ページ番号1004161 更新日 平成30年2月16日

原油市場他:世界経済に対する不透明感が強まり、1バレル当たり80ドル割れも見られるなど下落する原油価格

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レポートID 1004161
作成日 2011-08-15 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 市場
著者 野神 隆之
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年度 2011
Vol 0
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ページ数
抽出データ 更新日:2011/8/14 石油調査部:野神 隆之 原油市場他:世界経済に対する不透明感が強まり、1バレル当たり80ドル割れも見られるなど下落する原油価格 (IEA、OPEC、米国DOE/EIA他) ① 米国では、ガソリンについては引き続き需要は堅調ではないものの夏場の需要期も峠を越えつつあることによる製油所での生産伸び悩みで相殺された結果在庫は微増となり、留出油についても国内需要は総じて減速気味である一方輸出向け需要が精製利幅を支持する格好となったことから生産が堅調であった結果在庫は増加傾向となった。そして両製品ともに在庫水準は平年幅の上限付近に位置している。他方原油在庫は戦略石油備蓄放出にもかかわらず前週比で大きく減少を示した週もあったことから減少傾向となったが平年幅を超過する状態は維持されている。 ② 米国で原油在庫が減少、欧州で精製稼働率微増の半面原油在庫が微減、日本でも製品需要増加に伴う原油精製処理活動活発化で原油在庫が減少したことから、7月末現在のOECD諸国推定原油在庫は全体として前月比で減少を示したが、それでも平年幅の上限付近には位置している。他方、米国では留出油在庫が増加したことが寄与し製品全体でも在庫が増加となった他、欧州でも製油所の活動が若干上向いたこともあり製品在庫が微増となった一方、日本では平年よりも早い梅雨明けでガソリン需要が堅調であった他東日本大震災後の復興のための物流向け軽油需要も発生したと見られることから製品在庫は相当程度の減少となった。ただ、それでもOECD諸国全体では増加傾向となっており、この時期としては平年幅の中間に位置している。 ③ 2011年7月中旬ら8月中旬にかけての原油市場においては、7月中~下旬当初は米国経済が良好なことを示唆する指標類やユーロ圏諸国による対ギリシャ追加支援策合意の観測に伴う米ドル下落等で、一時WTIで1バレル当たり100ドルに到達するなど価格は盛り返したが、その後は米国での債務回避のための債務上限引き上げを巡る議会の混乱に対する市場の懸念や米国経済状況が悪化していることを示唆する指標類、米国株式相場下落、格付け機関による米国の長期信用格付け引き下げに伴う同国経済の先行きに対する不透明感の増大等で、価格は下落基調となり、8月上旬には終値ベースでも1バレル当たり80ドルを割り込む日も見られた。 ④ 米国での夏場のガソリン需要期が峠を越えるなど今後は秋に向け季節的に石油市場の心理が冷え込んで来ると予想されることに加え、世界景気回復への期待後退に伴い石油需要が減速する恐れがある一方で、サウジアラビアからの原油増産やIEA加盟国による備蓄放出がリビアからの供給途絶の影響を相殺していることもあり、石油需給の逼迫懸念は緩和されると考えられることから、原油相場にはこの先下方圧力が加わりやすいものと思われる。 ⑤ IEA等の機関は、2012年は世界経済回復と石油需要増加の加速を見込んでいるが、既に米国等で経済減速の兆候が表れていることもあり、今後これらの機関が石油需要予測を下方修正していく、といったリスクが存在することに注意する必要があろう。他方2016年にかけての中期的な世界石油需給を展望すると、経済が順調に回復していく場合でも、OPEC産油国による余剰生産能力はある程度は確保されるなど、深刻な事態に陥る可能性が必ずしも高いというわけでないことが示唆される。 ? 1 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 . 原油市場を巡るファンダメンタルズ等 米国エネルギー省エネルギー情報局(EIA:Energy Inforffmation Administration)が発表した2011年5月の同国ガソリン需要(確定値)は前年同月比4.1%の減少と2008年9月(この時は前年同月比8.2%の減少であった)以来の大幅な減少を記録(図1参照)し、また速報値の0.6%の減少からも下方修正されている。また、7月の当該需要(速報値)は前年同月の確定値との比較では2.4%程度の減少、速報値との比較では3.3%程度の減少となっている。米国ガソリンスタンドのクレジットカードでの支払い記録をもとに推定した当該月のガソリン需要も前年同月比でかなりの減少を示していることなどを考慮すると、9月末頃に予定される確定値発表時においても、やはり減少となっている旨判明する可能性があろう。このように同国のガソリン需要は根強く減少傾向を示しているが、特に最近では小売価格の再上昇(原油価格の影響もあり小売価格は6月下旬以降再び上昇してきていた、図2参照)や経済減速の影響を受けているものと見られる。 図1 米国ガソリン需要の伸び(2006~11年)%86420-2-4-6-8-101234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234567※2011年6~7月の確定値は未発表出所:米国エネルギー省のデータをもとに作成速報値確定値修正幅図2 米国ガソリン小売価格の推移(2010~11年)ドル/ガロン4.03.53.02.510111212345678出所:米国エネルギー省データをもとに作成? 