ページ番号1004126 更新日 平成30年2月16日

原油市場他:4月末まで米ドル下落等により上昇傾向であった原油価格は、5月初旬に大幅下落、以降伸び悩む

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レポートID 1004126
作成日 2011-05-23 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 市場
著者 野神 隆之
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年度 2011
Vol 0
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抽出データ 更新日:2011/5/22 石油調査部:野神 隆之 原油市場他:4月末まで米ドル下落等により上昇傾向であった原油価格は、5月初旬に大幅下落、以降伸び悩む (IEA、OPEC、米国DOE/EIA他) ① 米国では停電による製油所での操業停止の影響もあり、原油精製処理量、そしてガソリン及び留出油の生産量が伸び悩んだことにより、原油在庫は増加する一方でガソリン及び留出油在庫は減少となった。この結果、原油在庫は平年幅を超過し続けているものの、留出油在庫はこの時期としては平年幅上限付近、ガソリン在庫は平年幅下限付近に位置するようになっている。また、既に前年同期比で減少となっているガソリン需要のみならず、5月13日の週には留出油や石油製品全体の需要も前年同期比で減少を示した。 ② 4月末時点におけるOECD諸国推定原油在庫については、欧州では前月末比でほぼ横ばいとなったものの、米国では増加、他方日本においては3月11日に発生した東日本大震災直後の石油市場混乱が4月に入り沈静化するとともに需要も落ち込み、それに伴い原油精製処理活動も鈍化したことにより、かえって原油在庫が増加したことから、OECD諸国全体としても、当該在庫水準は上昇となり、また平年幅を超過した状態も維持されている。他方、石油製品在庫については、米国ではガソリンや留出油の在庫が減少したこともあり製品在庫も減少、他方欧州においては製品在庫は微増となったものの、日本では需要の低下に伴い製品在庫が相当程度増加したことから、OECD諸国全体としても増加、当該在庫水準自体は平年幅の上限付近に位置している。 ③ 2011年4月中旬から5月中旬にかけての原油市場においては、4月中は主に欧州での追加金利引き上げ観測から米ドルが下落したことや、市場の事前予想を上回る良好な米国企業業績に伴う株式相場の上昇等により、原油価格は4月18日の終値であった1バレル当たり107ドル程度が4月29日には114ドルに迫るなど、概ね上昇傾向となった。しかしながら、5月第一週には、インドでの金利引き上げ、経済減速を示唆する米国経済指標類の発表、欧州での追加金利引き上げ観測の後退と米ドルの上昇、欧州一部諸国での債務問題懸念の再燃等で、5月6日には終値が1バレル当たり97ドル程度となるなど、1週間で17ドル弱下落した。その後は、米ドル下落や経済回復を示唆する指標類等が原油相場に上方圧力を加える一方で、経済減速を示唆する指標類が下方圧力を加えることとなり、価格は概ね95~105ドルの範囲で推移した。 ④ 原油市場においては、この先の夏場のガソリン需要期への突入や中国での軽油需要増加の可能性、リビア等での事実上の内戦状態に伴う供給制約要因といったものが存在し、今後なお相場が上昇する余地は残されていると見られるが、5月第一週におけるインドでの金利引き上げ等に加え、4月末から5月初めにかけての銀市場における度重なる委託証拠金の引き上げにより、当該相場がこの期間に25%の大幅下落となったことが、原油等の市場心理も冷やしてしまっており、このような心理が立ち直らないうちに、例えば銀相場においてさらなる調整が発生するようだと、そのような事象をきっかけとして、資金運用者による原油先物契約売却が加速されてしまい、その結果、夏場のガソリン需要期が峠を越えるのを待たずして、原油相場が大きな下落局面に突入してしまう可能性も否定できない状況となっている。 ? 1 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 . 原油市場を巡るファンダメンタルズ等 米国では、夏場のドライブシーズン(2011年は5月28~30日の戦没将兵追悼記念日(メモリアル・デー)に伴う連休から9月3~5日のレイバー・デーに伴う連休まで)に伴うガソリン需要期が目前に迫ってきているが、他方、春場のメンテナンス等からの製油所の操業回復が遅れ気味であったうえに、米国テキサス州テキサス・シティにおいても4月25日夜遅く、停電により複数の製油所の操業が停止する(後述)といった影響が発生、これにより原油精製処理量は伸び悩んだ(図1参照)。この結果、ガソリンや留出油の生産も堅調な増加を示さず(図2及び3参照)、両製品の在庫も概ね低下傾向が続き、5月に入るとガソリン在庫については平年幅の下限付近、一時は平年幅の上限を大きく超過していた留出油についてはこの時期としては上限付近にまで低下するに至った(図4及び5参照)。ただ、例えば3月などは欧米間でのガソリン価格差が一時拡大する場面も見られた(2月中旬以降のガソリン在庫低下により、米国での価格が上昇したことが寄与したと見られる)こともあり、欧州等からのガソリン輸入が増加したことに加え、需要の減少が継続したことから、4月8日には、前週比で700万バレルという大幅な減少を示したガソリン在庫は、4月後半には減少幅が縮小したうえ、5月に入ってからは増加に転じている。 日量百万バレル図1 米国の原油精製処理量(2009~11年)15.515.014.514.013.512345678910111212345678910111212345※4週間平均出所:米国エネルギー省データをもとに作成日量百万バレル9.69.49.298.88.68.414532※4週間平均図2 米国のガソリン生産量(2009~11年)678910111212345678910111212345出所:米国エネルギー省データをもとに作成? 2 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 }3 米国の留出油生産量(2009~11年)日量百万バレル4.84.64.44.24.03.83.63.412345678910111212345678910111212345※4週間平均出所:米国エネルギー省データをもとに作成 百万バレル図4 米国ガソリン在庫推移(2003~11年)260240220200180160123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123451997-2002実績幅2003-11出所:米国エネルギー省データをもとに作成百万バレル図5 米国留出油在庫の推移(2003~11年)18016014012010080123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123451997-2002実績幅2003-11出所:米国エネルギー省データをもとに作成 なお、米国のガソリン需要については、速報値ベースであるが、5月13日の週は日量905万バレルとなっており、これはこの時期としては、2010年の日量909万バレルを下回っている(図6参照)他、2003年以来の低水準となっており(4週間平均では日量899万バレルだが、やはりこの時期としては2003年以来の低水準である)、小売価格の高騰(全米平均ガソリン小売価格は4ドル程度となっている)が需要に影響を及ぼしつつあることが疑われる。