ページ番号1004152 更新日 平成30年2月16日

原油市場他:IEA 緊急時石油備蓄放出や米国追加金融緩和実施に対する観測等により、1 バレル当たり90~100 ドルで変動する原油価格

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レポートID 1004152
作成日 2011-07-19 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
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媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 市場
著者 野神 隆之
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年度 2011
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抽出データ 更新日:2011/7/18 石油調査部:野神 隆之 原油市場他:IEA緊急時石油備蓄放出や米国追加金融緩和実施に対する観測等により、1バレル当たり90~100ドルで変動する原油価格 (IEA、OPEC、米国DOE/EIA他) ① 6月23日に、IEAは、リビアからの石油供給途絶に対応するため、合計約6,000万バレルの緊急時石油備蓄の放出実施を発表した。この発表により同日の原油価格はWTIで前日終値比1バレル当たり4.39ドルの下落となったが、その後市場では、今後発展途上国を中心とする需要増加に供給が追いつかず、IEAの備蓄放出をもってしても最終的にはOPEC産油国の余剰生産能力を使い果たすという構図は変わらない、という見方が台頭してきたこと等もあり、原油相場は上昇に転じ、WTIの終値ベースでは6月30日に備蓄放出前の水準を超過する状態に戻っている。 ② 米国では、ガソリンについては、需要は必ずしも堅調ではないものの、製油所での生産も伸び悩んだ結果、在庫は若干減少傾向を示したが、水準自体は平年幅の上限付近に位置している。留出油については、需要は前年同月比で減少するなど低迷気味である一方製油所での生産は緩慢ながらも増加したことから、在庫量は微増傾向であり平年幅の上限付近に位置している。また、製油所での原油精製処理量が増加したこともあり、原油在庫は減少傾向となったが、それでも平年幅を超過する状況は維持されている。 ③ 6月末現在のOECD諸国推定石油在庫量の対前月末比での増減については、米国で原油在庫が減少したことに加え日本でも原油精製処理量の増加で当該在庫が微減したことが影響し、OECD諸国全体としても減少、水準としては平年幅の上限付近に位置している。他方、製品については、米国での留出油やジェット燃料等製品在庫の増加が、欧州及び日本での石油製品在庫減少を相殺して余りあったことから、OECD諸国全体としては微増となっており、またこの時期としては平年幅の中間付近に位置している。 ④ 2011年6月下旬から7月中旬にかけての原油市場においては、6月下旬はギリシャにおける債務問題に対する支援についての市場の懸念が後退したことが原油相場を押し上げた反面、6月23日にIEAが加盟国による緊急時石油備蓄放出を実施する旨発表したことが相場を押し下げたことにより、原油価格はWTIで1バレル当たり90~95ドルを中心とする範囲で変動していたが、その後は米国や中国での経済改善を示す指標類、金融機関による予想原油価格の引き上げ、IEAによる堅調な石油需要見通し、バーナンキ米FRB議長による追加金融緩和策実施の用意に関する発言等もあり、原油価格は概ね95~100ドルの範囲で推移した。 ⑤ 将来的にはOPEC産油国の余剰生産能力が使い果たされてしまうことから原油価格は上昇するしか考え様がない、とする市場の強気心理の強まりで、当面原油価格は下支えされる可能性がある反面、さらに原油価格が持続的な上昇局面に入るかどうかについては、米国における追加金融緩和の実施を巡る金融当局の動き等に伴う市場の観測に依存する部分が相当程度あるものと見られる。また、世界の諸地域では経済減速等の問題が依然根強く存在しており、これが早晩石油需要鈍化を通じて原油相場に影響を及ぼしてくることも考えられる。 ? 1 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 . IEAが約6,000万バレルの緊急時石油備蓄放出を決定 6月23日に国際エネルギー機関(IEA)は加盟国が合計約6,000万バレルの緊急時備蓄の放出を1ヶ月間に渡り実施する(つまり日量約200万バレル)と発表した(当該発表後6月27日に公表された各国別予定備蓄石油放出量の詳細は表1参照)。放出理由は、「リビアからの石油供給途絶(IEAは5月末で1.32億バレルの軽質低硫黄原油が市場から取り除かれた、と推定している)に対応するため」で、同国からの供給途絶は当面継続、夏場の需要期に差し掛かることで需給逼迫が深刻化し、世界経済回復を弱らせる恐れがあるためである旨説明されている。この発表は市場関係者を驚かせ、この日の原油価格はWTIで前日終値比1バレル当たり4.39ドル、ブレントについては6.95ドルの、それぞれ下落となった。 表1 IEA加盟国による緊急時石油備蓄放出予定量詳細(6月27日時点、単位:千バレル)合計国家備蓄 民間備蓄原油製品うちガソリン軽油重油ジェット燃料/灯油米国IEA加盟国(北米)小計日本韓国IEA加盟国(アジア太平洋)小計ベルギーフランスドイツイタリアオランダポーランドスペイントルコ英国IEA加盟国(欧州)小計IEA加盟国 合計30,00030,0007,9153,46011,3757973,2424,2012,5241,1739592,2741,0713,00019,24260,61730,00030,0003,4603,460954,2011,1735,46938,9297,9157,9157023,2422,5249592,2741,0713,00013,77321,68830,00030,000NA *NA *3,460NA2,1011,173310*6004,183NANA7973,2422,1002,5246502,2741,0712,40015,058NA**: 日本も英国も民間備蓄義務の引き下げによるものであり、英国についてはIEAによる推定。