2 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 シ方、原油精製処理量は7月から8月にかけて増加基調となっている(図3参照)が、これはブレントに比べて相対的に廉価であるWTIや、カナダのアルバータ州で生産される原油のようにWTIの価格の影響を受ける原油を入手でき、かつニューヨーク港(New York Harbor)での製品価格の影響で相対的に高い価格で製品を販売できる(東海岸は原油や製品を米国外から輸入していることから、これらの製品価格はブレントの価格の影響を受けやすい)といった恩恵を受けられる中西部での製油所の精製活動が活発化している(図4参照)他、西海岸に加え東海岸でも原油精製処理量が増加している(経済性の悪化により2009年11月に操業を停止していたValeroのDeraware City製油所(精製能力日量18.2万バレル)が2010年6月1日に当時スイスの精製業者の関係会社であったPBF Investmentsにより買収された後、2011年5月より操業再開作業中であったが、これに伴う原油精製処理量の増加が寄与しているとの見る向きもある)ことによるものであるが、そのような状況にもかかわらず、夏場のドライブシーズンが峠を越えつつあることもあり、ガソリンの生産は伸び悩んだ(図5参照)ことが需要低迷の影響と打ち消しあう格好となった結果、当該製品在庫は7月から8月初旬にかけては微増となっており、この時期としては平年幅の上限に位置している(図6参照)。 日量百万バレル図3 米国の原油精製処理量(2009~11年)16.015.515.014.514.013.5%1009080706012345678910111212345678910111212345678※4週間平均出所:米国エネルギー省データをもとに作成図4 米国地域別精製稼働率(2011年)5/65/135/205/276/36/106/176/247/17/87/157/227/298/5東海岸中西部メキシコ湾岸ロッキー山脈西海岸等出所:米国エネルギー省データより作成? 3 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 坥ハ百万バレル9.69.49.298.88.68.4145326※4週間平均図5 米国のガソリン生産量(2009~11年)78910111212345678910111212345678出所:米国エネルギー省データをもとに作成 百万バレル図6 米国ガソリン在庫推移(2003~11年)260240220200180160 123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456781997-2002実績幅2003-11出所:米国エネルギー省データをもとに作成 他方、軽油及び暖房油といったいわゆる留出油(Distillate Fuel Oil)の5月の需要(確定値)は、前年同月比で0.5%の増加となったが、速報値の4.6%の増加からは下方修正されている(図7参照)。他方、7月の当該製品需要(速報値)は前年同月比で1.1%の増加となっているが、これは小売段階での在庫の再充填の動き(つまり、必ずしも末端の消費段階での需要が堅調なことを示しているわけではない)との指摘もある。この指摘は米国での物流が必ずも活発ではないと示唆される状況とも一致する(米国の主要港湾でのコンテナの動きは引き続き減速気味である、図8参照)。しかしながら米国外(南米が主流と見られる)への輸出向け需要が根強いことが当該製品の精製利幅を下支えしたこともあり製油所での生産は堅調であったため、それがかえって国内での在庫も増加させることになり、在庫水準自体は平年幅の上限付近を維持している(図9参照)。 ? 4 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 1234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234567※2011年6~7月の確定値は未発表出所:米国エネルギー省のデータをもとに作成速報値確定値修正幅図7 米国留出油需要の伸び(2006~11年)%181614121002468-2-4-6-8-10-12-14-16図8 米国各港湾のコンテナ取扱量増減(前年同月比)(2009~11年)%403020100-10-20-30-401234567891011121234567891011121234567ロサンゼルスロングビーチNY/NJ※:ロングビーチ及びNY/NJは2011年7月分データは未発表出所:各港湾データをもとに作成百万バレル図9 米国留出油在庫の推移(2003~11年)18016014012010080123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456781997-2002実績幅2003-11出所:米国エネルギー省データをもとに作成また、ガソリン需要の弱さもあり、5月の米国での石油製品全体の需要(確定値)は前年同月比で2.7%程度の減少と速報値の0.3%の減少から下方修正された他、7月の需要(速報値)も前年同月比(前年同月の確定値との比較)で1.7%、量的には日量35万バレル程度の減少となっている(図10参照)。一方で原油在庫については7月19日以降戦略石油備蓄(SPR:Strategic Petroleum Reserves)の引渡しが開? 5 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 nされてからは一時増加を示したものの、8月5日の週には前週比で523万バレルの減少を示したことから、7月~8月初旬にかけ減少傾向となった。この週の原油在庫は西海岸(この地域はロッキー山脈東部と違い独自の石油流通体制となっていることから石油市場関係者の間ではこの地域の在庫変動は余り重視されない)で126万バレルの減少が発生したことに加え、米国メキシコ湾岸地域でも328万バレル減少したが、これは熱帯性低気圧「ドン」(Don)の進行により7月28日から8月1日にかけメキシコ湾沖合の石油生産活動が停止した(合計53万バレル)他SPRの引渡しスケジュールが影響したとの見る向きもある。ただ、それでも原油在庫は平年幅を超過する状態にある(図11参照)。なお、原油在庫が平年幅を超過、ガソリンと留出油在庫が平年幅の上限付近に、それぞれ位置していることから、原油とガソリンを合計した在庫、そして原油、ガソリン、及び留出油を合計した在庫は、いずれも平年幅の上限を超過する結果となっている(図12及び13参照)。 1234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234567891011121234567※2011年6~7月の確定値は未発表出所:米国エネルギー省のデータをもとに作成速報値確定値修正幅百万バレル図11 米国原油在庫推移(2003~11年)図10 米国石油需要の伸び(2006~11年)%1002468-2-4-6-8-10-12-14390370350330310290270250123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456781997-2002実績幅2003-11出所:米国エネルギー省データをもとに作成? 