ページ番号1004135 更新日 平成30年2月16日

シェールガス: 安定生産に欠かせない環境リスク克服への技術的考察

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レポートID 1004135
作成日 2011-06-17 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 技術非在来型
著者 伊原 賢
著者直接入力
年度 2011
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 作成日: 2011/6/17 石油調査部: 伊原 賢 公開可 シェールガス: 安定生産に欠かせない環境リスク克服への技術的考察 (米国エネルギー情報局EIA、JOGMEC石油調査部、世界石油工学者協会SPE資料ほか) 世界のエネルギー市場を沸かせた非在来型ガスだが、開発の課題となってくるのが環境への影響でしょう。他の資源開発と同じように、それは「開発推進派」と「環境派」の攻防として顕在化しています。 最大の問題は、シェールガスの開発業者がガス井を掘削し、岩盤に割れ目をつくる際に懸念される帯水層汚染です。帯水層とは地表付近の水源で、飲料用水もそこから汲み上げられます。このため、とりわけ人口の密集した環境であれば、汚染リスクへの不安が高まり、開発を妨げる要因となります。また開発に必要な水の確保はコスト面からも容易ではありません。開発規制や検査、関係機関との調整などリスク軽減は欠かせません。水質汚染リスクをはじめ、これらの問題を克服したうえでシェールからの安定的なガス生産も可能になるでしょう。 本報告では、水圧破砕流体の組成、用水の確保、環境派の懸案事項、水処理の現状と今後につい図1は、非在来型天然ガスをイメージする「天然ガスの資源量トライアングル」と呼ばれるものです。在来型天然ガス資源よりも流動性がかなり劣る地下の硬い岩石に閉じ込められたタイトガス、コールベッドメタン、シェールガスの開発には、水平坑井や水圧破砕といった技術の進歩(図2)が必要でした。これら技術の目的は、石油や天然ガスを貯留する岩石からの流路を如何に作るかにあります。図1からお分かりのように、非在来型は在来型よりも豊富な資源量が魅力です。 て、掘り下げます。 . はじめに 11/26 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 }1 天然ガスの資源量トライアングル 図2 水平坑井と多段階の水圧破砕のイメージ (cid:57) 水平坑井: 石油や天然ガスの閉じ込められた岩石の層に沿って掘削される井戸(坑井)のこと。通常の垂直・傾斜井に比べ、岩石との接触体積が多く取れるため、一坑当りの生産量を数倍に増やすことができ、80年代後半より広く、石油開発に使われるようになった。石油や天然ガスの地下からの回収率を向上させる万能薬とも言われる。 水圧破砕: 原油や天然ガスが存在する地層に圧力をかけて作った人工的なフラクチャー(割れ目)により、原油や天然ガスの流れにくさを改善する技術。坑井を介して、水・酸・合成化合物から成る流体に圧力をかけて作られた地層の割れ目に、流体に混ぜた砂の粒子を圧入・保持させることで、圧力を除去した後も割れ目が閉じないようにする(図3)。1940年代後半に開発され、60年強の歴史がある。その後の技術進歩に伴い、地層に沿って段階的に作ったフラクチャーの分布もモニタリングできるようになり、シェールガスといった非在来型天然ガスの生産増に大きく寄与している。 (cid:57)2/26 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 図3 水圧破砕技術の概要 米国エネルギー情報局EIAが4月5日に「世界のシェールガス資源量評価レポート」をプレスリリースしました。このレポートでは、世界のシェールガス賦存堆積盆地(48)の69層準の根源岩(シェール)の「技術的回収可能資源量」を評価しています。シェールガス賦存堆積盆地の広がりは大きいものです。 「技術的回収可能資源量」は6,622Tcf(Tcf:兆立方フィート)と推定されました(図4)。世界の在来型天然ガスの残存確認可採埋蔵量約6,400Tcf(2009年末)、年間の天然ガス消費量106Tcf(2008年)と比べても膨大なことが判ります。注目すべきは、従来技術では地下から採り出しやすい「在来型ガス」の供給が限られている、ないし、在来型ガスが減退している国(例えば、中国・南アフリカ・欧州)に、意外とシェールガスの資源量が期待できることです。 3/26 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 }4 世界のシェールガスの技術的回収可能量(2011年4月) 世界のエネルギー市場を沸かせたシェールガスですが、開発の課題となってくるのが環境への影響でしょう。他の資源開発と同じように、それは「開発推進派」と「環境派」の攻防として顕在化しています(図5)。「環境派」は、開発反対を主張しています。 現に開発の一時凍結は、米国のニューヨーク州、フランス、南アフリカほかで報告されています。一方、開発推進の動きは、米国のペンシルベニア州、テキサス州、英国、中国、ポーランド、イギリス、カナダほかで見られ、環境被害を否定しています。 