ページ番号1004088 更新日 平成30年2月16日

原油市場他:エジプト政情不安でWTI上昇、ブレント100ドル突破

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レポートID 1004088
作成日 2011-02-14 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 市場
著者 野神 隆之
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年度 2010
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2011/2/13 石油企画調査部:野神 隆之 原油市場他:エジプト政情不安でWTI上昇、ブレント100ドル突破 (IEA、OPEC、米国DOE/EIA他) ① 米国では春場の製油所メンテナンスシーズンに入りつつあり、原油精製処理量も低下してきているが、クッシングでの原油在庫の増加を反映してWTIの価格が製品価格に比べて抑制されていることから精製利幅が上昇、相対的にガソリンの生産が堅調であったことに伴い在庫も増加、2011年2月4日の週には1990年3月16日以来の高い在庫水準に到達した。他方留出油については、米国北東部への寒波の到来もあり、暖房油在庫は減少したものの、軽油在庫の増加で相殺された格好となっている。原油在庫については、米国メキシコ湾岸地域での製油所の年末に向けた課税対策も一段落したことから、こちらも増加傾向である。なお、原油、ガソリン、留出油ともに在庫は平年幅を超過する状態となっている。 ② 1月末時時点におけるOECD諸国推定原油在庫は、米国での増加が影響し、全体としても増加となっており、平年幅を超過した状態は維持されている。ただ、一方で、石油製品在庫については、特に欧州で原油価格の上昇に製品価格が追いつかないといった面があり、必ずしも製油所での石油製品の生産活動が活発とは言い切れなかったことから、当該地域での在庫の伸びが限定された他、日本においても厳しい寒波の到来で灯油在庫が減少したことから、OECD諸国全体としては微増にとどまり、その結果、水準自体は平年並みとなっている。 ③ 2011年1月中旬にWTIで1バレル当たり90ドルを超過していた原油価格は、経済が減速しつつあることや金融引き締め策の実施が間近に迫っていることを示す指標類に加え、OPEC産油国要人による増産を示唆する発言等で、下旬には85ドル台にまで下落したが、月末に、エジプトでの政情不安が深刻化したことに伴う市場の石油供給途絶等の懸念の増大により、2月初旬にかけ再び90ドルを突破する水準にまで上昇した。しかしその後は、米国では原油在庫増加観測や実際の増加、中国金融当局による金利引き上げといった要因を織り込み、2月中旬には再び85ドル台にまで価格が下落した。 ④ エジプトの政情不安は、ムバラク大統領退陣以降、落ち着きを取り戻しつつあるように見えるが、同国の政情不安の影響が他の中東及び北アフリカ産油国に波及するのではないか、といった市場の神経質な感情は今しばらく継続することも予想されることから、特に中東及び北アフリカに市場が近い欧州の指標原油であるブレントなどは、少なくとも当面下落幅は限定される可能性が考えられる。他方WTIについては、春場の製油所メンテナンスシーズン突入に加え、新たにクッシングに原油を輸送するパイプラインが操業を開始したこともあり、上方圧力が加わりにくい展開が想定される。 ⑤ 市場関係者は、2030年に向け、消費効率改善で石油需要増加率が抑制される一方で、環境面等での利点から天然ガスの導入が進み、また、再生可能エネルギー需要も旺盛に伸びていくと認識している。ただ、再生可能エネルギーはもともとの需要量が限定的であることから、2030年においても一次エネルギー需要に占める割合は限られる、と見ている。 ? 1 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 . 原油市場を巡るファンダメンタルズ等 米国においては、2010年11月のガソリン需要(確定値)は、速報値(前年同月比で0.5%の増加)から0.6%下方修正され0.1%の減少となっている(図1参照)など、必ずしも同国のガソリン需要が堅調ではないことが示されている。(米国ガソリンスタンドのクレジットカードでの支払い記録をもとに推定したガソリン需要は既に9~11月は前年同月比で減少となっていることが示唆されていた)。ただ、2011年1月の速報値は前年同月比で1.7%の増加となっており、この時期しばしば降雪に見舞われたにもかかわらず、需要が回復しているように見える。しかしながら、比較する対象である2010年1月の同国ガソリン需要(確定値)が前年同月比で 1.1%減少するなど低水準となっていることへの反動、といった面もあることに留意する必要があろう(当時の速報値との比較では、前年同期比0.2%の増加にとどまっている)。同国の製油所は1月中旬に入り一部が春場のメンテナンス作業開始に伴い操業を停止したこと等もあり、原油の精製処理量は2010年12月の比較的堅調な水準からは低下してきており(図2参照)、これに伴い製油所におけるガソリンの生産量も低下している(図3参照)ものの、米国の指標原油であるWTIの価格の上昇がガソリンのそれに比べて抑制されている部分があることから、需要に比べて生産は相対的に堅調となっていることもあり、結果として1月の同国のガソリン在庫は増加傾向を示した結果、2月4日の週の同国ガソリン在庫は2.4億バレルと1990年3月16日の週以来約21年弱ぶりの高水準に到達しており、平年幅も超過している(図4参照)。 図1 米国ガソリン需要の伸び(2006~11年)%86420-2-4-6-8-101234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121※2010年12月~2011年1月の確定値は未発表出所:米国エネルギー省のデータをもとに作成速報値確定値修正幅 ? 2 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 坥ハ百万バレル図2 米国の原油精製処理量(2009~11年)15.515.014.514.013.512345678910111212345678910111212※4週間平均出所:米国エネルギー省データをもとに作成日量百万バレル9.69.49.298.88.68.414325※4週間平均図3 米国のガソリン生産量(2009~11年)678910111212345678910111212出所:米国エネルギー省データをもとに作成百万バレル図4 米国ガソリン在庫推移(2003~11年)260240220200180160123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112121997-2002実績幅2003-11出所:米国エネルギー省データをもとに作成 他方、留出油については、1 月の需要は前年同月比で 1.1%の増加となっており(図5参照)、依然堅調そうに見えるが、これまでの増加率と比較すると急速に、その幅が縮小しつつある。