ページ番号1004195 更新日 平成30年2月16日

原油市場他:欧州債務問題解決期待と予想を上回る良好な米国経済指標などで、1バレル当たり100ドルに到達する原油価格

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レポートID 1004195
作成日 2011-11-21 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガス資源情報
分野 市場
著者 野神 隆之
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年度 2011
Vol 0
No 0
ページ数
抽出データ 更新日:2011/11/20 石油調査部:野神 隆之 原油市場他:欧州債務問題解決期待と予想を上回る良好な米国経済指標などで、1バレル当たり100ドルに到達する原油価格 (IEA、OPEC、米国DOE/EIA他) ① 米国ではガソリン需要は前年割れの状態が続いているが、他方で秋場の製油所メンテナンス実施によりガソリン生産も低下したことなどから在庫は安定した状態で推移した結果、10月中には平年幅上限、11月に入ってからは中間付近に位置する在庫量となっている。留出油については製油所での生産が比較的安定していたものの、秋場の穀物収穫シーズンに伴う農機具向け軽油需要や国内経済状態の改善に伴う軽油需要、欧州や中南米向けの軽油輸出が堅調であったとみられることから、在庫が大きく減少した結果、かつて平年幅を超過する状況であった在庫水準も現在では平年幅の中間に位置するようになっている。また、原油については、製油所のメンテナンス等による稼働低下で受け入れが鈍化した一方で輸入は相対的に安定していたことから微増となり、平年幅の上限付近に位置する水準となっている。 ② 2011年10月末現在のOECD諸国推定石油在庫量の対前月末比での増減は、原油在庫については米国では微増となったものの、欧州と日本では製油所でのメンテナンス作業実施等に伴い原油在庫が減少した結果、OCED諸国全体としても減少となり、水準としては平年幅の上方付近に位置する状態となっている。他方製品在庫については、製油所での稼働低下の影響もあり、米国、欧州、及び日本全てで減少傾向となったため、OECD諸国全体としても減少となり、水準としても平年並みとなっている。 ③ 2011年10月中旬から11月中旬にかけての原油市場においては、10月26日に開催されるEU首脳会議までには独仏を中心とした国が欧州一部諸国における債務問題に対する解決策を打ち出すとの市場の観測、そしてEU首脳会議での欧州債務問題への対策に関する合意による当該問題の深刻化回避に対する市場の楽観的な見方の増大、債務問題を抱えるギリシャやイタリアでの政権交代と新政権誕生に対する市場の期待感、米国等において市場の事前予想よりも経済が良好な方向に向かっていることを示唆する指標類の発表や、市場の事前予想を上回る企業業績に刺激を受けた米国株式相場の上昇、さらに、米国ヒューストン~クッシング間のパイプラインの原油輸送方向の逆転の方針発表による、クッシングでの将来の原油需給の引き締まり観測の増大などにより、原油価格(WTI)は概ね上昇傾向で推移し、11月16日には2011年7月下旬以来の終値ベースでの1バレル当たり100ドル突破となった。 ④ 欧州一部諸国の債務問題解決の動きは10月26日開催のEU首脳会議で一段落した。その後当該問題をめぐる情勢はイタリア等での国債利回り上昇等どちらかというと悪化する方向に向かいつつあるが、市場の強気心理はかつてに比べて強まっている感があることから、今後もギリシャやイタリアでの新政権の動向、米国等の経済指標類、イランのウラン濃縮問題を巡る西側諸国との対立状況や、冬場の暖房リーズンを前にした留出油需給逼迫懸念等を織り込みつつ、原油相場は当面堅調に推移する可能性がある。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 1 ? . 原油市場を巡るファンダメンタルズ等 米国では、ガソリン需要は引き続き低迷する状態が続いている。10月28日に米国エネルギー省エネルギー情報局(EIA)から発表された8月のガソリン需要(確定値)は前年同月比で7月と同様3.8%弱の減少を示した(図1参照)。同月のガソリン需要(速報値)は、前年同月比で1.5%程度の減少であったので、速報値から確定値に至るまでに率的な下落幅が倍増したことになる。また、既に夏場のドライブシーズンは終了したものの、10月初旬以降原油価格が上昇傾向となったこともあり、全米平均のガソリン小売価格は3ドル台半ば程度で推移していた(図2参照)ものの、このような状況下では同国のガソリン需要の低下傾向には歯止めはかかっていない模様であり、10月の同国ガソリン需要(速報値)も前年同月比で4.2%弱の減少とかえって下落幅が拡大しているように見受けられる。他方、米国の製油所では秋場のメンテナンスシーズンに突入したこともあり原油処理量が低下してきている(図3参照)ことから、それに併せてガソリンの生産量も低下している(図4参照)。