ページ番号1004112 更新日 平成30年3月5日

ブラジル:ガス供給源確保にも成果

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レポートID 1004112
作成日 2011-04-18 01:00:00 +0900
更新日 2018-03-05 19:32:42 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 天然ガス・LNG探鉱開発
著者 舩木 弥和子
著者直接入力
年度 2011
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2011/4/15 石油企画調査部:舩木弥和子 (Platts Oilgram News、International Oil Daily、Business News Americas他) .ブラジルは2006年以降石油についてはほぼ自給できる状況となったが、生産の中心は重質油で軽質油や天然ガスは不足気味であった。特に、天然ガスについては消費量の40%程度を依存しているボリビアからの供給に不安があり、これを解消するために、ブラジル国内の探鉱・開発とLNGの輸入を進めてきた。2011年に入り、その成果が表れつつある。 2.Petrobrasは3月1日、北東部バイア州に国内3ヵ所目となるバイアLNG受入基地を建設すると発表した。再ガス化能力14MMm3/dのFSRUが設置される予定だ。着工は2012年3月で、2013年9月に操業開始を予定している。ブラジル国内の既存のLNG受入基地とあわせると、同国のLNG受入能力は35MMm3/dとなり、ボリビアからの天然ガス輸入量を上回ることになる。 3.Petrobrasは3月初旬、サントス盆地、Mexilhaoガス田の生産を3月13日に開始すると発表した。Mexilhaoガス田は2001年に発見され、埋蔵量は700億m3で、パイプラインでサンパウロ州にガスを供給することになる。さらに、Lula(Tupi)油田からのパイプラインがMexilhaoガス田のプラットフォームにつなぎこまれ、合計で15~17MMm3/dのガスを国内市場に供給可能となる。 4.Petrobrasは2013~2016年にサントス盆地プレソルトの生産用に10基のFPSOを投入する予定で、ピーク生産時にはサントス盆地プレソルトからのガス生産量は70MMm3/dを超える見通しだ。Petrobras等はパイプライン、FLNG等の輸送手段を検討している。 1ブラジル:ガス供給源確保にも成果 .安定したガス供給源確保を目指すブラジル 1ブラジルはAlbacora Leste油田P-50プラットフォーム等の生産開始により、2006年にほぼ石油自給を達成できる状況となった。しかし、生産の中心であるカンポス盆地で生産される原油は主に重質油であり、軽質油や天然ガスは不足していた。特に、天然ガスについてはボリビアからパイプラインBBPLで輸入されるガスに消費量の40%程度を依存している。ところが、そのボリビアでは2006年5月にモラレス大統領が炭化水素資源国有化を宣言したため、その後、探鉱・開発が停滞し、生産量は伸び悩んでいる。また、2010年にRyder Scottに埋蔵量評価を実施させたところ、2009年末のボリビアの天然ガス確認埋蔵量がこれまでの政府発表を大幅に下回る9.94Tcf(2,820億m3)であることが2011年4月に判明した。このようなことから、ブラジルではボリビアのガス供給能力に対して不信感が強まり、長期にわたってボリビ? 1 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 Aのガスに依存することへの不安が広がっている。状況を好転させるため、ブラジル政府及びPetrobrasは、サントス盆地やエスピリトサント盆地等ブラジル国内での探鉱・開発とLNGの輸入を推進してきた。 (BP統計より作成) 2009年末の南米各国の天然ガス確認埋蔵量 国 ベネズエラ ボリビア トリニダード・トバゴ アルゼンチン ブラジル ペルー コロンビア その他 合計 天然ガス確認埋蔵量(Tcf) 200.1 25.1 15.4 13.2 12.7 11.2 4.4 2.5 284.6 (BP統計より作成) 2.3ヵ所目のLNG受入基地建設へ Petrobrasは3月1日に、北東部バイア州トードスオスサントス(Todos os Santos、All Saints)湾に国内3ヵ所めとなるバイアLNG受入基地(TRBA:Bahia Regasification Terminal)を建設すると発表した。4.24億ドルを投じ、再ガス化能力14MMm3/dのFSRUが設置される予定である。2012年3月に着工、2013年8月に完工、同年9月に操業開始を予定している。気化されたガスは、Bahia distribution systemとつながれバイア州に供給される他、2008年5月に着工し2010年3月に操業を開始したSoutheast-Northeast Gas Pipeline(GASENE、全長1,400km、送ガス能力20MMm3/d)の3区間のうちの1区間であるカシンバス(Cacimbas)~カツー(Catu)間(全長954km)にも接続され、ブラジル南部にも供給される計画だ。セア ? 2 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ?トのLNG受入基地と主要な天然ガスパイプライン ブラジルのLNG受け入れ基地 (各種資料より作成) 受入基地 セアラー州ペセム リオデジャネイロ州グアナバラ湾 バイア州トードスオスサントス湾 LNG受入能力 稼働開始 7MMm3/d 14MMm3/d 14MMm3/d 2009年1月 2009年3月 2013年9月* コスト 9億ドル 4.24億ドル (各種資料より作成、*予定) ? 3 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 堰[州ペセムとリオデジャネイロ州グアナバラ湾のLNG受入基地とあわせると、同国のLNG受入能力は35MMm3/dとなり、ボリビアからの天然ガス輸入量を上回ることとなる。ブラジルは2009年よりLNG受入を開始したばかりで、2009年のLNG輸入量は1MMm3/dと同国の天然ガス消費量の2%未満と少ないが、2010年のLNG輸入量は2009年の5倍程度に増加している。 