ページ番号1004192 更新日 平成30年2月16日

米国:Keystone XL Pipelineプロジェクトに係る米国務省の承認判断の延期について

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レポートID 1004192
作成日 2011-11-18 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 探鉱開発
著者
著者直接入力 本橋 貴行
年度 2011
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2011/11/15 ワシントン事務所:本橋 貴行 米国:Keystone XL Pipelineプロジェクトに係る米国務省の承認判断の延期について TransCanadaによるカナダ・アルーバータ州と米テキサス州南部の港湾を結ぶ原油パイプライン建設プロジェクトの建設承認プロセスが停止している。ロシア・中国を除けば、世界最長の石油パイプラインとなるKeystone XL Pipelineは、今年末までに米国務省から最終承認が行われる見込みだったが、11月10日米国務省は、「別ルートの評価も行う必要があると判断した」として、建設の可否判断を少なくとも1年以上延期することを公表した。当地報道や専門家は、本パイプラインがネブラスカ州内の大規模な帯水域を通過する計画となっているために環境団体や同州政府・同州選出の連邦議員の反対が強く、2012年11月の大統領選挙を控え、これ以上の政治問題化を恐れたオバマ政権が承認判断を選挙後まで見送ったとする見方を提示している。 Keystone XL Pipeline が完成すれば、カナダからの原油輸入の拡大が米国のエネルギー安全保障に貢献するだけでなく、米国中西部から大需要地で製品輸出基地のある南部メキシコ湾岸地域への原油輸送ルートが確保され、経済的なメリットも大きいとされていることから、今回の国務省の判断には米産業界からの批判が高まりつつあるところ。 . 国務省の承認判断の延期の影響 1(1)国務省の発表 1 11月10日、国務省のKerri-Ann Jones次官補(国際環境問題担当)は、Keystone XL Pipelineの承認判断について、「国務省では、米環境政策法に基づく環境評価の手続きは終了しており、同プロジェクトが国益に合致したものか判断するプロセスにある。今般、国務省は、これまでにネブラスカ州民他から多数寄せられた懸念を踏まて、ブラスカ州内の別ルートの検討を行うことを決定した」と述べ、8月26日にクリントン国務長官が述べた「年内の最終判断」の方針を変更。同次官補は、記者の質問に答え「ホワイトハウスには相談したが、この決定は国務省自らが行ったもので、政治的な動機に基づいたものではない」と述べるとともに、記者からの「別ルートの環境評価の手続きを考慮すると承認判断は2013年第一四半期以降になるのか」との質問に対し、「(時期的な)見通しは持っていない」と述べた。また 1 http://www.state.gov/g/oes/rls/remarks/2011/176996.htm Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 1 ? ッ次官補は「今般の決定に際しては、経済的な影響も考慮した」と表明した。 (2)ホワイトハウスの声明 2 これに対して、同日オバマ大統領は、「国務省の決定を支持する。本プロジェクトは、米国民の安全や健康、自然環境に大きな影響を与える可能性がある。承認の可否判断には、あらゆる問題を検討するために時間をかけるべき」との声明を発表。 (3)ネブラスカ州知事の反応 3 11月11日、Dave Heineman知事(共和党)は州議会において「自分はTransCanadaのKeystone XL Pipelineプロジェクトを支持しているが、オガララ帯水域の通過ルートには反対の立場。今回の国務省の決定はルートの変更を意味するのではなく、代替ルートのアセスメントを行うということであり注意深く見守りたい」と発言。 (4)TransCanadaの反応 4 11月10日、TransCanadaはプレスリリースを公表。この中で「国務省とは次のステップについて検討を行う予定。我々は米国のみならずカナダ経済にも極めて重要な本プロジェクトの実現に自信を持っている。メキシコやベネズエラからの重質油の供給は、早晩減退する。本プロジェクトが遅れるなら米国の精製業者は他の供給源を探さなければならない」と述べ、米政府への批判は抑えたトーン。また15日付WSJ紙が報じるところでは5、同社は14日、が懸念するオガララ帯水域の一部(サンドヒル)を回避するルートによりネブラスカ州政府と仮合意したことを報じている。