しかしながら需要が低迷していることが生産の低下を相殺する格好となった他、9月27日のConocoPhillipsによる米国ペンシルバニア州のトレーナー(Trainer)製油所(精製能力日量18.5万バレル)の操業停止の発表(操業に伴う経済性が確保できないことが要因である旨同社は明らかにしている)以降、米国北東部でのガソリン需給が引き締まるのではないかとの観測が市場で発生した結果、欧米間でのガソリン価格差が拡大したことから、10月後半には同国へのガソリン輸入量が増加した(図5参照)こともあり、10月中旬以降の同国ガソリン在庫がほぼ一定の範囲内で推移した結果、10月中は平年幅の上限付近に位置する在庫量となっていたが、11月に入ると例年製油所がメンテナンスを終了し生産を増加させることに伴い在庫も増加傾向となることから、この時期としては平年幅の中間付近には位置するようになっている(図6参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 2 ? lobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 3 ? 他方、留出油の需要は10月の確定値は前年同月比で3.4%程度の増加と速報値の0.5%程度の増加から大きく上方修正されており(図7参照)、同国での需要が堅調であることがうかがわれる。また、10月の速報値は前年同月比で6.1%増加となっており需要増加が維持されている(但しこの数字には輸出の一部が含まれているとの指摘がある)ことが示唆される。そして、製油所での生産は秋場のメンテナンス作業の実施等による原油処理量低下と比較すれば相対的に安定はしていた(図8参照)ものの、堅調な需要(や輸出)の伸びを穴埋めすることができなった結果、在庫は大きく減少する(図9参照)こととなり(11月4日の週には前週比で602万バレルの減少を示したが、これは2004年1月30日の週(このときは687万バレル減少した)以来の大幅な減少であった)、以前は平年幅を超過するような水準であったものが、現在ではその中間に位置するようになっている。ただ、留出油の需要は伸びているものの、ガソリンの軟調な需要が足を引っ張る格好となったことから、米国での石油需要全体の需要は8月(確定値)及Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 4 ? ム10月(速報値)ともに前年割れとなっている(図10参照)。また、製油所メンテナンスシーズン突入で原油受け入れは低下した一方で輸入量は相対的には安定したことから、原油在庫は10月中旬から11月中旬にかけては微増となり水準自体も平年幅の上限付近に位置している(図11参照)。なお、原油が平年幅上限付近である一方で、ガソリンと留出油在庫量が平年幅の中間付近に位置していることから、原油とガソリンを合計した在庫、そして原油、ガソリン、及び留出油を合計した在庫は、いずれも平年幅の上方付近に位置する結果となっている(図12及び13参照)。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 5 ? lobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 6 ? 2011年10月末現在のOECD諸国推定石油在庫量の対前月末比での増減は、原油在庫については米国では前述の通り微増となったものの、欧州と日本では製油所でのメンテナンス作業実施等に伴い原油在庫が減少した結果、OCED諸国全体としても減少となり、水準としては平年幅の上方付近に位置する状態となっている(図14参照)。他方製品在庫については、製油所での稼働低下の影響もあり、米国、欧州、及び日本全てで減少傾向となったため、OECD諸国全体としても減少となり、水準としても平年並みとなっている(図15参照)。なお、原油在庫が平年幅の上方付近に位置しており、製品在庫が平年並みの水準となっていることから、原油と石油製品を合計した在庫は平年幅の中間付近に位置する状態となっている(図16参照)。また、2011年10月末時点でのOECD諸国推定石油在庫日数(月末の在庫量をその直後の3ヶ月間の1日当たり需要で除したもの)は56.8日と9月末の57.9日から1日程度減少している。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 7 ? 2. 引き締まる石油需給? 最近石油市場では需給が相当程度引き締まっているとの感覚が発生しており、それが原油相場にも影響を及ぼしている側面がある。前述の通りOECD諸国の石油在庫は減少傾向にあるものの依然平年並みの状況となっているが、このような市場の引き締まり感はどこから来るのか。ここでは、石油在庫を主要各製品に分解して説明することとしたい。 まずガソリンであるが、ガソリンは米国を含めた北米、欧州、及びアジア太平洋のOECD諸国においては需要が不振であり(図17参照)、2011年は前年割れが継続している状態にある。また、このようなことGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 8 ? ゥら、在庫もこの時期としては比較的多い状態にある(図18参照)。このため、これらの高水準の在庫がガソリンの価格を抑制する格好となっている(また、ナフサについても、ガソリン需要が不振であることに加え中国等での石油化学産業向け需要も弱いことから、需給についてはむしろ緩和感が発生している)。