ページ番号1004171 更新日 平成30年3月5日

非在来型天然ガスの掘削技術の現状と展望

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レポートID 1004171
作成日 2011-09-09 01:00:00 +0900
更新日 2018-03-05 19:32:42 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 天然ガス・LNG非在来型
著者 伊原 賢
著者直接入力
年度 2011
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 作成日: 2011/9/9 石油調査部: 伊原 賢 公開可 非在来型天然ガスの掘削技術の現状と展望 (国際エネルギー機関IEA、世界石油工学者協会SPE、JOGMEC石油調査部資料ほか) 国際エネルギー機関IEAは今年6月、世界が「ガス黄金時代」を迎えたとするレポートを公表しました。そのシナリオによれば、世界の天然ガス需要は2035年に08年比で62%も増加すると予測。エネルギー全体の需要が年率1.2%で増えるなか、天然ガスは年率2%と約2倍の勢いで伸び続け、世界のエネルギー構成での役割が飛躍するとの見方です。それを支えるのが非在来型天然ガスの存在によってクローズアップされた世界の天然ガス埋蔵量の急増です。本資料では、ガスの開発技術と環境リスクを. 非在来型天然ガスとは何か、その可能性は? 賦存環境 1焦点にして、技術的な視点で解説します。 エネルギー需給のひっぱく懸念、技術の進歩に伴い、地下からの回収が難しいと考えられていた「非在来型」の天然ガスが、シェールガスを中心に注目されている。天然ガスは化石燃料のなかでは、同じ発熱量に対する二酸化炭素の排出量が少ないため(石炭100:石油80:天然ガス55)、天然ガス供給増への期待感の高まりと見てとれる。開発ブームの先駆けとなった米国では、「シェールガス」の供給量と埋蔵量の伸びが大きいため、世界の天然ガス市場の4分の1を占める「米国内のガス需給見通し」が近年一変した。 非在来型天然ガスには、現状、タイトガス・コールベッドメタン・シェールガス*1という三つの開発対象があるが、その期待される資源量は膨大だ(図1)。2008年には米国の天然ガス日産量562億立方フィート/日(年間20.56兆立方フィート*2)の50%が非在来型天然ガスだったことは世界中のエネルギー関係者に衝撃を与えた。コールベッドメタンも米国以外では、石炭化が適度に進み(ガス吸着量の大きい *1 タイトガス: 浸透率0.1ミリダルシー未満の砂岩に含まれる天然ガス コールベッドメタン: 石炭層に吸着したメタン シェールガス: タイトガスよりも浸透率が2桁以上低い(0.001ミリダルシー未満)泥岩の一種である頁岩(シェール)に含まれる天然ガス (1ミリダルシー=9.87 x 10-16 m2) *2 1兆立方フィート = 283.2億立方メートル 1フィート = 0.3048メートル 1/13 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 l青炭~無煙炭)、空間的広がりを持ち、かつ、良好な浸透性が保持されている石炭層を陸上に有するオーストラリア、インド、インドネシアを中心に開発が進んでいる。欧州のシェールガス・ポテンシャルも技術的回収可能量が639兆立方フィートと注目され、スウェーデン、ポーランド、ハンガリー、英国、ドイツ、フランス、オーストリア他で開発評価が進められている。 図1 天然ガスの資源量トライアングル 2に非在来型天然ガス資源の賦存環境例を示す。米国のテネシー州とアラバマ州にまたがるチャタ 図ヌーガ堆積盆地では、非在来型天然ガスの3点セットであるタイトガス、コールベッドメタン、シェールガスが確認されている。 図2 非在来型天然ガス資源の賦存環境(米国のチャタヌーガ堆積盆地) 2/13 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ン来型天然ガスの登場は、「1980年以降の米国内ガス供給の動き」を時間軸で追うとわかる。産業用へのガス使用拡大を目指し、連邦政府や州税の控除対象として80年代から注目された砂岩からのタイトガスの開発には、垂直井に水圧破砕を施しガスを産出していたが、最近の対象は炭酸塩岩・火山岩・石炭層・シェールに広がりを見せており、水平坑井や多段階フラクチャリング(図3)が適用されるようになってきた。北米を中心に90年代初頭にはコールベッドメタンにも注目が集まった。その効果があって生産余力は1986年に日量160億立方フィート/日まで膨らみ、1985年から2000年までガスバブルの時代を迎えたのだ。