この中で同社広報担当者は、本格的な合意により、承認判断プロセスが加速されることを期待している旨を述べた。 (5)API 6、米商工会議所 7 他の反応 11月10日APIはプレスリリースを公表し、今回の国務省の決定に遺憾の意を表明。この中で 2http://www.whitehouse.gov/the-press-office/2011/11/10/statement-president-state-departments-keystone-xl-pipeline-announcement 3 http://www.chadrad.com/newsstory.cfm?story=23001 4 http://www.transcanada.com/5893.html 5http://online.wsj.com/article/SB10001424052970203503204577038751562900114.html?KEYWORDS=keystone+xl 6 http://www.api.org/Newsroom/keystone-decision.cfm 7http://www.uschamber.com/press/releases/2011/november/donohue-discuss-keystone-xl-pipeline-fox-news-channel%E2%80%99s-%E2%80%98your-world-nei Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 2 ? u今回の決定は、数千人規模の雇用機会を失うもので、2012年11月の大統領選を踏まえたオバマ大統領の政治的動機によるもの」と表明。また同日、米商工会議所は「国務省の決定には失望。今回の決定で、オバマ政権は、雇用拡大やエネルギー安全保障を優先事項としていないことが明確となった」と表明。また米精製大手のValero Energyは「本プロジェクトの遅延は米国にとって不幸なことで、今回の決定は少数の先鋭的な環境派に先導されたも本パイプラインの通過が計画されているモンタナ州選出のMax Baucus上院議員(民主党)は、今回の国務省の決定は官僚的であるとして国務省を批判。またJohn Boehner下院議長(共和党、オハイオ州選出)は「今回の決定は、大統領選を有利に戦おうとするオバマ大統領の策略によるもの以外の何物でもない」と批判。 (7)カナダ政府の反応 11月13日、ハワイで開催されたAPECに参加したカナダのStephan Harper首相は、オバマ大統領との会談で、「(本プロジェクトが実現しないなら)カナダはアジア向けの原油輸出を増加させる意向だ」と発言。これに対してオバマ大統領は「国務省は、ネブラスカ州内の一部地域の回避を含めて本プロジェクトの検討を進めているが、最終決定に至っていない」と返答9。またオリヴァー天然資源相は13日、「米国務省による環境アセスメントを行うために承認プロセスを留保するという決定は、TransCanadaに多大な費用負担を課すことになる」※)国務省の承認判断の延期に関する背景 (として批判10。 ① 国務省の判断延期の決定に先立つ11月1日、オバマ大統領はネブラスカ州オマハを拠点とする米ABC系のKETVのインタビューに応え、「Keystone XL Pipelineの建設可否については、国務省から今後数カ月内(”several month”)に報告書を受領してから、の」と指摘8。 (6)米議会の反応 8 8http://www.washingtonpost.com/national/health-science/proposed-keystone-pipeline-route-may-be-reassessed/2011/11/09/gIQA2hQP6M_story.html?sub=AR 9http://www.washingtonpost.com/business/canadian-prime-minister-tells-obama-that-canada-will-sell-oil-to-asia-since-us-delays-pipeline/2011/11/14/gIQAOboCLN_story.html 10http://thejobmouse.com/2011/11/14/canada-looks-to-asia-to-sell-crude-oil-after-delay-in-keystone-xl-pipeline/ Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 3 ? ?らゆる検討を行った後に最終判断を下す」と発言し、同プロジェクトの最終決定が来年以降に遅れることを示唆した。この中でオバマ大統領は「何が米国民にとって最良の選択なのか、短期・長期の経済的影響はどうか、どうしたら米国民の健康を維持できるか等を考慮して最終判断を下す。