ページ番号1004145 更新日 平成30年2月16日

深海開発への期待と周辺国との摩擦が交錯する南シナ海(短報)

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レポートID 1004145
作成日 2011-06-29 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 基礎情報探鉱開発
著者 竹原 美佳
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年度 2011
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2011/6/28 石油調査部:竹原 美佳 中国の第12次五カ年計画(2010~2015年)では科学技術革新、自主開発(国産化)が重要な課題となっている。石油・天然ガス部門では “国家科学技術重要専門プロジェクト”に大型油ガス田ならびに炭層ガス(CBM)開発が、“重点科学技術計画”として863計画に深海油ガス田の探鉱開発が含まれている。また製造業発展にかかる重点分野としてタンカーの能力増強、LNG船の大型化、海洋生産設備(掘削装置、浮体式石油生産設備(FPSO)等)の自主設計(国産化)があがっている。 (2)CNOOCの“海の大慶”構想 中国の海洋石油開発を行っているCNOOCは2015年までに3,500億元(4兆3750億円)を国内の海洋開発に投じ、“海の大慶”を実現しようとしている。大慶とは中国最大の大慶油田のことで原油年産量5,000万トン(100万b/d)を長年維持した。CNOOCの2010年の国内油ガス生産量は石油換算約72万バレル/日である。 (3)中国初の深海掘削船完成、7月から南シナ海で探鉱へ 2011年5月、中国初の3,000m級深海対応掘削船”海洋石油981”(Hai Yang Shi You 981)が完成した。海洋石油981は米企業が基本設計を行ったが、中国船舶工業集団公司(CSSC)傘下の上海外高橋造船有限公司が建造した。総投資額は60億元(750億円)である。海洋石油981は863計画ならびに国家重大科学技術特別プロジェクトの対象となっている。 海洋石油981は第六世代のセミサブマーシブル・リグで最大作業水深3000m、最大掘削深度1.2万m、長さ114m×幅90m、高さ137.8m。また、水深1,500mにおいても位置測定が可能な位置保持システム(DPS13)を採用しており、主に南シナ海、東南アジア、西アフリカ海域における作業(中程度の海洋環境、深海開発への期待と周辺国との摩擦が交錯する南シナ海(短報) (1)石油・天然ガス分野における技術革新・国産化政策 .深海開発への期待高まる中国 1 暴風雨の可能性)を想定している。 1 DPS:Dynamic Positioning System Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 C洋石油981はCNOOC傘下のサービス企業China Oilfield Service Ltd(COSL)が操業、管理を行い、7月から南シナ海に保有する鉱区において探鉱を開始する予定である。COSL資料によると2011年に深海で2~3坑の探鉱井を掘削する予定であり、その対象鉱区は加Huskyが発見した深海ガス田(茘湾(Liwan)3-1)のある南シナ海Block29/26の模様である。 (4)CNOOC、南シナ海で中国初の深海ガス田開発へ 茘湾(Liwan)3-1ガス田は香港南方沖合300kmに位置し、水深は約1,500mある同国初の深海ガス田かつ同国海洋最大規模のガス田である。加Husky が2006年に発見した。Block29/26では茘湾3-1の他、流花(Liuhua)29-1、34-2などの追加発見があり、埋蔵量は6Tcf程度と見込まれている。CNOOCが51%、Husky49%の権益を保有している。 2011年5月、イタリアのエンジニアリング大手Saipemが茘湾3-1ガス田の開発を受注した。Saipemは海底生産システム(SPS)、パイプライン2系統(22インチ、79km)などの設置を行う。 図:中国の2011年入札鉱区と外資が参入している主な深海鉱区 各種情報にもとづき作成 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 (5)メジャーズも南シナ海にやや期待?BPとChevron、Devonの南シナ海売却権益取得 南シナ海の水深1,000m以深に設定された鉱区ではHuskyの他BG、Chevron、BPなどが探鉱を行っている。 2010年に米Devonが北米陸上に集中するため中国から撤退、南シナ海深海4鉱区を売却したがそのうち3鉱区についてChevron とBPが取得した(残り1鉱区南シナ海15/34についてはCNOOCが先買い権を行使した)。対象鉱区は珠江口沖白雲凹陥42/05、瓊東南(Qiongdongnan)64/18、53/30(水深300~2,000m)で、42/05についてChevronは権益59.18%およびオペレーターシップを、BPは40.82%を取得した。64/18および53/30についてはChevronが100%取得した。 (6)中国、南シナ海19鉱区を公開 2011年5月、中国は南シナ海19鉱区を公開した。CNOOCが広東省広州・湛江にデータルームを開設している。面積は計5万2000Km2で浅海から大水深が対象で、最大水深は3,500mである。水深100mまでの南シナ海浅海域5鉱区(14/18、15/10、15/28、27/03、27/06)は2010年の入札対象鉱区である。 今回は最大水深3,000mで、これまで掘削が行われていない深海3鉱区(30/27、42/14、55/03)が公開されている。 