ページ番号1004186 更新日 平成30年2月16日

非在来型の原油や天然ガスの生産にかかる技術トピック

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レポートID 1004186
作成日 2011-10-18 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 エネルギー一般技術
著者 伊原 賢
著者直接入力
年度 2011
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 作成日: 2011/10/7 石油調査部: 伊原 賢 公開可 非在来型の原油や天然ガスの生産にかかる技術トピック (米国エネルギー省DOE、国際エネルギー機関IEA、世界石油工学者協会SPE、JOGMEC石油調査部資料ほか) 近年、その供給余力から注目される非在来型の原油や天然ガスの生産を支える技術について、3つ1950年代にM. King Hubbertが唱えたピークオイル論は「原油の生産は資源量に制限される」ということでしたが、正しくなかったことが判明しました。長期的には資源は有限だが、短中期的にはそうとも言えないのです。 生産能力の限界に筆者を含む技術者は挑戦しているところです。Hubbertが唱えたピークオイル論は米国48州ではフィットしていましたが、超大水深(例えば、ブラジルのサブソルト)での近年になってからの探鉱成功などが生産能力拡大に寄与している状態を見ると、ピークオイル論では説明に無理が生じます。テキサスA&M大のSteve Holditch教授が提唱した「資源量のトライアングル」は非在来型の油やガスは、地下から取り出しにくいが、その資源量は豊富であることを示しています(図1)。しかし、非在来型の油やガスは、その生産予測も難しいのです。米国発のシェールガス革命も10年前にそのことを予測する者はほとんどいませんでした。 近年、石油開発をめぐる環境の変化には、油価の高値変動、イージーオイル(在来型油田)の減退、新規需要市場の登場、技術者の人材入れ替え、低炭素化、資源ナショナリズムの台頭などが挙げられます。このような環境変化の下では、国営石油会社NOCの支配力と、国際石油会社IOCの力と技術トレンドとの関係は図1のようにまとめられると筆者は考えています。 . ピークオイル論を打ち破る非在来型の油やガスの存在 1のトピックを紹介します。 1/12 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 }1 在来型の油やガスの支配状況がもたらす非在来型資源へのシフト 009年の世界の原油生産は、日量8500万バレルでした。2019年の需要は日量9500万バレルと予想さ 2れています。既存の在来型油田の減退を考えれば、単に日量1000万バレルを積み増せば良いという訳ではなく、日量4500万バレルの新規生産が必要となるでしょう(IEAシナリオに基づく2011年SPE会長Alain Labastie氏談)。この生産能力拡大へのチャレンジへの努力は膨大なものとなります。 生産能力を新規で日量4500万バレル積み増しさせることには、氷海や大水深での石油開発(図2)に加え、非在来型の油やガスの起源や生産技術をしっかり理解した上で、技術力・投資・人的資源の投入が必須となります。 2/12 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 o所: NHKテレビ 視点論点「海底油田の世界的現状」2010年8月23日放映 図2 大水深での石油開発エリア 今年2011年5月に米国エネルギー省DOEのチュー長官が発信した文書「Charge to Secretary of Energy Advisory Board Natural Gas Subcommittee to Examine Fracking Issues」やそれに先立つ4月の米国下院エネルギー商業委員会のレポート「Chemicals used in hydraulic fracturing」では、「水圧破砕におけるガスとフラクチャリング流体の動き:図3」を十分理解した上で、シェールガス開発を中心とした環境問題と対策について調査を行うことが決められました。2012年に中間レポート、2014年に最終レポートが出される予定です。 査の背景と対象を列記します。 (cid:57) 米国エネルギー情報局EIAは、シェールガスやコールベッドメタンといった非在来型ガスの本 調格生産に伴い、米国の天然ガス生産はあと110年自給できると推計。 (cid:57) 水圧破砕のサービス会社14社に対して、2005年~2009年にかけて使われたフラクチャリング流体の組成や含まれる化学物質の公開を依頼(フラクチャリング流体2500種類、化学物質750種類、量29.5億リットル、坑井元で加えられた水を含まず)。化学メーカーから買ってその中身が特定できないものも含む。 (cid:57) 化学物質として、塩、クエン酸、ベンゼン(発がん物質)、鉛、メタノール(大気汚染、飲料水の安3/12 . 