エネルギー安全保障上、中東からの輸入に頼り過ぎないことが必要だが、一方で、ネブラスカ州の人々の健康上の安全も確保しなければならない。最終決定を行う前に全ての状況を考慮しなければならない」と述べた 11。 ② これに対して、TransCanada及び米産業界から、最終決定が遅延されることへの懸念が表明された。また上記のオバマ大統領の発言には、大統領自身が最終決定者となるとも受け取ることのできる発言があったため、米産業界にも一部混乱を招いた。 ③ これとは別に、ネブラスカ州のDavid Heineman知事は11月1日、年内に緊急州議会を招集し、オバマ大統領とクリントン国務長官に同プロジェクトの建設ルートの変更を求めることを表明。この中で同知事は「ネブラスカ州民はルート変更のために最大限の努力がなされることを望んでおり、オバマ大統領は同パイプラインのルートが変更されるまで同プロジェクトを承認すべきでない」と表明した 12。 11 http://www.ketv.com/news/29655983/detail.html 12 http://www.reuters.com/article/2011/10/25/us-usa-pipeline-nebraska-idUSTRE79N6HI20111025 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 4 ? eystone Pipeline(操業中) *赤色実線 Phase1:2010年6月操業開始 Hardisty>> >>Patoka Capacity 43.5万bbl/d Steel City hase2:2011年2月操業開始 Steel City >> Cushing Capacity 59.1万bbl/d PKeystone XL Pipelineプロジェクト Keystone XL Pipeline(承認手続中) *赤色点線 Phase3: Phase4: Cushing >> Gulf Coast Hardisty >> Cushing Capacity 70万bbl/d オガララ帯水域の通過部分 Source: Map from NRDC, Data from TransCanada Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 5 ? Q. Keystone XL Pipelineプロジェクトについて (1) 背景 (米国需給状況) ? 米国では、南部メキシコ湾沿岸の州を擁するPADDⅢ(Petroleum Administration District)に米国全体の38%に当たる56の製油所が集中。PADDⅢの製油能力は約860万bbl/dで米国全体の約49%を占める 13。米国の国内消費量(1,914.8万bbl/d)は、国内生産量(751.3万bbl/d)の2.5倍に上り 14、海外から原油約964万bbl/d、製品約162万bbl/dを輸入15。 ? 原油及び石油製品の輸入先としては、カナダ(253.2万bbl/d)、メキシコ(128.4万bbl/d)、サウジ(109.6万bbl/d)、ナイジェリア(102.3万bbl/d)、ベネズエラ(98.8万bbl/d)と続く13。この中でナイジェリアを除く各国の原油は重質油が中心で、米国メキシコ湾地域の製油所は、重質油の精製能力を高めた設備構成となっている。一方では近年、メキシコ、ベネズエラの生産量減退の影響により両国からの輸入量が減少し、代わりにカナダからの輸入量が拡大している。 US Imports of Crude Oil and Petroleum products by Country Source EIA 13 EIA 14 BP統計 15 IEA Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 6 ? iPADDⅡにおけるカナダ産原油の輸入拡大) ? 上記のとおり、メキシコ、ベネズエラからの原油輸入が減少傾向にある一方で、カナダ産原油の輸入量が増加傾向にある。今後も2010年6月及び2011年2月に操業を開始したKeystone PipelineのPhase1,2(送油能力は各43.5万bbl/d、59.1万bbl/d)により、輸入量が増加すると予測される。 ? カナダ産原油は、既存のパイプラインによって米国中部のPADDⅡ(主にオクラホマ州、カンザス州、イリノイ州)に輸送されているが、PADDⅡから多くの製油所を有する大需要地で、かつ製品輸出基地のある南部メキシコ湾岸のPADDⅢに原油を送り出すパイプラインは存在しない 16。上記3州の製油能力は米国全体の5%未満であるため、3州を中心とするPADDⅡでの原油の消費量は限定される。