434761,0501,1831393311763,3983,3986542,3751,0503735101,7998957,6577,657953276649681441,1811,181422422出所:IEA発表資料をもとに作成 ただ、これまでの経緯を見てみると、今回の動きが全くの想定外とは必ずしも言い切れない。5月18~19日のIEA理事会(Governing Board)開催後、5月19日付で発表された声明では、急激な石油需給逼迫による世界経済への負の影響を回避するために産油国に対して増産を要請するとされているが、併せてIEA加盟国としては利用できるあらゆる手段の使用を検討する用意がある旨表明しており、原油価格高騰による経済的損失を防ぐため、IEAの主要機能である緊急時石油備蓄の使用も否定されていないことが読み取れる。また、6月8日に開催されたOPEC総会後には、IEAの田中事務局長は、もしサウジアラビアが供給不足分を穴埋めできなければ、IEAとしては緊急時備蓄放出を手配する旨表明したうえ、その後も例えば6月14日及び16日において、必要である時にはIEAとしては何時でも行動する用意がある旨田中事務局長は発言している。 そのような流れの中での緊急時備蓄放出決定であった。6月10日にはサウジアラビアの新聞「アルハヤト」(Al-Hayat)が同国石油産業幹部からの情報として7月には日量1,000万バレルへと増産する? 2 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 |報じ(因みに6月の同国の原油生産量は日量940~970万バレルであった)、実際6月22日には、サウジアラビアがアジア諸国に対し追加供給を提案した(具体的には日本、インド、韓国、中国、台湾に対して、と言われているが、このうち韓国、中国、及び台湾はサウジアラビアの提案を断ったとされる)旨伝えられるなど、原油供給増加への動きは見られたが、産油国での増加した供給が消費国に到着するまでには時間を要する(例えばアラビア湾から日本まではタンカーの航行だけでも約3週間を要する)ことから、消費国の夏場の需要期に迅速に原油もしくは石油製品を利用可能とする必要性を認識したことが、6月23日での備蓄放出決定の発表に繋がったと考えられる※。ただ、6月25日には、北京で、田中事務局長は市場の反応等を分析したうえで7月半ばまで今後の方針につき決定する可能性があり、必要であれば備蓄放出を継続する旨明らかにしているが、6月28日には当該措置はサウジアラビアの追加生産が消費国に到達するまでの一時的な措置である旨発言しており、6月29日には、メキシコシティーで、IEAのリチャード・ジョーンズ事務局次長も、7月半ばまでに備蓄放出を1~2ヶ月延長する必要があるかどうか決定する予定であるが、第四四半期には石油需要が低下することから、備蓄放出措置は一時的なものであるとの認識を示している。 ※今回の備蓄放出に際しては、5月2日にオバマ大統領が検討を指示、5月中にサウジアラビア関係者等に相談していたが、6月8日にOPEC総会が開催されることから、この結果を待って、IEAは石油備蓄放出を決定したとの情報もある。 原油相場は、前述の通り備蓄放出を発表した6月23日には急落、市場関係者の中には、特に米国メキシコ湾で備蓄されている原油に軽質低硫黄のものが存在することから、これらの備蓄放出はリビアの内戦に伴う軽質低硫黄原油輸出停止による不足分を穴埋めするものであるので原油価格を押し下げるとの見方が市場で広がった。これは、特に米国メキシコ湾岸地域と同じ市場圏を形成するブレント原油の価格に影響し、一時ブレントのWTI及びドバイに対する価格差が縮小するなどの現象が見られた。しかしながらその後市場では、今後発展途上国の需要増加に世界の石油供給が追いつかず、IEAの備蓄放出をもってしても、最終的にはOPEC産油国の余剰生産能力が使い果たされるという構図は変わらないので、この先世界石油需給の引き締まりとともに原油価格は上昇するとしか考え様がなく、従ってIEA備蓄放出の原油価格押し下げ効果は限定的である、という見方が台頭してきたことに加えて、原油相場押し上げ要因が続いたこと(後述)もあり、原油相場は上昇、終値ベースではWTIにおいては6月30日に、ブレントは7月7日に、それぞれ6月22日(備蓄放出発表の前日)の価格水準を超過する状態になっている。 なお、米国では6月29日に戦略石油備蓄(SPR:Strategic Petroleum Reseraves)の軽質低硫黄原油についての入札が行われ放出予定量を上回る量の応札があったが、7月11日には15社28件の落札? 3 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 メが決定、3,064万バレルの放出決定備蓄原油量のうち、約700万バレルを7月中に、残りの約2,300万バレルを8月に引き渡す意向であることを、SPRを管理する米国エネルギー省関係者が明らかにしている。他方、ドイツにおいては放出予定の備蓄石油についての需要が低いことから、予定放出量を下方修正した旨IEAは明らかにしている(6月30日には、ドイツから放出される予定の備蓄原油2,100万バレルのうちにはイラニアン・ヘビー(API比重30.2度、硫黄分1.77%)85万バレルを含む144万バレルの軽質でない中東産原油が含まれる旨明らかにされているが、これも軽質低硫黄原油を希望する市場関係者からの需要低下をもたらした一因となっていると考えられる)。米国では当初放出予定を若干超過した一方で、ドイツでは下回る状況となったこともあり、7月11日現在のIEA加盟国による放出予定備蓄石油量は、当初予定を78.4万バレル下回ることになった(表2、3参照)。 