しかも2010年1月は前年同月比で10%超の需要減少が発生していることや、米国に寒波がしばしば到来し北東部等で暖房油需要が発生したことなどを加味すると、特に軽油需要が不振である、ということが示唆される。そしてそれは、1? 3 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 獅ノおいて暖房油在庫は減少したものの、軽油在庫が増加した(図6参照)ことにより、留出油在庫は比較的狭い範囲で増減する結果となった他、通常この時期当該在庫は減少するところ、本年においては増加したことから、在庫水準自体も再び平年幅を大きく超過することになった(図7参照)。 1234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121速報値確定値修正幅※2010年12月~2011年1月の確定値は未発表出所:米国エネルギー省のデータをもとに作成百万バレル図6 米国の軽油と暖房油の在庫(2010~11年)百万バレル図5 米国留出油需要の伸び(2006~11年)%181614121002468-2-4-6-8-10-12-14-166560555045403513012512011511010510011/1911/2612/312/1012/1712/2412/311/71/141/211/282/4暖房油軽油出所:米国エネルギー省データをもとに作成百万バレル図7 米国留出油在庫の推移(2003~11年)18016014012010080123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112121997-2002実績幅2003-11出所:米国エネルギー省データをもとに作成? 4 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 月の石油製品全体の需要(速報値)については、「その他の石油」の範疇(但し、この「その他の石油製品」の需要は、時として石油統計が速報値から確定値に移行する際に大きく修正されることがあるので、注意が必要である)が全体の需要を押し上げ、前年同月比で2.7%の増加となっている(図8参照)。また、原油については、米国メキシコ湾岸地域の製油所における年末の課税対策に伴う陸上での原油貯蔵量の大幅な低下、といった時期も過ぎるとともに、製油所での春場のメンテナンスに伴う原油引き受けの低下もあり、全体としては増加基調となっており、こちらも平年幅を超過する状況となっている(図 9 参照)他、ニューヨーク商業取引所(NYMEX)での原油先物WTIの引渡し地点であるオクラホマ州クッシング(Cushing)での原油在庫量は、1月28日の週には3,833万バレルと2004年4月に統計を開始して以来の最高水準に到達している(図10参照)。なお、原油、ガソリン、留出油のそれぞれの在庫が平年幅を超過したことから、原油とガソリンを合計した在庫、そして原油、ガソリン及び留出油を合計した在庫は、ともに平年幅を超過している(図11及び12参照)。 123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112121997-2002実績幅2003-11出所:米国エネルギー省データをもとに作成? 5 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 1234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121※2010年12月~2011年1月の確定値は未発表出所:米国エネルギー省のデータをもとに作成速報値確定値修正幅 百万バレル図9 米国原油在庫推移(2003~11年)図8 米国石油需要の伸び(2006~11年)%1002468-2-4-6-8-10-12-14390370350330310290270250S万バレル図10 クッシング地区の原油在庫(2004~11年)4035302520151012342004 2009652005 2010 872006 20119102007 11122008 出所:米国エネルギー省データをもとに作成百万バレル図11 米国原油+ガソリン在庫推移(2003~11年)610590570550530510490470450123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112121997-2002実績幅2003-11出所:米国エネルギー省データをもとに作成図12 米国原油+ガソリン+留出油在庫推移(2003~11年)百万バレル800750700650600550123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112121997-2002実績幅2003-11出所:米国エネルギー省データをもとに作成 1月末時点におけるOECD諸国推定原油在庫については、米国での増加が影響し、? 6 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 S体としても増加となっており、平年幅を超過した状態は維持されている(図13参照)。ただ、一方で、石油製品在庫については、米国で確かにガソリン在庫が増加したり、欧州でも中間留分の在庫が増加したりした(独ライン川において水位が上昇したうえに、1月13日には化学製品タンカーが転覆した関係で、しばしば閉鎖され、中間留分等を輸送する船舶の交通に支障が発生したことが影響しているものと見られる)ものの、他方で、欧州での精製利幅はブレント価格の上昇に製品価格が追いついていない部分もあり、必ずしも石油製品の生産活動が活発とは言い切れなかったことから、当該地域での石油製品在庫量の伸びが限定された他、日本においても厳しい寒波の到来もあり灯油在庫が減少したことから、OECD 諸国全体としては微増にとどまり、その結果、水準自体は平年並みの状況となっている(図14参照)。