ページ番号1004162 更新日 平成30年3月5日

パイプラインガスにおされる?中国の輸入LNG ~PetroChinaのガス事業南進~

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レポートID 1004162
作成日 2011-08-16 01:00:00 +0900
更新日 2018-03-05 19:32:42 +0900
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媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 天然ガス・LNG
著者 竹原 美佳
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年度 2011
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抽出データ 更新日:2011/8/23更新 石油調査部:竹原 美佳 パイプラインガスにおされる?中国の輸入LNG ~PetroChinaのガス事業南進~ (cid:190) (cid:190) (cid:190) (cid:190) 2010年に輸入を開始したパイプラインガスは輸入開始からわずか1年余りでLNG輸入量に追いついた。パイプラインガスの輸入は価格統制により逆ザヤが生じていたが、PetroChinaは政府に価格改革を求めつつ中央アジアと供給拡大で交渉を行っている(財政部は2010~2020年輸入分まで政府統制価格と輸入価格の差額相当の付加価値税(VAT)を還付すると決定。) 中央アジア各国は資金とインフラ整備を提供する中国への出荷拡大を目論んでいる(対ロシアバーゲニングという意味合いもある)。ロシアとのパイプラインガス輸入交渉は停滞しており、中国はロシアではなく中央アジアからのパイプラインガス供給を拡大する可能性がある。CNPCは中央アジア各国でガス田探鉱開発やパイプライン事業に出資しており、利益の一部は中国に還流するスキームとなっている模様。 PetroChinaは南部/西南部向けのパイプライン整備を進めており、これまで輸入LNGの独断場であった南部市場向けに輸入パイプラインガスの供給が増加する見通し。四川・重慶などの西南部は2020年以降シェールガスの本格開発も期待できる。 今後10年で中国の天然ガス消費は日本の3倍に拡大し、LNG輸入量は現在の4倍(日本の現在のLNG輸入量の6割)に迫る勢い。今後も中国のLNG輸入量は増加を続け、日本と並ぶLNG輸入国になるという見方があるが、輸入パイプラインガスや非在来型ガスの供給拡大により輸入LNGの役割は相対的に低下する可能性もある。 . 天然ガス輸入依存度は2割に上昇、輸入パイプラインガスは2年目でLNG輸入量と並ぶ 1現在中国の天然ガス消費の約8割を国産ガス、残り2割は輸入LNG、輸入パイプラインガスが占める。2010年末の輸入依存度は12%であったが、2011年の輸入依存度は20%となる見通しである。中国の天然ガス消費は過去10年平均で年率15%伸びている。国産ガス供給も年率12%と高い伸びを示しているが消費の伸びに追い付かず、LNGならびにトルクメニスタンからのパイプラインガスの輸入が増加している。 2011年通年では天然ガス見かけ消費(生産+純輸入)は昨年より210億m3増加し1,300億m3となる見込みである。国産ガス供給は1,050億m3(うちCBM40億m3程度)、LNG輸入は165万t増加の1,100万t(150億m3) 、中央アジアからの天然ガス輸入は前年比3倍増の150億m3、純輸入量は250億m3となる見通しである。LNG輸入が消費に占める比率は12%と横ばいだが、中央アジアからの天然ガス輸入が消費に占める比率は2010年の4%から12%に拡大した。輸入パイプラインは輸入開始から2年目でLNG輸入量に追い付いてしまった。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 A入パイプラインガスに追い付かれたとはいえ、LNGの輸入の伸びも小さくはない。LNG輸入量は2009年の553万t/y(76億m3)から2010年は936万t/y(130億m3)に伸びた。2009年に福建基地と上海基地が稼働したことや広東大鵬受入基地の増強により受入能力が増えた。