他方、原油価格はWTIの価格の影響を受ける米国中西部やカナダといった一部地域を除き、ブレントの影響を受けやすいが、2011年はリビアでの内戦に伴う軽質低硫黄原油(主に欧州向け)の輸出停止、ナイジェリアからの輸出停止、北海Forties油田群での不安定な原油生産等を反映してブレントの価格は高水準で推移した。この結果ガソリンと原油の価格差が縮小し精製利幅が確保できなくなった(図19参照)。欧州においては軽油及び暖房油といったいわゆる留出油についても2011年の需要はガソリンほどではないにせよ低下している(図20参照)ことから、特に欧州においては製油所において精製利幅が伸び悩んだこともあり、製油所の稼働が3月以降9月までほぼ継続して前年割れするほどの状態であった。そして製油所の稼働が低下したことに伴い製油所も必要以上の原油在庫の保有に消極的となり、その結果原油在庫が低下するとともに、留出油の生産と在庫も減少気味となった。加えて、ロシアが8月以降国内で戦略備蓄の積み増しを実施することにより軽油の輸出を抑制したことも当該在庫の減少に拍車をかける格好となった。そして、欧州では秋場のメンテナンス時期に突入、留出油在庫はなお一層減少したことにより、これを含めた中間留分の在庫は、この時期としてもかなりな低水準となった(図21参照、但し図からも判明する通り、2009及び10年よりは相当程度減少しているが、実は2008年以前の水準に比べればまだ多い)ことから、冬場の暖房油需要期を前にして市場では需給逼迫懸念が発生、欧州の留出油価格が米国のそれに比べて上昇することになった。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 9 ? lobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 10 ? 他方、シンガポールでは9月28日にShellのプラウブコム(Pulau Bukom)製油所(精製能力日量50万バレルでShellの保有する製油所としては世界最大の原油処理能力を有する)が火災で操業を停止、10月2日には当該製油所からの石油製品の出荷に対して不可抗力条項を適用する旨同社が発表した(10月10日には部分的に操業を再開させる作業に入ったことが明らかになっているが、火災前の操業状態になるのは2011年末になるとShell側は見込んでいると伝えられる)ことに加え、中国でも冬場を控えて電力向けの軽油に関して品薄感が出てきた。これは、中国政府が電力料金を抑制したことにより、利幅が確保できない発電所が稼働を低下させていた結果、冬場に電力不足の可能性が増大したことから、工場等での自家発電向け軽油の需要が増加する恐れが出てきたうえ、中国では従来から原油相場上昇に対して政府が石油製品小売販売価格を規制してきたこともあり、製油所でも精製利幅の確保が困難であったことから稼働が低下していたことにより軽油等の在庫が堅調に積み上がっていたわけではなかったことに加え、秋場の製油所メンテナンス作業が当初予想よりも大規模なものとなったことから供給が伸び悩んだことが一因と言われる。このようなことから、予想される冬場の自国の軽油不足に対処するために11月初めに中国の石油会社が軽油の輸入を行い始めたことから、アジア市場でも軽油需給が引き締まり始め、シンガポールでの中間留分の在庫が低下した他、アジア太平洋のOECD諸国においても留出油を含めた中間留分の在庫が低下するなどの影響が生じ始めた(図22参照)。その結果、アジアと欧州での留出油価格差の拡大は限定的なものとなったことが、アジアから欧州向けの留出油の流れを抑制する格好となった。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 11 ? 米国では夏場のドライブシーズン到来から製油所でのガソリン生産増加とともに、留出油の生産と在庫も増加したが、秋場のガソリン不需要期に入るとともに製油所のメンテナンスシーズンに突入したこともあり、石油製品の生産が伸び悩んだ。他方米国では、2011年央に比べて経済が安定してきていることによる物流等向けの軽油需要が比較的堅調であったことに加え、中西部では、秋場の穀物収穫作業に伴う農機具稼働や、ノース・ダコタ州におけるシェール・オイル開発事業向けの軽油需要が発生したうえ、欧米間での当該製品価格差拡大が見られたことから欧州への留出油輸出も活発化した模様であり、同国を含む北米での留出油在庫も減少、この時期としては、欧州同様2009年及び10年と比較して相当程度低い水準となっている(図23参照、但しこれも欧州同様2008年依然と比較すると、必ずしもそれほど低いというわけではない)。 このように、留出油については、米国、欧州、及びアジアのいずれの地域も相当程度の減少が見られ Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 12 ? スことから、冬場の北半球での暖房シーズン突入を前にして市場での需給逼迫感が強まり、暖房油先物が上昇(これにより先物市場において期近の価格が期先の価格を上回る度合い(バックワーデーション)がより大きなったことから、製油所等がなお一層期近の留出油購入意欲を減退させた結果、在庫の減少がより加速する方向に向かうといった影響も発生している)、さらにはそれが原油相場へと影響する状況となっている。