4/26 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 }5 フラクチャリング流体の取り扱い方に係るシェールガス開発推進派と環境派の攻防 図6は米国における主なシェールガスの開発エリアを示しています。 図6 米国の有望なシェールガス開発エリア 5/26 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ナ大の環境問題は、シェールガスの開発業者がガス井を掘削し、岩盤に割れ目をつくる際に懸念される帯水層汚染です。帯水層とは地表付近の水源で、飲料用水もそこから汲み上げられます。このため、とりわけ人口の密集した環境であれば、汚染リスクへの不安が高まり、開発を妨げる要因となります。 本報告では、水圧破砕流体の組成、用水の確保、環境派の懸案事項、水処理の現状と今後について、米国を中心とした公開情報を基に掘り下げていきたいと思います。 2. 水圧破砕/フラクチャリング流体 2.1 フラクチャリング流体の組成 フラクチャリングを行うために加圧して坑井に送り込む流体を、フラクチャリング流体と呼びます。フラクチャリング流体の大部分を占める水に様々な添加物を加えて調製しますが、その組成はシェールガスの開発フィールド毎、あるいは会社(開発業者、サービス会社ほか)毎に異なります。ひとつのフィールドでもフラクチャリング作業の段階に応じて変化させます。例えば、最初は水だけを用いて坑内や地層の洗浄を行い、次に酸を加えて余分なセメントや岩石の一部を溶解した後、潤滑剤等を加えて地層の破砕を進め、最終段階でプロパントと呼ばれる粒子状の物質を添加する、というのが一般的なフラクチャリングの手順になります(図3)。 フラクチャリング流体の成分とその作用、および組成の例を表1、および図7~図9に示します。この組成は最終段階での組成と考えられます。 表1 フラクチャリング流体の成分・組成例 出所: 1)-2) 6/26 3) 4) 5) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 図7 成分・組成例1 出所: 1) 出所: 3) 図8 成分・組成例2 7/26 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 出所: 4) 図9 成分・組成例3 図7~図9で明らかですが大部分は水です。水以外の主要な成分としてプロパントと呼ばれる砂等の粒子があります。プロパントは、フラクチャリングを完了して加圧を解除した後、形成したフラクチャーを支えて再び閉じるのを防ぐ目的で用いられます。地上からフラクチャー形成位置までプロパントを沈積することなく輸送するために、ゲル化剤を用いて粘性を大きくするほか、その輸送を補助するための繊維状の物質(熱分解し、地層に吸収される生分解樹脂ほか)を用いることもあります。 フラクチャリング流体には圧入を容易にするために摩擦損失が少ないことが要求される一方、プロパント輸送のため、および逸水を防止して昇圧を容易にするために、ある程度の粘性が必要です。万一の漏洩を考慮して無毒性あるいは低毒性であることも要求されます。このようなことから、フラクチャリング流体には水と砂以外にゲル化剤、スケール*防止剤、一部の岩石やセメント溶解のための酸、摩擦低減剤などの様々な化学薬品が含まれます。ゲル化剤は地層中で熱分解し、吸収されるものが選択されます。 各社は様々な組成のフラクチャリング流体を開発しており、従来、それはフラクチャリングにおける重要なノウハウでした。しかし、最近はフラクチャリング流体による環境汚染を懸念するシェールガス開発 * 溶解限度を超えて析出した固形物。水中に存在する化合物の内、ある種のものは、水に対する溶解度が有限であり、その濃度が溶解度を超えるとスケール(またはスラッジ)を生成する。スケールが生成されると、管路においては管路抵抗の増大、ヒーターや熱交換器では熱効率の低下をきたし、更に進めば、管路が閉塞される。スケール対策は、各種設備の効率と安全性を維持する上で、重要な役割を持つ。 8/26 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ス対派(環境派)に対する配慮から、可能な限り添加剤の種類を減らし、かつ有害なものを排除すると共に、その組成を積極的に公開する方向のようです。米国の中小ガス生産会社の団体のホームページ「Energy in Depth」では、添加物は全体の0.49%に過ぎず、「プール水の消毒」、「化粧品の添加物」等、日常生活における用途が記載されており、その安全性を主張しています2)。 表1の成分・組成例の1から4は公開年がこの順であり、2010年7月公開の成分・組成例3ではそれ以前に比較して添加物の種類が大幅に少ないことが判ります。成分・組成例4は2011年2月に公開されたものであり、成分・組成例3で使用されていた塩酸を含みません。なお、深い(高圧の)シェール層では低粘性のフラクチャリング流体(Slick-Water)を使用しますが、これは摩擦低減剤と同様に圧入を促進するためです。また、浅い(低圧の)シェール層では窒素などの気泡を混入したフラクチャリング流体なども用いられフラクチャリングでは大量の水を使用することから、その確保が一つの課題です。河川水のほか、例えばBarnettシェールのDallas/Fort Worthプロジェクトでは空港の水設備から供給を受けたようであり、消火用水を使用することもあります。