表2 IEA加盟国による緊急時石油備蓄放出予定量詳細(7月11日時点、単位:千バレル)合計国家備蓄 民間備蓄原油製品うちガソリン軽油重油ジェット燃料/灯油米国IEA加盟国(北米)小計日本韓国IEA加盟国(アジア太平洋)小計ベルギーフランスドイツイタリアオランダポーランドスペイントルコ英国IEA加盟国(欧州)小計IEA加盟国 合計30,64030,6407,9153,46711,3827973,2422,7702,5241,1739592,2741,0713,00017,81159,83330,64030,6403,4673,467952,7701,1734,03838,1457,9157,9157023,2422,5249592,2741,0713,00013,77321,68830,64030,640NA *NA *3,467NA1,6201,173310*6003,703NANA7973,2421,1502,5246502,2741,0712,40014,108NA**: 日本も英国も民間備蓄義務の引き下げによるものであり、英国についてはIEAによる推定。434765001,1831393311762,8482,8486542,3756503735101,7998957,2567,256953276649681441,1811,181422422出所:IEA発表資料をもとに作成 表3 IEA加盟国による緊急時石油備蓄放出予定量詳細(6月27日から7月11日にかけての増減、単位:千バレル)合計国家備蓄 民間備蓄原油製品うちガソリン軽油重油ジェット燃料/灯油米国IEA加盟国(北米)小計日本韓国IEA加盟国(アジア太平洋)小計ベルギーフランスドイツイタリアオランダポーランドスペイントルコ英国IEA加盟国(欧州)小計IEA加盟国 合計64064007700-1,431000000-1,431-784640640770-1,4310-1,431-7840000000000000640640NA *7NA-48100*0-480NANA *NA00-95000000-950NA**: 日本も英国も民間備蓄義務の引き下げによるものであり、英国についてはIEAによる推定。00-550000000-4000000-550-550-401-4010000000000出所:IEA発表資料をもとに作成 ? 4 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 . 原油市場を巡るファンダメンタルズ等 米国では、4月のガソリン需要の確定値が発表されたが、前年同月比で3.8%程度の減少と、速報値である0.4%程度の減少から下方修正されており、3月の前年同月比0.4%減少(確定値ベース)からも減少幅が拡大する(図1参照)など、同国のガソリン需要が小売価格高騰等の影響で減速してきていることが示されている。他方、6月の速報値ベースでの需要は、前年同月の確定値と比較すれば0.2%程度の増加に転じてはいる。ガソリン小売価格は5月以降概ね下落してきていることが需要の回復に寄与していることは考えられるものの、当該数字は約2ヶ月後の確定値発表時には下方修正されていることがしばしばあること、前年同月の速報値との比較では0.5%の減少となっていること、米国ガソリンスタンドのクレジットカードでの支払い記録をもとに推定した当該月のガソリン需要も前年同月比で若干ではあるが減少を示していると推定されることなどを考慮すると、8月末頃に予定される確定値発表時には、大幅ではないにせよ減少となっている旨判明する可能性があろう。また、このようにガソリン需要が必ずしも強くない一方で、製油所での原油精製処理量は増加している(図2参照)もののガソリン自体の生産が伸び悩んだ(図3参照)結果、同国のガソリン在庫は若干ながら減少傾向を示している(図4参照)が、この時期ガソリン在庫は通常減少傾向となることから、水準自体は平年幅の上限付近に位置図1 米国ガソリン需要の伸び(2006~11年)している。 %86420-2-4-6-8-10123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456※2011年5~6月の確定値は未発表出所:米国エネルギー省のデータをもとに作成速報値確定値修正幅 ? 5 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 坥ハ百万バレル図2 米国の原油精製処理量(2009~11年)15.515.014.514.013.51234567891011121234567891011121234567※4週間平均出所:米国エネルギー省データをもとに作成日量百万バレル9.69.49.298.88.68.4145326※4週間平均図3 米国のガソリン生産量(2009~11年)7891011121234567891011121234567出所:米国エネルギー省データをもとに作成百万バレル図4 米国ガソリン在庫推移(2003~11年)26024022020018016012345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345671997-2002実績幅2003-11出所:米国エネルギー省データをもとに作成 4月の米国留出油需要については、速報値では前年同月比で4.6%程度といわば堅調な増加を示したが、確定値では0.5%程度ではあるが減少を示していることが判明しており(図5参照)、製品価格? 6 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 フ高騰と同国の経済活動の減速が当該需要に影響を及ぼし始めていることがうかがわれる。また、6月の速報値ベースでの需要についても前年同月の確定値との比較でも4%強の減少を示している。留出油需要は速報値が確定値に移行する際においては、上方及び下方双方の修正が施されうるため、当該需要に関する最終的な判断は確定値の発表を待たなければならないが、雇用等の面で米国経済減速の兆候が現れていることから、確定値においても減少が示される可能性が相当程度予想されると考えられる。