2011年は5月に稼働した江蘇如東受入基地(1期350万t/y)や9月に稼働予定の大連受入基地なども加わり稼働中基地が5基 図1:中国の天然ガス生産・消費 1,2001,000億m3800600400200030%25%20%15%10%5%0%生産消費消費成長(%)出所:BP統計にもとづき作成 図2:中国の天然ガス消費に占める輸入ガスの比率 億m3/年1,5001,3001,100900700500300100‐1001) 南部沿海地域で輸入石油製品を駆逐し伸びた輸入LNG (国産ガスCBMLNG輸入パイプラインガス輸出出所:China OGP、China LNG Weekly等にもとづき作成 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 nとなり、通年のLNG輸入量は1,100万t(150億m3)程度となる見通しである。 中国は2006年に南部の広東省でLNGの輸入を開始した。2010年時点では輸入LNGの6割超が広東向けである。広東省を含む中国南部沿海地域は経済が発展しておりエネルギー需要が高いが、石炭や天然ガスなどの産地から離れており、鉄道やパイプライン等資源輸送インフラの整備が不十分であったため、エネルギーの輸入依存度が高く、末端価格が相対的に高い地域となっている。 広東大鵬受入基地で輸入したLNGの6割が発電に使われている。広東省の発電企業はボラティリティの高い石油製品(輸入重油)から石炭(輸入炭)ならびにLNGへの燃料転換を図った1。広東大鵬受入基地は2003年頃油価が低く、買い手市場の際に、輸入炭・国内スポット炭と競合できる価格条件でLNGの長期売買契約を締結した。さらに広東省地方政府はLNG/重油炊きの火力発電所を整備するとともにLNG火力の卸価格を高く設定したため同省ではLNG火力の利用率が高まったものと思われる。 表1:稼働中のLNG受入基地 状況稼動開始受入能力(万t/年)増強後(計画)当初事業者稼働中2006年9月370(700)CNOOC33%、BP30%、その他広東・香港系企業供給源(候補)1期:豪州・北西大陸棚(NWS)増強分:カタール・Qatarga2・3、稼働中2009年3月260(600)稼働中2009年11月300(600)稼働中2011年5月350(650)建設中2011年9月(見込み)300(600)CNOOC60%、福建投資開発総公司40%インドネシア・タングーCNOOC45%、上海申能(Shenergy)55%マレーシア・ティガPetroChina55%、江蘇国信集団10%、シンガポールRGM35%カタール・Qatargas4または豪州GorgonPetroChina75%、大連港集団20%、大連市建設投資有限公司5%カタール・Qatargas4または豪州Gorgon 広東・大鵬(Guangdong・Dapeng)福建・眉州(Fujian・Meizhou)上海・洋山(Shanghai・Yangshang)江蘇・如東(Jiangsu・Rudong)遼寧・大連(Liaoning・Dalian)各種情報にもとづき作成 1 黄埔港など主要港の重油取扱量はピーク時(2004年)の1,500万t/年から2010年には5分の1に減少 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 L東省では重油同様、輸入LPGからLNGへの転換も起きた。中国のLPG消費は2000年の1,300万tから2009年に約2,100万t(2009年)に伸びているが、純輸入量2はピーク時2004年の640万tから、2009年には半分の320万tに減少した。なお広東省は消費の3割、輸入の7割を占める最大のLPG輸入地域である。最大の要因は中国国内の製油所増強により割安な国産LPGの供給が増加したことだが、輸入LNGの役割も小さくない。広東省では家庭向けには国産LPGの消費が増加し、産業用では国産LPGより割高だが安定した高品位(発熱量)の輸入LNGが好まれた模様である。 図3:中国のLPG国内生産・純輸入推移 現在建設中の基地は少なくとも6基地ある。2015年までに10~11基地が稼働し、長期契約とスポットを合わせ現在のLNG輸入量の3倍の約3,000万t/年(約410億m3)を輸入する見通しである。 浙江寧波受入基地(300万t/y)は2012年完成、山東青島(300万t/y)ならびに河北曹妃甸受入基地(350万t/y)、広東珠海基地(350万t/y)は2013年完成予定、海南洋浦受入基地(200万t/y)は2014年に完成予定である。 2011年8月、海南洋浦受入基地が正式に着工した。