河川水の場合には取水量の制約を受けるため、降水量が多い時期に取水してシェールガス生産現場付近の池等で貯水しておき、フラクチャリングに備えるようです。また、ゴルフ場の池を水源または貯水池に利用する例も報告されています6)。 このような大量の水資源利用もシェールガス開発反対派が懸念することの一つであり、それに対する配慮と、水確保に関する不安材料解消の両面から、フラクチャリング後に地上に戻る水(Flowback)を処ここで、シェールガス開発反対派が挙げる懸念事項をまとめると、次の3点となります。 (1) 大量の淡水使用 (2) フラクチャリングによる地下水汚染、およびガス漏洩 (3) Flowbackの環境への排水に伴う汚染・・現在は州レベルの規制 (1)については、これまでに述べた通りです。(2)については、フラクチャリング流体や天然ガス自体が岩石の亀裂を通じて帯水層に達しての汚染や、水井戸からガスが検出されることを懸念しており、またその可能性を示す実例も報告されています。(3)に関しては、現状では石油、天然ガス生産等に伴う坑排水の処理や管理は州レベルの規制を受けていますが、公共水処理場への排水禁止やEPA(米国環境保護9/26 理して再利用することが主流になりつつあります。 .3 シェールガス開発反対派が挙げる懸念事項 2.2 フラクチャリング用水の確保 2ます。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 V鮮な水をフラクチャリング流体に使用するために必要な水処理については、公開情報は得られませんでした。前述のように、河川水やゴルフ場の池の水等が使用されていることから、通常の水ならば特段の処理は不要と推定されます。従って、シェールガス開発で水処理が必要なのはFlowbackの環境への排水、あるいは再利用における処理と考えられます。現状のFlowbackの主たる処分方法は次の通りで庁)による排水規制ガイドラインを連邦政府レベルで強化すべきとの主張がなされています。 3.1 シェールガス開発における水処理 . 水処理の現状と今後 3す。 (1) 公共水面(河川等)への排水 (2) 工業用、または公共水処理場への排水 (3) 枯渇した油井、ガス井等、あるいは帯水層に圧入 (4) フラクチャリングに再利用 (1)と(2)については、現状では州レベルの規制をクリアする排水処理が必要ですが、規制値以下にする必要性に触れた少数の文献があるのみで、具体的処理方法に関する公開情報は得られませんでした。シェールガス開発反対派の動きもあり、(1)と(2)に関する今後の規制は厳しくなることが予想されます。 (1)の例として、Fayettevilleシェールにおいて、環境基準に適合する処理の後、灌漑用水として利用することが記載されています6)。2008年当時、MarcellusシェールではFlowbackを処理した上でアパラチア川に放流していましたが、それが同川の高塩分濃度の原因ではないかと疑われている例もあります7)。 現在は(3)が一般的なようですが、シェールガス開発地域はこれまでに石油・ガス生産が行われなかった地域が多く、地下圧入用の還元井が十分にないことが多いため、例えばMarcellusシェールでは帯水層への注入が行われています8)。環境保護団体はこれが飲料水用水源に与える影響を強く懸念しており、Marcellusシェールの一部が含まれるニューヨーク州議会における、2010年末の開発凍結法案の可決9)につながったものと考えられます。今後は他の地域、あるいは米国外においても、規制強化や開発停止/減速への動きは広がる可能性が考えられます。 そういう背景から、環境への影響回避と水の確保の両面でメリットが期待できる(4)の方法が注目されており、既に一部で実用されていると共に、様々な取組みが行われています。問題となるのはコストですが、開発業者の一つDevon Energy社によれば、現状の再利用は排水よりもややコスト高だが、その差は縮まりつつあるとのことです10)。 10/26 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 lowbackを再利用するために必要な水処理に対して、具体的基準に関する情報は得られませんでしたが、様々な情報をまとめると、主要なポイントは次の3点と考えられます。 ① 塩分濃度の低減 ② 浮遊固形分(TSS:Total Suspended Solid)の除去 ③ スケール生成物質(TDS:Total Dissolved Solid ほか)の除去 ①は、様々な添加剤の作用を妨げる、地中における地化学的反応で固体が析出してガス流路を閉塞する恐れがあるためと推定されます。②はガス流路の閉塞と関連するほか、摩擦低減剤の効果が弱まることを警戒するからです。③は坑内や地層中でスケールが付着し、岩石の孔隙やガス流路の閉塞をもたらすためと考えられます。 ③において処理すべきスケール生成物質には、Flowbackに溶解している自然界の放射性物質(NORM:Naturally Occurring Radioactive Material)も含まれます。Flowbackに地下の放射性物質が溶解することはシェールガス開発に特有の問題ではなく、溶解している放射性物質の強度もそのままならば健康に全く問題ないレベルです。