このように同国の留出油需要については必ずしも堅調とは言い切れない一方で、製油所での生産は緩慢ながらも増加しており(図6参照)、生産された留出油の一部は欧州や南米等に輸出されていると見られるが(4月のデータを見ると同国の留出油はオランダやフランスの他、チリ、コロンビア、メキシコ等に輸出されている)、それでも在庫は微増傾向にあるとともに平年幅の上限付近の量を維持している(図7参照)。 123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456速報値確定値修正幅※2011年5~6月の確定値は未発表出所:米国エネルギー省のデータをもとに作成図6 米国の留出油生産量(2009~11年)日量百万バレル4.84.64.44.24.03.83.63.41234567891011121234567891011121234567※4週間平均出所:米国エネルギー省データをもとに作成 図5 米国留出油需要の伸び(2006~11年)%181614121002468-2-4-6-8-10-12-14-16? 7 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 S万バレル図7 米国留出油在庫の推移(2003~11年)1801601401201008012345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345671997-2002実績幅2003-11出所:米国エネルギー省データをもとに作成 また、ガソリンや留出油需要において前年割れが発生していることを反映し、石油製品全体の需要も4月確定値及び6月速報値ともに前年同月比1.6%程度の減少となっている(図8参照)。他方、製油所での原油精製処理量が増加したことから原油在庫も減少傾向となっている(図9参照)が、それでも平年を超過する状況は維持されている。なお、原油在庫が平年幅を超過、ガソリンと留出油在庫が平年幅の上限付近に、それぞれ位置していることから、原油とガソリンを合計した在庫、そして原油、ガソリン、及び留出油を合計した在庫は、いずれも平年幅の上限を超過する結果となっている(図10及び11123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456※2011年5~6月の確定値は未発表出所:米国エネルギー省のデータをもとに作成速報値確定値修正幅 ? 8 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 図8 米国石油需要の伸び(2006~11年)参照)。 %1002468-2-4-6-8-10-12-14S万バレル図9 米国原油在庫推移(2003~11年)39037035033031029027025012345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345671997-2002実績幅2003-11出所:米国エネルギー省データをもとに作成百万バレル図10 米国原油+ガソリン在庫推移(2003~11年)61059057055053051049047045012345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345671997-2002実績幅2003-11出所:米国エネルギー省データをもとに作成百万バレル図11 米国原油+ガソリン+留出油在庫推移(2003~11年)80075070065060055012345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345671997-2002実績幅2003-11出所:米国エネルギー省データをもとに作成 6月末現在のOECD諸国推定石油在庫量の対前月末比での増減については、前述の通り米国では原油在庫が減少、日本でも原油精製処理量が上向いたこともあり当該在庫が微減した反面、欧州では増加を示した(5月初旬の原油価格下落が精製業者による購入・貯蔵意欲を刺激した格好となったこと? 9 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ノよるものとの指摘がある)が、米国と日本による減少幅が欧州での増加幅を超過したことから、全体としては減少しており、水準としては平年幅の上限付近に位置している(図12参照)。他方、製品については、米国では留出油やジェット燃料等の在庫が増加したことが寄与し製品全体でも増加となったが、欧州においてはガソリン輸出先である米国での需要不振が当該価格に影響した結果精製利幅が低下してきたことから、製油所での原油精製処理量の伸びが限定的になったものと見られ、石油製品在庫も微減となった他、日本においては必ずしも需要は堅調ではなかったものの輸出が比較的活発に行われた結果石油製品在庫が減少したが、米国での石油製品在庫の増加幅が欧州及び日本での減少幅を超過したことから、OECD諸国全体としては微増となっており、この時期としては平年幅の中間付近に位置している(図13参照)。なお、原油在庫が平年幅の上限付近に位置しており、製品在庫が平年幅の中間付近に位置していることから、原油と石油製品を合計した在庫は平年幅の上方付近に位置する状態となっている(図14参照)。また、2011年6月末時点でのOECD諸国石油在庫日数(月末の在庫量をその直後の3ヶ月間の1日当たり需要で除したもの)は57.7日であり、5月末の58.6日から1日弱程度の減少となっている。 図12 OECD原油在庫推移(2005~11年)億バレル10.510.09.59.08.58.01234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234561995-20042005-11出所:IEAデータ他より推定 億バレル図13 OECD石油製品在庫推移(2005~11年)16151413121234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234561995-20042005-11出所:IEAデータ他より推定 ? 