水圧破砕におけるガスとフラクチャリング流体の動き 2Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 S基準)、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、2-ブトキシエタノール、BTEX(ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン)がリストアップ。フラクチャリング流体2500種類の内、750種類のものが量や濃度によっては、発がん物質の疑いや大気汚染・飲料水の安全基準に引っかかるもの。 (cid:57) 利害関係者の関心事: 地下水や地表水の汚染、大気汚染、エコシステムへのインパクト、公衆の安全、経済効果。 (cid:57) 化学物質のProvisional Peer Reviewed Toxicity Values (PPRTVs)の調査。 (cid:57) 調査の対象エリア: Bakkenシェール, Barnettシェール, Marcellusシェール, Raton堆積盆地 (コールベッドメタン), Niobrara Shale 図3 水圧破砕におけるガスとフラクチャリング流体の動き フラクチャリング流体の取り扱いについては、大量の水(1坑井あたり3,000~10,000m3)の利用に対する配慮と、水確保に関する不安材料解消の両面から、水圧破砕後に地上に戻る水(フローバック)を処理4/12 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 オて再利用することが主流になりつつあります。 天然ガスの開発・生産活動は、浅部の帯水層や地表の水源を汚染するリスクをはらんでいます。干ばつ時の掘削や水圧破砕用の水確保も容易ではありません。規制や検査、米国環境保護局EPA、米国議会、産ガス州政府との連絡調整がリスク軽減に必要です。それらをクリアした上でシェールからのガス生産となります。 ペンシルベニア州のMarcellusシェールにおいては、「生産水とフローバックのリサイクル」は必須な作業になろうとしています。そのきっかけは2011年4月半ばに州の環境保護局から出された通知「15の水処理プラントがMarcellusシェールにおける生産水とフローバックの処理を中止」です。処理された水を河川に投棄することも中止されます。ペンシルベニア州ではそれまでフラクチャリング流体の3分の2がリサイクルされていました。シェールガス開発業者は、環境論者、政治家、地権者と開発の是非を巡って闘争の場に立たされています。Marcellusシェールにてガス開発を行う業者の一つRange Resources社では、生産水とフローバックをほぼ100%リサイクルしているとのことです。4月半ばのペンシルベニア州環境保護局からの通知は、その方向性を強めるものでした。ピッツバークの水処理業者Kroff Oil Services社はフローバックの100%リサイクルの実践面と安全面を説いてきました。Range Resources社のフローバックのリサイクルは2009年8月に始まり、2010年には96%のリサイクルに成功しました。フローバックのリサイクルと生産水の処理を行っていくうちに、新鮮な水がいつもフラクチャリング流体に必要でないことも分かってきました。 フラクチャリング流体の水は、ガスの本格生産開始前に10~30%が地表に戻ります。フラクチャリング流体用の水を運搬するトラック代もばかになりません。その意味でもリサイクルは水圧破砕のコスト減につながります。ガス井から回収された水は、地表のピットに貯められます(図3)。坑井元の簡易的な水処理装置で水をある程度浄化し、再利用する技術も実用化されています(ハリバートン社の水処理技術CleanWave)。トラックに搭載されたCleanWave装置はコロラド・ノースダコタ・ルイジアナ州で稼働中です。 テキサス州では産出水の地下への処分圧入コストが安いため、フラクチャリング流体の再利用は5%に留まっているとのことです(テキサス大の調査)。同州のEagle Fordシェールの開発ブームは干ばつ地での水の大量利用となるので、坑井元での水処理・再利用は、その必要性が高まるでしょう。 より多くの水圧破砕をより少ない水で行う際の教訓としては、ある程度汚れた水を再利用する技術が大事です(処理して飲料水に近い水を作ることではない)。カナダのHorn Riverシェールでは塩分濃度の高い帯水層からの水をフラクチャリング流体に活用しています。フラクチャリング流体の質についての共通の基準(バリウム、硫酸塩の含有量)はまだありません。 5/12 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 tラクチャリング流体のリサイクリングの経済性は、ペンシルベニア州の水処理プラントがMarcellusシェールからの生産水とフローバックの受入・処理を完全に終えた時、突然悪くなるでしょう。坑排水の地下への圧入はペンシルベニア州では認められていないため、州外(オハイオ州)への長距離輸送が必要となります。