しかし、Flowbackの再利用によってその濃度が上昇し、水に対する溶解度の限界を超えるとスケールとなって沈積し、ある程度の強度の放射線源となることを警戒するものです6)。そのほか、副次的に必要な処理として、次の4点が挙げられます11)。 Flowbackの処理と再利用は既に一部で行われていますが、米国ではコストダウンを主目的として、以下のような技術開発や試験プロジェクトが進められています11)。これらプロジェクトの内容にはFlowback再利用のための水処理だけでなく、公共の水源と競合しない代替水源やシェールガス生産に関連するこれ以降、Flowbackの再利用を目的とする水処理について、その現状を述べたいと思います。 .2 Flowback処理技術に対する取組み 3・BSWCMC(Barnett Shale Water Conservation and Management Committee) 11/26 1) Industry Water Conservation Consortia (水の特性把握なども含まれている模様です。 ・添加したポリマー(摩擦低減剤)の除去 ・油・グリース分のコントロール ・全有機物炭素(Total Organic Carbon)の減少 ・微生物・細菌のコントロール Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 EASWCMC(Appalachian Shale Water Conservation and Management Committee) ・Marcellus Shale Coalition (2) シェールガス生産会社による既存技術・ノウハウの試験 (3) RPSEA Program ・RPSEA(Research Partner Ship to Secure Energy for America)は米国エネルギー産業を代表する180 機関以上で構成する非営利組織 (4) NETL-DOE Program ・NETL(National Energy Technology Laboratory)は米国エネルギー省(DOE)傘下の研究機関 (5) NYSERDA Project on Shale Gas Issue ・NYSERDA(New York State Energy Research and Development Authority)はニューヨーク州エネルギー研究開発局 (2)の例として、DTE Gas Resources社によるオンサイト分離とろ過を組み合わせた方法(詳細は不明)の試験や、Devon Energy社がBarnettシェールで行った同様な技術試験があります。しかし、DTE Gas Resources社では経済性なしとの結論が出た模様です12)。現在、適用可能なFlowback処理技術として、蒸留、膜分離、オゾン処理/膜分離が挙げられています11)。これらのうち、入手情報について、以下に紹介.3 現状で適用可能なFlowback処理方法 33.3.1 蒸留 します。 現状で最も実績があるFlowback処理方法であり、以下に、Fountain Quail Water Management社、GE Water & Process Technology社、およびVeolia Water Solutions & Technologies Oil & Gas社の技術を説明します。蒸留による水処理技術を保有するこのほかの会社には、212 Resources社、Intevras社、Aquatech社、Total Separation Solutions 社11)があり、石油・天然ガス分野の水処理では最も一般的な処理方法です。 文献によれば、Flowbackの主な処理法は逆浸透膜と蒸留8)10)であり、蒸留法では塩分濃度45,000ppmまで対応可能です10)。Devon Energy社は蒸留設備を使用して2,500バレル/日(約400m3/日)のFlowbackを処理し、回収した2,000バレル/日(約320m3/d)の淡水を再利用しており8)、またChesapeake社はテキサス州Fort WorthのBrentwoodで4基の蒸留設備を設置予定です8)。 12/26 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 1) Fountain Quail Water Management社 Fountain Quail Water Management社(以下、Fountain Quail 社と略)は、石油・天然ガス分野のエンジニアリングサービス会社Aqua-Pure社の子会社であり、シェールガスのFlow Back処理設備専門の会社です。2004 年以来、Barnettシェールでは同社の設備によるFlow Back処理を行っており、2008年4月時点で累計570万バレル(約91万m3)を処理して、その約80%に相当する450万バレル(約71.5万m3)の水を回収、再利用したとのことです12)。BarnettにおけるFlow Back 処理量は約76013)~95011)m3/日であり、水回収率は80~85%とのこと13)。同社の技術はMarcellusシェール(水の回収率75~80%)やFayettevilleシェール(水の回収率95%)でも使用されています13)。 