また、留出油については、4月の軽油需要が堅調であったとの報告もなされた(後述)が、5月13日の週は前年同期比で11.4%の減少(速報値ベース)となるなど、必ずしも堅調な状態というわけではない(但し、これはガソリンと異なり、減少に転じてまだ3? 3 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 T間であることから、今後のこれがどう展開するかについて注視する必要があろう)。また、米国エネルギー省エネルギー情報局(EIA: Energy Information Administration)が発表した2月の石油製品需要(確定値)は、ガソリン、留出油、石油製品全体とも、前年同月比でほぼ横ばいとなっている(図7、8及び9参照)(但し留出油及び石油製品全体の需要は若干ながら増加しているのに対し、ガソリンのそれは若干(0.03%)ながら減少している)。特に2月のガソリン需要は、速報値では前年同月比で4%弱の伸びとなっていたが、これは前月の米国における低温と大雪の反動を含む可能性があると見られていたことから、今回の速報値から確定値に移行する段階での下方修正は、すでにこの時期に小売価格上昇の影響が需要に及び始めていることを示唆しているとも考えられる。 ドル/ガロン図6 米国ガソリン小売価格とガソリン需要増減(2010~11年)%543210-1-2-3-443.83.63.43.232.82.62.42.2%86420-2-4-6-8-1010/1211/111/211/311/411/5前年同期比需要増減(左軸)価格(右軸)出所:米国エネルギー省データをもとに作成図7 米国ガソリン需要の伸び(2006~11年)1234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234※2011年3~4月の確定値は未発表出所:米国エネルギー省のデータをもとに作成速報値確定値修正幅 ? 4 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 シ方、製油所での原油精製処理活動が旺盛でなかったことから、原油在庫は増加傾向となり平年幅も超過した状態が続いている(図10参照)。なお、原油在庫は平年幅を超過しているものの、留出油在庫が平年幅の上限付近、ガソリン在庫が平年幅の下限付近に、それぞれ位置していることから、原油とガソリンを合計した在庫、及び原油、ガソリン、及び留出油を合計した在庫は平年幅の上限付近に位置している(図11及び12参照)。 百万バレル図10 米国原油在庫推移(2003~11年)390370350330310290270250123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123451997-2002実績幅2003-11出所:米国エネルギー省データをもとに作成 ? 5 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 図8 米国留出油需要の伸び(2006~11年)1234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234速報値確定値修正幅※2011年3~4月の確定値は未発表図9 米国石油需要の伸び(2006~11年)1234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234※2011年3~4月の確定値は未発表出所:米国エネルギー省のデータをもとに作成速報値確定値修正幅 %181614121002468-2-4-6-8-10-12-14-16%1002468-2-4-6-8-10-12-14S万バレル図11 米国原油+ガソリン在庫推移(2003~11年)610590570550530510490470450123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123451997-2002実績幅2003-11出所:米国エネルギー省データをもとに作成百万バレル図12 米国原油+ガソリン+留出油在庫推移(2003~11年)800750700650600550123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123451997-2002実績幅2003-11出所:米国エネルギー省データをもとに作成 4月末時点におけるOECD諸国推定原油在庫については、欧州では前月末比でほぼ横ばいとなったものの、前述の通り米国では増加、他方日本においては、3月11日に発生した東日本大震災直後の石油市場混乱が4月に入り沈静化するとともに需要も落ち込み、それに伴い原油精製処理活動も鈍化したことにより、かえって原油在庫が増加したことから、OECD諸国全体としても、当該在庫水準は上昇となり、また平年幅を超過した状態も維持されている(図13参照)。他方、石油製品在庫については、米国ではガソリンや留出油の在庫が減少したことが影響し製品在庫も減少、他方欧州においては製品在庫は微増となったものの、日本では需要の低下に伴い製品在庫が相当程度増加したことから、OECD諸国全体としても増加、当該在庫水準自体は平年幅の上限付近に位置している(図14参照)。なお、原油在庫は平年幅を超過しており、製品在庫が平年幅の上限付近となっていることから、原油と石油製品を合計した在庫は平年幅を超過する状態となっている(図15参照)。また、2011年4月末時点でのOECD諸国石油在庫日数(月末の在庫量をその直後の3ヶ月間の1日当たり需要で除したもの)は59.7日であり、前月の58.8日から増加している。 ? 