なお、原油在庫は平年幅を超過しているものの、製品在庫が平年並みとなっていることから、原油と石油製品を合計した在庫は平年幅の上方に位置するようになっている(図15参照)。また、OECD諸国の石油在庫日数(月末の在庫量をその直後の3ヶ月間の1日当たり需要で除したもの)は、2010年末には57.5日であったが、2011年1月の推定在庫日数は58.0日へと増加している。 図13 OECD原油在庫推移(2005~11年)億バレル10.510.09.59.08.58.0123456789 101112123456789 101112 123456789101112123456789 101112123456789 10111212345678910111211995-20042005-11出所:IEAデータ他より推定 億バレル図14 OECD石油製品在庫推移(2005~11年)161514131212 345 67 891011121 234 567 89101112123456 78 910111212 345 67 891011121 234 567 89101112123 456 78 910111211995-20042005-11出所:IEAデータ他より推定 ? 7 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 011年1月中旬から2月中旬にかけての原油市場においては、1月中旬にWTIで1バレル当たり90ドルを超過していた原油価格は、経済が減速しつつあることや金融引き締め策の実施が間近に迫っていることを示す指標類に加え、OPEC 産油国要人による増産を示唆する発言等で、下旬には85ドル台にまで下落したが、月末に、エジプトでの政情不安が深刻化したことに伴う市場の石油供給途絶等の懸念の増大により、2月初旬にかけ再び90ドルを突破する水準にまで上昇した。しかしその後は、米国では原油在庫増加観測や実際の増加、中国金融当局による金利引き上げとそれに伴う経済減速の可能性に対する市場の不安感といった要因を織り込み、2月中旬には再び85ドル台にまで価格が下落した。一方、欧州での原油価格(ブレント)は、エジプト情勢緊迫に伴い1バレル当たり100ドルを突破した後も、当該情勢の沈静化にもかかわらず、懸念が根強く残り、100ドルを超過する水準を維持することとなった。(図1612345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111211995-20042005-11出所:IEAデータ他より推定 2011年1月中旬から2月中旬にかけての原油市場等の状況 26252423222120. 2億バレル図15 OECD石油在庫(原油+石油製品)推移(2005~11年)図16 原油価格の推移(2003~11年)参照)。 ドル/バレル150140130120110100908070605040302012345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212WTIBrentDubai 1月17日には、米国ではキング牧師誕生日(Martin Luther King Day)に伴う休日の? 8 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 スめニューヨーク商業取引所(NYMEX)での通常取引は行われなかったが、この日の朝(現地時間午前10時)に米国アラスカ州のトランス・アラスカ・パイプライン(1月8日朝に小規模の原油漏出事故が発生し操業を停止(事故前には日量63万バレルの原油を輸送していたと伝えられる)したことに伴い、当該パイプラインに原油を供給するアラスカの油田での原油生産量が95%削減された)の修理が完了し、操業を再開したことで、市場での石油需給逼迫懸念が後退したこと、1月19日には、この日米国商務省から発表された12月の新築住宅着工件数が年率52.9万件と前月比4.3%の減少となり市場の事前予想(55万件)を下回ったこと、また、1月20日には、この日中国国家統計局から発表された2010年第四四半期の国内総生産(GDP)が前年同期比9.8%増加と第三四半期の 9.6%増加から加速し、市場の事前予想(9.2~9.4%増加)を上回ったものの、それにより同国金融当局による金利引き上げ等の金融引き締め策実施の可能性に対する警戒感が市場で増大したうえ、同じくこの日米国エネルギー省エネルギー情報局(EIA)から発表された同国石油統計(1月14日の週分)で原油在庫が市場の事前予想(50~220万バレルの減少)に反し262万バレル増加したこと、さらに同日全米不動産業者協会(NAR:National Association of Realtors)から発表された2010年12月の米国中古住宅販売件数が年率528万戸と2010年5月以来の高水準となった他市場の事前予想(485~487万戸)を上回ったこと、同じくこの日米国労働省から発表された同国新規失業保険申請件数(1月15日の週分)が40.4万件と前週から3.7万件減少したうえ市場の事前予想(42万件)も下回っていたことが、かえって米ドルの上昇を招いたことから、原油価格は1月18~20日の3日間で、前週末終値比で1バレル当たり2.68ドル下落し、1月20日の終値は88.86ドルと、10日間ぶりに終値ベースで90ドルを割り込んだ(なお、NYMEXでの2月渡し原油先物契約に関する取引はこの日を終了したが、3月渡し契約のこの日の終値は1バレル当たり89.59ドルと前日終値比で2.22ドル下落した)。1月21日の原油価格の終値は1バレル当たり89.11ドルと前日終値比で0.25ドル上昇しているが、2011年3月渡し原油先物契約同士では前日終値比で0.48ドル下した。これは、1月20日に発生した、中国金融当局による金融引き締め策実施の可能性に対する市場の警戒感の流れをこの日も引き継いだことによる。 1月24日には、この日サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源大臣から、OPEC産油国は世界石油需要を満たすべく2011年には増産を実施する可能性がある旨の発言があったこと、1月25日には、この日インド準備銀行(RBI: Reserve Bank of India、中央銀行)が、国内インフレ抑制のために、政策金利を 0.25%引き上げる旨決定(同日実施)したと発表したことに加え、同じく同日英国立統計局が発表した同国の2010年? 9 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 謗l四半期実質国内総生産(GDP)成長率が、前期比マイナス0.5%と2009年第三四半期以来のマイナス成長となっていた旨判明したうえ、市場の事前予想(プラス0.5%)を下回ったことにより、原油価格は1月24~25日の2日間併せ終値ベースでさらに1バレル当たり2.92ドル下落、1月25日の終値は86.19ドルとなった。