EPC業務をIHI/台湾/中国企業連合が受注した。IHIは上海基地に続く2基地目のEPC受注である。2014年8月稼働予定である。中国の受入基地は設計から建設まで3.5~4年と若干短い。中央政府によるFSや基地建設承認などはまだ下りていない 2 輸入量は約410万tだが、輸出が約85万tと近隣国への輸出が増加傾向にある 2)建設・建設準備中のLNG受入基地は6基地程度、2020年の輸入量は4,000万t程度の見通し (2000年2002年2003年2004年2005年2006年2007年2008年2009年国内生産純輸入 中国能源統計年鑑にもとづき作成 万t/年2,5002,0001,5001,0005000Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ェ、Sinopecは広西北海に300万t/yの受入基地を建設する計画で2015年6月の稼働を目指している。供給源は豪Australia Pacific LNG (AP LNG)でCBMを原料としたLNGである。SinopecはOriginならびにConocoPhillipsから上流権益15%を取得(取得価額17.7億ドル) ならびにCBM-LNGの引き取り(430万t/y×20年)で合意、調印した。AP LNGは2011年8月に投資決定を行い、2015年の稼働を目指している。 この他、PetroChinaが2015年完成を目指していた広東(深?)受入基地(350万t/y)は2008年11月に国家発展改革委員会がFSを承認したが、その後地元からの周辺環境・漁業・交通等に支障があるという意見があり、2010年に建設地を変更する決定が出され現在は白紙状態である。ただし同基地はPetroChinaが珠江デルタまで延伸する第2西気東輸パイプライン(後述)のバックアップ機能を担っており、早い時期に建設したいと考えていると思われる。また、PetroChinaは幹線パイプラインのバックアップという観点で広西(欽州)にLNG受入基地の建設を計画しているが建設時期等詳細は決まっていない。 PetroChina が計画中の広東(深?)と広西(欽州)は政府の承認が下りるかまだ判らないが、2020年までに少なくとも12基地が稼動し、長期契約とスポットLNGを合わせ、LNG4,000万t(540億m3)程度を輸入することが可能となると思われる。 図4:中国の主な幹線パイプラインとLNG受入基地 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 \2:建設・建設準備中のLNG受入基地 状況稼動開始受入能力(万t/年)増強後(計画)当初建設中2012年(見込み)300(600)供給源(候補)カタール・Qatargas2/3またはGDF Suezポートフォリオ事業者CNOOC:51%、浙江省能源集団公司29%、寧波市電力開発公司20%建設中2013年11月(見込み)300(500)Sinopec/華能集団他浙江・寧波(Zhejiang・Ninpo)山東・青島(Shandong・Qindao)河北・曹妃甸(Hebei・Caofeidian)建設中2013年(見込み)350(650)広東・珠海(Guangdong・Zhuhai)建設中2013年9月(見込み)350海南・洋浦(Hainan・Yanpu)建設中2014年8月(見込み)200(300)PetroChina51%、北京控股集団有限公司29%、河北省建設投資公司20%CNOOC25%、粤電集団30%、広州発展燃気25%他CNOOC65%、海南開発控股35%広西・北海政府申請中2015年6月(見込み)300Sinopec 各種報道にもとづき作成 PNG-LNG(ExxoMobil/Oilsearch)他カタール・Qatargas4または豪州Gorgonカタール・Qatargas4または豪Curtis(BG)またはGDFSuezポートフォリオカタール・Qatargas4または豪Curtis(BG)またはGDFSuezポートフォリオ豪AustraliaPacific LNG(APLNG) トルクメニスタンからのパイプラインガス輸入は急速に伸びている。初年度2010年の輸入量は46億m3であったが、2011年6月の輸入量は4,357万m3/日に増加、2011年通年の輸入量は約150億m3に達する見通しである。 トルクメニスタンからの天然ガスを輸入する「中央アジア天然ガスパイプライン」はトルクメニスタンからウズベキスタン、カザフスタンを経由し中国の新疆コルガスまで総延長約1,800km、設計輸送能力300億m3/年のガスパイプラインである。