6 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 }13 OECD原油在庫推移(2005~11年)億バレル10.510.09.59.08.58.012345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212341995-20042005-11出所:IEAデータ他より推定 億バレル図14 OECD石油製品在庫推移(2005~11年)161514131212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212341995-20042005-11出所:IEAデータ他より推定億バレル図15 OECD石油在庫(原油+石油製品)推移(2005~11年)2625242322212012345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212341995-20042005-11出所:IEAデータ他より推定 なお、従来日本はアジア諸国等に対して軽油やジェット燃料等中間留分を輸出していた(図16参照)が、東日本大震災以降は、同国からの当該製品の輸出が減少するのではないかとの懸念が発生した他、実際2011年3~4月には減少したことから、シンガポールにおける中間留分在庫も同時期に減少したこともあり、アジア市場における留出油(ガスオイル)の価格が震災後4月にかけ上昇した。しかしながら、日本においては、その後軽油等の中間留分在庫も増加したうえ、5月にかけては輸出も回復の兆しが見えてきたことから、価格も低下気味となっている。 ? 7 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 011年4月中旬から5月中旬にかけての原油市場においては、4月中は主に欧州での追加金利引き上げ観測から米ドルが下落したことや、市場の事前予想を上回る良好な米国企業業績に伴う株式相場の上昇等により、原油価格(WTI、以下別途特定しない限り、この章では「原油価格」は原則WTIのことを指すものとする)は4月18日の終値であった1バレル当たり107ドル程度が4月29日には114ドルに迫るなど、概ね上昇傾向となった。しかしながら、5月第一週には、インドでの金利引き上げ、経済減速を示唆する米国経済指標類の発表、欧州での追加金利引き上げ観測の後退と米ドルの上昇、欧州一部諸国での債務問題懸念の再燃等で、5月6日には終値が1バレル当たり97ドル程度となるなど、1週間で17ドル弱下落した。その後は、米ドル下落や経済回復を示唆する指標類等が原油相場に上方圧力を加える一方で、経済減速を示唆する指標類が下方圧力を加えることとなり、価格は概ね95~12OECD諸国(豪州等)シンガポール3香港※5月は1~14日45中国(除香港)その他(チリ等)合計出所:IEAデータ他より推定 2011年4月中旬から5月中旬にかけての原油市場等の状況 . 2105ドルの範囲で推移した。(図17参照)。 ドル/バレル図17 原油価格の推移(2003~11年)日量千バレル図16 日本の留出油輸出量(2011年)250200150100500150140130120110100908070605040302012345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345WTIBrentDubai 4月13日から15日にかけて、3日連続で合計1バレル当たり3.41ドル上昇した原油価格であったが、4月17日に中国人民銀行が国内金融機関の預金準備率を0.5%引き上げる(21日実施)旨発表し、同国? 8 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 o済減速に関する不安感が市場で発生したこと、同じく17日に、サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源大臣が、石油市場は「供給過剰である」旨発言したことで、市場における石油需給逼迫懸念が後退したこと、また、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が、4月18日付報告書で、米国の巨額の財政赤字と政府債務の増加から、同国の長期信用格付け見通しを初めて「安定的」から「弱含み(ネガティブ)」に引き下げたことにより、同国経済と石油需要の先行きに対する懸念が市場で発生したことで、4月18日の原油価格の終値は1バレル当たり107.12ドルと、前週末終値比で2.54ドル下落した。しかしながら、4月19日には、同日英金融情報サービス会社マークイット(Markit)から発表された4月のユーロ圏総合購買担当者指数(PMI:Purchasing Managers' Index、50が景気拡大と縮小の分岐点)(速報値)が、57.8と、3月の57.6から上昇したうえ、市場の事前予想(57.0~57.1)を上回ったことで、当該地域経済が堅調であることにより物価上昇抑制のための欧州中央銀行(ECB)による追加金利引き上げの観測が市場で増大したことから、ユーロが上昇した反面米ドルが下落したこと、この日朝発表された米製薬・日用品大手ジョンソン・エンド・ジョンソンの2011年1~3月期決算が市場の事前予想を上回った他、同日米国商務省から発表された3月の新築住宅着工件数が年率54.9万戸(改定値)と、2月の51.2万戸から大幅増加となり、市場の事前予想(52.0万戸)を超過したことで、米国株式相場が上昇したことにより、この日の原油価格は前日終値比1バレル当たり1.03ドル上昇し、終値は108.15ドルとなった(なおニューヨーク商業取引所(NYMEX)におけるWTI原油先物市場での5月渡し契約に関する取引は本日を以て終了したが、6月渡し契約のこの日の終値は1バレル当たり108.28ドルと前日終値比で0.59ドル上昇している)。また、4月19日夕方発表の米半導体最大手インテル及び米インターネット検索大手ヤフーの2011年1~3月期業績が市場の事前予想を上回ったことで、4月20日には米国株式相場が上昇したこと、4月20日にEIAから発表された同国石油統計(4月15日の週分)で、原油在庫が市場の事前予想(110~130万バレル程度の増加)に反し232万バレル減少していることが判明したこと、さらに4月20日に実施されたスペイン及びポルトガルの国債入札に対する需要が堅調であったことで、これら諸国に対する市場の債務懸念が後退した他、米国株式相場が上昇したことで投資家のリスク許容度が拡大したことから、米ドルが下落したこと、加えて4月20日夕方に発表された米アップルの2011年1~3月期決算が市場の事前予想を上回ったことにより、4月21日の米国株式相場が上昇したことから、原油価格は4月20~21日には、終値ベースで併せて1バレル当たり4.14ドル上昇し、21日の終値は112.29ドルとなった(なお、4月22日は米国ではグッド・フライデーに伴う休日のためニューヨーク原油先物市場も休場となった)。 その後は、4月26~27日に開催が予定される米国連邦公開市場委員会(FOMC)及び委員会開催後のバーナンキFRB議長記者会見を控えて様子見となったことから、4月25~26日の原油相場は終値ベースでは、2日間併せて1バレル当たり0.08ドルの下落にとどまり、4月26日の終値は112.21ドルとな? 9 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 チた。 