ページ番号1004111 更新日 平成30年2月16日

非在来型天然ガスの開発技術の動向

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レポートID 1004111
作成日 2011-04-14 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 技術非在来型
著者 伊原 賢
著者直接入力
年度 2011
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抽出データ 作成日: 2011/4/14 石油企画調査部: 伊原 賢 公開可 ・ 地下の硬い岩から天然ガスを低コストで取り出す技術が現実となり、米国では開発ブームが熱を帯び日本企業も投資を開始しました。石油や石炭に比べCO2排出の少ない天然ガスの利用が広がれば、温暖化対策にもプラスとなります。 (JOGMEC石油企画調査部、世界石油工学者協会SPE資料ほか) . 非在来型天然ガスの資源量 米国での天然ガス需要の増大と水圧破砕/フラクチャリング技術(図1)の進展に伴い、2008年には米国の天然ガス日産量56.2Bcf/d(年20.56Tcf)*1の50%が、「従来技術では地下から採り出しにくい」非在来型天然ガスでした(図2に見るように、タイトガスサンド33%、コールベッドメタン/CBM 9%、シェールガス8%)。 1非在来型天然ガスの開発技術の動向 -天然ガス市場を激変させる開発技術の動向- *1 Bcf/d:10億立方フィート/日 Tcf:兆立方フィート 図1 水圧破砕技術の概要 1/18 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 図2 米国内ガス生産に対する非在来型ガスの存在感大きく 3は1979年にMastersが提唱した「天然ガスの資源量トライアングル」と呼ばれるもので、非在来 図型天然ガスの資源量をイメージするのによく用いられます。賦存環境が在来型天然ガス資源よりも劣るタイトガスサンド、CBM、シェールガスの開発には、技術の進歩と一定水準以上のガス価が必要です。ただし、非在来型は在来型よりも豊富な資源量が魅力です。 図3 天然ガスの資源量トライアングル 2/18 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 }4に非在来型天然ガス資源の賦存環境例を示します。米国のテネシー州とアラバマ州にまたがるチャタヌーガ堆積盆地では、非在来型天然ガスの3点セットであるタイトガスサンド、CBM、シェールガスが確認されました。 図4 非在来型天然ガス資源の賦存環境(米国のチャタヌーガ堆積盆地) 在来型天然ガスの資源量の分布としてよく使われるデータを表1に示します。北米を中心に多く 非の資源量が期待されており、事実開発は北米を中心に展開しています。 表1 非在来型天然ガスの期待資源量分布 3/18 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 曹ノおける非在来型ガスの産出量増加は、在来型ガス田の減退を補って余りあり、米国のガス 米生産量は2009年に20.6Tcfとロシア(20.5Tcf)を上回り、世界一のガス生産国へと駆け上がる要因となりました。シェールガスを含む非在来型ガスによる国内ガスの堅調な生産増や可採埋蔵量増が見られれば、ガス価は長期的に下がる傾向となります。しかし在来型ガス田(South Texas、ワイオミング州のPinedale/JonahやPowder River、East Texas, North Louisiana)の生産減退もあり、合計すると2035年までは年21Tcf(60Bcf/d)前後で推移すると見られます。 次章では従来から開発されていたタイトガスサンドおよびCBMを、次々章では新たな資源となりつタイトガスサンドは、米国において40年もの生産実績があります。 2-1-1. 米国内のタイトガスサンドの資源量 . タイトガスサンドとCBMの開発技術の概要 2つあるシェールガスについて述べます。 2-1. タイトガスサンド 米国Gas Technology Instituteの推定値(2001年)によれば、2000年までに生産されたタイトガスサンドは58Tcf、残存確認可採埋蔵量は34Tcf、技術的に採掘可能量185Tcf(発見されているが、坑井が掘られ開発されるまで可採埋蔵量とはならない)、未発見埋蔵量350Tcf、期待資源量5,000Tcfとされます。米国における天然ガス需要量は年22Tcfだが、内20%をタイトガスサンドからの天然ガスでまかなっています。 2-1-2. 