バブル期の1995年にはガス価は$1.58/MMBtu(1 MMBtu=25.2万kcal)まで下がって需要が伸び、生産余力は40億立方フィート/日まで落ち込んで、米国の天然ガス消費の伸びをどう支えるかが課題となった。2000年に入ると、LNG輸入も念頭に入れつつも、その救世主としてシェールガスに注目が集まったのである。 . どういった経緯で登場したのか? 2図3 水平坑井と多段階の水圧破砕のイメージ 開発の主要技術(水平坑井*3、水圧破砕*4ほか)も進歩した。一つの坑口位置から複数の水平部分を *3石油や天然ガスの閉じ込められた岩石の層に沿って掘削される井戸(坑井)のこと。通常の垂直・傾斜井に比べ、岩石との接触体積が多く取れるため、一坑当りの生産量を数倍に増やすことができ、80年代後半より広く、石油開発に使われるようになった。石油や天然ガスの地下からの回収率を向上させる万能薬とも言われる。 *4原油や天然ガスが存在する地層に圧力をかけて作った人工的なフラクチャー(割れ目)により、原油や天然ガスの流れにくさを改善する技術。坑井を介して、水・酸・合成化合物から成る流体に圧力をかけて作られた地層の割れ目に、流体に混ぜた砂の粒子を圧入・保持させることで、圧力を除去した後も割れ目が閉じないようにする。1940年代後半に開発され、60年強の歴史があります。その後の技術進歩に伴い、地層に沿って段階的に作ったフラクチャーの分布もモニタリングできるようになり、シェールガスといった非在来型天然ガスの生産増に大きく寄与している。 3/13 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 烽ツ坑井も出現した。水平部分の長さが2kmを超える水平坑井や水平部分への多段階水圧破砕も広く適用されるようになった。水平坑井の水圧破砕において、割れ目が貯留層中に広がらず上下に成長し、帽岩(キャップロック)を壊し、他の貯留層や帯水層につながってしまうと、ガスの回収に支障をきたす。そこで、割れ目に関する情報を少しでも多く得るために、割れ目そのものを観測し、その成長や広がりも把握できるようになった。 圧破砕の要素技術として、「プロパント」と呼ばれる砂等の粒子がある。プロパントは、貯留層の水圧 水破砕を完了して加圧を解除した後、形成した割れ目を支えて再び閉じるのを防ぐ目的で用いられる。図4に示す様に、プロパントの強度とそれに伴う流路の確保、さらには生産レート、総推定生産量との関係がコストバランスの見地から検討されるようになった。理想的には、水圧破砕の回数は坑井の寿命において1回で済ませたいものだ。経済合理性を持った流路の確保が、水圧破砕技術の将来像として大事になる。 図4 出所: SPE資料を基に作成 発技術の一見地味だが、たゆまない進歩(Quiet Revolution)が確実に天然ガスの可採埋蔵量増加 開シェールガスの開発は米国中堅企業により主導されたが、その資源としての規模の大きさに、大手石につながっていることが、確認されたシェールガス・エリアの大きさと生産量の伸びから判る。 . 非在来型ガスによる技術的回収可能資源量の増加、世界需給への影響 34/13 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 精?ミも続々参入した。技術の進歩が20世紀までは地下からの回収が困難と考えられていた「シェールガス」を米国の新たな巨大天然ガス資源へと押し上げたのだ。この非在来型ガスを在来型ガスへ押し上げるうねりは、世界的展開を見せている。まずは、カナダ・欧州・中国ほかへの普及が注目されるところだ。 米国エネルギー情報局EIAは2011年4月にシェールガスの「リスクを含む原始埋蔵量」と「技術的回収可能資源量」を各々25,300兆立方フィート、6,622兆立方フィート(図5)と推定した。世界の在来型天然ガスの残存確認可採埋蔵量約6,400兆立方フィート(2009年末)、年間の天然ガス消費量106兆立方フィート(2008年)と比べても膨大なことが判る。 図5 世界のシェールガスの技術的回収可能量の分布(2011年4月) 平坑井や水圧破砕など技術の飛躍的な進歩により、世界中に眠っている膨大な量の天然ガスの存 水在が明らかとなり、非在来型ガスの技術的回収可能量は230.3兆立方メートルと試算され、少なく見積もっても、残された在来型(404.4兆立方メートル)の60%弱も存在することが明らかとなった(図6)。 「技術的回収可能量」は、経済合理的に市場に出回る「残存確認可採埋蔵量」と等価ではない。輸送5/13 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 Cンフラも含めた市場に出回るガス価格に見合う「生産コスト」を実現できたとき、はじめて残存確認可採埋蔵量の議論が出来る。 