このように、ガソリン及びナフサに余剰感がある半面、留出油需給の逼迫懸念が強まっている、というように、石油製品によって市場の需給の現状及び展望に対する認識に濃淡が生じている、と2011年10月中旬から11月中旬にかけての原油市場においては、10月26日に開催されるEU首脳会議までには独仏を中心とした国が欧州一部諸国における債務問題に対する解決策を打ち出すとの市場の観測、そしてEU首脳会議での欧州債務問題への対策に関する合意による、当該問題の深刻化回避に対する市場の楽観的な見方の増大、債務問題を抱えるギリシャやイタリアでの政権交代と新政権誕生に対する市場の期待感、米国等において市場の事前予想よりも経済が良好な方向に向かっていることを示唆する指標類の発表や、市場の事前予想を上回る企業業績に刺激を受けた米国株式相場の上昇、さらに、米国ヒューストン~クッシング間のパイプラインの原油輸送方向の逆転の方針発表による、クッシングでの将来の原油需給の引き締まり観測の増大などにより、原油価格(WTI、以下特に指定しない場合原油価格はWTIを指す)は概ね上昇傾向で推移し、11月16日には2011年7月下旬以来の終値ベースでの1バレル当たり100ドル突破となった(図24参照)。 2011年10月中旬から11月中旬にかけての原油市場等の状況 . 3いうのが実情のようである。 10月17日には、この日ショイブレ(Schaeuble)独財務相が10月23日開催予定の欧州連合(EU)首脳 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 13 ? ?cでは欧州債務問題に対する根本的な解決策は決定されないであろうと述べた他、メルケル独首相の報道官であるザイベルト(Seibert)氏も同会議で当該問題が解決することは不可能である旨示唆したことで、欧州債務問題解決に対する市場の期待感が低下したうえ、同日にニューヨーク連邦準備銀行から発表された10月のニューヨーク州製造業景気指数(ゼロが景気拡大及び縮小の分岐点)がマイナス8.5と市場の事前予想(マイナス4.0)を下回ったことで、この日の原油価格の終値は1バレル当たり86.38ドルと前週末終値比で0.42ドル下落した。ただ、翌18日には、この朝発表された米大手金融機関バンク・オブ・アメリカの2011年7~9月期業績が市場の事前予想を上回ったこともあり米国株式相場が上昇したことから、原油価格は反発、前日終値比で1バレル当たり1.96ドル上昇し終値は88.34ドルとなった。しかしながら、10月18日夕方に米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスがスペイン国債の格付けを2段階引き下げる旨発表したことに加え、10月19日に独仏首脳会談が開催されたものの、欧州金融安定基金(EFSF)の機能拡充について両国の意見が対立し協議が決裂したことから、欧州一部諸国の債務問題を巡る市場の不安感が高まったこと、同じく10月19日に米国連邦準備制度理事会(FRB)から発表された地区連銀報告(ベージュブック)で、9月は米国の多くの地区では「緩やか」な成長にとどまった旨報告され、同国経済の先行きに関する懸念が市場で増大したことから、10月19日の原油価格の終値は1バレル当たり86.11ドルと前日終値比で2.23ドルの下落、また翌20日には、ニューヨーク商業取引所(NYMEX)におけるWTIの11月渡し原油先物契約取引期限到来前の持ち高調整が発生したことにより、WTIの相場は続落、終値は1バレル当たり85.30ドルと前日終値からさらに0.81ドル下落したが、10月20日の独仏首脳による電話会談後の共同声明で欧州一部諸国の債務問題に対する解決策に関する決定を10月26日に行う旨表明したことで両国間の意見対立に伴う当該解決策への協議破談に対する市場の懸念が後退したことにより、インターコンチネンタル取引所(ICE)におけるブレント先物価格のこの日の終値は1バレル当たり109.76ドルと前日終値比で1.37ドル上昇した(なお、NYMEXのWTIの11月渡し原油先物契約取引は本日を以て終了したが、12月渡し契約のこの日の終値は1バレル当たり86.07ドルと前日終値比で0.22ドル下落している)。他方、10月21日には、欧州一部諸国の債務問題に対する解決策策定に関して欧州諸国が10月26日に開催予定であった首脳会議までには合意するとの期待感が市場で発生したうえ、欧州一部諸国の債務問題解決に関する市場の楽観的な見方を反映し、米国株式相場が上昇したことから、原油価格は前日終値比で1バレル当たり2.10ドル上昇し87.40ドルでこの週の取引を終了した。 