蒸留法では、蒸発した蒸気の再圧縮方法により、蒸気エジェクタを用いる熱的圧縮(TVR:Thermal Vapor Recompression)と圧縮機を用いる機械的圧縮(MVR:Mechanical Vapor Recompression)があり、Fountain Quail 社の方式は後者です14)。 図10にFountain Quail 社の方式のフローを示します。図中左上の「Feed」が坑井からのFlowbackであり、蒸留後の水や濃縮水と熱交換して予熱された後、蒸発器(図中ではSeparator)に流入します。蒸発器には循環ラインがあり、内部の流体は圧縮後の高温蒸気との熱交換で加熱されます。また、蒸発器は圧縮機のサクション(吸入)側にあるため減圧されており、内部流体はさほどの高温でなくても容易に気化します。気化して圧縮された高温蒸気は蒸発器の循環ラインを流れる流体と熱交換して冷却され、蒸留水となって再利用のために送られます。この方式では、Flowback中の塩分や固形分等は濃縮水として排出されます。Fountain Quail 社の移動可能なスキッドマウント型装置の概観図と写真を図11~図13に示します。 図10 Fountain Quail Water Management社の蒸留方式のフロー 13/26 出所: 14) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 }11 Fountain Quail Water Management社のスキッドマウント型蒸留装置の概観図 出所: 13) 図12 Fountain Quail Water Management社のスキッドマウント型蒸留装置(1) 出所: 11) 図13 Fountain Quail Water Management社のスキッドマウント型蒸留装置(2) 14/26 出所: 14) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 2) GE Water & Process Technology社 トレーラー積載型の蒸留装置であり、図14にイラストを示します。2010年9月にプレス発表され15)、2011 年始めごろから出荷予定。Fountain Quail社と同様に機械的圧縮と推定できます。能力は50ガロン/分(約11.4m3/時=273m3/日)です。 出所: 15) Veolia Water Solutions & Technologies Oil & Gas社(以下、Veolia 社と略)はその名の通り、油・ガス田における水処理専門のサービス会社です。ここで述べる蒸留方式のほか、後述の沈積・ろ過・膜分離方式の技術も保有しています。 図15にVeolia社の蒸留設備(ZLD:Zero Liquid Discharge)を示します。図15の設備設置場所は不明ですが、シェールガスフィールドに設置されたものではない可能性があります。ZLD はVeolia社グループのHPD社が開発した技術であり、図15の外観から蒸気エジェクタを用いる方式のようです。Veolia 社によれば固形分を含む水処理に適するそうで、以下の特徴を挙げています。前述のFountain Quail 社との図14 GE Water & Process Technology 社のトレーラー積載型蒸留装置 3) Veolia Water Solutions & Technologies Oil & Gas社 (相違は下の2)であり、廃棄物が濃縮水ではなく固体である点です。 1) NaCl、CaCl、重金属を効果的に除去 2) 廃棄物は固体ケーキ状であり、埋め立て処理可能:ZLD(Zero Liquid Discharge) 3) 前処理不要で設備費、運転費削減可能 この技術はMarcellusシェールのFlowbackでデモを行い、95%の水を回収して再利用可能としています16)。 15/26 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 出所: 16) 前述のように、逆浸透膜は蒸留と並ぶ主要なFlowback処理方法とされています10)。ただし、蒸留法では塩分濃度45,000ppm まで対応可能なのに対し、逆浸透膜は35,000ppmまでとされています10)。 逆浸透膜を用いる処理における課題は、固体粒子等による膜の閉塞であり、一般に化学的操作による前処理と組合せて用いられるようです。閉塞防止のために、膜への特殊なコーティングも検討されてい図15 Veolia Water Solutions & Technologies Oil & Gas 社の蒸留設備(ZLD) .3.2 膜(逆浸透膜)分離 31) Veolia Water Solutions & Technologies Oil & Gas社 (ます3)。 Veolia社では前述の蒸留方式のほか、逆浸透膜を用いる技術も保有しています。 同社のOPUS(Optimized Pretreatment and Unique Separation)方式の概略フローを図16に示します。 OPUS方式はVeolia 社グループのN.A. Water Systems社が開発した技術であり、処理対象水の脱ガス・遊離油分除去後、化学的軟化(chemical softening)を行い、金属等の浮遊固体粒子をろ過した後、逆浸透膜で処理します。