表:2011年入札鉱区一覧 4,2571,1524922,5073,7721,3421,7791,9911695,1297,5547,483南シナ海東部(12鉱区) 面積(km2)27/1228/0316/1414/1815/1015/2827/0327/06PY35-2構造(Gas 2以下のガス層)30/2742/1455/03南シナ海西部7鉱区北部湾23/08北部湾23/27瓊東南65/24珠江口26/20珠江口40/01珠江口54/11珠江口41/25面積(km2)1,2121,1463,0802,6607954,6821,254水深(m)2D(km2)3D(km2)坑井数80~10080~10080~10050~10050~10080~10080~10080~100200~4001,000~3,500500~3,000500~3,000水深(m)15~3018~401,000~2,20070~10080~1301,000~1,300250~55015,1041,8002,304100%カバー100%カバー2,0578,5605,8204,2475,9822,1564,2672,2852D(km2)3D(km2)坑井数4,1903,6601,4873,3351,4605,1581,20611833014902260460001202100 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 所:CNOOCホームページにもとづき作成 出 Q.中国とASEAN諸国の緊張高まる (1)南シナ海の石油探査を巡りベトナムと中国の対立激化 2011年5月、ベトナム南部沖合Block148で中国の漁船がベトナム国営石油会社ペトロベトナムの探査船(Binh Minh02号)のケーブルを切断した。Petrovietnamは沖合4鉱区(Block124、125、148、149)を対象に2D震探(17,000km)を計画していた。 ベトナムは“事故の起きたBlock148はベトナム中南部沖合180km、中国海南島沖合600kmに位置しており、探鉱は中国と争いの無いベトナムの排他的経済水域(EEZ)内で実施、中国の行為はこの海域で中国とベトナムの間に係争があると世間の認識をミスリードするもの。また、ケーブルの水深は30mあり、特殊な機材がなければ切断は不可能であり、中国の行動は、ベトナムは紛争海域の拡大を図る中国の周到な妨害行動”と非難した。 一方、中国外務省報道官は9日に本件についてについて事実と合致しないと反論している。中国の主張は次の通りである。「中国は南沙および付近の海域に争う余地のない主権を有している。中国漁船は代々南沙群島万安灘海域で作業している。今月9日中国漁船が同海域で作業中ベトナムの武装艦船の不法な追跡を受けその中の1隻の漁網と現場で不法に作業していたベトナムの石油・天然ガス探査船のケーブルが巻きついた。ベトナム船は中国漁船を逆方向に1時間余り引き続け中国漁船は自ら漁網を切断しやっと離れた。ベトナム船の行動は中国漁民の生命・安全をおびやかすもの」と断じている。 (cid:190) 近年、中国はベトナム海洋鉱区における外資の探鉱活動を妨害 2007年7月、BPはBlock5-3のMoc Tinhガス田と5-2のHai Thach天然ガス田開発とパイプライン敷設計画から撤退したが、中国外交部の非難を受けた動きと報じられている。また、2008年7月、中国は駐ワシントン外交官を通じExxonMobilに対し探鉱作業を中止するよう要請、EMの今後の中国における活動にも影響を与える可能性があると圧力。しかしExxonMobilは2011年にBlock119で探査を行う計画である。 (cid:190) ベトナムと中国の南シナ海における鉱区重複問題 ベトナムのBlock133・134と中国の万安北21(WAB-21)鉱区が重複している。またベトナムが海南島付近に設定したBlock113は一部が中国主張海域に設定されており、CNOOCが生産中ガス田と重複する可能性がある。中国、ベトナム双方が相手の契約を破棄するよう求めている。 ベトナムのBlock133・134については1992年4月にConocoPhillipsがPetrovietnamと契約した。ConocoPhillipsが当初70%の権益を保有していたが2008年9月に加Talismanに権益38%を売却、ベトナム政府は2009年2月に資産譲渡を承認した。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ?曹フ万安北(Wananbei)21鉱区は1992年5月に米Crestone EnergyがCNOOCとPS契約を締結し、1999年に契約を延長した(Crestone社はHarvest Natural Resources(旧Benton Oil)が買収した)。探鉱は行われていない。 ベトナムのBlock113はGazpromがPetrovietnamと契約した。北東部分(全体の4分の1)が中国主張海域。CNOOCが生産中の楽東ガス田と重なる可能性がある。 (2)南シナ海の石油探査を巡りフィリピンも中国を非難 フィリピンは中国の深海掘削船が南シナ海で探鉱を行うことやCNPCが南沙付近(華光凹陥南東200km海域)で探査を計画していることについて、中国が紛争海域の拡大を図るものとして懸念を表明。 フィリピンは2011年3月2日にチャーターした探査船が中国の哨戒艇に妨害を受けている。対象鉱区のSC72(米Forum Energy契約)は、地球物理学的調査・探査契約101(GSEC101)として契約された海洋鉱区で南沙諸島に近いことから中国との領海問題が懸念されていた。 図:中国とベトナム、フィリピンの主な係争鉱区 各種情報にもとづき作成 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
地域1 アジア
国1 中国
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国9
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国10
国・地域 アジア,中国
2011/06/29 竹原 美佳
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