新疆コルガスで第2西気東輸パイプラインと接続、北京等に天然ガス(2)中国が資金とインフラ整備を提供する中央アジアからのパイプラインガス輸入は順調に増加 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 沂汲オている。中国国有石油企業のCNPCが各国国営石油会社とジョイントベンチャーでパイプラインを建設した。中央アジア天然ガスパイプラインは複線で2007年に着工、2009年12月にA線が完成し、2010年10月にB線が完成した。現在昇圧ステーション(8カ所;昇圧機29台、30TWのガスタービン)の設置を順次進めており、輸送能力は177億m3/年に増加した。その結果、2011年1~6月の輸入量は約64億m3と半年で昨年の輸入量を上回っている。2012年6月までに輸送能力は300億m3/年に達する見通しである。 図5:トルクメニスタンからの天然ガス輸入量 (百万m3/月) ルクメニスタンと中国は天然ガス2015年までに300億~400億m3/年の売買について合意している。 ト現在輸入しているトルクメニスタンからの輸入ガスは親会社CNPC 権益を保有するバグチャーリクが(Bagtyaryk)鉱区で生産した天然ガスである。それをCNPCが各国政府と出資・建設したパイプラインを通じ中国に輸送するという流れになっており、利益の一部はCNPC 還流するスキームとなっている模に様である。ただし国内に入るとパイプラインガス価格3は国産・輸入ともに卸価格・タリフを中央政府が、小売価格は地方政府が統制しているため、輸入者であるPetroChinaは逆ザヤとなっている。中国の報道で1m3あたり1元の赤字、つまり165ドル/千m3の赤字と報じられたが、それはこういうことではないかと思われる。トルクメニスタンのガスの中国新疆到着価格(2010年平均)は7.4ドル/MMBtu(280ドル/千m3)だが、これに中国国内のタリフ約4ドル/MMBtuが上乗せされ、北京到着は約12ドル/MMBtu(465ド 3 輸入LNGの卸価格は調達(輸入)価格ベース、小売価格は地方政府が設定 Jun‐11May‐11Apr‐11Mar‐11Feb‐11Jan‐11Dec‐10Nov‐10Oct‐10Sep‐10Aug‐10Jul‐10Jun‐10May‐10Apr‐10Mar‐10Feb‐10Jan‐10China LNG Weekly(中国海関ベース)にもとづき作成 百万m3/月1,4001,2001,0008006004002000Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 求^千m3)となる。さらに付加価値税(VAT)13%が課される。本来、12.4ドル/MMBtuにマージンを上乗せして販売するはずだが北京の産業用ガス小売価格は8~12ドル/MMBtuに統制されており、PetroChinaは恐らく北京市の都市ガス会社北京燃気に8ドル/MMBtu(300ドル/千m3)で販売し、4ドル/MMBtu(約165ドル/千m3)の赤字が生じるというわけだ。2010年の輸入量は46億m3だったので赤字は7.7億ドル以上ということになる。 輸入事業者もパイプライン輸送会社もPetroChinaの傘下企業だが、輸入事業者(PetroChina)側が100%赤字を負担しており、パイプライン事業収入全体としても影響が生じている。PetroChinaの年報を見ると、パイプライン事業の売上は2009年の114億ドル(前年比2割増)から2010年は177億ドルと前年比5割増加した。一方営業利益は2009年が前年比2割増の28億ドルだが2010年は売上が5割伸びたにも関わらず前年比11%増の30億ドルと伸び悩んでいる。 表3:トルクメニスタンからのパイプラインガス輸入価格 ドル/MMbtドル/千m3(中国国境)輸入価格+タリフ小売価格(北京)逆ザヤ71284279465300165 China LNG Weekly等にもとづき作成 図6:PetroChinaのパイプライン事業売上と営業利益 百万ドル20,00018,00016,00014,00012,00010,0008,0006,0004,0002,0000売上営業利益2008年2009年2010年 PetroChina年報にもとづき作成 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ?曹フメディアの中にはPetroChinaが全体として利益を上げているからパイプラインの赤字は負担すべきという乱暴な意見もあるが、それは上場企業として容認するわけにはいかない。政府も天然ガス価格制度の見直しを検討しているがインフレ抑制政策の下作業はなかなか進んでいない。8月に入り財政部がようやく輸入天然ガス(LNG)と政府統制価格の差額についてVATを還付する通知と出した(財関税[2011]39号)。2011年1月1日から2020年12月31日まで、輸入天然ガス(LNG)について輸入価格と政府設定販売価格との差額分の増値税を返金する。中央アジアからの輸入ガスについては2010年末までの輸入分も返金の対象となる。これでPetroChinaは中央アジアからの輸入拡大に踏み切れると思われる。 CNPC(PetroChina)は中央アジア諸国と天然ガス輸入拡大に向け動き出している。トルクメニスタンの他、ウズベキスタンやカザフスタンにおいても鉱区を保有しており、トルクメニスタンと同様のスキームで天然ガスを供給する交渉、パイプライン(支線)の建設計画が進んでいる。 中央アジア諸国はロシアに天然ガスを販売していたが、金融危機後ロシアの買い取り量が減少したことを受け、最近は資金とインフラ整備を提供する中国への出荷拡大に傾いている。上流(ガス田の開発)が順調に進むかどうかは不透明だが、2020年には中央アジアから中国向けのパイプライン輸送能力は最大650億m3/年に達する可能性がある。中央アジアからの天然ガス供給拡大計画については中央アジア担当古幡のレポート「中央アジア:中国向けのガス出荷拡大を目論む中央アジア諸国」をご参照ください。 図6:中央アジアパイプラインと第2西気東輸パイプライン Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 3)ロシアからのパイプラインガス交渉停滞は中央アジアからのガス拡大にある?! 中国は中央アジアに先駆けロシアと天然ガスの輸入交渉を行ってきた。詳細はロシア担当本村のレポート「ロシア:ユーラシアの東西で稼働開始するロシアからの天然ガス・パイプライン -ノルドストリームと極東パイプライン、南回廊の動きは?」をご覧いただきたいが、西(アルタイ)ルート(西シベリアの天然ガスを中国西部新疆までパイプラインを建設し、300億m3/年を輸出)と東ルート(東シベリアの天然ガスを極東ウスリースク~吉林省綏芬河経由遼寧省瀋陽までパイプラインを建設し380億m3/年を輸出)の輸出計画があり、6月の首脳会談時に最終合意し、2015年に輸出開始となるはず合意には至らなかった。現在も交渉は継続しているが、ロシアと中国が価格差で合意できておらず(最近価格差は100ドルから60ドル/千m3に縮小したとも伝えられるが、ロシアは現実的な価格として350ドル/千m3を、中国は235ドル/千m3を主張したと伝えられる)、さらにGazpromはCNPCに400億ドルの前払い金を求めていると報じられている。ESPO(石油)パイプラインのタリフを巡る係争(CNPCがロシアのポスティングタリフ制度はおかしいとして当初13ドル/bbl、その後9ドル/bblの値引きを主張、TransneftとRosneftへの支払いを一方的に減額し、2社がロンドンの仲裁裁判所への提訴を検討)による中国に対する不信感のあらわれであろうか。一方CNPCはロシアに対し、引き取り義務量(take or pay)を一般的な?70~80%から何と30%(これでは引取り義務量とは言えない)に引き下げ、さらに季節的な柔軟性を持たせることを主張したと報じられており、これらの報道が本当なら双方共に呑める条件ではなく年内の合意は難しい、そもそも合意する気はあるのかという疑念すら生じる。 最近Gazpromは西ルートの先行建設を主張、さらに東ルートの交渉は行っていないという発言もある。Gazpromは極東でハバロフスク~ウラジオストクパイプラインを建設中であり、ウスリースクから吉林省綏芬河までパイプラインを建設し、中国国内はCNPCが綏芬河から遼寧省瀋陽までパイプラインを建設すればお互い建設投資は安く済む。中国にとり東ルートは北京や上海などの消費地に近く、既存のパイプライン網を活用することができる。しかしロシアは中国西部(新疆)から入ってくる中央アジアからの天然ガス供給拡大を食い止めるため、西ルート先行建設を主張しているのだろう。また、ロシアはウラジオストク近郊でLNG液化事業(ウラジオストクLNG)を計画している。