貯留層特性の検討 貯留層の特性を知るには、地質(地質年代、地温勾配、地層圧力、地質層序、堆積環境、続成作用、地殻変動、フラクチャーの伸展)、連続性(長円の排ガスエリア)、裸坑での検層データ、コアデータ(地層の岩石特性、NOB/Net Over-Burden)、岩石力学特性(ヤング率、ポアソン比、応力)、浸透率分布(タイトガスサンド0.03~0.09ミリダルシー)*2を調べる必要があります。 *2 ミリダルシー:md 1md = 9.87x10-16m2 4/18 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 -1-3. 坑井の掘削・仕上げ・刺激法 メタンが豊富なドライガスの貯留層であれば複数の層を同時にフラクチャリングしても構いません。油層シミュレーターからフラクチャー長さ毎の累計生産量を予測し、フラクチャー長さと収入の関係を出します。水圧破砕シミュレーターによりフラクチャー長さとフラクチャリングが及ぶエリアを計算し、フラクチャー長さとフラクチャリングに要したコストの関係を出します。収入からコストを引いたものとフラクチャー長さを比べることで最適なフラクチャーの長さが決まります(図5)。 図5 タイトガスサンドにおけるフラクャー長さの決め方 出所: SPE 103356より作成 2-1-4. 産出挙動評価 (1)フラクチャリング後の貯留層評価: タイトガスサンド層ではリニアフロー(非定常流)の時間が数ヶ月と長い。その後、擬似ラジアルフロー(定常流)となります。 (2)可採埋蔵量の推定: (排ガスエリアは不明なため)体積法や(貯留層の圧力を知るのに生産井を長期に亘って密閉するのは現実的でないため)マテリアルバランスは機能しません。減退カーブや 5/18 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 羡wモデルを使って生産データを解釈することで埋蔵量を評価できます。タイトガスサンド井の減退カーブは指数関数ではなく双曲線を呈します(図6)。正確な可採埋蔵量の推定には、坑井毎に油層モデルを用いることが望ましいとされます(生産データとチュービング内の流動圧力をヒストリーマッチさせる)。 図6 二度のフラクチャリングを実施したタイトガスサンド井の生産量減退カーブ例 出所: SPE 103356より作成 2-2. コールベッドメタン/CBM CBMのガス量は層厚とガス組成によって決まります(石炭層中のガス密度は1~25m3/tonと幅広い)。成分組成は90%以上メタンです。ガスの生産性は浸透率(数~数十ミリダルシー)とガス飽和率から決まります。 メタンはマトリックスの石炭分子に包摂されて存在します。なかでも瀝青炭は表面積が大きくメタン吸着能力に優れるといわれます。メタンの石炭からの脱着挙動はガス脱着曲線より説明できます。石 6/18 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 Y層を飽和している水をくみ上げることにより、石炭層の圧力を減じ、臨界離脱圧力に達した時、メタンガスが遊離し始めます。減圧を続けると放棄圧力に達するまで圧力相応のメタンを遊離し続けます。遊離したメタンガスは石炭マトリクス内を拡散流動し、石炭の割れ目(クリート)に達するとクリート内をダルシー流動して生産井に移動します。クリート内では、メタンガスが不動ガス飽和率を超えるまでは水のみが移動し、その後は(メタンと水の)二相流動となり相対浸透率が定義できます。 水が石炭層を飽和している(ウェットタイプの)CBMの生産プロファイルを図7に示します。 表2は筆者が2010年1月、名古屋のラジオ局の取材*3に応じた時に、「シェールガスとは?」という質問と回答についてまとめたものです。ざっと眺めていただくと「世界の天然ガス供給に少なからず影響をもつ天然ガス」であることがお分かりいただけるでしょう。 図7 典型的なCBMの生産プロファイル . シェールガスの開発 3 *3 番組名: CBC ラジオ「多田しげおの気分爽快!」2010年1月2 8日放送 「シェールガスとは?」質問例と回答案 7/18 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 \2 シェールガスとは? なお、表2にもありますが、日本は地質年代が新しく、シェールガスの商業生産は期待できません。 3-1. 開発技術の動向 シェールガスは在来型ガスと比べ貯留層が不均質です。過去20年で、この複雑な貯留層特性への理解は掘削・仕上げ・生産技術の進歩により深まりました。具体的には水平掘りや岩石に人工的に割れ目をつくる水圧破砕(図1)といった要素技術の進歩が重要です。 シェールガスの開発はタイトガスサンドおよびCBMに比べ開発の歴史が浅い分、まだ技術主導型といわれ、製造業・職人技に近い技術を用います。新規のガス開発事業のため、米国ではメジャーで 8/18 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ヘなく中堅企業中心の事業としてスタートしました。