10月24日には、この日英大手金融機関HSBCと英金融情報サービス会社マークイットから発表された10月の中国製造業購買担当者指数(PMI、50が当該部門景気拡大と縮小の分岐点)(速報値)が51.1と4ヶ月ぶりに景気拡大を示唆する水準にまで回復したことで、同国での経済成長と石油需要増加に対Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 14 ? キる市場の懸念が後退したうえ、同日日本の財務省から発表された9月の貿易統計速報で同国の輸出が前年同月比で2.4%の増加を示している旨判明し市場の事前予想(1.0%増加)を上回ったこと、また、10月24日に発表された米建設機械製造大手キャタピラーの2011年7~9月期業績が市場の事前予想を上回った他、同じく同日朝米企業向けソフトウェア大手オラクルが顧客関係ソフトウェア会社ライトナウ・テクノロジーズを、そして米保険大手シグナが高齢者向け健康管理事業を手掛けるヘルススプリングを買収する旨発表したことで米国株式相場が上昇したこと、翌25日には、NYMEXのWTI原油先物取引の引き渡し地点である米国オクラホマ州クッシングでの原油在庫が低下傾向を示していることで、ブレントとWTIとの価格差がこの先縮小するとの市場の観測から、ブレント原油先物契約が売却される(10月25日のICEにおけるブレント価格の終値は1 バレル当たり110.92ドルと前日終値比で0.53ドル下落している)一方でWTI先物契約の購入が進んだことから、原油(WTI)価格は10月24~25日の2日間連続で合計1バレル当たり5.77ドル上昇し10月25日の終値比で93.17ドルとなった。10月26日には、この日EIAから発表された同国石油統計(10月21日の週分)で、原油在庫が市場の事前予想(20~148万バレル程度の増加)を上回る、474万バレルの増加となっていたことが判明したうえ、ギリシャの債務減免等を巡り、EUと銀行との間での交渉が長引いていることに対して市場の懸念が増大したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり2.97ドル下落し、終値は90.20ドルとなったが、10月26日夜に行われたEU首脳会議で、欧州民間金融機関の対ギリシャ債権の50%放棄、欧州民間金融機関に対する資本増強、そして、欧州金融安定基金(EFSF)の拡充が決定されたことで、欧州債務危機の深刻化が防止されるとの楽観的な見方が市場で増大したことに加え、10月27日には米国商務省から発表された2011年第三四半期の同国国内総生産(GDP)が前期比で年率2.5%の増加と2010年第三四半期以来の高成長を示していた旨判明したことから、10月27日の原油価格の終値は1バレル当たり93.96ドルと前日終値比で3.76ドル上昇した。ただ、10月28日には、この日日本の経済産業省から発表された9月の同国鉱工業生産指数が前月比で4.0%の低下となり市場の事前予想(2.1%の低下)を上回る低下となったことに加え、10月28日にイタリア政府の実施した国債販売の入札が目標上限に達せず不調に終わったことでユーロが下落した反面米ドルが上昇したことから、この日の原油価格は前日終値比で1バレル当たり0.64ドル下落し、終値は93.32ドルとなった。 10月31日においても、この日米先物取引業者MFグローバル・ホールディングズが米国連邦破産法第11条を申請したこともあり米国株式相場が下落するとともに資金が米ドルへと逃避したことにより、米ドル上昇したこと、また、この日ギリシャのパパンドレウ首相が、EUが同国支援の条件として提示している緊縮財政策の受け入れに関して2012年初めにも国民投票を実施する旨発表したことで、同国の債務不履行と欧州経済混乱の可能性に関する市場の懸念が再燃したことに加え、11月1日に中国物流購買連Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 15 ? ㊨?ゥら発表された10月の同国製造業購買担当者指数(PMI、50が景気拡大と縮小の分岐点)が50.4と9月の51.2から低下したう市場の事前予想(51.6~51.8)を下回ったことから、原油相場は10月31日~11月1日の2日連続で1バレル当たり合計で1.13ドル下落、11月1日の終値は92.19ドルとなった。しかしながら、11月2日には、この日企業向け給与計算サービス会社オートマチック・データ・プロセッシング(ADP)子会社他が発表した10月の米国民間部門雇用者数が11.0万人の増加となり市場の事前予想(10.0~10.1万人増加)を上回ったこと、翌3日には、この日米国労働省から発表された同国新規失業保険申請件数(10月29日の週分)が39.7万件と市場の事前予想(40万件)を下回ったうえ、この日米国商務省から発表された9月の同国製造業受注額が前月比0.3%の増加と市場の事前予想(0.1~0.2%減少)を上回ったこと、また、同日開催された欧州中央銀行(ECB)理事会において主要政策金利の0.25%の引き下げが決定されたことで、欧州経済減速に関する市場の懸念が後退したうえ、同じくこの日開催されたギリシャ国会においてベニゼロス(Venizelos)財務相がユーロ圏諸国等による同国追加支援受け入れに関する国民投票を実施しない旨発言するなどしたことから、当該投票を実施しない可能性が出てきたことで、同国の債務不履行に対する市場の不安感が緩和したこと、さらに、11月4日には、この日米国労働省から発表された10月同国雇用統計で失業率が9.0%と9月の9.1%から低下したことで、経済状況改善とともに石油需要が増加するとの期待が市場で増大したことから、11月4日の原油価格の終値は1バレル当たり94.27ドルと、11月2~4日合計で2.08ドル上昇した。 