ただ、4月27日には、この日EIAから発表された同国石油統計(4月22日の週分)で、ガソリン在庫が市場の事前予想(100~150万バレル程度の減少)を上回る、251万バレルの減少となっている旨判明したこと、4月26~27日に開催されたFOMC及びその後のバーナンキFRB議長の記者会見で、米国金融当局としては6,000億ドルの米国国債購入プログラム(2010年11月3日のFOMCにて実施を決定)を当初予定通り6月末で終了させるものの、金融引き締め策の導入は急がない旨示唆されたことにより、米ドルが下落したこと、翌28日には、この日米国商務省から発表された2011年1~3月期の米国実質国内総生産(GDP)(速報値)が前期比1.8%の成長となり、市場の事前予想(2.0%成長)を下回った他、同じく同日米国労働省から発表された新規失業保険申請件数(4月23日の週分)が、42.9万件と前週比で2.5万件増加し2011年1月22日の週以来の高水準となった他、市場の事前予想(39.2~39.5万件)を上回ったことにより、米ドルが下落したこと、4月25日夜から26日朝にかけてのテキサス州での停電による、BP、Valero及びMarathonのテキサス・シティ製油所の操業停止(これら製油所の精製能力は合計で日量約73万バレルと同国の精製能力全体の4%程度を占める)に伴い、既に低下している同国ガソリン在庫が、夏場のドライブシーズン到来による需要期を前にして、さらに低下するのではないか、という需給逼迫懸念が市場で増大したことから、ガソリン先物価格が上昇したこと、4月29日には、この日欧州連合統計局(ユーロスタット)から発表されたユーロ圏消費者物価指数(速報値)が前年同月比で2.8%上昇し、3月(2.7%上昇)から加速したうえ、市場の事前予想(2.7%上昇)を上回ったことで、ECBによる追加利上げに対する観測が市場で増大したことにより、米ドルが一時下落した他、この日米国商務省から発表された3月の同国個人消費支出(PCE:Personal Consumption Expenditures)が、前月比で0.6%の増加と市場の事前予想(0.5%増加)を上回ったこと、また、同じく同日朝発表された米建設機械大手キャタピラーの2011年1~3月期業績が市場の事前予想を上回っていたこともあり米国株式相場上昇したことから、原油価格は4月27~29日に併せて1バレル当たり1.72ドル上昇、4月29日の終値は113.93ドルと、終値ベースでは2008年9月22日(この日の終値は120.92ドル)以来の高値に到達した。 しかしながら、5月1日深夜(米国東部時間)、オバマ米大統領から、米国軍が同日国際テロ組織アルカイダの首謀者ウサマ・ビンラディン容疑者を殺害した旨の発表がなされたことから、中東情勢を不安定化させる要素が減少するとの観測が市場で発生したことが、5月2日の原油市場に影響したこと、5月3日には、この日インド準備銀行(RBI:Reserve Bank of India)が政策金利について、市場の事前予想(0.25%の引き上げ)を上回り、0.5%引き上げて年率7.25%とする旨決定し同日実施したことで、同国の経済成長減速と石油需要鈍化に対する市場の懸念が発生した他、翌4日にEIAから発表される予定の同国石油統計で原油在庫が増加しているとの観測が市場で増大したこと、果たして5月4日には、EIAが発表した米国石油統計では、原油在庫が市場の事前予想(170~200万バレル程度の増加)を上回り、? 10 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 42万バレル増加している旨判明した他、同じくこの日米企業向け給与計算サービス企業オートマチック・データ・プロセッシング(ADP)子会社等から発表された、4月の全米雇用報告で、民間部門雇用者数が前月比で17.9万人の増加と、市場の事前予想(19.8万人増加)を下回り、同国の雇用に対する不安感が市場で増大したことに加え、さらにこの日、米国供給管理協会(ISM)から発表された、4月の米国非製造業景況指数(50が景気拡大と縮小の分岐点)が、52.8と3月の57.3から低下したうえ、市場の事前予想(57.4~57.5)を下回ったことや、同日中国の李勇(Li Yong)財務省次官が、ベトナムのハノイでこの日開催された東南アジア諸国連合と日中韓(ASEAN+3)財務大臣会議閉会時の記者会見で、中国としては物価上昇を抑制すべく、金利や銀行預金準備率の引き上げ措置を今後も推進し続ける旨示唆したことで、同国における金融引き締め政策継続と経済減速、及び石油需要鈍化に対する市場の懸念が増大したこと、5月5日には、この日、米国労働省から発表された同国新規失業保険申請件数(4月30日の週分)が、47.4万件と前週比で4.3万件増加、2010年8月13日以来の高水準となったうえ、市場の事前予想(41万件)を上回った他、同じく同日開催されたECB理事会後の記者会見で、トリシェ総裁が、1ヶ月後の金利引き上げを暗示する「(物価上昇リスクに対する)強い警戒」という言葉を用いなかったことから、近い将来における金利引き上げに対する市場の観測が後退したことに加え、5月5日に独経済技術省から発表された3月の鉱工業受注指数が前月比4.0%の低下と、市場の事前予想(0.1~0.4%上昇)を下回り、同国経済に関する懸念が市場で増大したこともあり、米ドルが上昇した他、この日OPECが次回の通常総会(6月8日開催予定)において原油価格沈静化のために原油生産枠の引き上げを検討する旨の情報が流れたこと、5月6日には、この日独誌シュピーゲル(電子版)が、ギリシャがユーロ圏から離脱し独自通貨の使用に戻ることを検討しており、同日夜欧州委員会がルクセンブルグで開催し本件について協議する予定である旨報じたことで、欧州一部諸国における債務懸念が市場で再燃したことからユーロが下落した他、同じく同日米国労働省から発表された4月の同国非農業部門雇用者数が前月比で24.4万人の増加を示し、市場の事前予想(18.5~18.6万人の増加)を上回ったことから、米国景気回復に対する期待感が市場で増大したことで、米ドルが上昇したことにより、この週における原油価格は終値ベースで連日の下落となった。特に5月5日は1バレル当たり9.44ドルの大幅下落(下落率は8.64%であったが、これは、2009年4月20日(この日の下落率は8.84%)以来、下落の価格幅としては2008年9月29日(この日の下落幅は9.84ドル)以来のものであった)で、2011年3月16日以来の1バレル当たり100ドル割れとなる99.80ドルの終値となった他、5月6日も相場は97.18ドルへと続落、また、同日未明の時間外取引においては一時94.63ドルにまで下落する場面も見られた(なお、この週の原油価格下落については、別の要因も絡んでいるものと見られる、後述)。 