また、1月25 日夜のオバマ米大統領による一般教書演説で、法人税の引き下げを提言したことで、米国企業活動が活発化するとともに石油需要が増加するとの市場の期待が増大したことに加え、翌26日には、この日米国商務省から発表された12月の米国新築住宅販売件数が年率32.9万戸と前月比で18%増加した他、市場の事前予想(30万戸)を上回ったことに加え、同じく同日米国連邦準備制度理事会(FRB)から1月25~26日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)において6,000億ドルの追加国債購入(2011年11月2~3日のFOMC開催時に実施を決定)を継続することで合意した旨発表があったことで、1月26日の原油価格の終値は1バレル当たり87.33ドルと前日終値比で1.14ドル上昇したものの、1月27日には、この日クウェート国営石油会社(KPC:Kuwait Petroleum Corporation)のFrouk al-Zanki最高経営責任者(CEO)が、世界経済フォーラム(於スイス・ダボス)の際に、現在の高水準の原油価格が世界経済の減速を開始させるかもしれないことについての懸念を表明し、OPEC 産油国による原油生産量増加を示唆した旨報じられたこと、また、この日米国商務省から発表された12月の同国耐久財受注が前月比 2.5%の減少となっていた旨判明し、市場の事前予想(1.5%増加)を下回ったこと、さらに同じく同日米国労働省から発表された同国新規失業保険申請件数(1月22日の週分)が45.4万件と前週比で5.1万件増加(2005年9月9日の週(前週比9.6万件増加)以来の大幅増加)し、市場の事前予想(40.5万件)を上回ったことで、原油価格は反落、前日終値比で1バレル当たり1.69ドル下落し終値は85.64ドルと、前日の上昇を帳消しする格好となった。ただ、1月28日には、この日米国商務省から発表された 2010 年第四四半期の同国国内総生産(GDP)成長率(速報値)が前期比年率3.2%の増加となり、第三四半期の2.6%の増加(確定値)から加速したことに加え、同国の個人支出が前期比年率 4.4%の増加となり、増加率が第三四半期の 2.4%から拡大した他、市場の事前予想(4.0%の増加)を上回ったこと、1月25日に発生したエジプト各地でのムバラク大統領退陣を要求した抗議行動(後述)が28日に激化したことで、同国スエズ運河等の原油の輸送に支障が生ずるとの不安感が発生した他、このような政情不安がサウジアラビアを含めた中東の他の諸国に波及することで、石油輸出途絶に関する懸念が市場で高まったことから、この日の原油価格は前日終値比1バレル当たり3.70ドル上昇し89.34ドルでこの週の取引を終えた。 ? 10 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 月31日においても、前週のエジプト政情不安に伴う石油供給途絶懸念の流れを市場が引き継いだうえ、この日(1月31日)米国商務省から発表された2010年12月の個人消費支出が前月比0.7%増加と11月(同0.3%増加)から伸びが加速した他、市場の事前予想(0.5%増加)を上回ったこと、また、同日シカゴ購買部協会から発表された2011年1月のシカゴ地区景気指数(50が景気拡大と縮小の分岐点)が68.8と2010年12月の66.8から上昇し1998年7月以来の高水準となった他、市場の事前予想(64.5~65.0)を上回ったこと、また、同じくこの日欧州連合統計局(ユーロスタット: Eurostat)から発表された2011年1月のユーロ圏消費者物価指数(速報値)が前年同月比2.4%の上昇と2010年12月(2.2%上昇)から加速していることが示され、2008年10月以来の高水準となった他、市場の事前予想(2.3%)を上回ったことで、欧州金融当局による金利引き上げ実施に対する観測が市場で増大し、ユーロが上昇した反面米ドルが下落したことで、 この日の原油価格は前週末終値比でさらに1バレル当たり2.85ドル上昇し、この日の終値は92.19ドルと、終値ベースでは1月19日以来の90ドル超過となった他、一時電子取引では92.84ドルと2008年10月7日(この日の高値は 93.02 ドル)以来の高値を記録する場面も見られた。またブレント価格も上昇、この日の終値は1バレル当たり101.01ドルと、2008年9月26日(この日の終値は103.54ドル)以来の終値ベースでの100ドル超過となった。2月1日にはWTIについては翌2日発表予定のEIAによる同国石油統計で原油在庫が増加しているとの市場の観測が増大したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり90.77ドルと前日終値比で1.42ドル下落した。他方、ブレント原油は、この日(2月1日)エジプトのムバラク大統領が9月の大統領選挙実施時には出馬しない反面それまで退陣もしない旨表明したことにより、政情不安が継続したことに伴い石油供給が途絶するのではないか、といった市場の懸念を反映し、前日の終値からさらに0.73ドル上昇し、この日の終値は101.74ドルとなっている。2月2日には、この日エジプトでムバラク大統領即時退陣を呼びかける反政府デモ隊と大統領支持派が衝突したことで、エジプトを含めた北アフリカ及び中東情勢に対する市場の懸念が増大したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり90.86ドルと前日終値比で0.09ドル上昇、ブレントにおいては、2月2日深夜(米国東部時間、ロンドンの時間では2月3日早朝)には、一時103.37ドルに到達する場面も見られたが、2月3日には、この日欧州中央銀行(ECB)が開催した理事会で、主要政策金利を1%で据え置くことが決定された他、トリシェ総裁が現在物価は安定している旨示唆したことで、早期の金利引き上げに対する観測が市場で後退し、ユーロが下落した反面米ドルが上昇したことにより、原油価格は再び前日終値比で1バレル当たり0.32ドル下落し、終値は90.54ドルとなった。また、ブレントもこの? 11 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 冾フ終値は101.76ドルと前日終値比で0.58ドル下落した。