西シベリアのガスと異なり極東はパイプラインのように販売先が限定されず、付加価値のつくLNG液化事業を優先的に進めたいと思っているようだ。ウラジオストクLNGの総事業費は70億ドル、液化能力は1,000万t/年で日本に700万t、残りは韓国市場に販売する計画で、2016年の稼働を目指している。供給源とされるチャヤンダガス田の確認埋蔵量は1兆2400億m3(約44Tcf)あり、その他の供給候補もあるのでウラジオストクLNGと中国向けガスパイプラインを両方開発することは資源量としては問題ないが、チャヤンダガス田のガスは開発を開始したGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ホかり(2016年生産開始予定)でありウラジオストクLNGに優先的に振り向けられる。北朝鮮とパイプラインガスの交渉を行っているとも報じられるが、LNGの優先度が高いだろう。 中国は西ルートについては中央アジアのガスからの供給拡大が見込まれるので、ロシアからのガスは東から入れ、調達の多様化を図りたいという思惑があったのではないか。そしてパイプライン(東ルート)からウラジオストクLNGに鞍替えし、西ルートをごり押しするロシアに対しおもしろくない気持ちを持っているのではないか。また、中央アジアのガスは前述の通り特別なスキームで利益の一部が中国に還元されるが、Gazpromは供給源のガス田探鉱開発事業やパイプライン事業に中国を参加させる意思は感じられない。中国側としては毎年380億m3から680億 m3/年のガスを輸入するのだから、中央アジアのような上中流参加という形式が無理なら値引きを、あるいは引き取りに柔軟性を持たせて欲しいと主張したいのだろうがロシアは市場原則にもとづき欧州準拠の価格を主張する。中国は中国でロシアと欧州準拠の価格スキームで合意すると中央アジアから同様のスキームへの見直しを迫られる恐れがある、したがってロシアと中国の合意はなお時間を要すると思われる。 2. PetroChinaのパイプラインインフラ整備 中国の天然ガスパイプラインの9割以上はCNPC(PetroChina)が保有している。同社のパイプライン総延長は2005年の2万kmから2010年には3万2800kmに伸びた。 (1)トルクメニスタンのガス、華北山東や東北遼寧省に到達 ①山東天然ガスパイプライン 2011年4月、山東天然ガスパイプラインが完成した。山東天然ガスパイプラインは1幹線6支線(総延長1,067km)で構成されており、2009年9月28日に着工、2011年4月25日完成した。山東秦安-青島幹線パイプライン完成により、トルクメニスタンや中国オルドス盆地(長慶)の天然ガスは4月下旬に山東省青島に届いた。 ②河北~遼寧ガスパイプライン(秦皇島~瀋陽ガスパイプライン) 2011年5月、河北省秦皇島~遼寧省瀋陽間の天然ガスパイプライン(秦皇島~瀋陽ガスパイプライン)が完成した。秦皇島~瀋陽ガスパイプラインは1幹線3支線(秦皇島-瀋陽幹線、葫蘆(Hulu)島支線、盤錦(Panjin)支線、瀋陽支線)で構成されている。 秦皇島~瀋陽パイプラインは陝京パイプラインならびに第2西気東輸パイプラインと接続し、中央アジア、オルドス盆地(長慶)のガスが東北地域にまで供給されることとなる。 (2)第2西気東輸東部区間完成、トルクメニスタンのガスは広東等珠江デルタに南進 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 011年6月、第2西気東輸の東部区間中衛~広州幹線(2,541km)が完成した。第2西気東輸パイプラインは幹線1と支線8で構成され、総延長8,653km(このうち新疆コルガス~広州間幹線総延長4,865km)、総事業費1,422億元(220億ドル)、輸送能力300億m3/年で中央アジア(トルクメニスタン)のガスを主に輸送している。2009年12月に完成した西部区間は2,324km(昇圧ステーション14(電動3、ガスタービン11、独立分岐ステーション5カ所、連絡昇圧ステーション1)で構成されている。 3. PetroChinaのガス事業南進と輸入LNG (1)PetroChinaのガス事業南進 PetroChinaのガス事業南進は広東にとどまらずさらに南部・西南部へと広がる様相を呈している。まず第2西気東輸パイプライン広西・南寧支線の建設計画がある。さらに新疆から福建向けに第3西気東輸パイプラインを建設する計画も進んでいる。