また、11月6日にギリシャのパパンドレウ首相と最大野党である新民主主義党党首サマラス(Samaras)氏が連立政権樹立で合意したことで、同国債務問題解決に向けた体制が整うとの観測が市場で発生した他、11月7日の週に発表される予定の国際原子力機関(IAEA)によるイランのウラン濃縮プログラムに関する四半期報告で、イランが核兵器製造段階へと接近しつつある旨報告されると同日付のワシントンポストが報じたこと、さらに翌8日には、この日イタリアのベルルスコーニ首相が同国議会で審議中であった緊縮財政法案の可決後辞任する意向を表明したことで、新政権に対する市場の期待が増大したことから、原油価格は11月7~8日の2日間において1バレル当たり合計で2.53ドル上昇、11月8日の原油価格の終値は96.80ドルとなった。11月9日には、この日イタリアの10年物国債の利回りが持続的な財政運営が不可能な水準であるとされる7%を超過したことで、欧州一部諸国の債務問題が深刻化するとの懸念が市場で増大したことに加え、ギリシャにおける暫定政権樹立のための与野党協議が難航していることにより同国の債務問題に対する不安感が市場で高まったことから、この日の原油価格の終値は1バレル当たり95.74ドルと前日終値比で1.06ドル下落したものの、11月10日には、この日ギリシャ大統領府から、元欧州中央銀行(ECB)副総裁であるパパデモス(Papademos)氏が連立政権の首相に就任する旨発表された他、イタリアでは同日元欧州委員のモンティ(Monti)を首相に指名すべく協議が行われGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 16 ? トいる旨明らかになったうえ、同じく同日実施されたイタリア国債入札が市場の事前予想よりは順調であったことで、両国の債務問題に対する市場の不安感が後退したことに加え、同じく同日米国労働省から発表された同国新規失業保険申請件数(11月5日の週分)が39万件と2011年4月1日の週以来の低水準となった他市場の事前予想(40万件)を下回ったことで、同国経済に関する楽観的な見方が増大したこと、また、翌11日には、この日イタリア上院が緊縮財政法案を可決したことで同国で新政権への移行が進みつつあるうえ、同日ギリシャでパパデモス新政権が発足したことを市場が好感したことに加え、同じく同日発表された11月のミシガン大学消費者信頼感指数(1966年=100、速報値)が64.2と2011年6月以来の高水準となった他、市場の事前予想(61.5)を上回ったことで、原油価格は11月10~11日合計で1バレル当たり3.25ドル上昇し、11月11日に98.99ドルの終値でこの週の取引を終了した。 11月14日には、この日実施されたイタリアの5年物国債の入札で利回りが6.29%と1997年6月以来の最高水準に到達したことで、欧州一部諸国の債務問題に対する市場の懸念が再燃したことに加え、米国でのガソリン需要が低迷する反面今後秋場の製油所メンテナンス終了に伴いガソリンの生産が増加することで、当該製品需給がさらに緩和するとの観測が市場で発生したことから、ガソリン先物価格が下落したことにより、この日の原油価格は前週末終値比で1バレル当たり0.85ドル下落し終値は98.14ドルとなったが、11月15日には、この日米国商務省から発表された10月の同国小売売上高が前月比0.5%の増加と市場の事前予想(0.3%増加)を上回ったうえ、同じく同日発表された10月のニューヨーク地区景気指数がプラス0.6と5月以来のプラスとなった他市場の事前予想(マイナス2.0~2.1)を上回ったこと、また、翌16日には、この日加パイプライン会社EnbridgeがSeaway Pipeline(現在ヒューストンからクッシングへと原油を輸送)につきConocoPhillipsの保有する権益(50%)を買収するとともに、共同事業者であるEnterpise Product Partnersとともに原油輸送方向について2012年第二四半期を目途に逆転させる(当初能力日量15万バレル、輸送施設増強後2013年の早い時期には日量40万バレルを目指す)旨発表したことで、この先クッシングでの原油の需給が引き締まる他、ブレントのWTIに対するプレミアムが縮小するとの観測が市場で発生したことにより、原油価格はこの2日間(11月15~16日)で14日の終値比で併せて1バレル当たり4.45ドル上昇、11月16日の終値は102.59ドルと終値ベースでは7月26日以来の100ドル突破、そして、6月9日(この日の終値は103.85ドル)以来の高値となった。ただ、11月17日には、この日欧州債券市場で10年物の仏国債利回りが10年物独国債の利回りを2.00%上回りユーロ導入後の最高水準に達した他、同日実施されたスペインでの10年物国債入札が目標上限に達せず利回りも6.975%と7%に迫る水準にまで上昇したことで、欧州債務問題に対する市場の懸念が再燃したことに加え、これまでの原油価格上昇に対する利益確定が発生したこと、また11月18日にも、前日の利益確定の流れが引き継がれたことにより、原油価格は11月17日に1バレル当たり3.77ドル、また18日にGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 17 ? .41ドル、それぞれ下落し、11月18日の原油価格の終値は97.41ドルと再び終値ベースでは100ドルを割り込んでいる(なお、NYMEXの12月渡しWTI原油先物契約取引はこの日を以て終了したが、2012年1月渡し契約のこの日の終値は1バレル当たり97.67ドルと前日終値比で1.26ドル下落している)。 . 今後の見通し等 欧州一部諸国における債務問題に対する当該地域諸国の動きは10月26日開催のEU首脳会議を以て基本的には一段落した格好となった。そして、その後は、債務問題解決への動きについては、 4個々の諸国の事情、特にギリシャとイタリアにおける政権交代が中心となっていった。ただ、各国の新政権への交代は債務問題に対して抜本的に解決策を提示するというわけでもなく、他方、イタリアやスペインにおいては国債利回りが上昇傾向にあるなど今後の展望も不透明である他、この先これらの国々は緊縮財政策を着実に実施していかなければならない、ということで、将来的には経済成長を抑制する、といった意味では、本来石油需要と原油相場を大きく上昇させる、といった要因になるものではない。しかしながら、原油価格はこのような要因に大きく反応、継続的な上昇が発生する状況となっており、ここに市場の強気心理の強まりを感じとることができる。また、イランの情勢に対しては、従来から西側諸国の制裁は徐々に厳しくなってきていたにもかかわらず、近年は原油相場への織り込まれ方が弱かった状況にあったが、11月初旬になって原油市場がイラン情勢に注目するようになった。このような事象でも、市場の強気心理が強まっている状況を読み取ることができる。このように市場の強気心理が強まってきていることから、短期的には、例えばイタリアやギリシャでの新政権の前向きの動きや、欧州各国や域内金融当局による発言等によって、市場の強気心理が強まり、相場を押し上げる、といった場面が発生することが考えられる。また、イランのウラン濃縮問題を巡る西側諸国との対立状況によっても、原油相場が変動する可能性もあろう(但し、欧州債務問題は依然根本的な解決からほど遠い状況であり、今後も例えば国債利回り急上昇等で救済を求める国が出てくるようだと、市場の強気心理が急激に反転し、原油価格を下落させるといった、いわゆる下振れリスクが存在している点には留意しておくべきであろう)。 他方、さらに原油価格に上方圧力を加える要因も存在する。まず米国の経済指標類が挙げられる。最近では市場の事前予想を上回る良好な経済指標類の発表が続いているが、今後も発表される経済指標類の中に、市場の事前予想を上回る良好な経済指標類が含まれていれば、特に欧州債務問題の影響が相対的に小さいWTIに対して特に上方圧力を加えることになろう。また、万一この先米国において市場の事前予想を下回る経済指標類が出てきても、インフレが沈静化する方向であることを物価指数が示唆していることから、例えば、12月13日開催予定の米国連邦公開市場委員会(FOMC)において追加金融緩和策を決定するか検討する、といった期待感が市場で高まる結果、原油相場に上方圧力を加えてくGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 18 ? 驍アとも想定される。また、その他に原油価格に上方圧力を加える要因となりうるのが、冬場の暖房シーズンに伴う暖房油需要期の到来の一方で、留出油在庫が低下(11月11日の週も留出油は前週比で214万バレル減少しており、その前の週ほどではないにせよ引き続き減少)していることであろう。米国では秋場の穀物収穫シーズンは終わりに近づいているものの、米国経済が多少好転していること、中西部での非在来型石油資源開発事業向けの軽油需要が発生していること、欧州や中南米向けに軽油輸出が堅調であるとされることから、軽油・暖房油に関しては、冬場を前にして依然市場に需給逼迫懸念が発生しやすい状況になっており、現在は米国では比較的温暖であると伝えられるものの、この先気温が低下するようだと、需給逼迫懸念がさらに増大するとともに、暖房油先物価格、ひいては原油先物相場の上昇を引き起こすことになろう。その意味では、特に米国北東部における気温の予報や気温の状況は要注意であろう。 さらに、11月後半から12月には米国メキシコ湾岸の主要製油所に通じるヒューストン運河(Houston Ship Channel)等において濃霧の影響で原油運搬タンカーの航行にしばしば支障が生じることにより当該製油所での原油在庫の積み上げが鈍化することがありうる他、年末の課税対策から精製業者等が原油在庫等を減少させる(米国の一部の州等では年末の石油在庫評価額に対して固定資産税等が課税されることから、原油価格等が上昇してしまうと課税額が増加することになり、その結果精製業者等は必要以上の在庫を保有することを敬遠するとされる)可能性がある(但し1月以降は製油所等での原油受入が再開されることから在庫が増加する光景がしばしば見られる)。このようなことから、年末にかけて発表される米国石油統計では原油在庫等が大きく減少する傾向を示す場面が発生することが考えられ、これが市場で石油需給の引き締まりの兆候と受け取られ、原油価格に上方圧力が加えられる、といったことも想定される。 石油輸出国機構(OPEC)は、12月14日にオーストリアのウィーンで通常総会を開催する予定である。既にリビアが当初の市場の予想を上回る勢いで原油生産を回復しつつある(例えばIEAは当初2011年末までに日量40万バレルの原油生産を見込んでいたが、同国では10月時点で既に日量35万バレルの原油生産を行うとともに、11月13日にはリビア国営石油会社(NOC)のNouri Berouin総裁が同国の原油生産量が日量60万バレルに達した旨明らかにしている)。