図6 世界の天然ガス資源量分布(技術的回収可能量) 上を基に、「技術的回収可能量」の半分が経済合理的に地下から取り出せるとすると、世界の天然 以ガスの可採年数は在来型ガスの残存確認可採埋蔵量をベースとした60年から、少なくとも160年を超えるのは確実になったと言えよう。 ェールガスは非在来型ガスのなかでも手付かず状態で、資源量も膨大だ。また、収益性も高いが、 シ投資もそれなりに必要だ。このため、資金面での強力なパートナーが求められる。日本の商社も増大する生産量に注目し、2009年より参入を開始した。井戸1本あたりの生産量はそれほど多くないが、大きく広がっているシェールガス鉱床にパートナーの協力を得て、何千本もの井戸を掘れば、生産量の伸びが期待できる。LNG(液化天然ガス)プロジェクトと比べガス生産を始めるまでの時間が短く、市場の動きに連動しながらの生産量調整も容易なのが、事業者にとって魅力のあるビジネスモデルだ。 シェールガス開発が盛んな米国では石油メジャーが続々と参入した。2008年に石油メジャーの英国BPや米国ExxonMobilのガス生産量は前年比マイナスだった。しかし、米国の石油中堅企業のChesapeakeやAnadarko、XTOは前年比二桁の伸びを示した。この差はシェールガスを取り扱っているか6/13 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ヌうかにかかっていると言われている。 このため石油メジャーは開発技術の取得を目指し、中堅企業との連携を活発化させた。2009年末にExxonMobilはXTO社を約4兆円で買収して関係者を驚かせた。米国のシェールガス開発ノウハウを欧州の新規事業へ展開するもくろみと言われる。時を同じくガス生産の大手Devon社はメキシコ湾大水深の優良資産(Cascade, Jack, St.Malo:可採埋蔵量3億~9億バレル)を13億ドルで売却し、その資金を米国内のシェールガス開発に集中すると発表した。政治や商業、技術リスクの低い資源開発になったこ開発による周辺環境へのインパクトは「開発推進派と環境派の攻防」の視点から論じられている。シェールガスの開発業者にとって、ガス井掘削活動の維持拡大のため、水圧破砕と帯水層汚染との因果関係の解明は喫緊の課題となっている。それは、水圧破砕に用いられる多量の水やポンプ類の移動があるからだ。周辺環境として人口の密集は開発を妨げる要因となる。 4-1. 水圧破砕技術の環境面へのインパクト 2010年に開催されたWorld Energy Congressにおいて、IHS-CERAの代表Daniel Yergin氏は、シェールガス開発を21世紀に入って最も大きなエネルギー革新/革命と位置付けた。水平坑井と水圧破砕技術の進歩なしでは、シェールガス開発は現実のものとならなかっただろう。扱いが厄介でなく、経済合理性を持ち、市場に近いガス供給源を持つことは政治的なリスク軽減にもつながる。さらにメタンリッチな天然ガス資源は、石炭や石油と言った他の化石燃料資源に比べてCO2の排出割合が低く、シェールガス開発を魅力的なものにしている。テキサスA&M大のStephen Holditch教授は、「今後20年、天然ガスの使用を促進することはクリーンエネルギー供給の望みにつながる」と述べた。 しかしながら、シェールガスの開発エリアが人家や地下の帯水層に近づくと、フラクチャリングによる環境汚染のリスクが世論の関心(恐れ、疑問)を呼ぶようになった。米国外では、「米国での水圧破砕への世論の動き」を、米国政府の反応やメディアの報道をウォッチして、そこから学ぼうとしている。NSI Technologies社のMichael Smith社長は、「フラクチャリングは通常帯水層の下方数千フィートの貯留層に対して行われるため、また化学物質はほとんど環境に優しいため、多くの関心は未知のまま」と述べている。天然ガスが地表まで流れる流路が作られる確率は極めて小さいと考えられる(図7)。マーシェラス・シェールガスエリアにおけるフラクチャリングの広がりと帯水層には垂直方向に少なくとも4,000フィートの距離が確保されているとの報告がある(出所: Pinnacle Halliburton Service, Kevin Fisher, Data Confirm Safety of Well Fracturing from July 2010)。 7/13 とを裏付けている。 . 環境への影響 4Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 B井設計の不手際が地表に近い坑井内であれば、環境汚染の原因となりうるだろう。Smith社長は明言していないが、もし坑井が地下で大きな断層を貫いているとしたら、水圧破砕では多量の水を高圧で地下に圧入するため、それが断層に伝わり微小な地震を発生させる可能性はある。 