第3西気東輸パイプラインは現在建設ルートを選定中だが、中央アジアのガスが主要供給源で途中まで第2西気東輸パイプラインと並走し、終点は福建、設計輸送能力は300億m3/年とされている。 南からはミャンマー沖合のガスを輸入するミャンマー~中国ガスパイプラインの建設が進んでいる。ミャンマー~中国ガスパイプラインはミャンマーのシットウェーから雲南省瑞麗で中国に入り、雲南昆明から貴州貴陽、広西貴港まで国内幹線総延長1,7276.8kmのパイプラインで設計輸送能力は120億m3/年、2013年完成予定である(ただしミャンマーとの売買契約は45億m3/年程度)。また中央政府のFS承認はおりていないが、PetroChinaはミャンマー~中国ガスパイプラインの終点付近であり自社製油所のある広西欽州でLNG受入基地(200万t/y)建設を計画している。 将来的には貴州から四川・重慶までパイプラインを建設し、トルクメニスタンとミャンマーの天然ガスを中国西南部に供給する構想があるようだ。また南部と西南部を接続するパイプラインインフラの整備は将来四川や重慶におけるシェールガスの生産拡大後、珠江デルタ等南部ガス市場への輸送に有効なのではないかと思われる。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 A入LNG は輸入石油製品を駆逐し南部ガス市場において順調にシェアを伸ばしてきたが、PetroChinaの南部向けガスパイプライン整備により今後は国産ガス(シェールガスを含む)、輸入パイプラインガスとの競争にさらされる可能性がある。 中国政府の省エネルギー目標では2015年に天然ガスは一次エネルギー消費の8%、2020年には11%となっており、それを前提とすると中国の天然ガス消費は2015年には2010年の消費の2倍の2,350億m3、2020年には2.5倍の2,726億m3となる。 2020年時点の国産ガスの生産はCBM等非在来型の天然ガスを合わせ約2,100億m3の見通しとなっている。国産ガスは過去10年平均で年率12%伸びており、オルドス盆地を中心に2020年頃まで増産基調にある。また2020年以降はCBMやシェールガスの生産拡大も期待できる。輸入LNGは長期契約の締結状況と基地受入能力ランプアップ等の状況から、長期契約とスポットLNGを合わせ、2020年に4,000万t(540億m3)程度を輸入するのではないかと思われる。 輸入パイプラインガスは中央アジア天然ガスパイプラインの輸送能力が最大650億m3/年に達する可能性についてひとまず置いておき、現時点では売買契約やパイプライン建設の状況から控えめに見積もり、トルクメニスタンとミャンマー(ロシアの数字は含まず)を合わせ、2020年に400億m3程度を輸入しているのではないかと思われる。全て合計すると2020年の供給は日本の2010年の消費量の約3倍の約3,000億m3となり政府省エネ目標を上回ることになる。 2)南部市場で競争にさらされる輸入LNG (各種報道にもとづき作成 図7:ミャンマー~中国ガスパイプライン Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 汲フ次に価格を見てみる。国産ガスの3社平均価格(2010年)は5.7ドル/MMBtu(214ドル/千 供m3)である。2003年頃に売買契約を締結した豪州などのLNGは国産ガスを下回る4ドル/MMBtu(150ドル/千m3)前後の低価格で、5ドル/MMBtu前後の発電用石炭(輸入炭、国内スポット炭)に対しても価格競争力がある。一方、2008年以降に契約したLNGは石油価格と連動しており、ほぼ石油等価である。最も高い契約と思われるカタールのLNGの2010年の輸入価格は約12ドル/MMBtu(490ドル/千m3)で2003年に契約したLNGの3倍以上である。そして2006年に売買契約を締結したマレーシアのLNGやトルクメニスタンからの輸入パイプラインガス価格(2010年)は6.5~7.5ドル/MMBtu(240~280ドル/千m3)前後で国産ガス価格より若干割高という程度である。 2020年の価格についてIEAの“天然ガス黄金時代シナリオ”4にもとづき基準油価を71ドル/bbl、東アジア向けスポットLNG価格を11.7ドル/MMBtuとし、他の輸入LNGは現在の輸入価格をベースに、国産ガスの卸価格は15%上昇するという前提で試算した。マレーシアならびにトルクメニスタンからの輸入パイプラインガス価格は約6.7ドル/MMBtu(250ドル/千m3)でほぼ国産ガスと並ぶ。