6 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 S万バレル図12 米国原油+ガソリン在庫推移(2003~11年)610590570550530510490470450123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456781997-2002実績幅2003-11出所:米国エネルギー省データをもとに作成百万バレル図13 米国原油+ガソリン+留出油在庫推移(2003~11年)800750700650600550123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456789101112123456781997-2002実績幅2003-11出所:米国エネルギー省データをもとに作成 7月末現在のOECD諸国推定石油在庫量の対前月末比での増減については、前述の通り米国では原油在庫が減少、欧州ではガソリン輸出先の米国での夏場のガソリン需要の季節的な盛り上がりの影響を幾分か受けたこともあり精製稼働率が微増となった(それでも前年同月を日量52万バレル下回る状況ではあったが)反面原油在庫は微減となった他、日本でも石油製品の需要が増加したことによる原油精製処理量の増加もあり、やはり当該在庫が減少したことで、OECD諸国全体としても原油在庫は前月比で減少を示したが、それでも例年この時期原油在庫は減少を示すことから、水準としては平年幅の上限付近に位置したままとなっている(図14参照)。他方、製品については、米国では留出油在庫が増加したことが寄与し製品全体でも在庫が増加となった他、欧州においても製油所の活動が若干上向いたこともあり製品在庫は微増であった一方で、日本では平年よりも早い梅雨明けで天候に恵まれたことからガソリン需要が堅調であった他東日本大震災後の復興のための物流向け軽油需要も発生しているものと見られ、製品在庫は相当程度の減少となったものの、欧米での在庫増加を帳消しにすることは出来なかった結果、全体としては製品在庫は増加傾向となっており、この時期としては平年幅の中間付近に位置? 7 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 オている(図15参照)。なお、原油在庫が平年幅の上限付近に位置しており、製品在庫が平年幅の中間付近に位置していることから、原油と石油製品を合計した在庫は平年幅の上方付近に位置する状態となっている(図16参照)。また、2011年7月末時点でのOECD諸国石油在庫日数(月末の在庫量をその直後の3ヶ月間の1日当たり需要で除したもの)は58.1日であり、6月末の58.4日から減少となっている。 図14 OECD原油在庫推移(2005~11年)億バレル10.510.09.59.08.58.012345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345671995-20042005-11出所:IEAデータ他より推定 億バレル図15 OECD石油製品在庫推移(2005~11年)161514131212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345671995-20042005-11出所:IEAデータ他より推定 億バレル図16 OECD石油在庫(原油+石油製品)推移(2005~11年)2625242322212012345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345671995-20042005-11出所:IEAデータ他より推定 アジア・太平洋市場においては、中国での電力不足に伴う軽油の需要増加懸念により留出油価格が支持されてきたが、このような需要増加に対処するための中国による軽油の大量購入といった行為は依然見られない。このようなことから、シンガポールでの中間留分在庫は7月6日に見られた2010年11月24日の週以来という高水準からは低下はしているものの依然比較的豊富な状態を維持している(ただ、? 8 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 月30日早朝に発生したFormosaの台湾 麦寮(Mailiao)における製油所(原油精製能力日量54万バレル)での火災に伴う、製油所全体の操業停止(安全点検のためと伝えられる)と石油製品輸出停止により、アジア・太平洋市場において中間留分やガソリン等の供給に関して懸念が発生している、といった側面はある)。一方で、重油については、シンガポールでの在庫が減少傾向となっているが、これはイランにおいてSouth Parsガス田が6月よりメンテナンスを実施していることにより、国内の発電所向けに重油が消費されている結果重油の輸出が低下していることが一因とされており、当該ガス田のメンテナンスは9月末~10月初めまで継続すると伝えられることから、市場においては引き締まり感が出てきている。 2011年7月中旬から8月中旬にかけての原油市場においては、7月中~下旬当初は市場の事前予想よりも米国経済が良好なことを示唆する指標類や米国株式相場の上昇、ユーロ圏諸国によるギリシャに対する追加支援策合意の観測に伴う米ドル下落等から、一時価格はWTIで1バレル当たり100ドルに到達するなど盛り返したが、その後は米国における債務不履行回避のための債務上限引き上げを巡る議会の混乱に対する市場の懸念や、市場の事前予想よりも米国経済が悪化していることを示唆する指標類、米国株式相場下落、格付け機関による米国の長期信用格付け引き下げに伴う同国経済の先行きに対する不透明感の増大と、そのような中で開催された連邦公開市場委員会(FOMC)において追加金融緩和実施に対する姿勢が明確に示されなかったことなどから、原油価格は下落基調となり、8月上旬には終値ベースでも1バレル当たり80ドルを割り込む日も見られた(図17参照)。 2011年7月中旬から8月中旬にかけての原油市場等の状況 . 2ドル/バレル図17 原油価格の推移(2003~11年)150140130120110100908070605040302012345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678910111212345678WTIBrentDubai 7月18日には、7月21日に予定されているユーロ圏緊急首脳会議でギリシャへの追加支援について意味のある合意が得られないまま終わるのではないかとの懸念が市場で増大し、ユーロが下落した反面米ドルが上昇したことに加え、8月2日の期限までに米国議会で同国債務上限引き上げについて合意に? 