複雑できめ細かな作業が必要なことから、作業コントラクターの数が在来型ガス開発に比べ多くなります。 生産減退率は高く、1坑あたりの生産レートは在来型に比べオーダーが一桁低いので、生産量確けた保には在来型よりも多くの坑井数を要します。従って、一つの坑口位置から複数の水平部分をもつ坑井も出現しました。水平部分の長さが2kmを超える水平坑井や水平部分への多段階水圧破砕(図8)も広く適用されるようになりました。 図8 水平坑井と多段階の水圧破砕のイメージ 平坑井の水圧破砕において、割れ目が貯留層中に広がらず上下に成長し、帽岩(キャップ 水ロック)を壊し、他の貯留層や帯水層につながってしまうと、ガスの回収に支障をきたします。そこで、割れ目に関する情報を少しでも多く得るために、割れ目そのものを観測する技術開発が進められました。マイクロサイスミック技術(図9)により、できたフラクチャーの成長や広がりも把握できるようになったのです。 図9 微小地震/マイクロサイスムから出る地震波を観測井でモニタリング 9/18 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 }イクロサイスミックとは、割れ目が形成される時に発生する地震波(P波、S波)を観測し、解析して割れ目の広がりを評価するもので、ガスの回収率向上に必要な技術です。割れ目のマッピングを提供できます(図9)。2000年以降、マイクロサイスミックには現場で6,000件以上の適用事例があります。しかし、新しく高度な技術であり、技術プロセス(作業の計画、実行、分析、解釈)には改善の余地があります。 技術サイクルの適用ノウハウを身に付けたオペレーターが手がける開発プロジェクトでは、当初作業の失敗が初期生産レートの急激な減退につながりましたが、その後作業の失敗が減ると共に作業効率も高まり、一坑当りの初期生産レートもV字回復が見られます(図10)。総じて、ガスの産出コストも低下傾向にあります。 図10 米国におけるシェールガス生産レートは技術進歩によりV字回復 果として、最初のガス生産レートの上昇、埋蔵量推定精度と経済性の向上につながります。この 結技術リスクの軽減が、米国ではシェールガス開発に投資が集中するようになった理由です。この技術進展と一定のガス価が維持されれば、シェールガスの開発は世界中に進展を見せることとなるでしょう。 10/18 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 -2. シェールガスのエリアの確認 米国のシェールガス開発は2000年代に入って大きく変わりました。これはテキサス州にあるBarnettシェールガスからの生産量が急増しているためで、シェールガス革命は、このBarnettシェールガス開発の成功がブレークスルーとなりました(図11)。 図11 新たなシェールガスエリアの確認 arnettシェールでの開発成功を受けて、米国の中堅企業は、他のシェールガスを求めて国内の Bシェール層を掘削し、ガスの産出確認を行っています。2005、2006年にカンザス州のFayettevilleや北東部のMarcellusなどで相次いでガスが確認され、2007年にはChesapeake社がルイジアナのHaynesvilleシェールガスで生産テストを行い、期待以上の生産結果を得ました。新たなハイポテンシャルのシェールガスを確認し、賦存状態などが把握され始めたのです(図12、表3)。 11/18 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 図12 有望なシェールガスエリア 表3 開発投資に向かうシェールガスのエリア 12/18 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 k米のシェールガスエリアの広がりは広範囲でシェールガスの埋蔵量は500Tcf以上あると期待されています。ちなみに、2009年末世界の天然ガスの残存確認可採埋蔵量は6,400Tcf(米国は240Tcf)なので、その量は膨大です。ランキングの上位にいる生産者は概ねシェールガス開発にも手を染めています(表4)。 表4 米国のガス生産量上位12社 供給コスト(図13)はMarcellus/Barnett Core/Haynesvilleシェールの場合、$3~4/mcf($17~22/boe)*4です。 図13 シェールガスの供給コスト *4 mcf:千立方フィート boe:barrel of oil equivalent、バレル換算 13/18 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ュの進むシェール構造ではガス価が$3/MMBtuを下回っても生産は維持されたが、長期間維持 開できるかについては、減退曲線の予測や残存確認可採埋蔵量の推定精度向上などの不明な点もあります。