2月4日においてもこの日米国労働省から発表された2011年1月の非農業部門雇用者数が前月比で3.6万人増加と市場の事前予想(14.5~14.6万人増加)を下回ったことに加え、エジプトのムバラク大統領が間もなく退陣する見込みとの情報が一時流れたことで、この日の原油価格は続落、前日終値比で1.51ドル下落し終値は89.03ドルと、1月28日以来の終値ベースでの90ドル割れとなった。またブレントも前日終値比で1バレル当たり1.93ドル下落、この日の終値は99.83ドルと1月28日以来の終値ベースでの100ドル割れとなった。 また、2月5~6日にエジプトのスレイマン(Suleiman)副大統領が、ムバラク大統領からの権限移行等につき同国野党指導者と協議を行ったことを受け、2月7日の原油市場では、同国の混乱を巡る市場の懸念が後退した他、2月4日の米国の雇用報告による市場心理がこの日(2月7日)も引き継がれたことに加え、9日にEIAから発表される予定の同国石油統計で、原油在庫が増加しているとの観測が市場で増大したこと、2月8日にも、翌9日にEIAから発表される予定の同国石油統計で原油在庫が増加しているとの市場の観測を引き継いだうえ、この日中国人民銀行が国内金融機関の貸し出し及び預金の基準金利を0.25%引き上げることを決定(2月9日実施)したことで、同国の経済減速と石油需要鈍化懸念が市場で増大したこと、そして果たして2月9日には、この日EIAから発表された同国石油統計(2月4日の週分)で、原油在庫が4週間連続で増加した他、ガソリン在庫が市場の事前予想(250~310 万バレル程度の増加)を上回る、466万バレルの増加となっていたことに加え、留出油在庫が市場の事前予想(100~140万バレル程度の減少)に反し、29万バレル増加していた旨判明したことで、原油価格は2月7~9日の3日間併せて前週末終値比で1バレル当たり2.32ドル下落し、2月9日の終値は86.71ドルとなった。なお、ブレントにおいては、2月7日には、WTI同様前週末終値比で0.58ドル下落し99.25ドルの終値となったが、2月8日には、エジプトでのスレイマン副大統領によるムバラク大統領からの権限移行の動きにもかかわらず、一部国民が大統領の即時退陣を求め続けていることにより、石油供給の支障に関する懸念が市場で再燃したこと、また、翌9日においてもエジプトでの政情不安を巡る市場の懸念が根強く、ブレント原油は2月8~9日には併せて2月7日終値比で1バレル当たり2.57ドル上昇、2月9日の終値は101.82ドルと再び100ドルを超過した。また、2月10日においては、エジプトのムバラク大統領が退陣するかどうかに関する不透明感で、市場の方向感が定まらない中、この日の原油価格の終値は1バレル当たり86.73ドルと前日終値比0.02ドルの上昇にとどまった他、ブレントについては、この日の終値は100.87ドルと前日終値比で0.75ドル下落した。2月11日? 12 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ノは、この日エジプトのムバラク大統領が辞任した旨発表があり、スエズ運河等を経由して欧米に輸送される中東産原油供給の途絶懸念が市場で後退したことで、この日の原油価格は前日終値比1バレル当たり1.15ドル下落し、終値は85.58ドルとなった。一方ブレント原油はこの日終値は1バレル当たり101.43ドルと前日終値比で0.56ドル上昇したが、これは、ブレント原油の3月渡し先物契約がこの日を以て取引終了となるため、取引関係者による売買調整の影響を受けたものと考えられる。既にこの時点で取引の主流となっている4月渡し先物契約においては、前日終値比で0.50ドル程度の下落となっている。 . 今後の見通し等 2011年1月下旬~2月中旬は、エジプト情勢が原油市場に大きな影響を及ぼした。 3エジプトは、自国の石油生産量が日量74万バレル(2010年)とオマーン(日量86万バレル)を若干下回る程度の産油国である。一方、石油消費量が日量73万バレルあり、輸出余力は実施的には殆ど存在しないので、産油国としての世界石油市場に占める重要性は小さい。 ただ、今回のエジプトの政情不安は別の2点で石油市場を揺るがすことになった。1点目は、エジプトが紅海と地中海を結ぶスエズ運河(原油及び石油輸送量は北行き日量99万バレル、南行き日量85万バレル(2009年))及び紅海から地中海へと原油を輸送するSUMEDパイプライン(能力日量230万バレル、輸送量日量110万バレル(2009 年))があるなど、石油輸送上の要所となっており、これらがもし同国における政情不安の深刻化により閉鎖された場合、タンカーは南アフリカの喜望峰を経由しなければならなくなり、この分だけ余計な日数を要する(欧州までは約 6,000 マイル(約9,600km)の追加的航行距離が発生し約2週間程度長い期間が必要となる)、特に運河等閉鎖直後には、その分だけ原油及び石油製品の到着が遅延することになるので、エジプトから地理的に近い地中海等欧州では石油供給不足との懸念が高まり、それがブレントの価格に織り込まれた格好となった。ただ、実際には、同国での政情不安時においても、スエズ運河やSUMEDパイプライン(軍が監視体制を強化したと伝えられる)での操業は平常通りとなっており、実際に途絶が発生したわけではなかった。また、2月11日にはムバラク大統領が退陣する旨発表があったことで、この面では両輸送施設における操業停止の可能性に対する懸念は低下したと言えよう。 2点目は、エジプトの政情不安をもたらす原因となった、いわゆる独裁政権に対する民衆の不満が、他の中東や北アフリカ諸国に波及し、その結果、当該地域の産油国での石油供給に支障が生ずるのではないか、という懸念が市場で発生したことである。? 13 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 Gジプトの政情不安は1月14日に発生したチュニジアでの大統領(ここも独裁政権であった)追放に触発されたものであるが、それまで問題を抱えつつも比較的な安定的な政権運営を行っていたと見られた北アフリカの主要国であるエジプトが突然深刻な政情不安に陥ることについては、多くの市場関係者が予想していなかった。従って、例えば、中東湾岸主要産油国(サウジアラビア、クウェート、UAE)などは、他の中東・北アフリカ諸国と比較して1人当たり国内総生産(GDP)が圧倒的に高く(図17参照)、民衆が既存の独裁政権運営についての不満を爆発させる可能性は極めて低い、とはいうものの、そのように安定的に見えても突然状況が変化する、といった可能性もありえないわけではない、という不安感が市場で高まってしまった。 