5月9日には、この日独連邦統計庁から発表された、3月の同国輸出額が前月比7.3%増加の983億? 11 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ?[ロと1950年の当該統計開始以来最高水準となり、市場の事前予想(1.1%増加)を上回ったことに加え、米国テネシー州のミシシッピ川で大雨により水位が上昇し、下流域で洪水が発生することで当該地域に位置するルイジアナ州の製油所の操業に影響が及ぶ(後述)のではないかとの懸念が市場で発生したことにより、ガソリン先物価格上昇したこと、5月10日にも、米国ミシシッピ川の水位上昇で、製油所の操業及び製油所へのタンカーによる原油輸送等に支障が発生するのではないか、との市場の懸念が引き継がれたことに加え、この日中国税関総署から発表された、4月の同国原油輸入が前年同月比1.7%増加の2,154万トン(日量約526万バレル)と史上3番目の高水準を記録したこと、さらにこの日(5月10日)中国税関総署から発表された4月の同国の貿易収支が2010年12月以来4ヶ月ぶりの大幅黒字(114億ドル)となり市場の事前予想(30.5~32.0億ドル)を上回ったほか、輸出が過去最高水準に到達したことや、この日朝米ソフトウェア最大手マクロソフトからルクセンブルグのインターネット通話大手スカイプ・テクノロジーズを85億ドルで買収する旨合意したとの発表がなされたこともあり、米国株式相場が上昇したことで、原油価格は5月9~10日の2日間で、併せて1バレル当たり6.70ドル上昇し、5月10日の終値は103.88ドルとなった。ただ、5月11日には、この日中国国家統計局から発表された、4月の同国消費者物価指数(CPI)が前年同月比5.3%の上昇と、市場の事前予想(同5.2%上昇)を上回り、同国においてさらなる金融引き締め策が実施されるのではないかとの観測が市場で発生したことに加え、同じく同日発表された4月の同国鉱工業生産が前年同月比13.4%の増加となり、3月の同14.8%の増加から鈍化した他、市場の事前予想(同14.6~14.7%増加)を下回ったこと、同じく5月11日にEIAから発表された同国石油統計(5月6日の週分)でガソリン在庫が市場の事前予想(20~75万バレル程度の減少)に反し128万バレル増加していた旨判明したことで、ガソリン先物価格が下落した他、原油在庫も市場の事前予想(140~160万バレル程度の増加)を上回り、378万バレルの増加となっていたこと、また、同じくこの日(5月11日)アスムセン(Asmussen)独財務省次官が、ギリシャの財政改革状況が判明するまでは、同国支援等に対していかなる決定も下されない旨示唆したこともあり、ギリシャの債務に対する市場の懸念が増大し、ユーロが下落した反面米ドルが上昇したことから、この日(5月11日)の原油価格の終値は1バレル当たり98.21ドルと前日終値比で5.67ドル下落、再び100ドルを割り込んだ。5月12日には、この日ECB理事会委員のクーン(Coen)ベルギー中央銀行総裁が、ユーロ圏諸国でのインフレリスクの高まりが見られており、ECBが今後追加金利の引き上げを実施する可能性がある旨示唆したことから、ユーロが上昇した反面米ドルが下落したこと、また翌13日にはこの日ユーロスタットから発表された、2011年1~3月期の実質域内総生産(GDP)が、前期比0.8%の成長となり、市場の事前予想(0.6%成長)を上回ったことで、当該地域経済に対する楽観的な見方が市場で増大したことに加え、この日、中国国家発展改革委員会が国内供給を保護するために軽油の輸出を基本的に停止する旨発表した(後述)ことで、同国に? 12 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ノおける石油需給逼迫に関する不安感が市場で発生したことから、原油相場はこの2日間で、併せて1バレル当たり1.44ドル上昇したが、5月13日の終値は99.65ドルと、依然100ドルには到達しない水準であった。 他方、5月14日午後には、米国陸軍工兵司令部(US Army Corps of Engineers)がルイジアナ州のミシシッピ川のモーガンザ放水路(Morganza Spillway)の水門(バトン・ルージュの上流約50km程度に位置)の一部を開放したことで、ミシシッピ川下流に位置する製油所が冠水し操業に支障が発生するとの市場の懸念が後退し、5月16日にはガソリン先物価格が下落した他、16日にニューヨーク連邦準備銀行から発表された5月のニューヨーク連邦準備銀行管轄地区製造業景況指数(ゼロが景気の拡大と縮小の分岐点)が11.9と4月の21.7から低下したうえ、市場の事前予想(19.6~19.85)を下回ったこと、また、翌17日には、この日米国商務省から発表された4月の新築住宅着工件数が年率52.3万戸と3月に比べ10.6%減少した他、市場の事前予想(56.8~56.9万戸)を下回ったことに加え、同じく同日米国連邦準備制度理事会(FRB)から発表された4月の鉱工業生産が前月比で横ばいとなり、市場の事前予想(0.4%の増加)を下回ったことにより、原油価格は5月16~17日の2日間においては前週末終値比で1バレル当たり2.74ドル下落し 5月17日の終値は96.91ドルと、終値ベースとしては2月22日(この日はリビアでの政情不安の激化による同国からの石油供給途絶懸念で原油価格が上昇した日であった)以来の低水準となった。5月18日には、この日EIAから発表された同国石油統計(5月13日の週分)で、原油在庫が市場の事前予想(50~170万バレル程度の増加)を下回る、1.5万バレルの増加にとどまったことから、原油価格の終値は1バレル当たり100.10ドルと前日終値比で3.19ドル上昇した。しかしながら、5月19日には、この日日本の内閣府から発表された2011年1~3月期の同国国内総生産(GDP)が前期比年率マイナス3.7%となり、市場の事前予想(マイナス1.8~2.0%)を下回ったこと、また、同日米民間調査機関コンファレンス・ボード(Conference Board)から発表された4月の米国景気先行指標総合指数(2004年=100)が114.0と2010年6月以来の前月比での低下(0.3%低下)となり、市場の事前予想(0.1%の増加)を下回ったこと、加えて同じ日に全米不動産業協会(NAR: National Association of Realtors)から発表された4月の中古住宅販売件数が年率505万戸と3月比で0.8%減少したうえ、市場の事前予想(520万戸、前月比2.0%増加)を下回ったこと、さらに、この日フィラデルフィア連邦準備銀行から発表された5月のフィラデルフィア連邦準備銀行管轄地区製造業景況指数(ゼロが景気拡大と縮小の分岐点)が3.9と4月の18.5から低下したうえ、市場の事前予想(20)を下回ったこと、そして、5月19日に国際エネルギー機関(IEA)が理事会(Governing Board)において「経済回復に影響を及ぼしつつある原油価格上昇を抑制すべく、IEA加盟国は利用できる全ての方策を利用する用意がある」旨の声明を発表し、それがIEA加盟国による石油備蓄放出の姿勢を示すものと市場で受け取られたこと、また、この? 13 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 匀p国の石油コンサルタントOil Movement社が、6月4日までの4週間におけるOPEC加盟国(アンゴラ及びエクアドルを除く)による海上原油輸出が、5月7日までの4週間に比べて日量42万バレル増加するとの推定を発表したことが、原油価格に下方圧力を加え、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり1.66ドル下落し、終値は98.44ドルとなった。