9 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 鰍轤ネいのではないかとの悲観的な見方が市場で発生した他、7月15日の欧州銀行ストレステストの結果公表につき審査基準が厳しくなかったのではないかとの疑問が市場で発生し金融機関株式価格が下落したことにより米国株式相場が下落したことで、この日の原油価格は前週末終値比1バレル当たり1.31ドル下落しこの日の終値は95.93ドルとなった。しかしながら、7月19日には、この日米国商務省から発表された6月の住宅着工件数が年率62.9万戸と5月から14.6%増加し市場の事前予想(57.5万戸)を上回った他、7月18日夕方に発表された米情報技術大手IBMの2011年4~6月期決算が市場の事前予想を上回ったこともあり翌19日に米国株式相場が上昇したこと、7月21日に予定されているユーロ圏緊急首脳会議でギリシャに対して追加支援策が合意されるとの期待が市場で増大したことにより7月19日にはユーロが上昇した反面米ドルが下落したこと、同じくこの日(7月19日)米国議会の超党派議員が債務上限引き上げと今後10年間での約3.7兆ドルの財政削減を組み合わせた妥協案を提示したことに対してオバマ大統領が同日支持を表明したことで同国の債務上限引き上げに関する市場の不安感が後退したこと、また、7月20日にも、ユーロ圏緊急首脳会議でギリシャに対して追加支援策が合意されるとの市場の期待が前日から引き継がれたことによりユーロが上昇した反面米ドルが下落したことに加え、この日EIAから発表された同国石油統計(7月15日の週分)で原油在庫が市場の事前予想(130~200万バレル程度の減少)を上回り373万バレル減少していると判明したことから、7月20日の原油価格の終値は1バレル当たり98.14ドルと7月19~20日の2日間で併せて終値ベースで2.21ドル上昇した(なおニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI原油先物8月渡し契約取引はこの日を以て終了したが、9月渡し契約のこの日の終値は1バレル当たり98.40ドルと前日終値比で0.54ドル上昇している)。7月21日には、この日フィラデルフィア連邦準備銀行から発表された7月のフィラデルフィア地区製造業景況感指数(ゼロが景気拡大と縮小の分岐点)がプラス3.2と6月のマイナス7.7から改善を示したうえ市場の事前予想(プラス2.0)を上回ったことに加え、同じくこの日国際エネルギー機関(IEA)が現時点では緊急時石油備蓄の追加放出は実施しない旨発表したこと、7月21日夜開催予定のユーロ圏緊急首脳会議でギリシャに対して新たな支援策で合意されるとの観測が市場で増大したことでユーロが上昇した反面米ドルが下落したこと、また果たしてその日の夜にはユーロ圏首脳会議でギリシャに対して1,590億ユーロの追加支援等を実施する旨合意したことでユーロ圏一部諸国における債務問題に対する市場の懸念が後退したことが翌22日の原油市場に影響したことから、価格は7月21~22日も続伸、この2日間で併せて1バレル当たり1.73ドル上昇し7月22日の終値は99.87ドルとなった。 7月25日には、米国債務不履行回避策に関する案につき同国議会での民主党と共和党との対立が解消しないことで8月2日の債務上限引上げ期日を前にして米国が債務不履行に陥るのではないかとの懸念が市場で発生した他、同じく同日米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスがギリシャ? 10 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 総ツ格付けを3段階引き下げ下から2番目の等級としたことで同国の債務不履行への懸念が市場で増大したことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり99.20ドルと前週末終値比で0.67ドル下落したものの、翌26日には、この日米民間調査機関コンファレンス・ボードから発表された7月の同国消費者信頼感指数(1985年=100)が59.5と6月の57.6(改訂値)から改善を示した他市場の事前予想(56.0)を上回ったことに加え、米国における債務上限引上げに関する議会での協議が進展しないことから同国の債務不履行の可能性に対する市場の懸念で米ドルが売られたことにより米ドルが下落したことで、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.39ドル上昇し終値は99.59ドルとなった他、通常取引時間中の電子取引では一時1バレル当たり100.62ドルと6月10日以来の高値に到達する場面も見られた。しかしながら、7月27日には、米国における債務上限引上げに関する議会での協議が進展しないことによる同国の債務不履行の可能性につき市場が同国経済の混乱と石油需要の減退を懸念したことに加え、この日米国商務省から発表された6月の耐久財受注額が前月比で2.1%の減少を示したうえ市場の事前予想(0.3%増加)を下回った他、同じくこの日EIAから発表された同国石油統計(7月22日の週分)で原油在庫が市場の事前予想(170~230万バレル程度の減少)に反し230万バレルの増加となっていたことが判明したことで、この日の原油価格の終値は1バレル当たり97.40ドルと前日終値比で2.19ドル下落した。7月28日には、この日米国労働省から発表された同国新規失業保険申請件数(7月23日の週分)が39.8万件と前週の42.2万件(改訂値)から減少、市場の事前予想(41.5万件)を下回った他、同じくこの日全米不動産業協会(NAR:National Association of Realtors)から発表された6月の米国中古住宅成約指数(2001年=100)が前月比で2.4%の上昇となり市場の事前予想(2.0%低下)を上回ったこと、7月27日に大西洋圏にて熱帯性低気圧「ドン」(Don)が発生し米国メキシコ湾を北西方向(同国テキサス州沿岸方向)に向かいつつあることでメキシコ湾沖合での石油生産及び湾岸での製油所の活動に影響が及ぶのではないかとの懸念が市場で増大したことが原油相場に上方圧力を加えたものの、他方で米国債務上限引き上げを巡る議会での協議の成り行きに対する不透明感が原油価格の上昇を抑制した結果、この日の原油価格の終値は1バレル当たり97.44ドルと前日の終値とほぼ同水準(0.04ドルの上昇)であった。