ページ番号1004140 更新日 平成30年3月5日

世界最大のエネルギー消費国中国で頻発する電力・石油ショック

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レポートID 1004140
作成日 2011-06-21 01:00:00 +0900
更新日 2018-03-05 19:32:42 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 天然ガス・LNG基礎情報
著者 竹原 美佳
著者直接入力
年度 2011
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2011/6/22 石油調査部:竹原 美佳 中国のエネルギー価格は市場価格と政府統制価格が混在しており、エネルギー需給バランスが乱れ (cid:190)やすく、経済・産業にしばしば弊害をもたらしている。 (cid:190) 政府はインフレや社会不安を懸念し、価格の市場化に慎重姿勢であり、今後も電力・軽油ショックが起こる可能性がある。世界最大のエネルギー消費国中国の需給動向は国際市場に影響し、中国自身もそうだが輸入依存度の高い日本に影響が及ぶ可能性がある。 IEAは「天然ガス黄金時代シナリオ」において“中国は安価なガス、環境規制の強化、安定した供給が確保されれば2035年にEU並みの天然ガス消費国になる”という可能性を示した。しかし、中国のエネルギー価格統制撤廃、あるいはシェールガスなど非在来型天然ガス開発進展による安価な国産ガスの供給拡大実現へのハードルは高く、黄金時代シナリオ実現にはなお時間を要すると思われる。 (cid:190) 世界最大のエネルギー消費国中国で頻発する電力・石油ショック じめに.中国、世界一のエネルギー消費国に は 2011年6月、BPが発表したエネルギー統計において2010年の中国のエネルギー消費量は米国を石油換算で約1億5000万トン上回り、中国は世界最大のエネルギー消費国となった(2009年は米国が1,640万toe上回っていた)。一次エネルギーの約7割は石炭が占め、石油は17.6%、天然ガスは4%を占める。 中国の輸入依存度はエネルギーにより異なる(石炭はほぼ自給、石油輸入比率は約5割、天然ガスの輸入比率は約2割)が、世界一のエネルギー消費国となった中国の需給動向は世界の市場に影響を与える存在である。そして石炭、石油、天然ガスをほぼ輸入に頼る日本はその影響を受けることになる。 図1:日米中一次エネルギー消費 (石油換算百万トン) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 坙{米国中国-5001,0001,5002,0002,5003,000石炭石油天然ガス原子力水力その他再生可能 原子力0.7%水力6.7%その他再生可能0.5%天然ガス4.0%石油17.6%石炭70.5%石炭天然ガス水力石油原子力その他再生可能 Source:BP Statistical Review of World Energy 2011 1.中国における大規模な電力不足の要因 (1)中国で大規模な電力不足発生 その世界一のエネルギー消費国で大規模な電力不足が起きている。浙江、貴州、広東、湖南、江西lobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ナピーク消費の調整を重慶、湖南、安徽等で計画停電が実施された。特に電力不足が深刻な浙江省など一部地域では「開三停一」(3日間供給後1日停電)などの計画停電を実施していた。青海、湖北、湖南など元々国内炭へのアクセスが困難な地域だけでなく、山西、陝西、河南といった産炭地域においても石炭不足による停電が起きる異常事態となった。 今年の電力不足は深刻かつ長期化の様相を呈している。国有送電企業の国家電網は、「発電用石炭の調達状況が変わらず、干ばつによる渇水が続き、猛暑が続く場合、夏場に最悪4,000万kW(華北800万kW、華東2,000万kW、華中1,200万kW)が不足する可能性があると指摘した。またこのまま石炭不足が続く場合、冬場も2,800万kWが不足する可能性があると指摘した。その後、政府が電力卸・小売価格の引き上げや石炭輸入奨励策を取り、南部の干ばつ地域における降水量が増加したことなどにより状況は改善に向かっている。