翌20日には、この日米国石油協会(API:American Petroleum Institute)から、米国での経済回復に伴う物流の活発化により軽油需要が堅調であったことにより、4月の同国留出油需要が前年同月比で15%増加した旨発表があったことから、暖房油先物価格が上昇したことに加え、同じくこの日、米国国土安全保障省(DHS: Department of Homeland Security)から、国際テロ組織アルカイダが米国の石油及びガス関連施設を攻撃の標的とすることに関心を有している旨の情報が明らかにされたことで、市場の石油供給途絶懸念が増大したことで、この日の原油価格の終値は1バレル当たり99.49ドルと前日終値比で1.05ドル上昇している。 原油市場においては、必ずしも強気要因が大幅の減少したわけではない。米国では夏場のドライブシーズンに伴うガソリン需要期が迫っている他、需要期の開始となる戦没将兵追悼記念日に伴う連休前後においては、米国自動車協会(AAA: American Automobile Association)の調査(5月19日発表)によると、自動車で出かける旅行者数(5月26~30日の期間が対象)は3,090万人で前年比0.3%の減少とほぼ横ばい、飛行機で出かける旅行者(同)は293万人で11.5%の増加と、全米平均ガソリン小売価格が1ガロン当たり4ドル程度となっており、航空運賃も上昇傾向にあるものの、比較的堅調である(但し旅行時においてガソリンや航空運賃以外の支出を控えたり、旅行後に支出を削減したりする、といったことはありうるので、そのような消費者行動の今後の動向については注意する必要である)。 また、中国においては、旱魃の影響で水力発電の操業に影響が発生している他、石炭価格上昇により利幅が低下したことにより、石炭火力発電所の中に操業を停止したところが出てきたことから、深刻な電力不足の可能性が増大してきたことにより、工場等が操業維持のために自家発電装置を稼動させることにより、軽油需要が増加することが予想されるなど、引き続き同国においては、旺盛な石油需要が発生するものと考えられる。これに伴い中国国家発展改革委員会は、5月13日に国営石油会社各社に対して軽油の増産と輸出停止措置の実施に関する通知を行っていることから、中国においては、今後軽油輸出が停止する恐れがあるのみならず、国内供給確保のために、原油や軽油の輸入が増加することも考えられ、これは市場おいては石油需給引き締め要因として受け止められることになるだろう。 他方、供給上の制約に関する懸念も根強く存在する。リビアにおいては、4月の原油生産量は日量20万バレル程度と政情不安の激化前の日量160万バレル程度の生産量から大きく落ち込んだままとなって? 14 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 . 今後の見通し等 3「る(図18参照)が、他方サウジアラビア等はその減少分を穴埋めできない状態が続いており、この結果OPEC加盟国全体としての原油生産量も3~4月は減少、一時40%程度にまで低下していた減産遵守率は急激に反転し、4月は69%近くと、2009年5月以来の高水準に到達している(図19参照)。リビアにおける政権側と反政府側との事実上の内戦は引き続き膠着に近い状態が続いていることや、実際に油田関連施設が攻撃により被害を受けていることなどからすると、近い将来同国からの原油供給が急速に回復するとは考えにくく、仮にリビアを含めOPEC原油生産量が4月の水準でこの先も続くとすれば、2011年末にはOECD諸国の石油在庫日数は現在の60日弱から55日程度にまで減少することになる(図20参照)。このためこの面でも石油市場においては、需給逼迫懸念が発生しやすい状態であると言える(もっとも平年のOECD石油在庫日数は50~55日程度であり、2011年末においても、この平年幅の上限付近の水準となる他、価格高騰により石油需要が今後鈍化する恐れもあることから、2011年末の在庫日数は現時点での見込みよりも上振れする可能性があるものと思われる)。 図18 リビアとサウジアラビアの原油生産量(2011年、日量百万バレル)9.08.88.68.48.28.07.87.67.47.21234リビア(左軸)サウジアラビア(右軸)出所:IEAデータをもとに作成図19 OPEC減産順守率の推移(2009~11年)1.81.61.41.21.00.80.60.40.20.0%807570656055504540351234567891011121234567891011121234出所:IEAデータをもとに作成 ? 15 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 }20 OECD諸国石油在庫日数※1シナリオ(2008~11年)日62605856545250101112123456789101112123456789101112123456789101112平年幅(2003-7)実績シナリオ※1 在庫日数:月末の在庫量を直後3ヶ月間の1日当たり需要で除したもの*:2011年4月のOPEC原油生産量がその後も継続したと仮定出所:各種機関資料をもとに試算 加えて、4月後半から5月はじめにかけてのテネシー州メンフィス地区での大雨の影響により、5月上旬にはミシシッピ川が氾濫する危険性が高まったことで、同川下流域(バトン・ルージュ、ニューオーリンズ及びその周辺地区、これらの地区における製油所10ヶ所の合計精製能力は日量240万バレルで、米国全体の14%程度を占めると伝えられる)に位置する製油所が冠水し、操業が不可能になる恐れが出てきた他、増水により製油所に原油を供給、もしくは製品を出荷するタンカーやはしけの航行に支障が生ずる、との懸念が市場で発生した。