ページ番号1004110 更新日 平成30年3月5日

ポスト「福島」:本格的な天然ガス時代突入へ

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レポートID 1004110
作成日 2011-04-12 01:00:00 +0900
更新日 2018-03-05 19:32:42 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 天然ガス・LNG
著者
著者直接入力 石井 彰
年度 2011
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 011年4月1日 特別顧問 石井 彰 2 ・福島での原発事故を受けて、今後エネルギー情勢の見通しに関して、現時点での筆者の私見を纏めた。(何ら、当機構の公式見解ではない事をお断りする。) 今回の福島第一原子力発電所の深刻な事故によって、今後、短期的に日本の ・エネルギー事情が大きく変わるだけでなく、中長期的にも地殻変動的な動きが日本のみならず世界的にも生じてくるだろう。 短期的には、大規模停電の緩和のために、LNGと石油の緊急輸入が行われることになるが、物量的調達には問題がないものの、特にLNGのスポット価格には相当の影響があるだろう。 ・中長期的には、世界的に原子力発電所の新規建設が一部中止、ないし遅延が ・生じ、失われた原子力発電量の代替電源の大半は天然ガス発電となろう。 このため、5年~10年スパンでは、LNGの追加需要が50百万t/年程度増加する可能性がある。特にアジア太平洋地域で、新規のLNG案件の立ち上げが続々と続く可能性が高い。アジアも含めて世界的に本格的天然ガス時代となる可能性が極めて高く、太陽光発電等の再生可能エネルギーや、石炭+CCSによる失われた原子力発電の代替は、限定的なものに留まる可能性が高い。 しかし、天然ガスは、今後全てが順調に推移する可能性は低い。突発的な需要増大によって、天然ガス・LNG 価格の値上がり、ないしシェールガス革命、非在来型天然ガス革命の世界的な広がりにもかかわらず、価格低下トレンドが鈍化する可能性が高い。特に、世界の新規LNG案件の太宗を占めるであろう豪州では、労働力の需給逼迫とEPCコントラクターのオーバーストレッチで、コストアップと工事遅延が必至。日本としては、豪州の新規LNG以外の天然ガス開発・調達も模索する必要があろう。具体的には、カナダ太平洋岸のシェールガス・ベースのLNGの推進や、サハリンの膨大な未開発天然ガスのパイプライン輸入に関して、原点に返っての真剣な再検討等である。 ・ Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ポスト「福島」:本格的な天然ガス時代突入へ 沒≡謌鼬エ子力発電所の事故の行方は、依然として予断を許さない危機的状況が続いている。今後、広域高濃度の放射能汚染に発展する最悪シナリオのリスクも未だ若干あるようだ。 関係者には、この最悪シナリオが現実化しないように、何とか努力と知恵の総動員をお願いするしかないが、今後の同原発事故のシナリオ如何にかかわらず、今後の日本、及び世界のエネルギー事情がどう変わるかについては、既にこの時点で明確になってきた点が多々あるように思われる。以下、現時点での短期的な見通しと、中長期的見通しについて所感を纏める。 まず既に言いつくされているが、当面の東京電力管内では、今夏に大幅に電力供給が不足し、大規模な計画停電、ないし需要抑制策が不可避だ。これを何とか最小限にすべく、これまで、ベースロード(基幹)電源として経常的にフル稼働させてきた原子力発電所と石炭火力発電所のバックアップとして、ミドルロード(基幹電源と季節・突発需要用電源の中間)電源と位置づけられてきた既存LNG火力発電所を、当分の間、常時フル稼働する必要がある。最近まで、LNG火力は、定期点検期間を除くと5~6割程度の稼働率に意図的に抑えられてきたようだ。(資源エネルギー庁の公表データによれば、昨年3月時点での東京電力の火力発電所稼働率は49%: 火力の設備内訳は、08年末でLNG66%、石油29%、石炭4%:石炭火力は電源開発(株)分は除く) また、明確にピークロード用電源(季節・突発需要用電源)と位置づけられ、さらに低い1~2割程度の低稼働率に抑えられてきた石油火力も、フル稼働させる必要がある。更に、敷地さえあれば、最短で数カ月で設置可能な天然ガス火力の新設にも取り掛かかる必要がある。何故、LNG、乃至天然ガス火力発電所が、ミドルロードと位置付けられてきたかと言うと、まず、原子力や石炭火力は、原子炉容器の金属疲労による危険性増大や、大型蒸気ボイラの物理的性格から、発電量を簡単に増減できないので、ベースロード以外に使用が困難ということがある。これに対して、ジェットエンジン同様に、始動・停止や出力変動が簡単に調整可能なガスタービンを使用している天然ガス火力に、1日単位でも季節単位でも大きく変動する電力需要への対応を任せる必要がある。