しかしなぜ中国でこのような深刻な電力不足が起きたのだろうか? (2)中国の電力不足は電源(発電設備)の不足が原因ではない 中国の2010年の発電設備容量は9億6219万kW、発電電力量は4兆2280億kWhで日本の約4倍の規模である。石炭火力が発電電力量の8割を占めるベース電源である。 2011年春以降の電力不足は電源の不足が原因ではない。中国は火力発電の増設を進めており、60万kW以上の火力発電の設備容量は2004年の3億2000万kWから2010年には7億kWに、稼働率は2004年の約70%(5,991時間)から2010年には60%以下(5,031時間)に低下していた。 図2:中国と日本の発電電力量 所:中国電力企業連合会他 出lobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 }3:中国の火力発電設備容量と稼働率の推移 万kW80,00070,00060,00050,00040,00030,00020,00010,000080%75%70%65%60%55%50%2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年出所:中国電力企業連合会他にもとづき作成 火力設備容量稼働率 家発展改革委員会は中国の電力不足の主な要因として産業投資の急激な伸び、石炭輸入の減少、 国(3)政府は石炭需給逼迫、旱魃による水力稼働率低下を電力不足の主な要因と指摘 干ばつによる渇水で水力発電の稼働率が低下したことをあげている。2011年1~4月は産業用の電力消費が前年同期比12.6%伸びた。2010年末の計画停電の反動や12次五ヵ年計画の初年度で産業投資が伸びた。特にエネルギー消費量の高い産業で投資が伸びた。粗鋼生産は7.1%、セメント、板ガラス、苛性ソーダ、エチレン、メタノール等の生産量が20%以上伸びた。 中国は発電電力量の8割を石炭火力に頼っている。今年の春は最大の輸入先豪州の洪水で輸入炭の需給がタイト化、価格が高騰した。通常は国内炭より割安な輸入炭が国内スポット炭価格を100元(約15ドル/トン)上回る事態となった。国内炭の需給もタイト化、価格が高騰した。一部地域では石炭ブローカーが暗躍し、石炭の買占めや価格吊り上げが行われた模様である。 中国南部が50年に一度の旱魃に見舞われたことで状況はさらに悪化した。河川の水位が低下し、水力発電の稼働率が低下したのだ。水力発電は通年では発電電力量の15%程度を占める存在だが、夏場のピーク時には30%を担う季節調整の要であった(6月上旬に南部旱魃地域の降水量が増加、水力発電の状況は改善した模様)。 lobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 4)電力統制価格が電力不足の最大の要因 しかし、今回の電力不足の最大の原因は電力価格の統制にある。中国において原料(石炭)価格は自由化されているが、電力価格は卸・小売ともに政府(国家発展改革委員会)が統制している。送電会社への卸価格は電源毎にコストベースで基準価格を設定、電気料金も同委員会が上限価格を設定している(地方政府が上限を超えない範囲で末端価格を調整する)。火力発電コストの7割は原料価格であり、その高騰は即発電コスト上昇、赤字拡大につながる。電力会社は採算ラインぎりぎりの経営を余儀なくされており、燃料価格高騰で大手発電企業はしばしば赤字を計上している。 今回の石炭需給逼迫、価格高騰を受け、発電企業の中には採算悪化で発電を止めてしまうところ、発電したくとも石炭を購入できず発電ができないところが出た。例えば湖南省では一時運転中の石炭火力が通常の5割、河南省では4分の1に低下したと報じられた。 図4:2011年の中国における電力不足発生の主な流れ JOGMEC作成 lobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ?曹ナは電力が不足すると工場などで軽油の自家発需要が発生し、軽油需給が逼迫する構造となっている。今回は国産ガスを燃料とする江蘇省など東部沿海地域の火力発電と福建など一部のLNG火力の稼働率が上昇し、ガスの需給に若干影響を及ぼした。ただし国際市場への影響は現在のところ石油・ガスともにほとんど出ていない。 (1)石油(軽油):工場などの自家発電機向け軽油需要増加、需給逼迫 中国は企業の商業在庫(原油、軽油)を取り崩し、原油輸入を増加させ、精製稼働率を増加させるとともに、ガソリンや軽油など中間留分の生産(重油から軽油への処理加工を含む)を増やすことなどにより、軽油の供給を強化している模様である。 