10 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 Aジア・太平洋市場においては、中国での電力不足に伴う軽油の需要増加懸念により留出油価格が支持されてきたが、このような需要増加に対処するための中国による軽油の大量購入といった行為は依然見られない。これについては、6月に中国の広い範囲で降雨があったことから水力発電量が回復したことが一因であると見る向きもある。このようなことから、シンガポールでの中間留分在庫も依然それなりの水準を維持している。他方、台湾の石油化学会社Formosaの台湾 麦寮(Mailiao)での石油化学工場のナフサ分解装置の火災による操業停止(5月12日発生)が8月後半まで続くと見られることからナフサ需要が当面低迷を続けると見られる一方、中国での金利引き上げ等に伴う経済減速による石油化学向けナフサ需要の減退懸念も市場で発生しており、当該製品価格を抑制する格好となってい2011年6月下旬から7月中旬にかけての原油市場においては、6月下旬はギリシャにおける債務問題に対する支援についての市場の懸念が後退したことが原油相場を押し上げた反面、6月23日にIEAが加盟国による緊急時石油備蓄放出を実施する旨発表したことが相場を押し下げたことにより、原油価格(WTI、以下別途特定しない限り、この章では「原油価格」は原則WTIのことを指すものとする)は1バレル当たり90~95ドルを中心とする範囲で変動していたが、その後は米国や中国での経済改善を示す指標類、金融機関による予想原油価格の引き上げ、IEAによる堅調な石油需要見通し、バーナンキ米FRB議長による追加金融緩和策実施の用意に関する発言等もあり、原油価格は概ね95~100ドルの範囲で推移した(図15参照)。 2011年6月下旬から7月中旬にかけての原油市場等の状況 る。 . 31234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234561995-20042005-11出所:IEAデータ他より推定 億バレル図14 OECD石油在庫(原油+石油製品)推移(2005~11年)26252423222120? 11 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ゙ル/バレル図15 原油価格の推移(2003~11年)15014013012011010090807060504030201234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234567WTIBrentDubai 6月19日にユーロ圏財務大臣会合のユンケル(Juncker)議長(ルクセンブルグ首相)が、ギリシャのパパンドレウ(Papandreou)ギリシャ首相から、ギリシャ政府が欧州連合(EU)及び国際通貨基金(IMF)から金融支援を受けるために必要とされる方策はいかなるものでも実施する旨の発言を受けたことを明らかにしたことで、6月20日には、ギリシャ債務問題に対する市場の懸念が後退したこと、翌21日には、同日夜に予定されているギリシャ議会でのパパンドレウ内閣信任投票が信任という形で通過することにより、同国の財政支出削減策とEU等による支援が前進する、との見方が市場で増大したことにより、ユーロが上昇した反面米ドルが下落したことで、原油価格はこの2日間(6月20~21日)で併せて前週末終値比で1バレル当たり0.39ドル上昇、6月21日の原油価格の終値は93.40ドルとなった(なお、ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI原油先物7月渡し契約に関する取引はこの日を以て終了したが、8月渡し契約のこの日の終値は1バレル当たり94.17ドルと前日終値比で0.54ドルの上昇であった)。また、6月21日夜にギリシャのパパンドレウ内閣信任案が同国議会で可決され、同国債務問題に対する市場の楽観的な見方が増大したことに加え、6月22日に米国エネルギー省(EIA)から発表された同国石油統計(6月17日の週分)で、ガソリン在庫が市場の事前予想(100万バレル程度の増加)に反し46万バレル減少していることが判明したこと、また同日TransCanadaがKeystoneパイプライン(カナダ アルバータ州ハーディスティ(Hardisty)~米国イリノイ州ウッドリバー(Wood River)、同パトカ(Patoka)、及びオクラホマ州クッシング、輸送能力日量59.1万バレル)について、5月に発生した2度の原油流出事故(1回目は5月7日にノースダコタ州で500バレル、2回目はカンザス州で40バレル、それぞれ原油が流出したと伝えられる)に関連し、当該パイプライン施設の補強工事を実施することから7月の輸送量が19.28%減少する旨発表したことにより、この日(6月22日)の原油価格は続伸、前日終値比で1バレル当たり2.01ドル上昇し 終値は95.41ドルとなった。ただ、6月23日には、この日米国労働省から発表された同国新規失業保険申請件数(6月18日の週分)が42.9万件と前週比で0.9万件増加した他市場の事前予想(41.5万件)を上回ったうえ、同日午後(パリ時間)にIEAが、加盟国の緊急時石油備蓄合計6,000万バレルを放? 12 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 oすると発表したことから、市場における石油需給逼迫懸念が後退したことで、この日の原油価格の終値は1バレル当たり91.02ドルと前日終値比で4.39ドル下落した他、一時は90ドルを割り込む場面も見られた。