圧入チャージは1.5~2ドル/バレル、輸送トラック代は100ドル/時が相場です。 坑排水のピット貯留がかなわない場合には、坑排水を坑井元で浄化することになります(Vapor Recompression)。Purestream Technology社のチャージは3.5~7.5ドル/バレルだそうです。 Marcellusシェールからの水の特徴として、海水よりずっと塩分濃度が高く、ストロンチウムやラジウムを含みます。1日100万ガロン(3,785m3)の水処理能力を持つプラントは400トンの廃棄物を出します。フローバック中のバリウム含有量は3グラム/リットル~17グラム/リットルです。バリウム、鉄分、ストロンチウム、硫酸塩、スケール*の取り扱いが大事になります。カートリッジ型フィルターでは固形分の15~20%しか除去できません(テキサスA&M大Burnett教授)。坑排水の圧入と水の処理・浄化のコスト比較が必要で貯留岩からの流路を如何に作るか? 技術(水圧破砕に用いる/プロパント、水平坑井、多段階の水圧破砕)の最新動向について、次に掘り下げます。 3-1. プロパント 米国の石油生産量は2008年まで下げ止まらなかった(1995年860万バレル/日、2000年800万バレル/日、2008年690万バレル/日)のですが、2009年より一転して増産(2009年740万バレル/日、2010年770万バレル/日)に転じました。2年連続の増産は25年振りの快挙で、2008年の経済危機を考えると信じがたい事実でした。これに大きく貢献したのが、シェールオイルの生産です。シェールオイルの生産にもシェールガス同様に水圧破砕技術が使われます。 水圧破砕と出来た割れ目の支持材(プロッパント)が、シェールオイルの貯留岩から坑井への流路を如何に確保するかの鍵となる技術であることは言うまでもありません。 高品質なプロッパントと増加する生産レートや総推定生産量との関係を図4にイメージ化しました。シェールオイル開発の場合、油価が50ドル/バレル以上だと、内部利益率は急に上昇することが判って * 溶解限度を超えて析出した固形物。水中に存在する化合物の内、ある種のものは、水に対する溶解度が有限であり、その濃度が溶解度を超えるとスケール(またはスラッジ)を生成する。スケールが生成されると、管路においては管路抵抗の増大、ヒーターや熱交換器では熱効率の低下をきたし、更に進めば、管路が閉塞される。スケール対策は、各種設備の効率と安全性を維持する上で、重要な役割を持つ。 6/12 . 低浸透性貯留岩の流動性改善技術 3す。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 }4 出所: SPE資料を基に作成 4にイメージ化した流路の拡大について解説したSPE論文は20件以上あります。それを「プロッ 図パントの使用の歴史」として、次に記述したいと思います。 高強度のプロッパントの探求は、Exxon Production Research社のE. Claude Cookによって70年代半ばより始まりました。その結果、焼結ボーキサイトを使った水圧破砕の特許に発展し、セラミック製のプロッパントが生まれました。 75年に樹脂コーティングで強化された砂粒は、水圧破砕後のフローバック水の中の砂を少なくするために導入されました。砂粒を事前に強化された樹脂で包み込むことで、水圧破砕時の砂の割れ目からの流出を防ぎ、流路を確保することが出来たのです。長年にわたって開発・改良されたプロッパントは深く垂直に掘られたガス井での使用に限られていましたが、2003年ごろから2007年にかけて、その使用範囲を水平坑井に施す多段階の水圧破砕(図5)にまで広げ、米国でのガス価は4ドル/MMbtu近辺で下げ止まるまでに、国内ガスの供給能力が急増したのです。 7/12 きました。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 }5 水平坑井と多段階の水圧破砕のイメージ に起きたことはプロッパント製造会社に決定的な変化を与えました。2008年までに幾つかの操業 次会社/オペレーターは、テキサス州の東からルイジアナ州の北に亘って広がるHaynesvilleシェールに対して長い水平区間を持つ水平坑井を掘り、そこに水圧破砕を施すことを試すことになりました。水平坑井を横断するように作られた割れ目は数に限りがあるため、プロッパントの入った割れ目を流れるガスの流速は非常に高くなりました。十分な流路を確保するために、セラミック製の高強度のプロッパント(図4)が使われたのです。 過去に典型的な10,000フィート(3,050メートル)の深さの垂直井では、3段階の水圧破砕が施され、約60万ポンド(272トン)のプロッパントが使われました。傾斜掘りの登場により、水圧破砕を施す坑井内のエリアを増やすことが出来るようになりました。水圧破砕の段数が5倍に増えるとプロッパントの量も約250万ポンド(1,135トン)に増えました。 掘削活動が活発になると、耐熱性も高いセラミック製の高強度のプロッパントが不足気味となり、代わりに、樹脂コーティングで強化された砂粒が必要に応じて使われました。