また、近年のBakken Play(PADDⅡ)の生産量拡大や、オクラホマ州クッシングがWTI現物の受け渡し地域であることから、PADDⅡ内、特にクッシングの石油貯蔵施設における過剰在庫は、WTIの価格低下圧力にも繋がっているとされる。 Current Oil Sand Imports to PADD II and PADD III Source: Map from NPRA United States Refining and Storage Capacity Report, August 2010. EPRINC 16 PADDⅢからPADD2向けの主要原油パイプラインは2系統存在。テキサス州フリーポートからオクラホマ州クッシングを結ぶ830kmのSeaway Pipeline(輸送能力43万bbl/d:ConocoPhillips)と、ルジアナ州セントジェームスからイリノイ州パトカを結ぶ1,010kmのCapline pipeline(輸送能力120万bbl/d:Shell他のJV。1970年代に操業開始)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 7 ? dditions of oil sand import info from NEB ? また下のグラフからも分かるとおり、カナダからの重質油(合成原油を含む)は、PADDⅡで最も多く輸入されている。 Canadian Oil Sand Exports to the United States by Type and Destination in 2009 Source: National Energy Board, Canadian Energy Overview 2009 PADD II Crude Oil Inventories at All- Time Highs Source Federal Reserve Bank of Dallas Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 8 ? ? 一般的に製精企業は、精製後の製品の販売価格から、原油購入費用と精製コストを控除した額を利益としている(精製マージン)。重質油の精製能力の高い企業は、市場価格の高い軽質油よりも、安価な重質油を購入して精製した方が利益率は高くなる。このため、こうしたPADDⅢの企業は、メキシコ、ベネズエラからの原油輸入量の減少に対応するためにも、カナダ産重質油を導入して精製を継続したい意向を有している。 (米国とカナダの関係) ? 上述のとおり、米国は253.2万bbl/dの原油及び石油製品をカナダから輸入している。また米国が輸入する天然ガスの90%はカナダ産が占めるなど、石油天然ガス分野における米国のカナダへの輸入依存度は高い。なお米国が輸入する253.2万bbl/dのうち、約33%に相当する82.5万bbl/dはオイルサンド由来の原油である 17。他方で、カナダでは国内パイプライン網が未発達であることから、約120万bbl/dの石油製品を外国から輸入しており17、このうち19.2万bbl/d 18は米国から輸入。このように米国・カナダは補完関係にあると言える。 (カナダの重質油生産状況) ? 2009年のカナダのビチューメン生産量は127万bbl/d(プロセス前)。このうち、オイルサンドのMining法による生産量は76.5万bbl/dで、In Situ法による生産量は64.8万bbl/d(何れもプロセス後)。Mining法による生産物は、ほぼ全量が改質され合成原油として出荷されるのに対し、In Situ法による生産物では9%程度が合成原油にされ、残りはBlended Bitumenとして出荷される17。 17 National Energy Board 18 EIA Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 9 ? Canada’s Net Oil Imports and Exports to the United States Source: EPRINC (まとめ) 以上からKeystone XL Pipelineプロジェクトは、PADDⅡにおける原油の過剰在庫の解消、Bakken Play等での生産拡大を目指す同じPADDⅡの企業の意向、そして、カナダ産重質油の精製拡大を図りたいとするPADDⅢの精製企業の期待を担うものである。また本パイプライン建設によるGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 10 ? Jナダのオイルサンド産業や、パイプラインが通過する州経済への貢献も期待されている。また、米国政府にとっては、中東・南米等からの石油依存度低減を図るというエネルギー安全保2)既存のKeystoneプロジェクト(Keystone Pipeline Phase1,2) (障上の期待もある。 