また、7月29日には、米国の債務上限引き上げと債務不履行回避に関する問題の不透明感に対する市場の懸念に加え、この日米国商務省から発表された2011年第二四半期の実質国内総生産(GDP)速報値が前期比1.3%の増加と市場の事前予想(1.8%増加)を下回ったことにより、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり1.74ドル下落し終値は95.70ドルとなった。 ただ、7月31日夜には米国議会指導者が同国債務上限引き上げにつき合意に達した旨オバマ米大統領から発表されたことあり、原油価格は8月1日朝の通常取引時間中の電子取引では一時1バレル当たり98.60ドルに到達する場面も見られたが、その後米国供給管理協会(ISM)から発表された7月の同国? 11 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 サ造業景況感指数(50が景気拡大と縮小の分岐点)が50.9と6月の55.3から低下し2009年7月以来の低水準となった他市場の事前予想(54.5~54.9)を下回ったこと、翌2日には、この日米国商務省から発表された6月の同国個人消費支出(PCE:Personal Consumption Expenditures)が前月比で0.2%の減少となり2009年9月以来の減少を示した他市場の事前予想(0.1~0.2%増加)を下回ったうえ、同月の同国個人所得も前月比で0.1%の増加と2011年11月以来の低水準の増加率となった他市場の事前予想(0.2%増加)を下回ったこと、8月3日には、この日ISMから発表された7月の同国非製造業景況感指数(50が景気拡大と縮小の分岐点)が52.7と6月の53.3から低下し2010年2月以来の低水準となった他市場の事前予想(53.5~53.6)を下回ったことに加え、同じくこの日米国商務省から発表された6月の製造業受注額が前月比で0.8%の減少と一部の市場の事前予想を上回って減少していた(事前予想は0.7~0.8%の減少となっていた)こと、また同日EIAから発表された同国石油統計(7月29日の週分)でガソリン在庫が市場の事前予想(10~35万バレル程度の増加)を上回る170万バレルの増加となっていることが判明したこと、8月4日には、米国の景気後退局面への再突入と欧州債務問題がイタリアやスペインに拡大しつつあることに対する懸念が市場で増大したことから米国株式相場が大幅に下落したこと(ダウ工業株30種平均はこの日512.76ドルの下落と2008年12月1日(この日の下落幅は679.95ドル)以来の大幅な下落となった)に加え、8月4日開催の欧州中央銀行(ECB)理事会で主要政策金利を1.50%で据え置く旨決定した他理事会後にトリシェ総裁が欧州地域での経済が減速しつつある旨示唆したことでユーロが下落した反面米ドルが上昇したことから、原油価格は8月1~4日はいずれの日も終値ベースでは前日比で下落となり、8月4日の終値は1バレル当たり86.63ドル(これは2011年2月18日(この日の終値は86.20ドル)以来の低水準であった)と、この4日間で合計9.07ドル下落した。8月5日にも原油価格は未明(米国東部時間)の電子取引では一時1バレル当たり82.87ドルと2010年11月26日(この日の安値は82.78ドル)以来の低価格に到達する場面も見られたが、その後米国労働省から発表された7月の同国非農業部門雇用者数が前月比で11.7万人の増加と市場の事前予想(8.5万人増加)を上回った他、同じく同日イタリアのベルルスコーニ首相が同国の緊縮財政策を加速させ2013年の財政均衡化達成を目指す旨発表したことで市場における同国債務問題に対する懸念が後退したこと、さらに8月5日午前1時半頃(現地時間)にイラン南西部Shush(Khzestan州)で原油パイプライン(口径20インチ、日量4万バレルの原油をQalehnarから南西部のAhvaz石油処理施設にまで輸送するとされるが、輸送量は日量3,000~4,000バレルであるとの報道もある)が爆発・炎上した(10時間後鎮火)との情報で同国からの原油輸出に支障が発生するかもしれないとの懸念が市場で増大したことや、同日午前7時25分(米国中央時間)にValeroのメンフィス製油所(原油精製能力日量18万バレル)において原油処理装置の加熱炉での爆発等により当該製油所全体の操業が停止したことから同国のガソリン及び暖房油先? 12 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ィ価格が上昇したこともあり、この日の原油価格は前日終値比1バレル当たり0.25ドル上昇し終値は86.88ドルとなった。 ただ、8月5日夜に米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が米国の長期信用格付けをそれまでのAAA(最優良)から1段階引き下げAA+としたことで同国経済と石油需要に対する不安感が市場で増大し8月8日の同国株式相場が再び急落(ダウ工業株30種平均はこの日634.76ドル下落した)こと、8月9日にはこの日開催された米国連邦公開市場委員会(FOMC)において今後の同国経済に下振れリスクが認識されることもあり2013年半ばまで現在の低金利政策を継続する旨決定されたものの追加金融緩和(いわゆるQE3)の実施については明確に示唆されなかったことで市場の景気回復期待が強まらなかった一方インフレ懸念が後退したことに加え、翌10日にEIAから発表される予定の同国石油統計(8月5日の週分)で原油在庫が増加しているとの観測が市場で増大したことから、原油価格は8月8~9日に併せて前週末終値比で1バレル当たり7.58ドル下落し8月9日の終値は79.30ドルとなった(この価格は終値ベースでは2010年9月29日(この日の終値は77.86ドル)以来の低水準であった)他8月8日夜の時間外取引では一時75.71ドル(これも2010年9月29日(この日の安値は75.60ドル)以来の低水準であった)まで下落する場面も見られた。ただ、8月10日には、この日EIAから発表された同国石油統計で原油在庫が市場の事前予想(135~180万バレル程度の増加)に反し523万バレル減少している旨判明したこと、また翌11日には、この日米国労働省から発表された同国新規失業保険申請件数(8月6日の週分)が39.5万件と市場の事前予想(40~40.5万件)を下回ったことに加え、前日(10日)夕方に発表された米ネットワーク機器大手シスコシステムズの2011年5~7月期業績が市場の事前予想を上回ったことにより11日の米国株式市場では情報技術(IT)関連企業株式価格が上昇したこともあり、同国株式相場が上昇したことから、原油価格は8月10~11日の2日間併せ終値ベースで1バレル当たり6.42ドル上昇、8月11日の終値は85.72ドルとなった。