1坑あたりの平均可採埋蔵量は3.2Bcfです。Barnett Non-Core/Fayetteville/Woodfordの場合は、$5~6/mcf($28~34/boe)です。ヘンリーハブの天然ガスは熱量換算で中央アパラチアの石炭と同等の安い価格帯($5/MMBtu*5:石炭か天然ガスかの需要分岐点)で推移しており、Marcellus/Barnett Core/Haynesvilleシェールの場合、十分な経済性をもってガス生産が行われていると見ます。ちなみに垂直井からの在来型ガスの供給コストは約$1/mcf(Base Production)です。 3-3. シェールガス開発による周辺環境へのインパクト シェールガスの開発業者にとって、ガス井掘削活動の維持拡大のため、水圧破砕と帯水層汚染との因果関係解明は喫緊の課題となっています。それは、水圧破砕に用いられる多量の水やポンプ類の移動があるからです。周辺環境として人口の密集は開発を妨げる要因となります。水圧破砕に用いられる流体である水、砂(プロパント)、化学物質の内訳例を図14に示します。 図14 水圧破砕に用いられる流体:水、砂(プロパント)、化学物質の内訳 境規制の観点からも、フレッシュな水源をフラクチャリング流体に用いることには限界があり、生 環 *5 MMBtu:100万Btu 1Btu = 0.252kcal 14/18 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 Y水を処理しフラクチャリング流体として使用することが、シェールガスの生産増に欠かせません。その点で、フラクチャリング流体を早く地層に圧入させるためのポリマーである「摩擦減少剤:Friction Reducer」の開発が重要です。水に対する溶解度を超えた化合物はスケールという固形物として析出します。地層への付着を防ぐため併用される殺生物剤(biocide)やスケールインヒビターとの相性も大切になります。 天然ガスの開発・生産活動は、浅部の帯水層や地表の水源を汚染するリスクをはらんでいます。干ばつ時の掘削やフラクチャリング用の水の確保はコスト面から容易ではありません。規制や検査、関係機関との連絡調整がリスク軽減に必要です。それらをクリアした上でシェールからのガス生産は可能となるでしょう。ただ、浅部の帯水層や地表の水源を汚染する可能性をゼロにはできません。若干の漏えいやリーク、地下の汚染事例は直接的に飲料水や工業用水の供給システムに影響を与えるものではありませんが、水圧破砕を伴うシェールガス開発の社会的受容性を低下させるものとなるでしょう。 フラクチャリング流体の取り扱い方について、シェールガス開発推進派と環境派の攻防を図15にまとめます。一方、非在来型ガスの開発技術のうち、水圧破砕の作業には多量の水やポンプ類の移動が必要となり、雇用創出に大きく貢献します(ペンシルベニア州の雇用増4万8,000人)。米国連邦議会はシェールガス開発に伴う雇用創出手段として、この開発を支持しています。 図15 フラクチャリング流体の取り扱い方に係るシェールガス開発推進派と環境派の攻防 15/18 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 3-4. 大手石油会社の参入 中東などの大産油国への進出が難しいなかで、政治的・経済的リスクの低い米国でのシェールガス資源の登場は大手石油会社をも動かしています。2008年に入ると大手石油会社は、続々とシェールガス開発を得意とする中堅企業らとのパートナーシップを構築して、シェールガス開発に参入し始めました。 2008年に石油メジャーの英国BPや米国ExxonMobilのガス生産量は前年比マイナスでした(表4)。だが、米国の石油中堅企業のChesapeakeやAnadarko、XTOは前年比二桁の伸びでした。この差はシェールガスを取り扱っているかどうかにかかっていると言われています。 このため石油メジャーは開発技術の取得を目指し、中堅企業との連携を活発化させました。とりわけ、2009年末にExxonMobilはXTOを約4兆円で買収して関係者を驚かせました。米国のシェールガス開発ノウハウを欧州の新規事業へ展開するもくろみと言われます。 時を同じくガス生産の大手Devon社はメキシコ湾大水深の古第三系の優良資産(Cascade, Jack, St.Malo:可採埋蔵量3億~9億バレル)を13億ドルで売却し、その資金を米国内のシェールガス開発に集中すると発表しました。それだけ政治や商業、技術リスクの低い資源開発が有利であることを裏付けています。 ほかの具体的な動きを、以下に列挙します。 (cid:120) BPがChesapeakeのWoodford Shale権益を36億5,000万ドルで買収。 (cid:120) EnCanaとShellがHaynesville Shaleでのガス開発でパートナーシップ。 (cid:120) StatoilとChesapeakeがMarcellus Shaleほかのガス開発でパートナーシップ。 (cid:120) TotalはChesapeakeのBarnett Shale権益25%ほかに22億5,000万ドル投資。Chesapeakeはこの投資を元にテキサス州のEagle Ford Shaleにも興味。 (cid:120) カナダTalismanが2010年、自国のMontneyシェールとMarcellusシェールにおけるガス開発に50億ドル投資。 (cid:120) 非在来型ガス開発に日本の商社も相次ぎ参入。生産量有望と判断し、米・カナダ・豪ほかで先行投資(米シェールガス:住友商事、三井物産。カナダシェールガス:三菱商事。豪CBM:豊田通商)。 16/18 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 . 非在来型ガスの台頭とガス需給構造の変化 この「シェールガス」という非在来型ガスを在来型ガスへと押し上げるうねりは、世界的高まりを見せ播ぱでんています。まずは、カナダ・欧州・中国ほかへの開発技術ノウハウの伝が注目されるところです。当地での開発課題となる技術・インフラのリスクと、それらがガスの生産コストに及ぼす影響に注目すると、伝播の速度が見えてくると筆者は感じています。 世界の非在来型ガスの生産レベルは、2008年で400万boe/日強とLNGの市場規模(8Tcf、世界全体ガス消費の7.5%)と拮しながら上昇を続けています(図16)。 う抗こきっ図16 世界の非在来型ガスの生産レベルはLNGの市場規模と拮抗 最後に「世界の天然ガス市場の急速で根本的な変化」について、ポイントを6点ほど列記します。 ① 欧州におけるGazpromからのパイプラインガス輸入減:Gazpromインデックスは機能しない? 長期的には新しいインデックスが必要。東アジアでは石油価格準拠廃止の議論はあまり盛り上がっていないが、欧州が変われば大きな波となって影響する。 ② ロシアや中央アジアの力は低下する:欧州ではLNG・天然ガスのスポット価格と石油価格準拠のが大きくなり、ドイツなどの需要家を中心に石油価格準拠の廃止を求める声離りかい長期契約価格の乖が上がっている。これは構造的問題。石油価格準拠の合理性の大半は失われたが、今後欧州にシェールガス革命が伝播すれば決定的となろう。米国の石油先物は実際の需給バランスをほとんど反映していないため、LNG・天然ガスのスポット価格と石油との大きな価格乖離は今後も長期にわたって続く可能性が高い(図17)。 17/18 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 B 世界的なLNG供給増により、テイク・オア・ペイ契約の最低量に流れるケースがしばしば見られる。低コストのLNGスポットカーゴに目が向く(特に夏場に調達しガスを備蓄)。 ④ シェールガス革命の進展に伴い、米国内の天然ガス生産見通しに大きな変化。米国発のシェールガス革命はカナダ・欧州・中国を中心に世界へ拡がるかもしれない。 ⑤ 天然ガスの世界市場は飽和傾向で、価格下げの圧力となろう(原油価格リンクでなくなる)。 ⑥ LNG輸入国、日本への影響は直接的にはない。だが、世界のガス供給は増え、原油価格にリンクさせているLNGの価格フォーミュラも変革期にあると思われる。3月に発生した東京電力の原発事故に伴い火力発電をフル稼働する必要がありますが、その燃料源の1つであるLNGの調達戦略にどのような影響を与えるかもウォッチしていきたいと思います。 図17 LNG・ガス市場の価格体系 ・ Journal of Petroleum Technology (JPT)「SPE 103356: Tight Gas Sands」, June 2006, Stephen A. Holditch, Texas A&M U. ・ 独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)石油・天然ガスレビュー「シェールガスのインパクト」、2010年5月 伊原賢 ・ 石油学会 月刊誌ペトロテック 第33巻 第7号「シェールガスの広がり」、2010年7月 伊原賢 ・ 石油技術協会誌 第76巻 第2号「非在来型天然ガスの開発技術の現状」、2011年3月 伊原賢 18/18 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 以上 引用文献> <
地域1 北米
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2011/04/14 伊原 賢
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