これについては、5月14日午後にモーガンザ放水路の水門を開放することで、市場の懸念はひとまず後退した格好になっている(実際に製油所の精製処理活動に影響が発生している製油所は現時点ではAlon USA Energyの保有するKrotz Springs製油所(バトン・ルージュ西方に位置し、放水経路に当たるアチャファラヤ(Atchafalaya)川流域に位置している、精製能力日量8万バレル)のみと言われている)が、引き続き水位が著しく低下するまでの当面の間は、市場は、本件については多少なりとも神経質な状況が継続するものと見られる。 また、カナダのアルバータ州では、5月半ばに山火事が勢いを増してきたことから、5月16日以降複数の石油会社が、パイプラインの操業や油田での生産を停止し、5月20日時点では、日量10万バレル超が生産を停止している。現時点ではカナダの生産量(日量325万バレル程度)からすれば、生産停止量の占める割合は低いこともあり、市場の心理に与える影響は限定的である模様であり、また、5月19日には風速も弱まる一方で湿度が上昇しつつあるとも伝えられ、これは山火事を終息させる方向に作用させやすいとも考えられるが、今後火勢が再び強まったりすることにより、生産停止が長引いたり、拡大したりすると、市場でもそれらを無視しきれなくなる、という場合もありえよう。 さらに、5月19日には米国海洋大気庁(NOAA)が、2011年のハリケーンシーズン(6月1日~11月30日)の大西洋圏でのハリケーン等発生予報を発表し、平年よりも活発なハリケーン等の活動を予想し? 16 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ス(表1参照)。このため、この先この面で、米国メキシコ湾での石油供給途絶懸念が発生しやすい状況が出現することも考えられる。 表1 2011年の大西洋圏でのハリケーン発生個数予想熱帯性低気圧(命名されるもの)うちハリケーンとなるものうち強い勢力*のハリケーンとなるもの予想(2010年12月8日 コロラド州立大学)予想(2011年4月6日 コロラド州立大学)予想(2011年5月19日 NOAA)平年*:カテゴリー3(風速時速111マイル(時速178km))以上のハリケーン171612-189.6996-105.9553-62.3出所:各機関資料をもとに作成 また、経済面では、前述の通り欧州においては政策金利の追加引き上げに対する市場の観測は一旦は後退したが、依然としてインフレ抑制に対する意識は根強く、EU関係者等からも、それに沿った発言も聞かれることから、早晩金利引き上げに関する議論や観測が再度強まることが予想される。しかしながら、米国では景気回復のための金融緩和の着実な実施の必要性に対する認識が強く、4月26~27日に開催されたFOMCでは、追加金融緩和策は当初予定通り6月末で終了する旨表明したものの、実際の金利の引き上げは当面見送るといった姿勢であることから、欧州では金融引き締め方針、米国では金融緩和方針(そして経済が減速する兆候がこの先も続出するようだと、米国の信用格付け見通しに影響しない程度の規模の追加緩和策を実施することも否定できない)と、両者異なる金融政策から、金利差の拡大観測等により、この先も米ドルが下落しやすく、これが原油相場に上方圧力を加える、といった場面も想定される。 このように、石油需要期を目前に控え、需要及び供給に関する市場の懸念、そして相場を押し上げうる要因は多く存在すると言えよう。ただ、一方で、このような原油市場における強気心理の増大に対抗する要因も存在する。まず、米国においては、経済減速の兆候と見受けられる経済指標類が続けて発表されつつある。5月16日に発表されたニューヨーク連邦準備銀行管轄地区製造業景況感指数、5月17日の新築住宅着工件数及び鉱工業生産、5月19日の景気先行指標総合指数、中古住宅販売件数、フィラデルフィア連邦準備銀行管轄地区製造業景況感指数などは、軒並み市場の事前予想を下回る状況であり、また、米国の石油需要もガソリンのみならず留出油や石油製品全体でも前年同期比で減少を示している。欧州においても、ギリシャ等一部諸国における債務問題は解決までにはなお時間を要するものと見受けられる他、ユーロの上昇は当該地域の輸出産業にとっては向かい風となり、経済減速に繋がる恐れもある。中国では消費者物価指数(CPI:Consumer Price Index)が5%を超過する状態が続いており、金融引き締め政策が継続する可能性が高まっている一方で、5月10日に中国自動車工業協会から発表された同国での2011年4月の自動車販売台数が前年同月比で減少となった他(図21参照)、5月11? 17 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 冾ノ発表された4月の鉱工業生産や小売売上高の前年同月比での伸びが市場の事前予想を下回るなど、主要な石油消費国における経済も必ずしも堅調に推移しておらず、今後もこのような経済減速が続くようだと、石油需要が影響を受ける、といったことになる可能性もある。ただ、例えば、米国での石油需要減少、中国での経済減速を示唆する経済指標類は、明らかになってまだ日が浅く、それが一時的な現象なのか継続的な傾向の始まりなのかは市場関係者の中でも明確な見解が出されていないこともあり、これまで述べてきた相場の押し上げ要因と押し下げ要因を総合的に判断すれば、夏場の需要期に向け、現在のところは価格に対する上振れリスクが下振れリスクを上回っているのではないかと見ることもでき図21 中国自動車販売増加率(前年同月比)る。 %302520151050-5567891011121234出所:中国自動車工業協会データをもとに作成 しかしながら、5月上旬以降原油市場では相場を容易に上昇させられない状況に陥っている。前述の通り5月第一週は、インドでの金利引き上げ、経済鈍化を示す経済指標類、欧州での追加金利引き上げ観測後退と米ドルの上昇、といった諸要因が、原油相場の引き下げに寄与したのであるが、実はこれらとは別に銀相場急落が原油相場下落に影響したといった側面がある。銀価格は2010年9月以降2011年4月末に至るまで150%の上昇となったが、この時期原油価格は約50%の上昇、金価格も約25%の上昇であり、銀価格の上昇が突出していた(図22参照)。背景としては、金や原油と同様、米国における追加金融緩和策の実施に伴うインフレ懸念の発生による、実物資産の購入意欲の増大がある(他に銀貨販売が堅調であったことや、米国や中国で銀購入が活発であったという面もあるが、これだけでは価格を急上昇させるには力不足と見る向きもある)が、銀の市場規模が他に比較して小さく(図23参照)流動性が低いことが、価格の上昇を加速させる一因となったものと見られる。ただ、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME:Chicago Mercantile Exchange)は、4月26日、29日、5月3日、及び5日と短期間に銀先物取引に関する委託証拠金を引き上げた(4月26日以前は1契約(5,000トロイオンス)当たり8,700ドルであったのが、5月5日以降には14,000ドルと60%強の引き上げとなった)ことをきっかけとして、当該市場に? 