最近、イランのウラン濃縮活動を巡る米国等との対立が徐々にではあるが悪化する方向に進んでいるにもかかわらず、原油相場がそれに伴う地政学的要因を織り込みにくくなっていた一因が、2008 年以前に比べて大幅に増加し、イランの石油生産量(日量425万バレル)をも上回った、OPEC産油国による日量500~600万バレル程度の余剰生産能力であった(図18参照)。しかしながら、その大部分は中東湾岸産油国のものである(2011年1月現在のOPEC産油国の余剰生産能力日量519万バレル中、日量400万バレル強は、サウジアラビア、クウェート及びUAEの3国によるものである、図19参照)、加えて、この中東湾岸諸国3ヶ国の原油生産量は日量1,300万バレル強(2010年)となり、世界全体の石油供給量の約15%を占めることになることから、これらの諸国等において、政情不安が深刻化した場合、供給が途絶するだけでなく、それを埋め合わせする余剰生産能力も利用不可能となる恐れがあることが、市場の懸念を増大させることになった。従って、今後エジプトでの政情が落ち着いていく方向に向かうことで、近隣諸国の国民がエジプト情勢から刺激を受ける度合いは低下していく可能性が増大していくと見られるものの、それら諸国での政情不安の可能性に関する市場の神経質な感情はなお当面残ると思われることから、この面では、特に、それらの産油国から市場が近い欧州市場でのブレント等の原油価格については、エジプト情勢沈静化の兆しから一時的に利益確定が発生し原油価格が下落する場面が見られる可能性はあるものの、その下落幅は限定的なものとなる恐れもあることが想定される。また、ドバイ原油については、やはり中東湾岸産油国における政情不安に対する懸念が残ることから、ブレント同様容易に下落するといった展開にはなりにくいものと予想される。 ? 14 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 }17 中東・北アフリカ各国の1人当たりGDP(2009年名目)ドル30,00025,00020,00015,00010,0005,0000チュニジアエジプトイエメンヨルダンアルジェリアリビアサウジアラビアオマーンクウェート出所:IMFによる推定データをもとに作成日量百万バレル10図18 OPEC余剰生産能力(2000~11年)86420000102030405060708091011出所:IEAデータをもとに推定図19 OPEC余剰生産能力(2011年2月現在、合計日量519万バレル)192261432218452333350アンゴライランエクアドルイラクナイジェリアカタールベネズエラクウェートアルジェリアUAEリビアサウジアラビア出所:IEAデータをもとに作成 一方、WTI は価格の上昇を妨げてしまう要素が存在する。特に 2 月 8 日にはKeystone パイプライン(第二期)が完成し、クッシングへと原油の供給を開始し始めたことや、製油所の春場のメンテナンスシーズン突入で、製油所で引き取られなくなった? 15 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 エ油がクッシングに流入することで、WTIの価格には当面下方圧力が加わりやすい展開となることが考えられる。さらに、クッシングの原油在庫が積み上がることが、期近の価格を期先のそれに比べて割安なものとすることから、石油業者等がそのような割安な原油をさらに購入(してタンクに貯蔵)する結果、足元の原油在庫がさらに積み上がることを通じて、WTIの価格になお一層の押し下げの圧力を加えてくる可能性も考えられる。他方、これまでしばしば米国での気象予報は温暖な気象予報を急に寒冷な気象予報に変更していることから、市場関係者の間には依然多少なりとも寒冷な気候の到来と暖房油需要の増加の可能性といった神経質な感覚は残っていると見られるものの、冬場の暖房シーズンと暖房油需要期が終わりに接近しつつあることもあり、徐々にではあるが、この面でも相場に対する下方圧力が強まってくることが予想される。このような状況から、夏場のドライブシーズンに伴うガソリン需要期に突入する前に、WTI は多少なりとも価格がもたつくことも想定される。 石油・天然ガス産業においては、特に探鉱・開発事業の開始から完了、そして生産の開始から終了まで数十年単位の期間を要することもしばしばあるため、常に長期的視野に立って、状況を判断する必要がある。もちろん、この先時間が経過するにつれ、予期せぬ事象が現実化することもあろう(最近の米国でのいわゆる非在来型天然ガス革命やタイトオイル開発の活発化などはその例と言えるかもしれない)し、それによって展望が大きく変化することもありうる。しかしながら、今後の石油・天然ガス産業の方向性に対する石油及び天然ガス市場・産業関係者の認識を把握しておくのは、将来の石油・天然ガス情勢に対してどう対応していくか、という課題に対処するうえでの基礎的情報を提供する、という点で有意義であると考えられるので、ここに、複数の機関が最近発表した長期予測(2030年)を提示しつつ、その認識につき考察を加えることと2030年に向けた石油等エネルギー市場将来像に対する関係者の見方 . 4したい。 検討の対象とするのは、2010年11月以降に発表された、IEA(WEO:World Energy Outlook 2010)(2010年11月9日発表)、OPEC(WOO:World Oil Outlook、2010年11月4日発表)、EIA(AEO:Annual Energy Outlook、2010年12月16日発表)、BP(BP Energy Outlook 2030、2011年1月19日発表)、ExxonMobil(The Outlook of Energy: A View to 2030、2011年1月27日発表)とする。これらが発表した2030年(一部機関は 2035 年までを予測期間としているが、検討期間を統一するために原則2030年とする)に至るまで、エネルギー全般、及び石油・天然ガス市場の状況につき、比較及び検討することとしたい。なお、期間によっては、必ずしも統計数値が明示され? 16 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 トいない場合があるので、その場合は推定することにした。また、機関によっては、足元の基準年が必ずしも同じ年ではない、という部分があるが、この部分の調整は行っていない。 まず、2030年までの世界経済の状況であるが、ExxonMobilが3%程度(推定)、IEAが3.2%、OPECが3.5%、BPが3.7%程度(推定)で推移すると見ていることが示唆されており、2010年に達成した世界経済成長率(5.0%)はむしろ持続不可能であり、現時点よりは経済は減速して推移する、ということを示している。