その頃、シェールオイル生産を対象にノースダコタ州のBakken/Three Forks構造に水平坑井が掘られるようになりました。2009年に経済危機からの立ち直りが見えてくると、シェールオイルを開発する際には、プロッパントの強度とそれに伴う流路の確保、さらには生産レート、総推定生産量との関係がコストバランスの見地から検討されるようになったのです(図4)。 コスト面からいっても、水圧破砕の回数は坑井の寿命において1回で済ませたいものです。経済合理性を持った流路の確保が、水圧破砕技術の将来像として大事になります。流路のモニタリングに用い8/12 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 髟厲ヒ性同位元素は非放射性のトレーサーにとって代わられるでしょう。割れ目内のプロッパントの配置のモニタリングも将来的には必要になります。 プロッパントのコストは、Bakkenシェールの場合、1坑あたりの掘削仕上げコスト約600万ドルの5%に相当するそうです。1坑あたりに使われるプロッパントの量も2000年代前半の30万ポンド(136トン)から現在の20段階以上の水圧破砕を施す水平坑井では、300から500万ポンド(1,362~2,270トン)にまで急増していいます。 プロッパントの坑井内での特性把握(プロッパントからの細粒の発生とそのフラクチャー流路内の移動、プロッパントの強度、流路の広がり/有効性、フラクチャリング流体の地表への戻りとフラクチャー内のプロッパントの再配置、プロッパントによる坑井内でのスケール発生)には、一層の技術開発が望まれます。 3-2. 水平坑井、多段階の水圧破砕(図5) 多段階の水圧破砕の適用に当たっては、ガスや油の貯留層に接する坑井内に鉄管をセットする「ケーシング仕上げ(Plug and perf)」とセットしない「裸坑仕上げ(Open hole)」との比較が議論されるようになってきました。現状では、坑壁が崩壊しない十分な強度を持つならば、Open holeの方が3つの点で経済合理性が高いのです(12カ月後のガス回収量増、坑井仕上げコスト減、仕上げ日数減:5日→1日)。 水平坑井と水圧破砕の多様性を見てみると、工場生産のようなアプローチが全てに通用するわけではないことが判ってきました。ベストプラクティスを決めるのは難しいのですが、水圧破砕の段数、穿孔(パーフォレーション)手順、プロッパント量、水平部分の長さのデータを数年の作業データから分析すると、水圧破砕の段数が多ければ多いほど、貯留層から採りだせる油やガスの量が増えることが判ってきました。よって、水圧破砕の最大段数は、20から数年で40にまで増えました。多段階の水圧破砕に代表される掘削仕上げの進化は、探鉱開発コストの推移と比較するとイメージできるでしょう。近年、米国ノースダコタ州のBakken構造におけるシェールオイル開発が注目されているのは、その開発技術が日進月歩進歩しているからです(図6)。 9/12 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 }6 米国Bakken構造におけるタイトオイルの開発技術 (掘削仕上げの進化と探鉱開発コストの推移) 際の生産データは、貯留層内の流体の動きをコンピュータでシミュレーションした結果と食い違う 実ことも判ってきました。カナダ・ブリティシュコロンビア州のHorn Riverシェールでは過去数年にわたって、水平部分の長さが4,000フィート(1,219メートル)の水平坑井がケーシング仕上げ(Plug and perf)され、そこに水圧破砕が施されました。水圧破砕の段数も増えました。あるオペレーターは一つの井戸に対して、100段階の水圧破砕を実施したと発表しました。最新の貯留層モデリングによれば、通常の12から18段の水圧破砕であれば、生産開始後10年たっても、フラクチャー間の圧力の減退はないとのことです。100段階もの水圧破砕を実施する際の問題点は、ケーシング仕上げ(Plug and perf)では、水圧破砕を実施するのに40日間も要するということになります。40日間もタイトなシェールガス層がフラクチャリング流体にさらされるということは、ガス層にとって良いことではありません。作業監督上やコスト面からも、ばかげたことに近いと言えるでしょう。 水平部分の長さを長くできることは、貯留層との接触体積を多くとれることからも流体の回収に得策です。掘削技術の進歩により、水平部分の長さは10,000フィート(3,048メートル)を超えられるようになりました。9,300フィート(2,835メートル)もの坑井の水平部分に47段階の水圧破砕を施した記録も生まれました。しかしながら、タイトな貯留層から回収される流体の対象がガスから(流動性の劣る)油に移る中で、施される水圧破砕の段数は現在の倍にすることが求められています。ガスに比べ動きにくい油に対10/12 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 オては、作られたフラクチャーが生産期間中に十分な流路として機能する必要があり、そこに課題が残ります。 