なお、6月24日には、この日米国商務省から発表された5月の同国製造業耐久財受注額が前月比で1.9%の増加を示し市場の事前予想(1.5%増加)を上回ったこともあり、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.14ドル上昇し91.16ドルでこの週の取引を終了している(他方、次週のギリシャ国会での緊縮財政法案の採決(本法案可決が7月のEU及びIMFによるギリシャ追加支援の条件)を前にして、同国債務問題に対する市場の根強い懸念からユーロが下落した反面米ドルが上昇したことが材料視され、ブレント原油価格のこの日の終値は1バレル当たり105.12ドルと前日終値比で2.14ドル下落した)。 他方、6月25日に北京においてIEAの田中事務局長が必要であれば緊急時石油備蓄の放出を継続する旨明らかにした他、6月27日には、この日米国商務省から発表された5月の同国個人消費支出(PCE: Personal Consumption Expenditure)が前月比で変わらなかったことが判明し、市場の事前予想(0.1%増加)を下回ったことから、同国経済減速と石油需要鈍化の懸念が市場で発生したことで、6月27日の原油価格は前週末終値比で1バレル当たり0.55ドル下落し終値は90.61ドルとなったものの、翌28日には、6月29~30日に予定されるギリシャ国会での緊縮財政法案の議決を前にして、同案が通過することにより同国が債務不履行を免れるとの楽観的な見方が市場で増大し、ユーロが上昇した反面米ドルが下落したうえ、6月28日に米国海洋大気庁国立ハリケーンセンター(National Hurricane Center)から、メキシコのカンペチェ(Campeche)湾東部の低気圧が今後48時間以内に熱帯性低気圧へと発達する確率が高まっている旨発表があり、メキシコ及び米国メキシコ湾での石油生産への影響に対する市場の不安感が増大したこと、6月29日には、この日ギリシャ国会において緊縮財政法案が賛成多数で承認されたことで、同国債務問題に関する市場の懸念が後退したことに加え、同じく同日全米不動産業協会(NAR: National Association of Realtors)から発表された5月の米国中古住宅成約指数(2001年平均=100)が88.8と前月比で8.8%上昇し、市場の事前予想(前月比3.0~3.8%上昇)を上回ったこと、またこの日EIAから発表された同国石油統計(6月24日の週分)で原油及びガソリン在庫が市場の事前予想(原油140~170万バレル程度の減少、ガソリン60~78万バレル程度の増加)以上に、もしくは予想に反し、原油が438万バレル、ガソリンが143万バレル、それぞれ減少していたと判明したこと、6月28日夜に発生した熱帯性低気圧「アーリーン」(Arlene)により、メキシコのカンペチェ湾岸にある港湾が閉鎖されるとともに石油輸出に影響が生じるのではないかとの懸念が市場で発生したこと、6月30日にはこの日シカゴ購買部協会(Institute for Supply Management-Chicago)から発表された6月のシカゴ地区製造業景況感指数(50が景況感拡大と縮小の分岐点)が61.1と5月の56.6から上昇した他市場の事前予想(54.0)? 13 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 繪チたことに加え、6月30日にギリシャ国会で緊縮財政実施法案が可決し同国債務問題を巡る市場の懸念が後退した他、同日欧州議会の経済通貨委員会で欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁がインフレについて強い警戒の状態にある旨証言したことで、7月7日に開催予定のECB政策会合において金利の引き上げが決定されるのではないかとの観測が市場で発生したことから、ユーロが上昇した反面米ドルが下落したことにより、原油価格は6月28~30日の3日間で併せ6月27日終値比で1バレル当たり4.81ドル上昇、6月30日の終値は95.42ドルとなった。ただ、7月1日には、この日中国物量購買連合会と国家統計局から発表された6月の同国製造業購買担当者指数(PMI: Purchasing Managers' Index、50が景気拡大と縮小の分岐点)が50.9と5月の52.0から低下、2009年2月以来の低水準となった他市場の事前予想(51.3~51.5)を下回ったことで、同国の経済減速と石油需要鈍化懸念が市場で増大したうえ、同じくこの日英金融情報サービス企業マークイット(Markit)から発表された、6月のユーロ圏製造業景気指数(改定値)(50が景気拡大と縮小の分岐点)が52.0と5月の54.6から低下、2009年12月以来の低水準となった旨判明したこと、また同じくこの日発表された6月のミシガン大学消費者信頼感指数(1966年=100)(確定値)が71.5と市場の事前予想(71.9~72.0)を下回ったことで、7月1日の原油価格の終値は1バレル当たり94.94ドルと前日終値比で0.48ドル下落している。 7月4日は米国独立記念日に伴う休日により、NYMEXでの原油先物に関する通常取引は行われなかったが、7月5日には、この日英大手金融機関HSBCとマークイットが発表した6月の中国サービス業購買担当者指数(50が景気拡大と縮小の分岐点)が54.1と2011年では2番目に高い水準となったことで、同国の経済成長に対する期待感が市場で増大したことに加え、同じくこの日米国商務省から発表された5月の同国製造業受注が前月比で0.8%の増加を示し、4月の0.9%減少から増加へと転換したことで同国経済成長が回復しつつあるとの観測が市場で発生したこと、英大手金融機関バークレーズ・キャピタル(Barclays Capital)が2012年のWTI予想価格を1バレル当たり106ドルから110ドルへ、ブレント予想価格を105ドルから115ドルへと、それぞれ上方修正したことで、この日の原油価格は前週末終値比で1バレル当たり1.95ドル上昇し終値は96.89ドルとなった。 