更に、原子力や石炭火力は固定費用であるプラント・コストが高く、可変費用である燃料費が安いのに対し、天然ガス火力や石油火力は逆にプラント・コストは相対的に安く、燃料コストが高いので、需要変動調整を天然ガス火力や石油火力に任せた方が経済合理的でもあるからである。 れでは、このように今後短期的にLNG火力と石油火力をフル稼働させた場合に、その そ原料調達や価格はどうなりそうなのか? 福島原発の発電能力は、合計約9百万Kwなので、これを単純にLNG火力の焚き増しで全量補填すると、約年間約9百万トンのLNG追加需要となるが、通常でも夏場はフル稼働になっていることや、石油火力稼働率アップとのバランスを考えると、LNGは年間Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 1. 短期のLNG・石油市場への影響 3~5百万t程度、石油は日量10~20万バレル程度の追加需要になると推定される。因みに、通常は100万kwのLNG(天然ガス)発電所は、年間約70万tのLNGを消費するが、これは定期点検のための停止期間があったり、フル稼働使用していないからであり、緊急事態のときには、定期点検を先伸ばしたり短縮化し、フル稼働させるであろうから、緊急時には年間100万t程度になると推測される。この年間3~5百万t程度のLNG追加調達が、量的に調達可能かどうかと考えると、現在、カタールの年産77百万t体制が昨年末に確立されて今春から本格出荷が始まる事もあって、世界のスポット、ないし短期契約可能なLNGは、全世界のLNG生産能力の年間約2億6千万tの約2割に相当する、約50百万トン/年前後もあるので、東電の追加需要は、その1割程度に過ぎず、量的には調達に問題はないだろう。石油の追加調達は、世界の生産量の0.1~0.2%に過ぎず、世界のスポット・短期取引量は全生産量の半分程度あるので、量的問題は全く無い。問題は、この東電の追加需要による価格上昇である。ただし、ここ1、2カ月程度の極短期では、既に東京電力自身が明らかにしているように、韓国等の近隣LNG輸入国や、他の日本のLNG購入者からの緊急融通・季節スワップ、あるいは、東京電力自身の既存の長期LNG購入契約上の引き取り拡大オプション枠(Upward Quantity Tolerance)の活用が主となるので、純粋のスポット購入量は限られ、価格上昇も限定的だ。現に、東アジア向けスポットLNG価格は、事故前の3月7日の$9.7mmBtu程度から、原発事故後10日の3月21日に$11.4mmBtu程度に、原発事故の深刻化、長期化がいよいよ明確化してきた3月28でも、$11.5mmBtu程度と、1割台しか上昇していない。しかし、4カ月後に迫る夏の電力需要最盛期には、これでは大幅不足することは確実で、更に上昇する可能性は高い。その後、更に今秋以降、冬場に向かってスポット価格が、5割程度上昇する可能性は十分と考えられる。場合によっては、08年の百万BTU当たり$20(原油換算バレル120ドル)という悪夢の再現の可能性も排除できない。更に、LNG船の稼働状況も、事故前から過去数年間の低稼働フェーズから、カタールの年産77百万t体制の確立に伴って、殆どが特定LNG長期販売契約案件に張り付いてしまった結果、遊休船舶が減少し、原発事故直前には短期チャーター料金が、昨年同期の$5万/日から$7万/日程度まで既に上昇していた。これが、東電の突発需要増で、短距離の中東=欧州ルートから、長距離の中東=東京湾ルートに変更されて来ると、タンカー数は距離の増加に比例して更に不足気味になり、需給逼迫化で大幅上昇の可能性がある。これらに、国内の深海ガス田生産の一時的な減少によるインドのスポット購入が加わる可能性があり、またイエメンの政治混乱で同国の年産670万tのLNG生産と出荷停止が停止されるリスクもあり、スポットLNG市場はよりタイト化するかもしれない。 但し、大震災自体と、東京電力管内の計画停電の影響で、日本経済全体がスローダウンし、エネルギー需要全体が不振になる可能性があり、また、西日本、北海道の電力会社による東京電力支援のための火力発電所焚き増しが、周波数変換能力が限定的なこともあって、最大で160万kw分程度にしかないので、こちらの方のLNG・石油需要増は限定的と考えられ、これは若干のスポットLNGの需給緩和材料だろう。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 XポットLNG価格の大きな上昇が実現化すると、後で述べるように、長期的な天然ガス需要、特に日本の需要に、一定の否定的な影響を与えるかもしれない。 石油の突発代替需要に関しては、石油価格に対するインパクトが若干あるかもしれない。既に述べた様に、量的インパクトは市場規模に対し殆どゼロに近いが、石油輸入統計や需要統計で事後的に日本の数字が多少でも上昇すると、それが先物市場の材料にされる懸念がある。