新華社によると国有大手2社(CNPC、Sinopec)の原油商業在庫は5月に前月比3.5%減少した。1~5月の精製処理量は前年同期比7.4%増加した。5月の原油輸入は前年同月比21%増の510万b/dであった。 石油製品は、2010年は純輸出状態であったが、昨年末の電力不足発生後純輸入となっている。5月の石油製品輸入量は339万tで4月より2割増えた。 2011年1~5月の軽油見かけ消費量は前年同期比7.6%増加しているが、軽油の輸入自体は伸びておらず国際市場価格への影響はそれほど生じていない模様である。2011年4月の軽油輸入は13万トン、輸出は22万トンで9万トンの純輸出であったが5月13日に政府がPetroChinaとSinopecに対し軽油輸出の停止を命じ、5月の軽油純輸出は5万トンに減少している。4月の軽油在庫は3月に比べ3.4%減少表1:中国の主なエネルギー価格制度、市場化の流れ 1995年、原油価格を市場価格化(国際原油価格と連動)1998年、石油製品価格を国際製品価格と連動(”政府調整”あり)2004年、電力卸・小売価格を石炭価格と連動(ただし”政府調整”あり)2006年、発電用石炭価格を市場価格化2009年、石油製品卸・小売価格制度見直し国際原油価格参照(見直しの条件は22日間に4%変動、ただし”政府調整”あり)国産天然ガスの卸、輸送、小売価格は政府がコストベースで基準価格を設定輸入パイプラインガスの卸価格は輸入価格、小売価格は地方政府が設定輸入LNGの卸価格は輸入価格、小売価格は地方政府が設定輸入LPGの卸価格は輸入価格、小売価格は地方政府が設定国産LPGは輸入LPG価格を参照、小売価格は地方政府が設定 .電力不足は石油、ガスに飛び火 2JOGMEC作成 lobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 オたが、5月は3%増加した。軽油輸出を減らし、夏場の需要増に向け在庫を再び積み増していると思われる。一方、1~4月の重油輸入は前年同期比23.5%増の959万トン、輸出は同19.6%増の381万トンで約580トンの純輸入となっている。リビア等の政情不安で軽油得率の高い軽質原油が不足、中国の原油輸入増加は市場から油価の上昇要因と材料視されかねないが、米国等先進国の需給減速懸念が下方圧力となり相殺されているようである。 図5:中国の原油商業在庫(推計) 原油商業在庫単位:万バレル23,00022,00021,00020,00019,00018,00017,00016,0001月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月2010年2011年 出所:China OGPにもとづき作成(青(左)が2010年、赤(右)が2011年) 図6:中国の軽油商業在庫(推計) 軽油在庫単位:万バレル1000090008000700060005000400030002000100001月2月3月4月5月6月7月8月9月 10月11月12月2010年2011年 lobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 o所:China OGPにもとづき作成(青(左)が2010年、赤(右)が2011年) ちなみに中国における石油製品で最も消費が多いのはガソリンではなく軽油である。軽油は貨物輸送などの交通輸送部門、工業用燃料、農林・水産用の燃料として主要製品消費の4割を占めている。 中国は世界第5位の産油国、米国と並ぶ世界第1位の石油消費国である。経済発展に伴い輸送燃料消費が伸びている。2010年は石油4億5000万トン(900万バレル/日)を消費した。国内生産量は横ばいの約2億400万トン(410万バレル)で石油純輸入量は約1億9200万トン(約390万バレル/日)であった。輸入依存度は2009年に5割を超えた。 図7:中国の主要石油製品消費内訳 国産ガスの発電向け供給が増加しているが、電力不足への対応は主に国産ガスで行われている模様である。中国の1~5月の天然ガス生産量は前年比5.7%増の80億m3に達した。PetroChinaは直送契約を結んでいる河南、江蘇省の6ガス火力発電所向けの供給を1月の450万m3/日から4月以降約1,400万m3/日に増やした。また火力発電所のある浙江への供給も5月は2月に比べ3割増しの700万m3/日としている。中央アジアからのパイプラインガス輸入は3月の9億m3から4月に12億m3、5月に13億m3と伸びている。