2008年以降に契約したLNGやスポットLNGは約12ドル/MMBtu(450ドル/千m3)で国産・輸入パイプラインガスと1.8倍の価格差(トルクメニスタンや国産パイプラインガスの南部沿海地域向けの卸価格はタリフが上乗せされ、 4 IEA “Are We Entering a Golden Age of Gas?”(2011年6月) (政府省エネ目標や長期契約等にもとづき作成) 図8:中国の天然ガス需給見通しと政府省エネ目標 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 Jタール等石油等価のLNGとの実際の価格差は1.5ドル/MMBtu(60ドル/千m3)程度に縮小する)が生じる結果となった。2020年以降の南部市場への供給はパイプラインガスとLNGどちらに軍配が上がるのか。 図9:中国の各種天然ガス(LNG)供給規模、価格比較(2010年実績・2020年試算) IEAが2011年6月に発表した天然ガス黄金時代シナリオでは安価なガス、安定した供給、環境規制の強化という条件が揃えば中国のガス消費は産業・都市ガス・発電分野で大きく伸びると指摘している。発電分野における天然ガス消費は安価な石炭火力への依存と原子力や再生可能エネルギーの台頭により、ここ10年で飛躍的な伸びは期待できない。しかし産業・都市ガス分野の許容価格は発電より高く、Source:IEA “Are We Entering a Golden Age of Gas?”(2011年6月) .さいごに 4IEA、輸入統計等にもとづき作成(縦軸は価格、球の大きさは生産・輸入規模) Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 チ費は伸びる見通しである。 中国の南部沿海地域は経済が発展しておりエネルギー需要が高い一方で国内のエネルギー生産地域から離れ、パイプライン等のインフラ整備が不十分であったため、輸入依存度が高く、末端価格の高い市場が形成されていた。2006年に南部で輸入を開始したLNGは国産ガスと同等の低価格であったことも追い風となり、重油やLPGなどの輸入石油製品を駆逐しシェアを拡大した。 2010年に輸入を開始したパイプラインガスは輸入開始からわずか1年余りでLNG輸入量に追いついた。現在輸入パイプラインガスの主な供給先は北部だが、PetroChinaは南部・西南部向けのパイプラインインフラ整備を進めており、これまで輸入LNGの独断場であった南部市場向けに輸入パイプラインガスの供給が増加する見通しである。また2020年以降はCBMやシェールガスの開発も本格化する可能性があり、特にシェールガスは中国西南部のポテンシャルが最も高く、国産ガスの南部向けの供給増加も期待できる。 中国の背後には潤沢な供給力を持つ中央アジア・ロシアが控えており、その気になれば欧州同様大量のパイプラインガスの輸入を行うことが可能である。中央アジアからの輸入パイプラインガス価格は国産ガスより若干割高という程度で、パイプラインタリフを加味しても2008年以降に契約した石油等価の輸入LNG価格に対し競争力がある。またCNPCは中央アジア各国のガス田探鉱開発ならびにパイプライン事業に出資しており、利益の一部は中国に還流するスキームとなっている。中央アジア諸国の天然ガス開発のスピードやロシアとのガス輸入交渉など不透明な要素は複数あるが、CNPC(PetroChina)はロシアではなく中央アジアからのパイプラインガスの輸入をさらに拡大していく可能性がある。 今後10年で中国の天然ガス消費は日本の3倍に拡大し、LNG輸入量は現在の4倍(日本の現在のLNG輸入量の6割)に迫る勢いである。今後も中国のLNG輸入量は増加を続け、日本と並ぶLNG輸入国になるという見方があるが、輸入パイプラインガスや非在来型ガスの供給拡大によりその役割が相対的に低下する可能性がある。中国は日本の3倍を超える天然ガス市場となり、需給ギャップの変動による輸入増減の振幅も大きく、日本を含むアジア太平洋市場のLNG需給に与える影響は小さくないため、今後もその動向に注視していく必要があると思われる。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
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2011/08/16 竹原 美佳
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