実際、07年、08年の石油価格の異常な高騰の背景には、07年の柏崎刈羽原発の地震によるシャットダウンからの10万BD前後の代替需要が、特に統計で出た後、マイナー要因ではあるが、先物市場の買い材料の一つになった事がある。また、現時点でも、先物市場の買い材料のマイナー要因になっていると考えられる。 替用の石炭需要については、元来原子力発電所同様、石炭火力がベースロード運用さ 代れて来たことと、太平洋沿いの石炭火力発電所自身が、同様に津波被害を大きく受けており、直ぐには全面復旧できないことから、短期的に石炭需要が大きく増加するとは考えられない。その他、水力、再生可能エネルギーについては、短期的な電力増産寄与は殆どないと言ってよいだろう。 2. 中長期的なエネルギーに与える展望 回の原発事故によって、世界的に天然ガスの需要が、再生可能エネルギーや石炭を凌ぐ勢いで大幅増大し、世界的な天然ガス時代の到来は確実になったと言ってよいだろう。 例えば、シェールガス革命にも若干シニカルな姿勢を示してきたニューヨークタイムスが、事故後の21日に「天然ガスが本命(Safer Bet)へ」との記事をいち早く掲載したが、一部の環境原理主義者が、この記事には、太陽光発電等、再生可能エネルギーへの言及が 今ないと咬みついているほどだ。既に今回の事故の直前にも、米国電力最大手にして、原子力に9割も依存してきたExelon社のLoweCEOは、米国ではシェールガス革命によって、最早石炭や原子力は競争力を無くしたと、今回の事故直前に公言していた。(3月上旬のCERA WEEKとAmerican Enterpriseでの講演) 事故後には、Moody’s、S&P、Fitchの米国の格付け大手社3社が揃って、今後原子力の安全規制が世界的に高まることは確実で、今後の政府の支援策如何にかかわらず、これが原子力のコスト競争力に決定的な影響を与えるとの評価を下している。大手国際銀行のSociete Generalは、今や天然ガスは、先進諸国の”Fuel of Choice”(選好されるエネルギー)になったとコメントした。ドイツ始め欧州やタイ等の一部アジア諸国では、反原発の動きが盛り上がっていることは、報道のとおりだ。 未だ、政治・政策レヴェルでは、日本でも欧米でも、天然ガス・シフトというのが明確に示されていないが、事故後の国際的なエネルギー専門紙誌を見る限り、世界のエネルギGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ー専門家の間では、最早議論の余地はなくなったようである。問題は、原発代替の天然ガス・シフトが起きるか否かではなく、そのスピードと程度がどの程度かになってきている。 現在、世界の原子力発電容量は、約440基で合計約4億kw、建設中、及び計画中は100基、合計約90~100百万kw。仮に、今回の福島事故によって、これら建設中、ないし計画中の約3割が、中止、ないし大幅遅延して、天然ガスに置き換わるとすると、LNG換算で約30百万t/年分の天然ガス需要増となり、これに日本の福島原発分900万t/年、柏崎刈羽の欠落分300万t/年と、ドイツの老朽化による欠落分を加えると、50百万t/年相当になる計算になる。この数字は、今後の福島事故の展開次第によって大きく左右されるだろうが、ドイツ銀行の著名アナリスト、A.シミンスキー氏も、同様の推定(7bcfd)をしている。この半分程度がパイプライン・ガスではなく、LNGとなれば、大型LNG案件(1件当たり5~6百万t/年)5件前後に相当するし、7割程度がLNGとなれば、大型案件6,7件分になる。現在、豪州だけでも、既存案件の拡張分も含めて12件、合計約80百万t/年の新規LNG計画があり、潜在供給力は十分すぎるほどある。(建設中のものは除く) 豪州の、これら案件が全て成立すると(可能性は低いが)、豪州は現在のカタールの生産能力、年産77百万tを遥かに凌ぐ、年産約1億4000万tの生産能力となる。日本企業を含めた世界の上流会社やプラント・エンジニアリング会社にとっては、極めて大きなビジネスチャンスとなることは間違いない。 何故、新規の原子力発電所の大幅遅延、中止分の大半が石炭や再生可能エネルギーではなく、天然ガスになると考えられるのか。それは、まず石炭火力は、発電量当たり二酸化炭素を天然ガス火力、特に近年では標準的方式となっている天然ガス・コンバインドサイクル発電と比較すると、3倍近く排出するからであり、発電時に二酸化炭素を殆ど排出せず、またライフサイクルで見ても二酸化炭素排出量が非常に低い原子力発電の代替電源としては、この面で最も相応しくないからである。 また、石炭火力発電所は、天然ガス・コンバインドサイクル発電所と比べて、設備規模が大規模で、かつ敷地周辺の種々の汚染可能性から沿岸の大規模工業用地等に立地が限られ、建設に長い時間がかかる。