中央アジアパイプラインのブースターステーション増設が進み、輸送能力が拡大したこともあるが、発電向けの供給が増加した分、他の分野への供給を補うため輸入を増やしているかもしれない。 2)ガス(LNG):ガス火力稼働率増加、主に国産ガスで対応 (China OGP等により作成 LPG7%ナフサ12%ガソリン22%重油10%ジェット燃料5%軽油44%lobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 LNGは福建が4月から5月にかけてLNGスポットカーゴを調達し、発電向けの供給を増やしている模である。5月は発電向けにLNG7,400万m3(LNG約5万3000トン、1カーゴ相当)を供給した模様でる。他の基地では目立った増加はない。 様 あ日本ではガス火力が発電電力量の4分の1を占めるが、中国ではガス火力は主にピーク調整に使われ、発電電力量に占める比率は約1%と非常に少ない。アジアのスポットLNG価格は日本が原発を停止し、LNG火力に転換するため需要が増加するという要因で上昇し、その後高止まりしているため、中国のガス需要増加がアジアのLNGスポット市場価格に与える影響はそれほど大きくない模様である。 中国は現在世界第7位の天然ガス生産国で日本の天然ガス年間消費量相当を生産している。ここ10年間天然ガス消費は都市化と経済発展で急速に伸び(北部における冬場の暖房や都市部の家庭で石炭から天然ガスへの代替が進んだ)、2009年には日本を上回るアジア最大の天然ガス消費国となった。日本では天然ガス消費の6割強が発電に使われているが、中国では発電は消費の2割に過ぎない。5割は工業用(石化の原料や燃料)で、家庭が2割前後という構成である。2010年の消費量は約1,060億m3で輸入依存度は12%であった。LNGによる輸入と中央アジアの天然ガスをパイプラインにより輸入している。 3.インフレと需給バランスに苦しむ政府 (1)政府の対応 ①電力卸価格引き上げ 国家発展改革委員会は15省・直轄市(山西、青海、甘粛、江西、海南、陝西、山東、湖南、重慶、安徽、河南、湖北、四川、河北、貴州)を対象に卸電力料金を0.02元/kWh(0.26円)引き上げた。12省・直轄市については4月10日から、安徽、湖南、江西の3省は6月1日から引き上げた。 ②ガス火力の卸価格引き上げ 政府は北京、上海、江蘇、浙江のガス火力の卸価格を0.01元引き上げ0.036元/kwh(約0.5円とした)とした。 ③産業用電力料金引き上げ 国家発展改革委員会は15省・直轄市の業務用電力小売料金を6月1日から平均0.0167元(0.2円/kwh)引き上げた。家庭用電力料金は据え置いた。 ④石炭輸入奨励策 政府は石炭輸入優遇措置(石炭の増値税ならびに港湾使用料を下げた)をとった。これにより11週連lobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ?曹ナは今回の電力価格引き上げを受け、インフレを懸念する報道が出た。電力価格引き上げは直接消費者物価指数(CPI)に影響を与えることはないが、生産者物価指数(PPI)が上がり、最終的にCPIに反映される。今後6~9ヶ月はCPI/PPIともに比較的高い水準が続き、インフレ率の低下は第4四半期になる。また、油価が110ドルを超えるとCPI上昇率は5.3%を超えるなどという見方が出た。 エネルギー企業はエネルギー価格制度の見直しを再三求めているが、政府はインフレ・社会不安回避のため、その場しのぎの対応に終始(卸価格や産業向け小売価格の小幅な引き上げ)している。天然ガス価格についても2007年11月に天然ガスの産業用基準卸価格を約35%引き上げ、2010年6月に卸2)インフレとのバランスで政府はエネルギーの市場価格化にしり込み (JOGMEC作成 続で上がっていた国内炭価格もようやく小幅な減少を見せ始めた。 図8:卸・電力料金引き上げ対象地域 lobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ソ格を約26%引き上げたが、企業が求める価格制度の改革は先送りされている。今後も価格統制による給の不均衡で電力不足や軽油不足が発生する可能性がある。今回は他の要因により国際市場の反需 応は鈍かったが、世界最大のエネルギー消費国中国の需給動向は国際市場に影響し、中国はもちろん、輸入依存度の高い日本に影響が及ぶ可能性がある。 