Veolia 社によれば、高pHでの運転によって生物・有機物・固体のスケールを防止することが可能であり、所要エネルギーが少ないことが特徴としています16)。 16/26 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 }16 Veolia社のOPUS方式概略フロー Veolia 社のOPUS 方式設備の写真を図17に示します。図17の設備設置場所は不明ですが、シェールガスフィールドではない可能性が高いと思います。 出所: 16) 出所: 16) 図17 Veolia 社のOPUS 方式設備 (2) EnCana社における逆浸透膜によるFlowback処理 カナダの中堅シェールガス開発業者であるEnCana社では、米国のBarnettシェールにおいて逆浸透17/26 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 撃ノよるFlowback 処理を行っています8)。主としてFlowback中の塩類を除去するのが目的であり、処理能力は10,000バレル/日(約1,590m3/日)です。ただし、塩化物濃度は20,000ppm が限界とのこと。逆浸透膜ではなく、限外ろ過(Ultra Filtration)です。EnCana の処理装置を図18に示します。 出所: 11) GeoPure社やEcosphere Technologies社ほかが逆浸透膜によるFlowback処理技術を保有しています図18 EnCana が使用中の限外ろ過(Ultra Filtration)処理装置 3) その他の技術 ((1) Veolia Water Solutions & Technologies Oil & Gas社 前述のVeolia社の蒸留方式(図15)と逆浸透膜方式(図17)は、写真の印象では比較的大規模なプラントのようですが、同社では化学的Flowback処理ができる可搬型装置MULTIFLOも開発しています16)。 図19、図20にMULTIFLOの外観と概要図を示します。この装置は化学処理によるスケール成分(Ca、Mg、Ba、Sr、Fe、Mn)除去が目的であり、アルカリやポリマーを加えて沈殿、凝集、分離を行います。その効果を表2に示します。この装置は可搬型であり、容量として5,000~25,000バレル/日(約795~4,000m3/日)の4タイプが用意されています。2010年11月からMarcellusシェールガス開発でFlowbackの再利用に18/26 11)。 ・GeoPure社: 限外ろ過と逆浸透膜の組合せ ・Ecosphere Technologies社: オゾン処理と逆浸透膜の組合せ .3.3 化学的処理 3Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ?ッた処理に使用されています16)。 図19 Veolia 社のMULTIFLO外観 出所: 16) 図20 Veolia 社のMULTIFLO概要図 表2 Veolia 社のMULTIFLO の性能データ 出所: 16) 出所: 16) 19/26 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 uperior Well Services 社は、スケールを生成する二価陽イオン除去に効果的な方法として、次のような処理方法を開発しており、新鮮水に近いフラクチャリング流体用水を回収可能としています17)。 2) Superior Well Services社 (1) 二価イオンと金属の沈殿に適するpHに調整 2) 二価陽イオン添加剤(Ba、Sr、Ca 等)で可溶性イオンを沈殿 3) Fe2+をFe3+に転換して沈殿除去 4) 必要に応じて殺菌、消毒 5) 残留固形分をろ過 表3に処理前後の水質の比較を示します17)。二価陽イオン除去に一定の効果が認められるが、「極めて高い効果」とまではいかないようです。Flowback処理がこの程度で十分であるということは、Flowback再利用のための水処理では、高度処理のような精緻な処理は不要と考えられます。 この方法の開発と同時に塩分濃度に対する許容範囲が広い摩擦低減剤も開発し18)、MarcellusシェールのCabot Oil & Gas社が開発するフィールドにおいて、Flowbackから回収した水のみでフラクチャリングを行っています。 表3 Superior Well Services 社の方法による処理前後の水質比較 出所: 17) 20/26 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 zone Technologies Group社は、Kerfoot Technologies社のNANOZOX プロセス20)を用いるFlowback 処理技術を開発しています19)。Kerfoot Technologies社のNANOZOX プロセスは、表面を過酸化水素で覆われたオゾンのマイクロ・ナノバブルで油分や有機化合物を分解する技術です。これを用い、Ozone Technologies Group社は10万~100万ガロン/日(約380~3,800m3/日)の容量をもつFlowback処理装置を開発しました。固定型から可搬型まで各種が用意されています。