石炭の唯一の天然ガスに対する長所は、熱量当たりの燃料価格が安いことであるが、設備コストが相対的に高いことと、特に北米では近年のシェールガス革命で、天然ガスの埋蔵量と生産量が大きく増大して天然ガス価格が低位安定化したことから、石炭は下図にあるように、米国エネルギー省エネルギー情報局(DOE=EIA)の試算では、天然ガス火力に対してコスト的に勝てない事になってきた。(但し、日本を含む東アジアでは、石油価格準拠の長期契約が未だ太宗を占めており、現時点では石炭火力発電に対して価格競争力がない。世界的なシェールガス革命の蔓延によって、中長期的な価格低下が期待されている。 3月中旬にアムステルダムで開催されたGASTECH2011では、近年の高価格希求の急先鋒の一員でもあったRD.Shellの上流担当役員M. Brinded氏も、この可能性を認めている。) 石炭のCO2排出量の多さに関して、石炭の熱量当たりの安さを生かして、石炭火力発電Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 所の排ガスから化学的に二酸化炭素を分離して、地下に貯留するCCS(Carbon capture & Storage)というアイデアも大きく提唱されているが、コストが大幅に高くなることと、枯渇ガス田・枯渇油田へのCO2地中処分、或いは油田の増進回収法EORとしてCO2を利用しないで、帯水層へのCO2地中処理をした場合には、長期的に漏洩リスクがあるだけでなく、長期間、かつ高コストの準備処理をしない限り、極めて大きな地質リスクが存在することが最近次第に判明してきた。このため、石炭+CCSの余地、特に経済的な適用余地というのは、これまで考えられてきたよりも遥かに限られて来るので、この面からも原子力代替の主力とはなり得ないだろう。 米国における新規発電所の電源別コスト比較(2016年運開) 米国エネルギー省・エネルギー統計局2010年 最新型天然ガス・コンバインドサイクル発電が最も安い(右端の数字を比較) 太陽光や風力等の新世代の再生可能エネルギーは、上に掲げた米国エネルギー省の新規Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 発電所の電源別コスト比較でも示されているように、特に太陽光発電は火力発電や原子力に比べてコストが著しく高く(約5倍)、各種の大幅な実質的な補助金がなければ競争力が全くないが、日米欧の殆どの先進国は、リーマン・ショック以降の財政赤字の大幅拡大と経済成長の鈍化で、大規模な事実上の各種補助金を拠出することが不可能になってきている。現に、過去1年ほどで、スペインやドイツ等では、補助金率やフィード・イン・タリフ(家庭などでの太陽光発電による余剰電力の電力会社による高価格買取制度)のレートが大幅に引き下げられ、それに伴って再生可能エネルギーの導入スピードは急激に低下しつつある。また、元来、太陽光発電は、日本や欧米という中緯度地域では砂漠でない限り、原理的に稼働率が1割前後しかなく(夜は発電不能、かつ朝・夕・曇り・雨天時には出力が大幅低下:砂漠では稼働率2割前後)、かつ天候次第で出力が極めて不安定であるため、安定電源であった原子力の大幅代替は原理的に不可能である。蓄電池を介在させて出力を安定化させた場合は、更に大幅にコストが高くなる。また、途上国では、元来著しく高コストの再生可能エネルギーでは、高い経済成長そのものが不可能となるため、極めて限定的にしか導入できる余地がない。地球温暖化問題への対処から、特に先進国では、一定程度の再生可能エネルギーの導入は政策的に半ば強制的に推進されるであろうが、この高コストと不安定性のために、原子力発電の大幅な代替は原理的に無理である。 従って、原子力発電代替の主力は、化石燃料の中で最も単位エネルギー量当たり、ないし単位発電量当たりCO2排出量が少なく、かつ石炭以外の全てのエネルギー源よりもコスト、価格が安い天然ガスに、必然的にならざるを得ないと考えられる。埋蔵量は、最近のシェールガス革命などの非在来型資源の技術革命、商業化で事実上数百年分となり、今世紀中の資源制約は全くなくなった。天然ガスの次は、省エネ努力が大きな役割を果たすことになり、石炭+CCSや再生可能エネルギーの導入は限定的、限界的なものに留まると考えられる。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 世界の長期LNG需給バランス見通し(福島原発事故直前) GASTECH 2011:GDF SUEZ かし、天然ガスは全て順調というわけにはいかないだろう。一つは、既に述べたが、 しコストと価格の上昇リスクだ。原発事故による中長期の需要増加分に対応する新規の天然ガス・プロジェクト、特に新規のLNG案件については、自然体では大半が豪州となる。 ところが豪州では、既に幾多のLNGを含む資源・エネルギー関係の新規案件で労働力が逼迫し、コストが大きく上昇してきている。