図7 シェールガス開発による周辺環境へのインパクト(イメージ) 4-2. 水圧破砕への世論の関心 環境対策には、今までの経験やノウハウが大事になる。水圧破砕に用いられるフラクチャリング流体は水、砂(プロパント)、化学物質から構成される(図8、表1)。 フラクチャリング流体には圧入を容易にするために摩擦損失が少ないことが要求される一方、プロパント輸送のため、および逸水を防止して昇圧を容易にするために、ある程度の粘性が必要。万一の漏洩を考慮して無毒性あるいは低毒性であることも要求される。このようなことから、フラクチャリング流体には水と砂以外にゲル化剤、スケール防止剤、一部の岩石やセメント溶解のための酸、摩擦低減剤などの様々な化学薬品が含まれる。ゲル化剤は地層中で熱分解し、吸収されるものが選択される。 表1の成分・組成例の1から4は公開年がこの順であり、2010年7月公開の成分・組成例3ではそれ以前に比較して添加物の種類が大幅に少ないことが判る。成分・組成例4は2011年2月に公開されたものであり、成分・組成例3で使用されていた塩酸を含まない。なお、深い(高圧の)シェール層では低粘性のフ8/13 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 宴Nチャリング流体(Slick-Water)を使用するが、これは摩擦低減剤と同様に圧入を促進するため。また、浅い(低圧の)シェール層では窒素などの気泡を混入したフラクチャリング流体なども用いられる。 フラクチャリングでは大量の水を使用することから、その確保が一つの課題だ。河川水のほか、例えばBarnettシェールのDallas/Fort Worthプロジェクトでは空港の水設備から供給を受けたようであり、消火用水を使用することもある。河川水の場合には取水量の制約を受けるため、降水量が多い時期に取水してシェールガス生産現場付近の池等で貯水しておき、フラクチャリングに備えるようだ。また、ゴルフ場の池を水源または貯水池に利用する例も報告されている。 環境規制の観点からも、フレッシュな水源をフラクチャリング流体に用いることには限界があり、生産水を処理しフラクチャリング流体として使用することが、シェールガスの生産増に欠かせない。その点で、フラクチャリング流体を早く地層に圧入させるためのポリマーである「摩擦減少剤:Friction Reducer」の開発が重要だろう。その際、地層への付着を防ぐため併用される殺生物剤(biocide)やスケールインヒビターとの相性も大切になる。 大量の水資源利用に対する配慮と、水確保に関する不安材料解消の両面から、フラクチャリング後に地上に戻る水(フローバック)を処理して再利用することが主流になりつつある。 図8 フラクチャリング流体の組成例(重量%) 9/13 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 \1 フラクチャリング流体の成分・組成例 5) ) Modern Shale Gas:Development in the United States:A Primer、US DOE レポート、2009年4月 2) Energy in Depth(米国中小ガス生産会社の団体)ホームページ、http://www.energyindepth.org/frac-fluid.pdf 3) Hayes, T.、Produced Water Research Project、RPSEA Unconventional Gas Conference 2010 発表資料、2010年4月 4) Hydraulic Fracturing、Range Resources 社、2010年7月、同社ホームページ、http://www.rangeresources.com/rangeresources/files/6f/6ff33c64-5acf-4270-95c7-9e991b963771.pdf 5) Range Resources 社のCompany Presentation、2011年2月、同社ホームページ、 http://www.rangeresources.com/rangeresources/files/9d/9d718f88-13ab-4b93-a486-75245346598e.pdf 1出所: 1)-2) 3) 4) 然ガスの開発・生産活動は、浅部の帯水層や地表の水源を汚染するリスクをはらんでいる。干ば 天つ時の掘削やフラクチャリング用の水確保も容易ではない。規制や検査、関係機関EPA、米国議会、産ガス州政府との連絡調整がリスク軽減に必要となる。それらをクリアした上でシェールからのガス生産はある程度可能となるだろう。 ただ、浅部の帯水層や地表の水源を汚染する可能性をゼロにすることはできない(ニューヨーク州は2010年8月に2011年7月までの新しいガス井掘削のモラトリアム/一時停止を設定。