4.I EAの「天然ガス黄金時代シナリオ」実現はまだ先? IEAは2011年6月に「天然ガス黄金時代シナリオ」を発表した。その中で“中国は安価なガス、環境規制の強化、安定した供給が確保されれば2035年にEU並みの天然ガス消費国になる”という可能性を示した。IEAは中国の天然ガス需要、供給について発電の消費が拡大し、非在来型の供給、輸入のいずれも伸びるとして2010年に発表したNew Policies Scenarioに比べ大幅に上方修正した。しかし中国がエネルギー統制価格を完全に撤廃し、発電に天然ガスを大々的に利用するには、まだ相当の時間を要すると思われる。 図9:IEAによる中国のガス需要シナリオ 億m370006000500040003000200010000200820152020202520302035IEAIEAWEO‐2010?New?Policies?ScenarioJun,e2011?Golden?Age?of?Gas?Scenario Source:IEA ガス(LNG)火力は石炭火力と比べ発電コストが割高である。2008年以降に売買契約を締結した輸入LNG(石油価格とほぼ連動)や、石油価格連動の中央アジアからの輸入パイプラインガスでは、最新鋭の超臨界石炭火力と比べても価格競争力で劣る。図9は異なるガス価格におけるガス火力の発電コストlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 フ試算(2015~35年)を石炭火力(超臨界ならびにCCS)、原子力、風力など他の発電と比較したものである。ガス価格は9~11ドル/MMBtuという設定になっているが、いずれも他の発電に比べて発電コストが高い。 図10:中国 異なるガス価格における発電コスト(2015~2035年) ガスCCGT石炭石炭+CCS原子力風力 65022560%80%49%60%1200稼働率熱効率(gross,LHV)Capex($2009/kW)建設期間(年)経済的プラント寿命(年)燃料コスト*($2009)操業コスト($2009/kW)IEAに加筆*ガス$/MMBtu、石炭$/トン、原子力$/MWh($2009)1020357048480%40%2100435708580%33%n.a25%300013206403n.a1101.52020 lobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 }11で中国における各エネルギーの熱量等価(縦軸)と消費規模(円の大きさ、石油換算)を示したが、中国において石炭火力と競合できるガスは国産ガスと2006年前に契約した一部の割安なLNGに限られることやガスの消費規模は石炭に比べ現在は非常に少ないことがおわかり頂けると思う。中国政府(国家発展改革委員会)は2007年8月に天然ガス利用政策を発表した。その中で発電について国内に豊富にある石炭を主体とし、天然ガスは都市部の家庭向け、集中暖房や工業用燃料としての供給を優先し、ガス火力発電は石炭へのアクセスが困難な地域に限るとしており発電向けのガスの利用を制限する政策をとっている。電力価格の市場化が進むか、環境規制が強化され、石油等価の輸入ガスに価格競争力が生まれ、十分に利用できるようになるか、あるいはシェールガスなど非在来型天然ガスの開発が進み、安価な国産ガスの供給が拡大すれば話は別かもしれないが、当面ガスの発電への利用は限定的なものになると思われる。 図11:各エネルギー価格(熱量等価)と消費規模 ドル/MMBtu25?20?15?10?5?0?輸入炭国産ガス原油JOGMEC作成 主な参考資料 LNG(~'06契約)国内炭(スポット)中央アジアLNG('08~契約、スポット) ・BP Statistical Review of World Energy 2011 ・中国電力企業連合会、国家発展改革委員会 ・IEA World Energy Outlook 2011 ARE WE ENTERING A GOLDEN AGE OF GAS ? lobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
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国・地域 アジア,中国
2011/06/21 竹原 美佳
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