ただ、8月12日には、この日発表された8月のミシガン大学消費者信頼感指数(速報値、1966年=100)が54.9と7月の63.7から低下し1980年5月以来の低水準となった他市場の事前予想(62.0~63.0)を下回ったことで、この日の原油価格の終値は1バレル当たり85.38ドルと前日終値比で0.34ドル下落している。 8月5日夜のS&Pによる米国債格下げに伴う株式相場への影響は、米国経済の将来に対する不透明感増大に伴う一種の市場の条件反射的反応であったこともあり、今後収束に向かうものと考えられる。従って株式相場とほぼ同一歩調であった原油相場も8月8日の週に比べれば以降は落ち着きを取り戻していくと考えられる。その意味では、現在1バレル当たり85ドル前後であるWTIが数日のうちに75ドル? 13 ? . 今後の見通し等 3Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ノ迫るべく急落するといった場面が再発する可能性は当面は低下したと見られる。 しかしながら、他方米国では夏場のドライブシーズンに伴うガソリン需要期は1ヶ月未満を残すのみ(2011年は9月3~5日の労働感謝祭(レイバー・デー)の休日に伴う連休を以てドライブシーズンは終了する)となっており、製油所の段階では秋場の不需要期とメンテナンスシーズン突入に向け原油精製処理量を引き下げ、それに伴って原油の購入を手控えてくるので、季節的にも需給緩和感が広がり市場心理が冷えやすい状況になってくる。また、米国経済が弱まっていく兆候が垣間見られると同時に同国の石油需要は既に前年同期比でも減少を示すなど弱まっているが、このような米国経済の先行きに関して関係者の不安が募っている中の8月9日に開催されたFOMCにおいてはQE3の実施について明確に示唆されなかったことで、市場の景気回復(と石油需要増加に対する)期待が強まらない状態となっている。 また、欧州においても一部諸国の債務問題に関する懸念は根強く(これまでギリシャに対して支援する側に立っていたスペインやイタリアが支援される側に回る可能性が高くなっている、と言う意味ではむしろ深刻化しつつあるといった言い方が適切かもしれない)、一方でこれら諸国において債務問題解決に向け財政支出を削減すれば経済が減速するといった副作用が発生すると予想される。加えて中国では引き続き消費者及び生産者物価が高止まりしていることから今後少なくとも当面は金融引締め政策を継続せざるを得ない一方で、鉱工業生産や小売売上高が必ずしも絶好調と言うわけではなくなってきているなど世界石油需要の増加を牽引する消費国としての位置づけも磐石なものではなくなってきている。このように世界の主要石油消費地域はそれぞれ経済面で問題を抱えており、これが今後需石油要面面に影響を及ぼしてくる恐れがあると考えられる。 他方供給面では、リビアからの軽質低硫黄原油を中心とする生産と輸出は事実上ほぼ停止している状況が続いている。ただ、6月8日のOPEC総会後独自に増産を実施する旨表明したサウジアラビアでの原油生産量は5月に前月比で日量20万バレル、6月には日量70万バレル、7月にはさらに日量10万バレル増加している(図18参照)。欧州の一部製油所ではサウジアラビアの余剰生産能力から輸出されている重質高硫黄原油は処理が困難であると言われていることから、一部はインドや中国といった諸国(これら諸国において近年建設された製油所は重質高硫黄原油を処理する能力を備えているとされる)に輸出されていると推測される他、米国にも輸出されているものと見られる(米国では7月に入りサウジアラビアからの原油輸入が増加する傾向が見られる、図19参照)。これによりリビアでの原油生産量の減少(日量150万バレル程度)のうち、半分超がサウジアラビアによって穴埋めされることになるが、残りの部分(日量50万バレル程度)については、例えば2011年7月のOECD諸国石油需要が既に前年同月比で日量70万バレルの減少となっていることから、これでリビアからの原油供給途絶分は事実上ほぼ全て? 14 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 [足されたと見ることも可能であろう。加えて国際エネルギー機関(IEA)加盟国による緊急時石油備蓄放出もある(米国では8月末にかけて3,000万バレル強の原油が放出される予定である、表1参照)ことから、世界石油需給はこの先さらに緩和する方向に向かうという感覚が市場で醸成されやすい状況となっている。このようなことから、このまま行けば原油相場にはこの先下方圧力が加わりやすいものと思われる。 1.61.41.21.00.80.60.40.20.0図18 リビアとサウジアラビアの原油生産量(2011年、日量百万バレル)10.210.09.89.69.49.29.08.88.61234567リビア(左軸)サウジアラビア(右軸)出所:IEAデータをもとに作成日量百万バレル図19 米国のサウジアラビアからの原油輸入量(4週間平均、2011年)1.41.31.21.11.00.90.86/176/247/17/87/157/227/298/5出所:米国エネルギー省データをもとに作成表1 米国戦略石油備蓄(SPR)引渡し状況(単位:千バレル)(8月11日現在) 期間7月19~23日7月24~31日8月1~7日8月8~14日8月15~21日8月22~28日8月29~31日合計石油備蓄基地別引渡し予定Big HillWestHackberryBryanMound引渡し予定合計引渡し済2002001,3002,605700500-2,0501,7501,5501,5202,4902,560-2,1202,0202,1002,4252,0501,5001,0004,3703,9704,9506,5505,2404,5601,0004,3703,9704,9502,4455,50511,92013,21530,64015,735出所:米国エネルギー省データをもとに作成 ただ、8月26日に予定されている国際シンポジウムにおけるバーナンキFRB議長による演説は、米国(そしてひいては世界)経済に対する市場の心理、及び石油需要と原油相場に影響を与えうるので注? 15 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 モする必要があろう。ここで、同氏から更なるQE3実施に関する可能性が示唆されるようであれば、市場での景気回復期待が再度膨らむとともに資金供給量の増大に伴うインフレ懸念から米ドルが下落することにより原油相場を支持する、と言った場面も見られよう。