18 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ヘ調整が入ることになったが、流動性が低い分変動幅が大きくなり、4月29日から5月6日にかけての下落幅は27%に達した。このような銀相場の大幅な下落が原油や金といった他の商品に影響した格好となったと見られる(ただ、4月29日から5月6日にかけての原油の下落幅は15%弱、金は4%強であった)。それでもなお2010年9月1日以降の銀価格の上昇率は、依然原油や金を超過している状況にある。 2502001501009図22 金、銀、原油価格の上昇(2010~11年)(2010年9月1日=100)10111212345原油金銀十億ドル図23 米国商品先物取引未決済残高200180160140120100806040200原油金銀2010年9月1日2011年4月29日出所:CME資料等をもとに作成 そして、この5月第一週に原油相場が急落して以降、市場はその心理的な後遺症から抜け出せず、従って相場においても価格下落要因を織り込みやすい状態になっているように見受けられる。他方、米国原油先物市場においては、ここ半年間ほど市場参加者の売買行動に変化が見られる。これまで、スワップ・ディーラー(いわゆる商品インデックスファンドを取り扱う機関等)と資金運用者(いわゆる大口投機家等)は、双方とも、多くの期間米国原油先物取引については買い越しており、特にスワップ・ディーラーはそうであった(商品インデックスファンドは、通常商品先物契約を購入し、後はそれを繰り越していく、という性格の投資方法を採用していることから、これはある意味自然でもあった)。しかしながら、2010年11月にはスワップ・ディーラーについては、売り越しが始まり、2011年5月に至るまで、この状態は継続して? 19 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 「る(図24参照)。他方、米国商品先物取引委員会(CFTC)が別途発表する商品インデックス投資の動向を見ると、同じ時期においては、投資規模が急激に縮小することはないものの、かといって急激に増加することもなく、ほぼ同水準で推移している(これについては、特に米国原油先物市場において期近価格が期先価格を下回る状態(コンタンゴ)により、先物契約の繰越をする際に損失が発生しやすい状態が続いていたこともあり、投資家がよりコンタンゴの度合いが少ない(そして2010年12月15日以降は期近価格が期先価格を上回る、いわゆる「バックワーデーション」の状況がしばしば継続的に発生している(図25参照))英国原油先物市場(ICEブレント原油先物市場)に向かったり、商品インデックスファンド投資といった受動的な投資手法から、より能動的な投資手法へと方針を転換したりした結果、米国原油先物市場においては、商品インデックスファンド経由での資金流入規模が限定的になった可能性が考えられる)。このため、スワップ・ディーラーが商品インデックスファンドを通じた投資以外の取引を開始している可能性もあるが、いずれにしても、スワップ・ディーラーや商品インデックスファンドを通じた原油先物契約購入が急激に活発化しているわけではない。他方、資金運用者については、買い越しの規模が10月以降拡大傾向となり、2011年3月には当該統計対象期間(2006年6月13日の週以降)で最高水準に到達し、現在は多少その規模からは低下したものの、なお高水準を維持している。 図24 2008~11年のNYMEX WTI スワップ・ディーラーと資金運用者の原油先物契約純購入(百万バレル)350300250200150100500-50-100300250200150100500-50-100-1501212345678910111212345678910111212345スワップ・ディーラー(右軸)資金運用者(左軸)出所:CFTCデータをもとに作成ドル/バレル図25 WTIとブレントの原油価格差の推移(第1限月-第2限月)(2010~11年)210-1-2-3-48910111212345WTI(NYMEX)ブレント(ICE)? 20 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 、品インデックスファンドによる投資は、基本的には比較的中長期的な収益の獲得を狙う、ということで一度購入した後は、相場環境が多少変化しても売買を頻繁に行うということは少ない。しかしながら、資金運用者は、相場環境の変化に応じて短期的に売買を比較的頻繁に行う傾向がある。このため、原油先物契約に売却傾向が発生した場合、その傾向を強める方向に作用する可能性がある。前述の通り、原油市場においては、この先の夏場のガソリン需要期への突入や供給制約要因といったものが存在し、なお相場が上昇する余地は残されていると見られるが、市場心理が立ち直らないうちに、例えば銀相場においてさらなる調整が発生するような状況になってしまうようだと、そのような事象をきっかけとして、資金運用者による原油先物契約売却が加速されてしまい、その結果、夏場のガソリン需要期が峠を越えるのを待たずして、原油相場が大きな下落局面に突入してしまう可能性も否定できない状況となっている。 OPECは6月8日にオーストリアのウィーンにおいて通常総会を開催する予定である。IEAは、5月18~19日に開催した理事会に際しての声明(5月19日付)で、原油価格の上昇が経済回復に及ぼす影響について懸念を表明し、産油国(余剰生産能力を保有するという意味で、OPEC産油国を想定しているものと思われる)に対して増産を要請している。ただ、OPEC産油国の認識としては、石油需給は適正であり(前述の通り4月末のOECD諸国石油在庫日数は60日弱となっており、平年並みとされる50~55日を相当程度上回っている)、原油価格は投機によって上昇していることから、もし生産枠の公式な引き上げを決定すれば、需給がさらに緩和すると感じた投機筋が原油先物契約の売却を加速し、従って原油価格の下落が劇的になり、結果として彼らが適正とする原油価格帯(1バレル当たり概ね70~80ドル程度、但し加盟国により多少見解の相違が見られる)を下回ってしまう恐れがあり、この面から生産枠を変更することに対しては躊躇する可能性がある。従って、OPEC産油国側は次回通常総会においては、(直前に大きな原油市場での変化が発生すれば別であるが)公式生産枠を引き上げる可能性はそれほど高くないのではないかと考えられる。 ? 21 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
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2011/05/23 野神 隆之
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