ブラジルの天然ガス需給(2009年) ブラジル国内の生産量 ボリビアからの輸入量 LNG輸入 消費量 33MMm3/d 22MMm3/d 1MMm3/d 56MMm3/d (BP統計より作成) 3.Mexilhaoガス田生産開始へ Petrobrasは3月初め、サントス盆地、Mexilhaoガス田の生産を3月13日に開始すると発表した。 Mexilhaoガス田はサンパウロ沖合130km、水深334~510mの海域に位置するガス田で、2001年に発見された。埋蔵量は700億m3である。Mexilhaoガス田のプラットフォームPMXL-1は、Mexilhaoガス田から西に20kmの水深172mの海域に設置されている。処理能力はガスが15MMm3/d、原油が2万b/dで、Petrobras最大の固定式プラットフォームであり、世界でも最大のプラットフォームの一つである。PMXL-1はMexilhaoガス田で生産されるガスだけではなく、Lula(Tupi)油田等サントス盆地で生産されるガスを集め、陸上に送り出すハブとしての役割も務める予定で、ブラジルの天然ガス生産量を増加させ、ボリビアで生産されるガスへの依存度を低減させたいという政府、Petrobrasの戦略の中で重要な位置づけを占めているプラットフォームだ。PMXL-1に集められたガスは全長145km、送ガス能力20MMm3/dのパイプラインでサンパウロ州に供給される。このパイプラインの送ガス能力は30MMm3/dまで拡張が可能である。すでにLula油田のFPSO Cidade de Angra dos Reis(生産能力原油10万b/d、ガス5MMm3/d)から全長216km、送ガス能力10MMm3/dのパイプラインがPMXL-1につなぎこまれており、合計でブラジルの現在の消費量の1/4に相当する15~17MMm3/dのガスを国内市場に供給する計画である。 4.サントス盆地プレソルトの油田の本格生産開始に伴いガス生産量急増へ これまでフレアされていたLula油田の随伴ガスは、FPSO Cidade de Angra dos ReisとPMXL-1の間のパイプラインが完成したことで、ブラジル市場へ供給することが可能になった。2013年にはGuara油田とLula Northeast油田にそれぞれFPSO(生産能力原油12万b/d、ガス5MMm3/d)が設置されるが、この? 4 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 pイプラインはこれら2油田のFPSOまでつなぎこまれる計画で、Guara油田とLula Northeast油田の生産が始まれば、同パイプラインは能力いっぱいで稼働することとなる。 2013~2015年にはLula油田とCernambi油田に6基、Guara油田とCarioca油田に2基と合計8基のFPSO(生産能力原油15万b/d、ガス6MMm3/d)が設置され、生産が開始される予定だ。その後も、サントス盆地プレソルトの油田からの随伴ガスの生産量は増加が見込まれ、ピーク生産時には70MMm3/dを超えるとの見通しもある。このうち一部のガスは圧入用に利用されるが、現時点ではどの程度のガスが圧入に必要となるのかは明らかではない。いずれにせよ、サントス盆地プレソルトの本格生産開始により、ブラジルのガス生産量は急増する見通しで、ブラジルにとってガス関連のインフラ整備が急務となっている。 サントス盆地主要鉱区図 (各種資料より作成) ? 5 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 etrobras、BG、Repsol YPF、Galpはサントス盆地プレソルトで生産される随伴ガスをLNG化してブラジル国内で利用するとともに、国内のガス不需要期にはLNGを国際市場においてスポットで販売することを検討している。2009年末には、Saipem、SBM Offshore/千代田化工、Technip/日揮/三井海洋開発の3組に基本設計業務(FEED)が発注され、2010年末にFEEDが完了、ペトロブラス等が技術、経済面から事業化調査を実施し、FLNGを建設しガスを液化して輸送する方法と、陸上のガス処理設備までをパイプラインでつなぎガスを輸送する方法を比較、調査しているという。パイプラインについては、Lula油田とIara油田、Cabiunasをつなぐ全長360kmのパイプラインを敷設する計画や、Lula油田とMexilhaoガス田間のパイプラインに並行して送ガス能力10MMm3/dのパイプラインを敷設する案が吟味されている。さらに、PetrobrasはGTLについてもパイロットプロジェクトを実施しているという。なお、FLNGが選択された場合、稼働開始は2015年以降になるとみられている。 終わりに これまで必要とするガスの半分近くをボリビアからの輸入に依存してきたブラジルだったが、上記のとおり、供給を確保できる態勢が整い、さらにサントス盆地プレソルトの本格的な生産開始により、天然ガス生産量の大幅増加が見込まれるようになった。Petrobrasの「ビジネスプラン2010-2014」によると2014年のブラジルの天然ガス需要は130MMm3/dとなっており、今後もブラジルのガス需要は増加する見通しで、ブラジルは引き続きボリビアからのパイプラインガスの輸入やLNG輸入への依存を続けることになるとの見方もある。しかし、一方で、リオデジャネイロやサンパウロ周辺へのガスの供給は十分な状況となり、Petrobrasはグアナバラ湾のLNG FSRUを南部に移動させる可能性があるともされている。また、ガス関連のインフラの整備が追い付かないために、随伴ガスをフレアすることもできず、プレソルトの開発を遅らせざるを得ない可能性もあるのではないかと懸念する向きもあり、今後の動向が注目される。 ? 6 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
地域1 中南米
国1 ブラジル
地域2
国2
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 中南米,ブラジル
2011/04/18 舩木 弥和子
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