ただ、多部族国家といわれるリビアで中央政府の体制が機能するかどうか、また治安が維持されるかどうか、といった点には依然不透明性が伴っていることもあるなど、リビアの原油生産の将来展望には不安定な部分も存在することから、次回のOPEC総会では、リビアの原油生産回復に対応した生産方針をはっきりとは打ち出さず、その代わり「世界石油需要を満たすべくOPEC産油国は原油を供給していく」といった類のメッセージを送ることになるのではないかと考えられる。そして、リビアからの原油の生産状況をにらみつつ、湾岸OPEC産油国などGlobal Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 19 ? ェ実際の原油供給を調整していくことになるものと思われる。既にサウジアラビアはリビアの内戦終了後原油の供給を減少させてきているが、このようなOPEC産油国の姿勢が現われ始めているとも考えることもできる(図25参照)。 米国国務省は11月10日にこれまで提案されていたKeystone XLパイプラインについて、代替経路に関し、より詳細の検討が必要であり、その検討の終了は2013年の早い時期となるであろう旨発表した。これにより、当初2011年末にその可否が決定され2013年には操業を開始される予定であった当該パイプラインの完成延期は決定的となり、それに伴いクッシングからヒューストンへと原油を輸送するパイプライン(Keystone XLパイプラインの一部)の完成も遅延することになったことから、クッシングでの原油在庫が高水準となる、もしくはなるとの観測が市場で発生しやすくなることにより、WTIがブレントに対して価格面で大きく割引される状況はさらに長期化する可能性が高まった。しかしながら、その半面で、依然不安定な状況であるものの、英領北海Forties油田に原油を供給するBuzzard油田の生産は回復に向かいつつあるとされる他、リビアでの原油生産も当初予想よりは順調に増加しつつあること、冬場の暖房シーズンを控えクッシングでの原油在庫は低下傾向にあること(米国中西部では石油製品を製造する原料である原油はWTIに準じて低廉な水準に抑制されていた一方で石油製品価格自体は全国的に大差ない状況であったことから、精製活動とそれに伴う原油の引き取りが活発化した結果クッシングに原油が流入しにくくなったものと考えられる)に加え、11月16日にはSeawayパイプラインの原油輸送方向を逆転させる旨の発表があった(前述)ことから、クッシングでの原油需給がさらに引き締まるのではないか、という観測が市場で発生したこともあり、10月14日には終値ベースで1バレル当たり27.88ドルにまで拡大Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 20 ? オたブレントとWTIの価格差は、11月16日以降9~10ドル程度の水準にまで縮小してきている。今後、Seawayパイプラインの原油輸送方向が実際に逆転すれば、クッシングからの原油の流出が容易になることから、そのような市場の将来観測も反映し、ブレントとWTIの価格差がさらに縮小していく可能性はあるが、当該パイプラインの原油輸送能力は2012年第二四半期に日量15万バレルの予定であり、日量40万バレルに達するのは2013年に入ってからになることを考慮すれば、ブレントとWTIの価格差がなお一層大きく縮小するまでにはなお時間を要することも考えられる。また、既に2010年1~4月にサウジアラビア、クウェート、イラクが米国向けの自国産原油価格を算定するための基準原油からWTIを外しているが、2011年10月20日にはコロンビア産のVasconia原油及びCastilla原油(いずれも重質高硫黄原油とされる)について原油価格設定の基準となる原油をWTIからブレントへと変更したことが明らかになっており、また翌21日にはブラジル国営石油会社ペトロブラスから同国産原油の米国向け価格をやはりWTIからブレントへと変更する旨発表があった。このように、WTIは世界の原油価格の基準油種としての性格を失いつつある(現在WTI価格を基準としているのはカナダ、ベネズエラ等である)。ただ、今後ブレントとWTIの価格差縮小に伴い、このような動きが逆転し、再びWTIが基準油種の座をブレントから奪い返すといった展開になるかというと、それには、ブレントとWTIの価格差が縮小し、最終的に以前のように逆転してWTIの価格がブレントの価格を超過する状態になることに加え、その状態が安定すること、さらには、そのうえで、ブレント価格の基準油種としての適用に大きな不具合が発生する、といった条件が揃わないと、費用と労力をかけてまでWTIを基準油種として戻すだけのインセンティブが産油国側には働きにくいと見られることから、WTIの世界指標原油としての地位の回復にはなお長い道のりを要することになると考えられよう。 Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 ? 21 ?
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2011/11/21 野神 隆之
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