また、OECD 諸国よりも非OECD諸国のほうが経済成長率が高く、その結果非OECD諸国の世界GDPに占める割合も増大していく、と認識している(但しBPは2030年には非OECD諸国のGDP が OECD 諸国のそれを追い越していると考えているのに対し、ExxonMobil は2030年においても、非OECD諸国の世界GDPに占める割合は40%程度であるとするなど、見解が相違する部分もある)。 世界の一次エネルギーに対する需要成長率であるが、どの機関も年率 1.2~1.6%程度で増加していくものと想定している(図 20 参照)。その中で石油については年率0.5~1.0%程度での伸びとなっており、2030年においても、最大の一次エネルギー源の地位を維持する、とどの機関も展望している。石油は、特に非OECD諸国において輸送部門を中心として増加していくが、本来ならもっと大きな伸びとなるところ、消費効率の改善により増加率が抑制される、としている。但し2030年において、最大の一次エネルギー源であり続けるとはいえ、他の主要一次エネルギー源に比べると需要の増加率が低い結果、2030 年に至るまでには一次エネルギー需要全体に占める割合が低下していく(図21参照)と考えられており、特にBPは2030年において石油の一次エネルギー需要に占める割合が石炭と同率になるものと考えている(後述)。一方石炭については、IEAやExxonMobilでは、非OECD諸国において発電部門を中心として需要が増加すると見ているものの、他のエネルギー源の導入に押される結果、こちらも一次エネルギー需要に占める割合が低下すると見ている(図22参照)。他方OPECについては、現時点で既に導入されたもの以上の環境対策が実施されないことを想定していることから、引き続き年率 1.6%と堅調に需要が増加していくという展望となっており、この結果石炭の一次エネルギー総需要に占める割合は2030年においても、2008年と同様の29%となる他、石油の占める割合(2008年で36%、2030年で30%)との差を縮めるとの見通しになっている。BP については、中国等では環境が意識され、脱石炭の動きが将来的には出てくることになり、2020~30年には年率 0.3%程度の伸びとなり、2030 年までにはほぼ増加はなくなる、と見ているものの、それまでは他の非OECD 諸国とともに発電部門を中心として堅調に伸びていくと考えていることから、? 17 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 008~30 年までの一次エネルギー需要に占める割合の減少も、石油に比べれば緩やかなものとなり、その結果2030年には石油にほぼ肩を並べる水準にまで追いつくことになる、と見ている(図23参照)。 %2.01.51.0%403020100%403020100 図20 世界一次エネルギー需要増加率展望IEAOPECExxonMobilBP出所:各機関資料より推定図21 一次エネルギーに占める石油の割合IEAOPECExxonMobilBP※「現在」はExxonMobilが2005年、他は2008年出所:各機関資料より推定現在2030図22 一次エネルギーに占める石炭の割合IEAOPECExxonMobilBP※「現在」はExxonMobilが2005年、他は2008年出所:各機関資料より推定現在2030? 18 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 }23 石油と石炭の一次エネルギー需要に占める割合%403020100IEA08IEA30OPEC08OPEC30ExxonMobil05ExxonMobil30BP08BP30石油石炭出所:各機関資料より推定 他方、どの機関も導入が積極的に行われると見ているのが天然ガスである。石油や石炭が一次エネルギー需要に占める割合を軒並み低下させる(OPEC は石炭については割合は変わらない、としているが)としているのに対して、天然ガスについては、二酸化炭素排出量が石炭や石油に比べて少ないことから、発電や産業部門(化学部門が貢献するとBPは指摘している)を中心として、導入が進められる結果、IEAで年率1.4%の伸び(石油は年率 0.5%、石炭は 0.8%の伸びである)と想定、OPEC、ExxonMobil、BPは年率2%程度(一部推定)の伸びと見込んでおり、その結果、一次エネルギー需要に占める天然ガスの割合は上昇すると認識されている(図24参照)。 図24 一次エネルギーに占める天然ガスの割合%403020100IEAOPECExxonMobilBP※「現在」はExxonMobilが2005年、他は2008年出所:各機関資料より推定現在2030 他方、この先地球温暖化を含む環境問題がなお一層意識されるようになることから、風力や太陽光といった再生可能エネルギーに対する需要の増加は、他の一次エネルギー源の何にも増して顕著である(図25参照)。IEA、OPEC、ExxonMobil等、どの機関も概ね8%近くかそれ以上の増加率を予想している。但しもともとの導入規模が小さ? 19 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 「こともあり、高水準の増加率が 2030年まで続いたとしても、再生可能エネルギーの一次エネルギー需要に占める割合は、概ね5%以下にとどまるなど、2030年における一次エネルギー源としては、限定的な位置づけにとどまるものと、考えられている(図26参照)。 図25 一次エネルギーの増加率(~2030年)IEAOPECExxonMobilBP石油石炭天然ガス再生可能エネルギー(風力・太陽光等)出所:各機関資料より推定 図26 一次エネルギーに占める再生可能エネルギー(風力、太陽光等)の割合%1086420%403020100IEAOPECExxonMobilBP※「現在」はExxonMobilが2005年、他は2008年現在2030出所:各機関資料より推定 次に石油需給を見てみることにする。IEAやOPECでは、OECD諸国の石油需要は今後 2030 年にかけて減少傾向となっていくと認識している(図 27 参照)が、これはOECD 加盟各国政府による消費効率改善策の推進を見込んでいるものと見られる。他方EIAにおいては、米国での石油消費が2025年にかけ引き続き増加していくものと見ており、他のOECD諸国は減少傾向となるものの、米国の需要増加に相殺される結果、OECD諸国全体としても、若干ではあるが増加する(年率0.4%程度の伸び)、との想定になっている。