Eagle FordやNiobraraといったシェールオイルのエリアを評価する場合に、良好な排油を促すには水圧破砕の段数を増やすことは、必須です。 従来のモデリングでは多段の短いフラクチャーよりも大規模で長いフラクチャーの有効性を予測してきました。しかしながら、多段の短いフラクチャーの方が有効なことは次第に明らかとなってきたのです(2009年Vincent、2010年Rankinほか)。タイトな層に対しては、平面的な広がりを持つフラクチャーは複雑な(蜘蛛の巣や毛細血管のような)構造となり、フラクチャーを層全体に広げることが難しいのです。 水圧破砕では多量の水の使用と水圧破砕後に坑井から戻ってくる水(フローバック)の地表での処理が環境面へ与えるインパクトとして、クローズアップされています。あるオペレーターは水やプロッパントの量を半分にして、水圧破砕の段数を増やす試みを実施しています。その試みの積み重ねが作業コストを低減しつつ、生産量を増やすことにつながっています。 北米のデータでは、ケーシング仕上げ(Plug and perf)では1段で3から4のフラクチャーが出来ています。段数が8だとするとフラクチャーは20から30ほど出来ていることになります。しかし、最近の調査ではそうではないことが判ってきました。坑井内で取得した生産検層データを解釈すると、実際に生産に寄与しているのはその30%に過ぎないことが判明しました(2010年Baihlyほか)。となると、ケーシング仕上げ(Plug and perf)は、コストと水圧破砕に要する時間から考えて、1段後の水圧破砕を区分けするブリッジプラグを現在の数よりも増やすことが、経済的かどうか疑問視されるようになってきました。 そこで裸坑仕上げ(Open hole)において、水圧破砕の段数を増やす作業手順(stage multiplier technologies)が必要になってきたのです。この手順では、同じサイズのボールを複数回、坑井内に落し、坑井内のフラクチャリング流体が通るポートを開けます。一つのボールが使える水圧破砕の段数は2から5段階同時に出来るまでに、作業時間が短くなっています。この技術が数年前までは考えられなかった、前述の「100段階の水圧破砕」を現実のものとしたのです。 Multiport fracturing technologiesという技術も開発されました。この技術では、複数のポートから同時に水圧破砕を行います。例えば60段のフラクチャーをつくるのも、地上からのポンプをつかった水圧破砕流体の圧入作業は15回で済むようになりました。カナダ・アルバータ州のCardiumシェールオイルでの事例では、7回の圧入作業で21段のフラクチャーを坑井内に作ることができました。所要時間はたった7時間と21回の作業に比べトータルの所要時間は60%減になったとのことです。 中東の炭酸塩岩(アラブD層)での作業では、酸処理と酸をつかった破砕作業が行われました。坑内の12ポートに対して作業が実施されましたが、地上からの酸圧入作業は4回で済んだそうです。 11/12 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 サ石燃料の可採年数は、石炭は130年、石油は45年もつというのが大方のエネルギー関係者の見方です。しかしながら、天然ガスは違います。シェールガスなどの非在来型ガスの商業生産が現実のものとなり、可採年数は60年といわれていたのが急増し160年から400年もつと石油開発の専門家が唱え、世界各国で開発が進んでいます。シェールガスやシェールオイルといった低浸透性貯留岩の流動性を改善する技術の進歩がもたらした貢献は大きいと思います。 原油については80ドル/バレル近辺で取引されている現状からすると、採算コストでその半分の40ドル/バレルを下回る開発対象(図1の左下:大水深、採油増進法、重質油を含む)は、原油需要に応じて粛々と進められるというのが、筆者の意見です。 原油や天然ガスといった化石燃料の資源悲観論は200年前から連綿と唱えられていますが、本資料で説明した開発技術の進化により、その悲観論が間違っていた時代が続いていることは、「非在来型が原油や天然ガス開発の主役になるという考え」に拠りどころを与えていると思います。 . 今後の展望(非在来型が原油や天然ガス開発の主役になるか?) 4以上 ・ NHKテレビ 視点・論点「天然ガス埋蔵量の急増」、2011年9月20日、伊原賢 出演 ・ 日刊工業新聞 書籍「シェールガス争奪戦」 、2011年9月30日出版、伊原賢 著 参考資料> < 12/12 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
地域1 北米
国1 米国
地域2 北米
国2 カナダ
地域3 中南米
国3 ブラジル
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 北米,米国北米,カナダ中南米,ブラジル
2011/10/18 伊原 賢
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