他方、翌6日には、この日中国人民銀行が金融機関の貸出及び預金金利を0.25%引き上げる旨発表(7日実施)したことにより、同国の経済成長減速と石油需要鈍化に関する市場の懸念が増大したことに加え、同じくこの日米国供給管理協会(ISM)から発表された6月の同国非製造業景況感指数(50が景気拡大と縮小の分岐点)が53.3と5月の54.6から低下した他市場の事前予想(53.7~54.0)を下回ったこと、前日(7月5日)に米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが、ポルトガル国債の格付けを4段階引き下げ投機的等級としたことで、同様が動きが欧州の他の国にも広がるのではないかとの観測が市場で発生したことから、7月6日にユーロが下落した反面米ドルが上昇したことにより、7月6日の原油価格の終値は1バレル当たり96.65ドルと? 14 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 O日終値比で0.24ドル下落したが、7月7日には、この日独経済技術省が発表した5月の同国鉱工業生産指数(2005年=100)が前月比で1.2%上昇し、市場の事前予想(0.6~0.8%)を上回ったこと、同じく同日米企業向け給与計算サービス会社オートマティック・データ・プロセッシング(ADP)子会社等が発表した6月の米国民間部門雇用者が前月比15.7万人の増加と市場の事前予想(6.8~7.0万人の増加)を上回り、米国経済回復に対する楽観的な考え方が市場で増大したうえ、さらに同日米国労働省から発表された同国新規失業保険申請件数(7月2日の週分)が41.8万件と前週比で1.4万件の減少となった他市場の事前予想(42.0万件)を下回ったことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり2.02ドル上昇し終値は98.67ドルとなった。しかしながら、7月8日には、この日米国労働省から発表された6月の同国非農業部門雇用者数が前月比で1.8万人の増加と2010年9月以来の低い伸びとなった他市場の事前予想(9.0~10.5万人)を下回ったことに加え、失業率も9.2%と前月の9.1%から上昇したうえ市場の事前予想(9.1%)を上回ったことから、米国経済回復に関する懸念が市場で再燃したことにより、この日の原油価格は終値は1バレル当たり96.20ドルと前日終値比で2.47ドル下落、前日の上昇を帳消しする格好となっている。 また、中国国家統計局が7月9日に発表した、6月の同国消費者物価指数(CPI:Consumer Price Index)が前年同月比で6.4%の上昇と5月の5.5%の上昇から加速、市場の事前予想(6.2~6.3%の上昇)を上回ったことに続き、中国税関総署が7月10日に発表した6月の同国原油純輸入量が1,943万トン(日量約474万バレル)と5月の2,150万トン(日量約508万バレル)から減少したことで、同国の石油需要が減速しつつあるのではないか、との観測が市場で発生しことに加え、7月11日には、イタリア国債利回りが上昇していることで、同国等欧州一部諸国の債務問題に関する市場の懸念が増大したことから、ユーロが下落した反面米ドルが上昇したことにより、7月11日の原油価格は続落、終値は1バレル当たり95.15ドルと前週末終値からさらに1.05ドル下落したものの、翌12日には、この日に実施されたイタリア国債の発行が問題なく実施されたことによりユーロが一時上昇した反面米ドルが下落したこと、また7月13日には、この日中国国家統計局から発表された4~6月の同国国内総生産(GDP)が前年同期比で9.5%の増加と市場の事前予想(9.3~9.4%増加)を上回ったこと、同じく、この日IEAから発表されたオイル・マーケット・レポートにおいて、2012年の世界石油需要の伸びが2011年から加速する旨の展望が示されたこと、加えて、この日はバーナンキFRB議長が米国下院金融サービス委員会証言で、経済情勢から必要と判断される場合には、さらなる追加金融緩和を実施する用意がある旨示唆したことで、米国株式相場が上昇する反面米ドルが下落したこと、さらに同日EIAから発表された同国石油統計(7月8日の週分)で、原油在庫が市場の予想(150~210万バレル程度の減少)を上回る312万バレルの減少となっていた旨判明したことから、原油価格はこの2日間で併せて7月11日終値比で1バレル当たり2.90ドル? 15 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 繽クし、7月13日の終値は98.05ドルとなった。7月14日には、この日バーナンキFRB議長が米上院銀行住宅都市委員会で、現時点では米国国債のさらなる追加購入を実施する用意はない旨発言し、同国金融当局による第三次金融緩和(いわゆるQE3)実施に対する市場の観測が後退したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり95.69ドルと前日終値比で2.36ドル下落したものの、7月14日夕方に発表されたインターネット検索最大手グーグル、及び7月15日朝に発表された米大手金融機関シティ・グループの2011年4~6月期決算が市場の事前予想を上回ったことから、米国株式相場が上昇したことに加え、7月15日にTransCanadaがKeystoneパイプラインについて、5月に発生したパイプラインからの原油流出事故後の施設に関する工事が継続することにより、7月に続き8月も原油輸送量を20%減少させる旨明らかにしたことで、7月15日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり1.55ドル上米国では経済が回復するどころか減速しつつあることを示す指標類がしばしば発表され、欧州では債務問題が深刻化しつつあり、他方中国ではインフレの加速から経済引き締め政策を継続しなければならず、経済が磐石とはいえない状況が発生している。このように、世界主要国の一部では、今後石油需要が鈍化する可能性が示唆される状況にあり、これが早晩原油相場に影響を及ぼしてくるものと考えられる(後述のように原油相場を下支えする要因により下落局面に突入する時期が先延ばしされる可能性はあるが、そうなればなるほど原油相場に対する下方圧力が蓄積し、下落局面に入ったときにはその動きがより劇的なものとなりやすくなると思われる)。 