実際のシェールガスフィールドにお3) Ozone Technologies Group社、Kerfoot Technologies社 (ける適用は報告されていません。 (4) PPC(Process Plants Corporation)社 PPC社の方式は、酸素を水中に吹き込んで重金属や化学物質を95%除去するもので、砂フィルタを併用すれば懸濁固体分(TSS:Total Suspended Solid)を99.05%除去可能としています21)。この技術をシェールガスフィールドのFlowbackに適用した例は報告されていないが、酸性鉱山排水の処理で実績があるとのことで、処理結果の例を図21に示します。 図21 PPC 社の方式の処理結果例 出所: 21) GTI注)ではFlowback の再利用に向けた技術開発を行っており、その一つとして電気透析法による無機物除去技術の開発を進めています。詳細は不明ですが、原理図を図22に示します。まだ、室内実験の段階と推定されます。 21/26 .3.4 その他 3Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 出所: 3) 図22 GTI の電気透析法による無機物除去技術の原理 ) GTI(Gas Technology Inst.)は、天然ガスを中心とする新エネルギー技術の非営利研究開発機関であり、イリノイ工科大学内に設置された 注The Institute of Gas Technology とGRI(Gas Research Institute)が2000 年に統合されてできた組織。 . Flowback の性状 4Flowback のフラクチャリング流体としての再利用に関する管理フローを図23に示します。この図によれば、Flowback を処理せずそのまま次のフラクチャリング流体に用いる場合もありますが、その判断基準に関する情報は得られませんでした。後述のように、Flowback 性状は一定ではなく、時間と共に変化することに留意が必要です。 図23 Flowback の再利用に関する管理フロー 22/26 出所: 3) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 Flowback性状の経時変化の例を図24、図25に示します。図24はTDS(Total Dissolved Solid)の変化であり、横軸はフラクチャリング後の日数です。実際のシェールガスフィールドでのデータですが、具体的フィールド名は不明です。 図24 Flowback 中のTDS(Total Dissolved Solid)の経時変化 出所: 3) 25はTDS のほか、塩素、バリウム、硫化物の経時変化であり、Marcellusシェールでのデータです。 図横軸は図24とは異なり、累積Flowback量であることに注意して下さい。Flowback流量が不明のため、図24の横軸との対応は不明です。 図25 Flowback性状の経時変化 23/26 出所: 17) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 これらの図から、Flowback中の様々な成分は一般に時間と共に増加するが、成分毎、あるいはフィールド毎にその様相は異なると思われます。表4に入手したFlowback性状を示します。いずれも実データであるが、具体的フィールド名は不明です。例3と例4については、累積Flowback量を時間軸とする経時変化を示しました。表の下部にある「Langelier Saturation Index」の説明18)は、少し専門的ですが次の通りです。 24/26 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 \4 Flowbackの性状 出所: 3) 3) 17)、18) 22) 今まで解説してきたように、シェールガスの開発に必要な水の確保はコスト面からも容易ではありません。開発規制や検査、関係機関との調整などリスク軽減は欠かせません。ガス生産に伴う水(Flowback)の汚染リスクをはじめ、これらの問題を克服したうえでシェールからの安定的なガス生産も可能になるでしょう。保安(Safety)と環境調和(Environment)を十分意識したシェールガス開発が望まれま. まとめ 5す。 <出所> 1) Modern Shale Gas:Development in the United States:A Primer、US DOE レポート、2009年4月 2) Energy in Depth(米国中小ガス生産会社の団体)ホームページ、http://www.energyindepth.org/frac-fluid.pdf 3) Hayes, T.、Produced Water Research Project、RPSEA Unconventional Gas Conference 2010 発表資料、2010年4月 4) Hydraulic Fracturing、Range Resources 社、2010年7月、同社ホームページ、http://www.rangeresources.com/rangeresources/files/6f/6ff33c64-5acf-4270-95c7-9e991b963771.pdf 5) Range Resources 社のCompany Presentation、2011年2月、同社ホームページ、 http://www.rangeresources.com/rangeresources/files/9d/9d718f88-13ab-4b93-a486-75245346598e.pdf 25/26 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ) Denney, D.