その後1年の延長)。若干の漏えいやリーク、地下の汚染事例は直接的に水供給システムに影響を与えるものではないが、水圧破砕を伴うシェールガス開発の社会的受容性を低下させるものとなるだろう。化学物質の成分は公開対象となるが、製法は企業の守秘義務に抵触する課題もある。しかし、最近はフラクチャリング流体による環境汚染を懸念するシェールガス開発反対派(環境派)に対する配慮から、可能な限り添加剤の種類を減らし、かつ有害なものを排除すると共に、その組成を積極的に公開する方向にある。米国の中小ガス生産会社の団体のホームページ「Energy in Depth」では、添加物は全体の0.49%に過ぎず、「プール10/13 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 禔A非在来型ガスの開発技術のうち、水圧破砕の作業には多量の水やポンプ類の移動が必要と 一なり、雇用創出に大きく貢献する(ペンシルベニア州の雇用増4万8,000人)。米国連邦議会はシェール水の消毒」、「化粧品の添加物」等、日常生活の用途が記載されており、その安全性を主張している。 ガス開発に伴う雇用創出手段として、この開発を支持している。 上記のような世論の関心は、映画でも紹介されている。 ・ 開発推進派の映画: Haynesville(www.haynesvillemovie.com), Gas Odyssey(www.gasodyssey.com) ・ 環境派の映画: Gasland(www.gaslandthemovie.com), Split Estate(www.splitestate.com) ガス生産に伴う水(フローバック)の汚染リスクをはじめ、開発規制や検査、関係機関との調整などリスク軽減は欠かせない。これらの問題を克服したうえでシェールからの安定的なガス生産も可能になるだろう。 5. 今後の展望(非在来型が天然ガスの主役になるか?) 非在来型のタイトガスは、2009年末に米国の天然ガス生産の統計上の分類で在来型ガスに組み入れられた。生産量が増加し、もはや開発が難しいガスではなくなったからで、在来型と同じ土俵で勝負できるということだ。シェールガスもタイトガスと同じような技術を使って取り出すので、将来は非在来型から在来型の天然ガス資源として扱われる可能性が高いと思う。 この「シェールガス」という非在来型ガスを在来型ガスへと押し上げるうねりは、世界的高まりを見せている。まずは、カナダ・欧州・中国ほかへの開発技術ノウハウの伝播が注目されるところだ。当地での開発課題となる技術・インフラのリスクと、それらがガスの生産コストに及ぼす影響に注目すると、伝播の速度が見えてくる。世界の非在来型ガスの生産レベルは、2008年で石油換算400万バレル/日強とLNGの市場規模(8兆立方フィート、世界全体ガス消費の7.5%)と拮抗しながら上昇を続けている(図9)。 11/13 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 2/13 図9 世界の非在来型天然ガスの生産レベルはLNGの市場規模と拮抗 ェールガスの登場によって増えた「世界のガスの大供給余力」は、原油価格にリンクさせている シLNGの価格フォーミュラに変革を与えると思われる。日本もその恩恵を受け、現在の長期契約の取引形態も変わるかもしれない。天然ガス価格を現状レベルの$12~13/MMBtuよりも安く仕入れることができるよう、本邦の電力・ガス会社も活動中だ(図10)。 図10 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 世紀にはいって脚光を浴びるようになったシェールガスによる天然ガスの大供給余力は、開発に 2よる周辺環境へのインパクトに細心の注意を払うことで、人口増や東日本震災といった災害に対応した世界のエネルギーミックスを考える際に、再生可能エネルギーが経済合理性を確保するまでの当分の間、工夫の余地をひろげることになると思う。この大供給余力を背景に、天然ガスサプライチェーンの充実、天然ガスの利用技術の普及が望まれるところだ。 以上 NHKテレビ 視点・論点「天然ガス埋蔵量の急増」、2011年9月20日、伊原賢 出演予定 <参考映像> 13/13 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
地域1 北米
国1 米国
地域2 北米
国2 カナダ
地域3 アジア
国3 日本
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 北米,米国北米,カナダアジア,日本
2011/09/09 伊原 賢
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