しかしながら、市場では最近2011年後半以降発展途上国を中心とする需要に供給が追いつかず、最終的にはOPEC産油国の余剰生産能力が使い果たされることから、将来的には原油価格は上昇する以外考え様がない、といった類の考え方が強まりつつあるように見受けられる。加えて9月初旬まで夏場のドライブシーズンが続くこともあり、このような要因が当面原油相場を下支えするものと見られ、原油相場が即座に急落の局面に突入するといった可能性は低いものと考えられる。加えて、米国では、7月13日にムーディーズ、同14日にスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)といった格付け機関が同国の信用格付けを引き下げの方向で見直すとしており、この面からは米ドルに下落圧力が加わりやすい状況となりうる一方で、欧州では、7月21日に緊急欧州諸国首脳会議が開催されギリシャの支援等について協議される予定であり、この場において、ギリシャ債務問題を抱える欧州一部諸国に対して何らかの支援の拡大が決定されれば、ユーロが上昇する反面米ドルが下落することで、原油相場に上方圧力を加えてくる可能性が考えられよう。 ? 16 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 昇し終値は97.24ドルとなっている。 . 今後の見通し等 4シ方、原油相場が上昇基調を持続できるかどうかについては、米国でのQE3実施に対する米国金融当局の姿勢、及びそれを巡る市場での観測に大きく依存することとなり、この面では不透明性が存在する。つまり、これを巡る観測が市場の米国景気展望や米ドルの変動に影響することを通じて、原油相場に上方及び下方圧力を加えてくる可能性があると言えよう。例えば、米国金融当局関係者による発言によって、QE3実施の観測が市場で強まれば、米ドルが下落することや最終的な景気回復への期待が高まることにより株式相場が上昇することを通じて原油相場に上方圧力を加えてくる可能性があるし、QE3の実施を急がない旨の発言がなされれば、米ドルが上昇する一方市場での景気回復期待が後退することから、原油相場に下方圧力を加えてくる可能性がある。米国でのインフレの加速を気にするバーナンキFRB議長は現時点ではQE3の実施を急いでいないと見られ、その意味では原油相場が大きく、かつ持続的な上昇局面に入る可能性は現時点では低い。但し、今後の経済情勢次第では、実施に向け検討を始める、といった状況になることも想定されるため、バーナンキ議長を初めとする米国金融当局の発言には留意する必要があろう。このような不透明性の中、原油相場はこの先発表されていく米国等の経済指標類や米国等企業の2011年4~6月期を中心とする決算発表を織り込んで変動していくものと考えられる。 IEAは間もなく追加石油備蓄放出を決定するかどうか決断すると見られる(現時点では7月23日(前回備蓄放出発表の1ヶ月後)までに、と言われている)。石油備蓄の追加放出については、ドイツやイタリアが反対する可能性があると伝えられ(彼らは6月23日の放出時についても好意的ではなかったとされる)、実際に追加放出が決定されるにはなお紆余曲折を経ることも考えられるが、石油備蓄を追加放出するとなると、原油相場上昇を展望する投資家の心理に影響し、原油相場上昇の確率が低下するとともに相場が伸び悩む、もしくは下落するといった確率が上昇するといったことにもなりうる。なお、現在6月23日のIEAの緊急時石油備蓄放出発表から1ヶ月が経とうとしているが、現時点までの原油価格の変動を見て、石油備蓄放出の効果は殆どなかった等の認識を示す市場関係者も存在する。ただ、過去の石油備蓄放出時においても、発表時点で原油価格が一時的に低下した後再び反発することもあったが、その後石油備蓄が放出されるに従って価格が継続的に沈静化していくといった経過を辿っている(図16及び17参照)。今回の備蓄放出においても、今後の備蓄石油の引渡しとともに原油価格がどのように変動していくかに注目していくことが肝要であろうし、例えばIEAによる備蓄放出量の半分超を占める、3,000万バレル程度を放出する予定である米国においては、7月8日時点においても備蓄原油は引き渡されていないこともあり、現時点では原油価格への影響について最終判断を行うには時期尚早であろう。 ? 17 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ゙ル/バレル図16 米国原油価格(WTI)と戦略石油備蓄(SPR)量(2000年9月22日放出決定時)36343230282624 億バレル5.805.755.705.655.605.555.505.455.405.35910111212345678SPR(右軸)WTI価格(左軸)出所:米国エネルギー省データをもとに作成ドル/バレル図17 米国原油価格(WTI)と戦略石油備蓄(SPR)量(2005年9月2日放出決定時)69676563615957 億バレル7.107.057.006.956.906.856.808/58/199/29/169/3010/1410/2811/1111/2512/912/23SPR(右軸)WTI価格(左軸)出所:米国エネルギー省データをもとに作成また、大西洋圏では既にハリケーンシーズンに突入しており、今後もハリケーン等の暴風雨が発生し米国メキシコ湾やメキシコ沿岸を脅かすとの予報が発表されたり、実際に発生して当該地域を脅かしたりするようだと、石油供給途絶懸念が市場で増大することを通じて原油相場が押し上げられるといった場合も想定される。 ? 18 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油企画調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
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2011/07/19 野神 隆之
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