しかしながら、米国での物価も上昇気味となってきていることもあり、これ以上の金融緩和はそのような物価上昇をなお一層激化させる恐れもあることから、そのような状況下で米国金融当局が市場を驚かすような思い切った策を打ち出せるかという問題がある他、これまでの2回の金融緩和を以てしても経済を強力に回復させることは出来なかったことから、8月26日の演説で大型追加金融緩和策が示唆されたとしても市場がその効果を疑問視することにより、株式相場や原油相場への影響が限定的(上昇が一時的なものにとどまる他、その期間も短い)に終わることもありうる。 なお、8月後半から10月前半にかけては、大西洋圏では1年間で最もハリケーン等の暴風雨の活動が活発化する時期である。8月3~4日には、コロラド州立大学及び米国国立海洋大気局(NOAA)から、引き続き活発なハリケーン等暴風雨予報が発表されており(表2参照)、もし、これらの予報の通りにハリケーン等が多数発生し米国メキシコ湾沖合の石油生産活動や湾岸地域での精製活動を脅かすようだと、原油相場の下落が抑制されたり、場合によっては上昇したりする、と言った場面が見られることもあろう。従って今後ハリケーン等の発生状況に関する情報(実際の発生状況やその予報)については一層の注意が必要となるものと思われる。ただ、もし9月中旬頃になってハリケーン等の発生が予報に反して低調、ということになれば、市場での石油供給途絶及び不足懸念が後退し、この面での原油相場下落抑制(もしくは上昇)力は低下していくものと思われる。 OPECは7月12日、IEAは7月13日に、それぞれ初めて2012年の世界石油需給見通しの詳細を発表した。ここでは、1月11日に初めて2012年の需給見通しを発表したEIAと併せ、その特徴につき述べることとしたい。なお、使用するデータ類は現時点での最新版である8月の各機関の展望でのそれとする。 ? 16 ? 表2 2011年の大西洋圏でのハリケーン発生個数予想熱帯性低気圧(命名されるもの)うちハリケーンとなるものうち強い勢力*のハリケーンとなるもの予想(2010年12月8日 コロラド州立大学)予想(2011年4月6日 コロラド州立大学)予想(2011年5月19日 NOAA)予想(2011年6月1日 コロラド州立大学)予想(2011年8月3日 コロラド州立大学)予想(2011年8月4日 NOAA)平年*:カテゴリー3(風速時速111マイル(時速178km))以上のハリケーン171612-18161614-199.6996-10997-105.9553-6553-52.3出所:各機関資料をもとに作成 2012年、そしてそれ以降の中期的な原油市場について考える。 . 4Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 012年の世界石油需要の伸びと見みてみると、IEAが日量161万バレル、EIAが日量164万バレル、OPECが日量130万バレル、とそれぞれ2011年の前年比増加量である日量120万バレル、日量137万バレル、日量121万バレルから、程度の差はあるものの伸びが加速すると見ている(図20参照)。石油需要は経済の関数であるという側面から、どの機関も2012年は2011年よりも高い経済成長を達成できるという前提を予測に反映させていることが読み取れる。実際IEAは世界経済成長率の前提を2011年が4.2%、2012年が4.4%、EIAは2011年が3.4%、2012年が4.1%、OPECは2011年が3.7%、2012年が4.0%と、それぞれ経済成長が加速すると見ている。地域的にはIEA、EIA、OPECともに非OECD諸国において2011年及び2012年ともに石油需要の堅調な増加が持続する(図21参照)と認識している一方で、OECD諸国においても、各機関とも2012年の石油需要は2011年から減少幅が縮小するか増加に転ずる(図22参照)、と分析している。 日量百万バレル図20 世界石油需要の伸び予測2.01.51.00.5IEAEIA1112OPEC出所:各機関資料より作成日量百万バレル図21 非OECD諸国石油需要の伸び予測1.81.61.41.21IEAEIA1112OPEC出所:各機関資料より作成? 17 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 坥ハ百万バレル図22 OECD諸国石油需要の伸び予測0.20-0.2-0.4IEAEIA1112OPEC出所:各機関資料より作成日量百万バレル図23 非OPEC産油国石油生産の伸び予測1.51.00.50.0IEAEIA1112OPEC出所:各機関資料より作成日量百万バレル1.0図24 OPEC産油国NGL等生産の伸び予測0.50.0IEAEIA1112OPEC出所:各機関資料より作成 他方、供給面では、非OPEC産油国石油供給等及びOPEC産油国によるNGL(Natural Gas Liquids: 天然ガス液)供給等がそれなりに増加し(図23及び24参照)、世界石油需要の伸びをある程度充足する結果、世界石油需要から非OPEC産油国石油供給等及びOPEC産油国NGL供給等を差し引いた、いわゆる「対OPEC石油需要等(Call on OPEC、但し在庫変動を含む)」は、2012年は前年比で日量20~40万バレル程度の増加となると予想している(図25参照)。ただ、それでも2011年時点のOPEC産油国の原油生産能力は、このような対OPEC石油需要等を少なくとも日量350万バレル程度は上回る、ということになる。この量は例えば2003年のOPEC産油国余剰生産能力(日量309万バレルと推定されるが、? 18 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 アの年の原油価格はWTIで1バレル当たり31ドル程度であった)を超過する。ただ、OPEC産油国が2011年7月時点の原油生産量を継続するとした場合には、世界石油需要が供給を超過することになると予想される結果、例えば2011年7月末時点の58日程度の推定OECD諸国石油在庫日数は2012年9月末には54日程度と減少傾向を示す(ただ、それでも平年幅の上限付近に位置することにはなる、図26参照)。 