TransCanada社は、2010年6月以降よりカナダ・アルーバータ州ハーディスティーからネブラスカ州スティールシティを経由し、イリノイ州パトカまでのKeystone Pipeline Phase1(送油能力:43.5万bb/d)と、2011年2月以降よりネブラスカ州スティールシティからオクラホマ州クッシングまでを結ぶKeystone Pipeline Phase2(同59.1bbl/d)を操業中。アルバータ州で生産されたオイルサンド由来の原油を各地の製油所及び貯蔵施設に輸送。 (3)Keystone XL Pipeline Project 正式名はThe keystone Gulf Coast Extension Project。上記Keystone Pipelineの拡張計画。同プロジェクトは、Phase1とは別ルートでアルバータ州ハーディスティーからネブラスカ州スティールシティ、及び、オクラホマ州クッシングからテキサス州ポートアーサーを結ぶ合計2,673km(1,661マイル)の石油パイプライン。米国内では、モンタナ州、サウスダコタ州、ネブラスカ州、カンザス州、オクラホマ州、テキサス州の6州を通過。Phase1、2と同様にオイルサンド由来の原油を各地製油所及び貯蔵施設まで輸送するもの。70万bbl/dの送油能力を計画。 (4)Keystone XL Pipeline Projectの意義(TransCanada) TransCanada社によれば、建設事業のため2万人の雇用創出が可能。また同プロジェクトによって、カナダからの石油輸入比率を22%から30%に増加させ、その分中東やベネズエラからの輸入量の低減が可能としているもの。 (5) 環境保護上の懸念 環境団体は、パイプラインからの原油流失事故の発生を懸念。特に焦点となっているのは、同パイプラインがネブラスカ州中南部のサンドヒル地域を通過する計画であること。同地域の地下(約100m以深)にはオガララ帯水層が存在し、同州及び近隣州の重要な水資源(飲料水・農業用水)となっており、原油流失時の被害が甚大であるとしている。またこの他にGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 11 ? 焜c塔^ナ州東部の河川地域での流失時の影響も懸念。更に、アルバータ州におけるオイルサンド開発時の自然破壊や水質汚染、ビチューメン回収時に発生するCo2の排出も懸念している。こうした環境団体にはNatural Resources Defense Council, 350 org., Friend of the earth, celebrities, Canada’s energy workers union, Sierra Club他がある。 (6)現在までの承認手続き Keystone XL Pipeline Projectは、2010年3月にカナダ政府からの承認取得済み。米国側では、同プロジェクトは両国国境を跨る事業であるため、大統領令により国務省が手続きを担当。国務省はThe National Environmental Policy Act(NEPA)に基づき、2010年4月と2011年4月に予備的な環境影響報告書を環境省(EPA)に提出するも、EPAからは情報不十分として何れも却下されている。この後国務省は、2011年8月26日に最終環境影響報告書を公表し、現時点では90日間のパブリックコメントの受付期間にある。また国務省はこのパイプラインが通過する関係州及びワシントンDCの6カ所でタウンミーティングを実施中。 (7)今後の承認判断に至る手続き 最終環境影響報告書の公表後、90日間のパブリックコメント受付期間を経て、国務省はプロジェクト承認の可否に関して国益に基づく最終決定(National Interest Determination(NID))を行うこととしていた。国務省は最終決定の内容をEPA及びエネルギー省(DOE)に送付し、EPA及びDOEは15日以内にNIDへの賛否を決定することとなっている。なお各機関の見解が割れ集約が不可能な場合について、大統領が最終決定を下すこととなっている。今回11月10日の国務省の決定では、最終決定の前に別ルートの検討を行うこととしており、また当概別ルートに係る環境影響調査も必要なことから、国務省の最終的な承認判断は2013年以降になると見られている。 以 上 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 12 ?
地域1 北米
国1 米国
地域2 北米
国2 カナダ
地域3
国3
地域4
国4
地域5
国5
地域6
国6
地域7
国7
地域8
国8
地域9
国9
地域10
国10
国・地域 北米,米国北米,カナダ
2011/11/18 本橋 貴行
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