一方非OECD諸国においては、自動車保有台数の増加等もあり、? 20 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ?早i年率2.3~3.3%程度の伸び)を中心として、堅調に増加していく(非OECD諸国としても年率1.5~1.9%程度の伸び)ことから、2015~20年には、OECD諸国の石油需要は非OECDのそれに追い抜かれることになると予想される(具体的にはOPECは2016年、EIAは2019年に非OECD諸国がOECD諸国を追い抜くとしている)。 図27 石油需要増加率(~2030年)%3.02.01.00.0-1.0IEAOPECEIABPOECD非OECD出所:各機関資料より推定 他方、石油供給であるがIEA、OPEC、BPは、非OPEC産油国の在来型原油生産量はこの先低下傾向となると見込んでいる(図28参照)。その一方で、非OPEC産油国においてはオイルサンド等の非在来型原油や天然ガス生産に伴うNGLの生産量が増加する、と見ている。NGLや在来型原油を含めた非OPEC産油国石油生産量は各機関により見方が分かれる。IEAは現在と同水準、BPは現在よりも若干減少することが示唆されている。他方OPECでは特に非在来型石油資源の開発と生産が進むと考えている(2009年時点で日量340万バレルの生産量が2030年には日量1,130万バレルになると予想している)ことから、非OPECの石油供給全体としては、2030年に向け増加傾向となると見ている(図29参照)。ただそれでも、世界石油需要に見合うだけの増加、と言うことにはならず、結果としては、OPEC産油国の割合は増加する、という展望となっている(図30参照)。 ? 21 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 坥ハ百万バレル図28 非OPEC産油国在来型原油生産量504030IEAOPEC現在2030BP※「現在」はBPが2010年、他は2009年出所:各機関資料より推定 日量百万バレル図29 非OPEC産油国石油生産量605040%403530IEAOPEC現在2030BP※「現在」はBPが2010年、他は2009年出所:各機関資料より推定図30 世界石油供給に占めるOPEC産油国原油供給の割合IEAOPEC現在2030BP※「現在」はBPが2010年、他は2009年出所:各機関資料より推定 なお、個別の産油国における石油供給見通しについては各機関で見解に相違が見られる。例えば、米国については、IEAは2009年の日量740万バレルが2030年に? 22 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ヘ日量690万バレルへと低下するのに対し、EIAは在来型石油生産について2009年の日量826万バレルが2030年には日量966万バレルへと増加するのに加え、非在来型石油資源の生産が2009年の日量75万バレルから2030年には日量224万バレルへと増加すると認識するなど、米国がこの先も有望な産油国であり続けることを示唆している。また、ロシアについても、IEAは、2009年の日量1,002万バレルの生産量が2030年には日量920万バレルへと低下すると見ているのに対し、EIAは日量966万バレルが2030年には日量1,173万バレルへと増加、OPECも、2009年の生産量が日量990万バレルであったのが、2030年には日量1,070万バレルになると見ている(図31参照)。またイラクについては、現在進行中の石油開発プロジェクトの予定生産量を積み上げると2016年頃には日量1,200万バレルに到達することになるが、IEA及びBPは2030年においても同国の石油生産量は日量600万バレル前後と見込んでいる(図32参照)。 日量百万バレル図31 ロシア石油生産見通し15105IEA※「現在」はBPが2010年、他は2009年OPEC現在2030BP※「2030年までのロシアのエネルギー戦略」(2009年11月13日ロシア政府承認)では、2008年日量980万バレ ル(実績)、2030年日量1,070~1,080万バレル程度(予測)としている。出所:各機関資料より推定 日量百万バレル図32 イラク石油生産見通し86420IEABP現在2030※「現在」はBPが2010年、他は2009年出所:各機関資料より推定 ? 23 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 V然ガス需要については、IEA、ExxonMobil、及びBPが、現在日量3,000億立方フィート程度であるものが2030年前後には日量4,500億立方フィート程度と約1.5倍にまで増加すると推定しているが、その伸びの大部分は非OECD諸国である(図33参照)。特に中国では天然ガスは2030年まで年率で6%以上と顕著な伸びを示すと見込まれている。一方で、消費効率の向上で OECD 諸国での天然ガス需要は高くても1%程度と見られる。また、このような状況を反映して、BPはLNGによる天然ガス輸入が非OECD諸国で堅調に増加していく、と考えている。 OECD非OECD中国IEAExxonMobilBP※非OECDには中国を含む出所:各機関資料より推定 他方天然ガス供給は、中東、アフリカ等で増加していくとIEAやBPは展望している。また、ExxonMobil は今後非在来型天然ガスの生産も増加していくが、当面は北米が中心となると認識している。また、BPは、今後中東地域のLNG供給源としての位置づけが相対的に低下するとともに、太平洋圏(豪州)やアフリカ諸国からのLNGの輸出が増加する可能性がある、と考えている。同社は、LNG の供給は 2030 年までに年率4.4%で増加すると予想され、世界天然ガス供給に占める LNG の割合は 2010年の9%から2030年には15%に到達する、と認識している(なおIEAも世界の地域間天然ガス貿易に占めるLNGの割合が2008年の30%台前半から2035年には40%を超過する水準にまで増加する、と展望している)。 ? 24 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 図33 天然ガス需要増加率%1050
地域1 グローバル
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国・地域 グローバル
2011/02/14 野神 隆之
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