では低下しやすいこと等を考慮すると、EIA の示唆するようなシナリオが実現する可能性は必ずしも高いとは言い切れないのではないか、と考えられる。 図28 OECD諸国石油在庫日数※1シナリオ(2008~12年)101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789実績(~2010年12月)及びIEAデータに基づくシナリオIEAEIAOPEC経済成長率3.5%シナリオ出所:各種機関資料をもとに試算 日68666462605856545250 ? 24 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
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2011/01/17 野神 隆之
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