同国は、アジアからの、技術者を含む臨時労働力の流入を、今後も原則的に認めない方向だ。同様に、今後、原発代替の突発需要が重なると、限られた数しか存在しないLNG関連のエンジニアリング会社(日揮、千代田等)のオーバーストレッチが生じ、大幅なコストアップと工事遅延は不可避となる。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 オーストラリアの新規LNG案件一覧 プラント名トレイン数液化能力(万トン/年) North West Shelf (Train 1-3) (Train4) (Train5) Darwin LNG(Train 1) (Train 2) Pluto (Train 1) (Train 2) (Train 3) Pilbara (Scarborough)311111111750 440440370N.A.430500N.A.580 Gorgon 31,500 Queensland Curtis LNG GLNG(Train1, 2) Southern Cross Australia Pacific LNG2234 Newcastle (LNGN) ProjectN.A. Shell Curtis LNG Wheatstone (Train 1-2) Ichthys422800720210-5101,4001001,600860840 Prelude(浮体式)N.A.360 Sunrise LNG (浮体式)N.A. Bonaparte(浮体式) Gladstone LNG (Fisherman's Landing)   (Train 1) (Train2) Timor Sea LNG (Tassie Shoal) Browse11112 (名称未定)Clarence Moreton Basin (浮体式)N.A.4002001751753001,000N.A. Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 主なアジア太平洋のLNG案件(青が既存、赤が新規) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 オーストラリアのLNG開発の現場作業量推移見通し (LNG開発に経験のあるエンジアリング会社は、日揮、千代田を始め世界に8社程度しかない) つ目は、ここ1年ほど進展してきた、北米シェールガス革命の波及効果による、欧州 二での天然ガスの長期契約価格の値下げ交渉(石油価格準拠脱却)に悪影響がありそうなことである。これまで北米から欧州向けにはじき出されて、欧州の天然ガス価格を引き下げてきた大量のスポットLNGが、今度は急遽日本に向かうことになる。近年、ロシアやアルジェリアは、石油価格準拠で価格が高止まりしていた欧州向け長期契約の販売が近年不振になり、一部値引きに応じざるを得なくなっていたが、これで突然攻守が逆転しそうだ。独、仏、伊等の電力・ガス会社は、値下げ交渉の力をそがれる。この状況変化は、中長期的に、日本における新規の長期購入契約の交渉条件の悪化にもつながり、需要を抑える。 これら、豪州、ないしエンジニアリングのコスト・アップと、欧州ないし、LNG市場全般での需給バランスの変化により、LNG価格の価格引き下げの困難化、ないし値上がGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 GASTECH2011: Poten & Partners りが生じる可能性が高い。これだけではなく、日本の輸入LNGの大半が石油価格準拠となっているので、LNG自体の需給と無関係に、中東情勢と投機的な動きによって、既に自動的に値上がりしつつある。この3つの要因で、LNGの価格競争力は、原発と石油以外の、石炭や再生可能エネルギーに対して、相対的に低下しそうだ。勿論、石炭はCO2排出が断然多いし、再生可能エネルギーは、絶対コストが著しく高く、不安定電源という原理的大欠点がある。しかし、政策レヴェルでは、地質的リスクが大きい石炭+CCSや、再生可能への各種の支援政策と、天然ガスの高価格化との鬩ぎ合いが、今後不可避だろう。高価格化緩和のためには、北米西岸、特にカナダ太平洋岸のシェールガス・ベースの新規LNGの立ち上げや、原点に立ち返って、サハリンⅠ・Ⅲのガスをパイプラインで直輸入することも真剣に再度検討すべきではないか。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
地域1 アジア
国1 日本
地域2 グローバル
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 アジア,日本グローバル
2011/04/12 石井 彰
Global Disclaimer(免責事項)

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