、J. Pet. Tech.、Vol.61、No.8、pp53-54、2009年8月 7) USGS(米国地質調査所)ホームページ、http://geology.com/usgs/marcellus-shale/ 8) Arthur, J.D.、Prudent and Sustainable Water Management and Disposal Alternatives Applicable to Shale Gas Development、The Ground Water Protection Council 提出資料、2009年1月 9) 日本経済新聞、2010年12月3日 10) Gas Drilling Waste-Water Disposal、2008 年2 月、http://www.stwresources.com/_pdf/tarrant-county-produced-water.pdf 11) Hayes, T.、Shale Gas Water Management Consortiums: Marcellus and Barnett Regions、GWPC UIC Forum Workshop: Hydraulic Fracturing Water Issues、発表資料、2011年1月 12) Arthur, J.D.他、Evaluating Implications of Hydraulic Fracturing in Shale Gas Reservoirs、Paper Presented at SPE Americas E&P Environmental and Safety Conference、SPE 121038、2009年3月 13) Fountain Quail社プレスリリース、2010年7月29日、http://www.fountainquail.com/investor/press/assets/FQWM-MARC.pdf 14) Water Treatment Technology Fact Sheet、All Consulting ホームページ、http://www.all-llc.com/publicdownloads/ThermalDisillationFactSheet.pdf 15) プレス発表、GE Water & Process Technology社、2010年9月30日、http://www.gepower.com/about/press/en/2010_press/093010.htm 16) Veolia Water Solutions & Technologies Oil & Gas社ホームページ、http://www.vwsoilandgas.com/en/markets/upstream/onshore/unconventionalgaswatertreatment/ 17) Papso, J.、Blauch, M.、Grottenthaler, D.、Cabot Gas Well Treated with 100% Reused Frac Fluid、2010年、http://www.taeradio.com/sponsor/superior-well-services/reuse-rather-than-release.pdf 18) Blauch, M.E.、Paper Presented at SPE Unconventional Gas Conf.、SPE 131784、2010年2月 19) Ozone Technologies Group, Inc.ホームページ、http://www.ozonetechnologiesgroup.com/applications_ShaleGasFractureTreatment.php 20) Kerfoot Technologies, Inc.ホームページ、http://www.kerfoottech.com/environmental-technology-products-nanozox.asp 21) Reuse Frac Water by Removing 95%、PPC(Process Plants Corporation)社パンフレット、http://ppc-site.com/images/FRAC_FLOWBACK_WATER_TREATMENT__Water_Recovery_System001.pdf 22) Blauch, M.、World Oil、Vol.231、No.7、pp D121-D124、2010年7月 以上 26/26 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
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2011/06/17 伊原 賢
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