日量百万バレル図25 対OPEC原油要求量等(Call on OPEC)見通しIEAEIA1211生産能力(2011年)OPEC出所:各機関資料より作成 図26 OECD諸国石油在庫日数※1シナリオ(2008~12年)40353025日626058565452501011121234567891011121234567891011121234567891011121234567891011122003-7実績基本ケース経済減速ケース*:2011年7月のOPEC原油生産量がその後も継続したと仮定※1 在庫日数:月末の在庫量を直後3ヶ月間の1日当たり需要で除したもの出所:各種機関資料をもとに試算 しかしながら、前述の通り既に世界の各主要地域では経済減速の兆候が見られたり、経済減速を引き起こしそうな要因が見られたりしている状況にあり、実際には2012年には世界経済が加速するというよりも減速するといったリスクが高まってきているように見受けられる。このようなことから、将来的には各機関が2012年の経済成長率に関する前提を下方修正してくることに伴い世界石油需要見通しも下方修正するといったこともありうる。既にIEA、EIA、OPECについては、そのようなリスクについて認識している旨表明しているが、現時点での詳細分析にそのような要因を織り込む、ということは実施していない。ただ、仮にIEAが指摘しているように、この先世界経済が減速した場合、世界石油需要の伸びが2011年で日量? 19 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 0万バレル、2012年で日量60万バレルにとどまるとすれば、推定OECD諸国石油在庫日数は2012年9月末には60日程度と現在の水準からむしろ増加してしまう結果となる。このように世界経済の成り行きによってその後の石油需給状況がかなり大きく異なることになることは留意しておく必要があろう。 さて、2012年を超えてさらに先まで見た場合はどうなるのか。IEAは6月16日に「中期石油・ガス市場2011」(”Medium-Term Oil And Gas Markets 2011”、以下「MTOGM」と言うことにする)を発表し、2016年までの石油需給を展望しているが、当該レポート発行以降に発行された8月のIEAの「オイル・マーケット・レポート(OMR:Oil Market Report)」で2010~2012年の石油需給データが修正されていることもあり、ここでは、MTOGMのデータに当該OMRでの修正を織り込んで調整したうえで、2016年までの世界石油需給を展望することにする。 想定するのは、国際通貨基金(IMF)が2011年4月11日及び6月17日に発表した「世界経済展望」(World Economic Outlook)で予測した通り、世界経済成長が2012~16年に年率4.5~4.7%程度で成長するシナリオ(経済回復ケース)と、2012~16年が年率2.5~3.0%で成長するシナリオ(経済低迷ケース)である(これまで世界経済成長率は高成長期が長く持続するとその後の経済低迷が著しく、また期間的にもそのような低迷が持続する傾向があることから、このような前提を採用することとするが、一部時期を除き2004~10年は4.5~5.0%の世界経済成長が持続したことから、その反動は大きくかつ長期化する可能性が考えられることもあり、年率2.5~3.0%の成長率でも見方としてはなお保守的なものになってしまうかもしれない)。他方、IEAは2011年のMTOGMにおいて、イラクの中期的原油生産能力見通しにつき一部の年を除いて2010年のそれより日量50万バレル程度上方修正した結果、他の市場分析関連機関の予測とほぼ同等となった(図27参照)ことから、イラクを含め世界石油供給(及び能力)についてはMTOGMのものを使用することとする。 日量百万バレル図27 イラク原油生産能力見通し(2009~17年)65432091011121314151617IEA (2010年6月)IEA (2011年6月)IMF(保守的ケース)A B※A~Bはコンサルzタント出所:各種資料をもとに作成 このような前提に基づきシナリオを策定すると、「経済回復ケース」では2016年時点での石油需要は? 20 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 坥ハ9,650万バレル程度でMTOGMの基本ケースを超過することになる(図28参照)。ただ、その場合でもOPEC産油国の余剰生産能力は日量400万バレル強(図29参照)、世界石油需要に占めるOPEC余剰生産能力の比率は4.2%強(図30参照)と、2003年の余剰生産能力(日量310万バレル程度)及び比率(3%強)を超過することになる。他方、「経済低迷ケース」においては、2016年時点のOPEC産油国の余剰原油生産能力が日量720万バレル強、その世界石油需要に占める比率が7.8%程度となり、量的にも比率的にも2009年を超過してしまうことになる。このように、仮に世界経済が今後著しい回復を見せたとしても、少なくとも中期的には世界石油需給においては危機的に余裕がなくなる可能性は必ずしもそう高いものではなく、また、経済が減速してくれば石油需給は再び緩和する方向に向かうことを、これらのシナリオは示唆している。但しIEAはリビアの原油生産能力が2013年には事実上の内戦前の水準に接近すると想定しているが、同国での石油産業復興が国内での混乱継続により遅延するようだと、将来的なOPECの余剰生産能力にも比較的大きな影響を与えることにもなるので、同国の動向については注視していく必要はあろう。 日量百万バレル図28 世界石油需要展望9896949290888684828007実績080910111213141516経済回復経済低迷IEA高GDP(2011年6月)IEA低GDP(2011年6月)IEA(2008年6月)出所:IEAデータ他をもとに試算 ? 21 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 坥ハ百万バレル図29 OPEC余剰生産能力展望987654321%98765432100実績01020304050607080910111213141516経済回復経済低迷IEA高GDP(2011年6月)IEA低GDP(2011年6月)IEA(2008年6月)出所:IEAデータ他をもとに試算 図30 OPEC余剰生産能力展望(世界石油需要に占める比率)0001020304050607080910111213141516実績経済回復経済低迷IEA高GDP(2011年6月)IEA低GDP(2011年6月)IEA(2008年6月)出所:IEAデータ他をもとに試算 ? 22 ? Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
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2011/08/15 野神 隆之
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